「礼節」の意味と使い方を徹底レクチャー!類語や英語表現などもチェック!

「礼節」の意味と使い方を徹底レクチャー!類語や英語表現などもチェック!

「礼節」は「礼儀」と「節度」を併せ持った言葉であり、節度ある礼儀作法を意味します。日本人が理想とする所作を表す言葉ですが「礼儀」と混同している人も少なくありません。そこで、「礼節」の意味と使い方を徹底的に解説するほか、類語や英語表現なども紹介します。

記事の目次

  1. 1.礼節の意味とは?
  2. 2.礼節の類語
  3. 3.礼節の使い方・例文
  4. 4.礼節と礼儀の違い
  5. 5.礼節を使う際の注意点
  6. 6.礼節の英語表記
  7. 7.礼節は「節度をもった礼儀作法」という意味

礼節の意味とは?

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礼節とは「礼儀」と「節度」を意味する言葉です。日本人が古くから大切にしてきた礼儀と節度ある行動・心の持ち方を表しています。しかし、最近ではあまり使われることが少なく、とりわけ若い人には馴染みの少ない言葉だといえるでしょう。

また「礼節」に似た言葉に「礼儀」があり、こちらの言葉の方が頻繁に使われるため、混同している人が多いのが実態です。ただし、ビジネスシーンでは社会人としての行動・心持ちを戒める際に「礼節」が用いられることが少なくありません。

したがって「礼節」の意味を正しく理解して、適切な場面で用いることが社会人としてのマナーだといえるでしょう。そこで「礼節」の意味や使い方、例文、英語表記などをついて解説します。

礼節の類語

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「礼節」の意味を正しく理解するには、対義語や類語から学ぶのも有効な方法です。対義語や類語を理解することで、単に意味の違いだけでなく「礼節」のもつ言葉のニュアンスまで明確にすることができるでしょう。ただし「礼節」に反対を意味する適切な言葉はありませんので注意が必要です。

とりわけ類語については、本来「礼節」を使うべきところ、誤った使い方をしていることも少なくありません。つまり言葉の使い方を正す意味でも、また言葉のボキャブラリーを増やす意味でも有効です。そこで「礼節」の類語を紹介します。

礼式

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「礼式」とは「れいしき」と読みます。礼儀を行うための決まった作法のことを意味し「礼節」の類語です。「礼節」が礼儀を実践する際の「節度」を表すのに対して「礼式」は「礼儀」を行うための「作法」を意味する点が「礼節」との違いだといえるでしょう。

「礼式」の使い方としては「西洋文化の礼式を学びましょう」「結婚式の礼式を確認しておいてください」といった例文になります。この例文からも「礼儀」が節度かる行動や心持ちを表すのに対して、「礼節」は単に礼儀作法を表していることがよくわかるでしょう。

折り屈み

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「折り屈み」とは「おりかがみ」と読みます。本来は文字どおり「腰や膝を折り屈む」といった意味です。しかし長い年月の間に「立ち振る舞い」「行儀作法」を表す使い方が成されるようになりました。「立ち振る舞い」という点では「礼節」の類語だといえます。

しかし、礼節には「節度」を表す意味が強く「折り屈み」との違いだといえるでしょう。「折り屈み」の使い方としては「折り屈みの素晴らしいマネージャーですね」「折り屈みの美しさが日本人の特徴だね」といった例文になります。

この例文からも「折り屈み」は礼儀正しい「立ち振る舞い」を表しているものの、「礼節」特有の意味である「節度ある心持ち・行動」の意味は含まれていません。したがって「礼節」とはしっかりと区別した使い方をしましょう。

行儀

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「行儀」は「ぎょうぎ」と読みます。人間関係において正しく好ましい立ち振る舞いを意味し「礼節」の類語です。「礼節」が節度ある立ち振る舞いを表すのに対して「行儀」は「好ましい立ち振る舞い」を意味する点が「礼節」との違いだといえるでしょう。

「行儀」の使い方としては「あの人は行儀の良い人だ」「子供の行儀が悪いのは親の教育に責任がある」といった例文になります。この例文からも「礼節」には行動に節度を求めているのに対し、「行儀」は好ましい行動を求めていることがわかるでしょう。

礼節の使い方・例文

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「礼節」には単に礼儀を重んじるのではなく、節度を持った行動や心のこもった行動を促す意味があります。したがって、形式的な礼儀とは一線を画す意味でもちいられることをしっかりと理解した使い方が求められます。

とりわけ「礼儀」は同じ「礼」の漢字を使っており、日常生活では「礼節」よりも頻繁に使われることから、間違った使い方がなされることも少なくありません。

「礼節」を正しく使うには数多くの例文に触れて、様々な使い方に慣れるしかないといえるでしょう。そこで、「礼節」の代表的な使い方を用いた例文を紹介します。

例文①

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「礼節」はビジネスシーンで使われることが多い言葉です。とりわけ自社社員に対して、そしきじんたる自覚や節度ある行動を促す際によく使われます。

例えば「社員のみなさんには礼節を重んじた行動に心がけてもらいたい。」「礼節を大切にすることこそ、我が社の社訓でもあるといえる。」などは社員訓示などでよく用いられる例文です。

つまり、理想の社員像を表す際に「礼節」はとても的確かつ適切な言葉であるといえます。言い換えれば、日本人は組織の属する人々に求めるのが特徴だといえるでしょう。

例文②

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日本人は古くから「礼節」を重んじてきた歴史があります。何事も過ぎることなく節度を持って対応することこそ美学だと教育されてきたともいえるでしょう。しかし時代とともに「礼節」が忘れ去られようとしているのも事実です。

「最近の若者は礼節が微塵も感じられない。」「日本の一部の政治家を見ていると礼節の欠片すら感じられず、嘆かわしい限りである。」などは日本の現状を表す際に使われる例文です。

つまり、日本人の美学は「礼節を重んじること」であり、出しゃばり過ぎないことを念頭に行動してきたといえるでしょう。しかし、時代の移り変わりとともに「礼節」が失われているのも事実です。

例文➂

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「礼節」の反対を意味する的確な対義語はありません。そこで「礼節」とは反対の意味を表す際には「礼節を欠く」といったセンテンスを使います。

使い方としては「私は礼節を欠いた人物とは距離を置くようにしている。」「礼節を欠いた人と付き合うのは疲れてしまう。」といった例文になります。

例文のとおり「礼節を欠く」とは、節度のない礼儀を欠いた行動を意味するセンテンスです。決して肯定的に使われるセンテンスではありませんから、相手に直接伝えるのは避けた方が無難だといえるでしょう。

例文④

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「礼節」の使い方として故事成語に用いられることも少なくありません。代表的なものの中に「衣食足りて礼節を知る」といった中国の書物の「菅子」に由来するものがあります。「衣食足りて礼節を知る」とは、衣食住が充実しているからこそ、礼節をわきまえた言動をすることができるといった意味です。

使い方としては「衣食足りて礼節を知るといわれるように、まずは生活をキチンとしなさい。」「衣食足りて礼節を知るを教訓に社員の福利厚生を充実させよう。」いった例文になります。

例文のとおり「衣食足りて礼節を知る」とは、生活に必要な環境を整えることの重要性を説いた故事成語です。言い換えれば、衣食住といった生活環境が整えられていなければ礼儀をわきまえた行動はできないことになります。故事成語を用いる場合は、正確に意味を理解した上で用いましょう。

礼節と礼儀の違い

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「礼節」は「礼儀」と「節度」を併せもった意味であり、節度ある行動や心持ちを表す言葉です。しかし、日常生活で使われることが少なくなっており、「礼儀」と混同している人も少なくありません。「礼節」と「礼儀」は別の意味をもった言葉です。

まずは、このことをしっかりと理解しておきましょう。日常生活では使われることが少なくなったとはいえ、ビジネスシーンでは「礼節」は頻繁に使われています。そこで「礼節」と「礼儀」の意味の違いについて解説します。

礼儀は作法という意味

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「礼儀」とは、人間関係において社会の秩序を維持するために、守るべき「生活様式」や「行動様式」を意味する言葉です。英語に置き換えると「courtesy」「manners」といった単語になります。つまり円滑な人間関係を構築するには必要不可欠な「作法」こそ「礼儀」の意味だといえるでしょう。

これに対して「礼節」は節度をもった作法を意味します。したがって、単に「礼儀」を表すのではなく心のこもった「礼儀」でなければ意味を成さないとしているのが大きな違いです。もちろん「礼儀」は「礼節」の類語であり、前項までに紹介した類語よりも近い意味をもった言葉だといえます。

礼儀の使い方・例文

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「礼儀」は日常生活、ビジネスシーンを問わず、様々な場面で使われる言葉です。また「礼儀」だけでなく、英語から派生した「ルール」「エチケット」「マナー」といった言葉に置き換えられることも少なくありません。

使い方としては「いくら友達だからといって挨拶しないのはよくないよ。親しき中にも礼儀ありと言うだろ。」「礼儀を重んじる人は礼節ある行動ができる人だ。」といった例文になります。

「親しき中にも礼儀あり」は例え親しくとも礼儀は尽くすべきだといった意味で使われるセンテンスです。頻繁に使われるセンテンスなので覚えておきましょう。また例文からも「礼儀」は単に作法を表すのに対し、「礼節」は節度ある作法を表すのがわかります。

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礼節を使う際の注意点

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「礼節」は日本人が理想とする作法の在り方や美学を表した言葉だといえます。したがって、とても格式高い言葉として用いられることも少なくありません。しかし、どんな相手・場面でも使える言葉ではありません。

とりわけ、日本では上下関係を尊重し、批判的な発言をする際には慎重に言葉を選びます。言い換えれば、これらの注意点を踏まえて言葉を使わなければ、大きな失敗につながりかねません。そこで「礼節」を使う際の注意点を紹介します。

目上の人には使えない

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「礼節」は使い方によっては「上から目線」となることが少なくありません。例えば「礼節をわきまえている」は相手を称えるセンテンスですが、直接目上の人に伝えると上から目線に感じられます。

つまり目上の人に対して「礼節をわきまえた対応をしていただきありがとうございます。」と伝えるのはNGです。目上の人からすれば「あなたに評価されることではない。当たり前のことだ。」となってしまいます。

正しくは「心のこもったご対応をいただきありがとうございます。」です。もちろん、第三者に対して「あの人は礼節をわきまえた人だ」と伝えるのは正しい使い方になります。

「礼節をわきまえない」は直接伝えない

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「礼節」には「礼節をわきまえない」といったネガティブな表現があります。特にビジネスシーンでは後輩や部下の行動や心持ちを評価する際に使われることが少なくありません。いくら教育・指導の一環とはいえ、直接「あなたは礼節をわきまえない人だ。」といった使い方はNGです。

「礼節」は非常に格式の高い言葉であることから、「礼節をわきまえない」とすると強い否定を表す言葉になります。相手を傷つけないためにも例文のような使い方は避けるべきです。「もう少し丁寧な言葉を使いなさい。」など具体的かつ柔らかい表現とするのがベターだといえるでしょう。

礼節の英語表記

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「礼節」は日本に古くから伝わる言葉であり、日本人の理想とする行動様式を表しています。したがって「礼節」を的確に表す英語の単語はありません。しかし、英語で「礼節」を表現することは可能です。

とりわけビジネスシーンでは海外の人に日本を紹介する際、「礼節」を的確に英語で表現する場面も想定されます。そこで「礼節」の英語表現について解説します。

礼節の英語表現には「manner」を用いましょう

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「礼節」を表す単語には「manner」「courtesy」「propriety」「politeness」などがあげられますが、最も近い意味で用いられるのは「manner」です。「manner」はカタカナで「マナー」としても使われているので、日本でも馴染みの深い言葉だといえるでしょう。

例えば「彼は礼節のある人だ」を英語で表現すると「He has great manner.」です。また「礼節をわきまえることは大切だ」は「It is important to know the manner.」といった具合です。

「礼節」の故事成語である「衣食足りて礼節を知る」を英語で表現すると「the poor can't afford manners; only when basic needs for living are met can people spare the effort to be polite」となります。

礼儀正しいは「courtesy」を用いましょう

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「courtesy」も「礼節」を英語で表す単語の一つです。その意味は「礼儀正しい」「丁寧な所作」を表します。使い方としては、礼儀正しい対応や所作の重要性を説く際に「courtesy」は用いられます。

例えば日本でもよく使われる「親しき仲でも礼節を忘れずに」は「Courtesy should be exercised even though they are intimate friends.」といった具合です。「manner」も「courtesy」も「礼節」を意味する英語であり、表現する内容によって使い分けが大切です。

礼節は「節度をもった礼儀作法」という意味

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「礼節」を分解すると「礼儀」と「節度」となることから「節度をもった礼儀作法を実践すること」が「礼節」の意味となります。したがって「礼儀」は類語とはなりますが、同じ意味を持つ言葉ではないことをしっかりと理解しておきましょう。

「礼節」は「衣食足りて礼節を知る」といった使い方が成されるように、古くから日本人が理想としてきた心持ちや行動であることから非常に格式高い言葉です。したがって、目上の人に直接伝えると大変失礼にあたります、また、「礼節をわきまえない」といったネガティブな表現を直接伝えることもNGです。

「礼節」は日常生活では使われる頻度が少なくなった言葉ですが、日本特有の表現であり素晴らしい意味を持っています。しっかりと意味を理解して正しく使いましょう。

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ライター

nuutarow

「人にやさしく」「前向きに生きる」を信条に笑顔で日々を過ごしているフリーライター、ビジネスブロガーのnuutarowです。得意分野はビジネス、ライフスタイル、恋愛、エンタメなど、これまで多くの人々と接してきた経験を活かして執筆しています。趣味は音楽制作、ランニング、読書です。みなさんの心に残る記事をお届けします。

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