リカバーの意味とは?
「リカバー」とは、主に回復する・取り戻すという意味を持つカタカナ用語です。英語の「recover」が元となっており、ビジネス用語としてもよく使用されています。
詳細にすると、元からあったものが減ったりなくなってしまった状態から元の状態に戻る、というのがリカバーの意味合いです。
なのでビジネスの場面では、正常な状態に戻る・再生する・形勢逆転するなどの意味でも使われていました。また、リカバーは広い意味で人間関係を修復するといった使い方もあります。
リカバーの類語
リカバーの類語は、回復する・元に戻るなどが挙げられます。ビジネスシーンでは、復帰する・復旧するといった類語の使い方がよく見られました。
また「回復する」という体調面の類語に関連して、休息する・体を休める・休憩する・静養する・養生するといった類語もあります。
さらに「元に戻る」の類語に関連して、挽回する・埋め戻すといった名誉挽回を意味する類語もありました。
リカバーの使い方・例文
リカバーの使い方は、多くの場合「リカバーする」という風に表現されます。ビジネスシーンではコンピューターシステムやデータが故障した際の状況回復や、風邪で休みを取った際の体力回復など、回復の意味ひとつでも広範囲に使われていました。
さらに英語で「revovering」と表記される「リカバーリング」は、英語の使い方と同じく現在進行形の意味になります。あまり多用される言葉ではありませんが、リカバーと上手く使い分けるとかっこいいでしょう。
ここではリカバーを使ったビジネスシーンでの使い方を、例文にして4つご紹介します。普段のご自身の場面と照らし合わせながら、ぜひ参考にしてみてください。
例文①
まずひとつめの例文は「パソコンがフリーズしてしまったので、リカバーするまでタブレットを使います」となります。
この場合のリカバーは、代表的な意味の「回復する」や、類語の「復旧する」という意味合いも含んだ使い方です。パソコンをはじめ、ビジネスシーンで使用する機器の調子が悪い時に多用されています。
具体的な捉え方は2種類あり、パソコン自動で復旧するのか、または業者に頼んで修理してもらうのかに分かれます。リカバーは両方の意味で使えるので便利な反面、報告時にはもう一言説明が必要な場合があるので注意しましょう。
例文②
ふたつめの例文は「具合が悪いならしっかり休んでリカバーしましょう」という気遣いを見せる一言になります。
この場合のリカバーは、体調を元に戻す・回復するという意味です。職場で具合の悪そうな人がいたら声をかけてあげましょう。本人からは体調不良を申告しにくい時、ちょっとしたこの一押しで相手は救われるうえに、職場の雰囲気も良くなります。
他にも、休憩する・静養するといった意味合いで使われることがあるため、相手を思いやるフレーズとして覚えておくと、ビジネス上での人間関係がスムーズになるでしょう。
例文③
3つめの例文は「今回の損失をどのようにリカバーするかが重要です」というビジネスシーンらしい内容になります。
この場合のリカバーは、減った状態から元に戻すという意味です。日本語でいうと少し煩わしくなるため、リカバーを使用することでスムーズに伝えられます。報告時や会議など、要点を絞って話したいときにおすすめです。
また「元に戻す」に関連して、「遅れを取り戻す」という意味合いでも使用できます。「システムエラーによる遅れは約5日でリカバーできる見込みです」といった使い方です。
例文④
最後の例文は「会議ではいろいろ言われたみたいだけど、気分はリカバーできた?」という気さくな会話での一言です。
この場合のリカバーは、気持ちの回復を意味した使い方です。同僚や部下が仕事で落ち込んでいるときなどに使用してあげましょう。あえてリカバーを使うことで、あまり深刻になりすぎずフラットに伝えることができます。
また、関係を修復するという意味合いで「その後取引先とは無事リカバーした?」などの使い方もありました。回復という意味には、他にもシステム的な一面や体力的なものなど様々な捉え方ができるため、ビジネスシーンではよく多用されているのです。
リカバーとリカバリーの違い
リカバーとリカバリーは非常によく似ていますが、英語的には動詞と名詞の違いがあります。リカバーが動詞で、リカバリーが名詞です。そのため英語の文章ではリカバーとリカバリーははっきり区別されています。
しかし日本で広く使われているカタカナ用語のリカバーとリカバリーに関しては、実際明確には区別されていないのが現状です。なので「リカバリーする」といった使い方もよく耳にします。
ビジネスシーンなどで活用するときは動詞と名詞にこだわるのではなく、両方の意味で捉えるようにした方がいいでしょう。ただし自分で意味を理解して使い分けると、英語力があるというアピールになります。
リカバリーは回復という意味
リカバーが「回復する」という意味である一方、リカバリーは「回復」という名詞的な意味になります。またリカバーでは元に戻すといった意味もあることに関連して、リカバリーは回収という意味もありました。
なので厳密にいうと、リカバリーするという使い方は正式ではありません。主な使い方としては、リカバリー方法・リカバリー可能などがあります。
とはいえリカバリーも、リカバーと同じく日本で独自に変化したカタカナ用語なので、リカバリーすると使用しても間違いとまではいえません。文面にする際はリカバリーの方がよくなることもあるので、バランスよく使い分けてみましょう。
リカバーを使う際の注意点
ビジネスシーンをはじめ日常生活で使用することの多いリカバーですが、使う際には注意しなければならない点があります。大事な場面で恥ずかしい思いをしないよう、正しい使い方を覚えておきましょう。
実は、リカバーとリカバリーは日本国内でほぼ同じ意味合いで使用されているものの、リカバリーの使い方をリカバーで代用することはありません。リカバーは元々「○○する」という動詞なので、名詞のリカバリーとはやはり違うのです。
名詞的な意味では使えない
リカバリーをリカバーと同じ意味で使うことは可能ですが、逆にリカバーをリカバリーと同じように使うことはできません。例えば、パソコンなど機器の修理で初期化することをリカバリーといいますが、これは用語なのでリカバーでは代用できないのです。
さらに具体的に挙げると、遅れを取り戻すという意味合いで「今回の遅れは1週間程度でリカバリー可能だ」という例文は、「リカバー可能だ」とはならず、「リカバーできる」というような使い方になります。
リカバーの由来・歴史
リカバーが日本の日常生活でよく使われるカタカナ用語のひとつとなったのには、英語が由来しています。しかし英語の歴史を遡ると、原点はラテン語に辿り着くのです。ここではリカバーがどのように変化していったのか、詳しくご紹介します。
実際使用するのには必要ではない知識ですが、変化の過程を追うことでより深く意味を理解することができるでしょう。原点のラテン語から回復する・取り戻すという意味が定着するまでの過程をまとめました。
由来
リカバーの由来はラテン語の「L.capere」が原点とされています。意味は「再び掴む」です。ちなみにcapereだけだと、「掴み取る」という意味になります。英語にすると「catch」や「grasp」が該当していました。
英語の「recover」は、ラテン語のcapereに英語のreを組み合わせたものです。reにはラテン語のLの部分と同じく、再びといった意味や後ろという訳し方があります。そのため最初のrecoverは、主に掴み直すという意味で使われていました。
歴史
最初はラテン語と同じ意味で使われていたリカバーですが、その後「取り戻して回復する」という意味に変化していきました。現在は元々の意味で使われることはほとんどなく、回復する・取り戻すという意味が一般的です。
そして日本でカタカナ用語に使われるようになったリカバーは、「減ったり失われた状態から元に戻す」という意味合いに変化しました。さらにリカバリーとの区別が曖昧になり、リカバーする・リカバリーするが併用されています。
リカバーの英語表記
リカバーは英語で「recover」と表記します。ちなみにリカバリーは「recovery」です。またrecoverの類義語として、同じ回復でも健康や病気の意味合いに限定した「recuperate」があります。
ちなみにリカバーを英文に使う時は、現在進行形の「recovering」や過去形の「recovered」に変化していることが多いです。例文にすると「He is recovered from a cold(彼は風邪から回復した)」となります。
リカバーの漢字
リカバーは英語から用いたカタカナ用語なので、漢字は存在しません。同じ意味で漢字を使うとしたら、回復する・取り戻すという表現方法になります。他に、復帰する・復旧する・再生するなどの類語を使用しても同じような意味合いにできるでしょう。
リカバーは回復するという意味
リカバーは回復する・取り戻すという意味になります。ただし回復にも体調面や精神面、さらにシステムなどの復旧など様々な意味を含んでいるため、幅広い使い方ができる用語です。
また由来を知っておくことで、より理解が深まりリカバーを上手に使いこなせます。日常生活ではもちろん、ビジネスシーンでも覚えておくと会話や文章作成時に便利なので、ぜひ使ってみてください。