シビアの意味とは
シビアとはよく耳にする言葉ではないでしょうか。よく耳にするのですがその正しい意味や使い方はどのようなものなのでしょうか、「シビアな友達」、「シビアな状況」、「シビアな体調」、「シビアな顔」、「シビアな生活」、「シビアな会社」、「シビアな料理」等々。中には本来の意味とは違って使用されているものもあります。
言葉というものは変化していくといいます。「ら抜き言葉」という言葉を聞いたことはありませんか。あなたは「映画館では映画が見れる」という言葉に違和感を感じますか。正しい日本語では「映画館では映画が見られる」といいます。若い世代では前者が普通で後者が間違っていると感じる方が多いようです。
両者の違いは「見れる」か「見「ら」れる」のように「ら」があるか、「ら」がないかの違いです、前者のように「ら」が抜かれている間違った使い方を「ら抜き言葉」と言います。
わかって使っているのと、わからずに使っているのではなく、本来の正しい使い方や意味をを理解したうえで状況で使い分けることはあってもよいと思います。まずはその基本をとなる正しい使い方や意味を理解していきましょう。
意味①厳しい
シビアにはいくつか意味がありますが、その語源は「深刻な」を意味するラテン語です。まず、正しい理解として覚えておくべき一つ目の意味は「厳しい」という意味を覚えておいてください。辞書などでは厳しいとは、厳格で、なさけ容赦がない様子とされています。
大変な苦難や超えるべき高い課題や目標といった、自身にとって大きな難関であり試練となるものがイメージできます。
意味②過酷な
シビアについて覚えておくべき二つ目の意味は「過酷な」です。過酷とは辞書などでは、厳しすぎる様子、ひどすぎる様子とされています。自身の周囲の自然環境であったり、巻き込まれた出来事など自分自身を取り巻く外界の環境について、それがとてもひどく苦しいものであるというイメージがあります。
意味③容赦ない
シビアについて覚えておくべき二つ目の意味は「容赦ない」です。容赦とは辞書などでは、ゆるすこと、大目に見ること、手加減すること、控え目にすること、となっています。そのような容赦というものがないことが「容赦ない」ですから容赦の真反対の意味になります。とてもつらくて苦しい様子で考えただけでも恐ろしくなるようなイメージがあります。
シビアの類語とは
こちらではシビアという言葉について、同じような意味をしめす類語についてまとめました。野生生物の個体のように一見すると同じに見えますが、現実に言葉が違うのでシビアとこれらの類語の言葉はその意味はよく似ているのですがシビアとはその意味が少し異なるものです。
①厳格
シビアの類語の一つ目は厳格です。辞書などでは規律や道徳にきびしく、不正や怠慢を許さないこととされています。シビアの意味で「厳しい」がありましたが、厳格でも「厳」という同じ文字が使われていますので、ほぼ同じ意味をあらわす類語になりますが、厳格というと何か指導や監督をするような立場にあるものからの圧力をイメージさせます。
②痛烈
シビアの類語の二つ目は痛烈です。辞書などでは、働きかけなどが非常に激しいこと、手厳しいこととされています。シビアの意味で言うと三つ目の「容赦がない」と結びつく類語です。手加減もなくズバリ切り込んでくる厳しい意見といったようなとてもきついイメージを与えます。
シビアな人の特徴とは
こちらではこれまでと少し視点を変えてシビアという言葉ではなく、シビアな人の印象や性格といった人物像についてまとめました。シビアな人というとシビアの意味の一つ目にしめした厳しいから導き出される厳しい人や性格というイメージです。
シビアな人を厳しい人と定義して、その反対が優しい人や優しい性格とするとより顕著になりますが、一般的にはマイナスイメージの強い感じがある言葉です。
客観的に広い視野で物事を見る性格
厳しいということは悪い面ばかりではありません、ともすれば人は感情に流されて判断を誤ることは少なくありません、その判断が優しい人の優しさから出たものであっても、結果的にある人を甘やかすことになり結果が望ましいものでなくなった場合があったとします。
一方で、厳しい人は厳しいがゆえに一時的な状況に流されることなく、客観的で長期的な視野に立って物事を正しく判断できることも可能な性格です。先の例でいえば、ある人がシビアな人から厳しく対応され最初は困惑をしたが、自身の成長につながったことで最終的に感謝をされるようなことがあります。
一般的に冷たいマイナスイメージが先行するシビアという言葉ですが、短所の反対は常に長所でもあります。落ち着きがないというとマイナスイメージですが行動的というとプラスイメージです。仕事が遅いというとマイナスイメージですが、仕事が丁寧と考えればとプラスイメージです。
シビアにも同じことが当てはまります。物事は様々な考慮すべき点があり単純には判断できませんのでビジネスのようなお金がかかわることや対人関係に関することでは長期的な客観的に判断ができるシビアな性格であることは決してマイナスではありません。
シビアの使い方とは
こちらではシビアという言葉の代表的な使い方をまとめています。ここまではシビアの意味や類語も含めたシビアから導かれる人物像といった発展的な内容についてもまとめてきましたので、こちらではさらにシビアという言葉が実際に使われる様子がわかる状況の使い方を見ていきます。
①お金に対して
「彼はお金にシビアな人だ」、お金に対して厳しいということですから、無駄遣いをしないという堅実な人物評ですが、一方でちょっとケチなところがあるというニュアンスで使われることもあります。そこから発展して「お金にシビアな人は節約上手だと」、「お金にシビアな人はは長期的に将来を見越している」というような使い方もあります。
お金にシビアというと性格の一側面としてとらえられることもよくあります、性格としては物質的な現実的な部分を重視する性格であることを評してお金にシビアというような使い方がされる場合です。
②ビジネスシーン
シビアという言葉は厳しいという意味に代表されるとおり、お金がかかわってくるなど現実的な判断が求められるビジネスシーンでは頻繁に使用されます。
「シビアな結果が求められる」、といえば営業目標のように現状維持ではなく、成長のためにその本来の能力より少し高い目標を定めるようなある意味では過酷な目標と言えるような意味で使用されます。
シビアの間違った使い方とは
ここまでシビアについて正しい意味や使い方などを見てきましたが、こちらでは冒頭でも紹介したことと関連しますがシビアについての間違った使い方についてまとめてみます。明らかな間違いではないのですが、ら抜き言葉のように世代ごとで、シビア意味とはなんですかと質問されても答え方は少し違っています。
誤用を知っておこう
冒頭でもふれたように言葉の意味は長い年月をかけて変化していくことがあります。たとえば2倍という言葉がありますが、 1倍というのが今でいう2倍にのことでした。確かにその名残はあります、彼は私の倍の年齢だ、といえばその意味を理解できると思います、彼は私の「1」倍の年齢だという表記ですが2倍のことなのだと解釈されていますね。
ここではシビアについて本来の意味からすこし外れた使い方がされている例を見ておきます。よくあるのがら抜き言葉のように、比較的若い世代ではシビアを気まずい雰囲気や日常の嫌な状況といった悪い状況全般を表す言葉として使用されています。
例えば冒頭紹介したような「シビアな料理」といったものです、厳しい料理と読み替えると意味不明ですが、おいしくなかったというようなニュアンスで若い世代は使っているので意味は理解されます、年配の世代でも言わんとすることを理解できるでしょうが、シビアの本来の意味とは少し違っています。
シビアは一般的に厳しいという意味で使われる
いろいろとシビアという言葉について意味、使い方、類語などを見てきましたが、こちらでは補足事項も含めてまとめをしておきます。シビアは英語でsevereとつづります、意味として「厳しい」、「容赦のない」、以外に「厳格な」、「質素な」といった意味もあります。実際には、お金にシビアだ、シビアな性格だといったような使い方がされます。
シビアについて考える
シビアという言葉は「厳しい」に代表される意味からマイナスなイメージが先行します。しかし、まとめの中でも指摘したように、現実を直視して広い視野を持って物事を見て判断をするために必要な適性と考えたときには、むしろすべての人が備えたいと考える資質ではないでしょうか。
世の中は思いどおりにならないことが多いです、例えば明日の天気のような自分が思いどおりにならないことに心をすり減らすより、仮に雨が降った時に何をするかを考えたいものです。客観的な視点を持つ人は自分の天気を持っており、雨が降っても晴れやかで実際の天気には左右されません。
シビアに現実を見ることなく、物事から逃げてしまい淡い期待や妄想の世界に迷い込むのではなく、シビアな現実にもしっかりと向き合って、その中でも自分ができることを模索していくような考え方ができればれば、少しずつではありますがなにかが変化していきます、それを積み重ねていけばきっと人は幸せになれます。