「稚拙」の意味とは
「稚拙」の読み方は「ちせつ」と読みます。「稚拙」という言葉は、一般の大人であれば日常会話の中でしばしば「幼稚で未熟」という表現をする際に用いられる言葉と言っていいでしょう。しかし、稚拙という言葉には「幼稚で未熟」という表現の他にもいろいろな意味があります。
幼稚で未熟なこと
先述の通り「稚拙」という言葉は一般的には「未熟で幼稚なさま」を表現する際によく使われる言葉です。使い方としては「稚拙な考え方」や「稚拙な行動」また、文章の中での使い方として「大学の授業でこんなにも稚拙な実験をさせられるとは思いもしなかった」のような使い方ができます。
このように稚拙という言葉は、あくまでネガティブな表現であり、物事や事柄が想像以上にレベルが低かったりした場合に、少し皮肉を含んだような表現方法と言えます。
技術や作品が子どもっぽく下手なこと
稚拙にはもう一つ「技術や作品が子どもっぽく下手なこと」という意味があります。これは言い換えると何かの技術が「子供のように下手である」とも言えます。例文として挙げられるのは「君の先日のプレゼンテーションは非常に稚拙なもので、残念だったよ。」のような例文が考えられます。
稚拙という言葉を使って、何かが「下手である」という場合、普通に「下手である」という表現よりも更にレベルの低いという、やはり皮肉を含んだ表現だと言えるでしょう。
「稚拙」の漢字の意味とは
「稚拙」という言葉は、ご覧になって分かるように「稚」という漢字と、「拙」という二つの漢字から成り立っています。それでは「稚」という漢字と、「拙」という漢字にはそれぞれどのような意味があるのでしょうか?ここではそれぞれの意味や由来について詳して説明していきます。
「稚」の意味
「稚」という漢字には「幼稚」などといった言葉から連想されるように「幼い」や「若い」という意味があります。また「稚」という漢字は「稲の先が茎の先端に垂れかかる様子」を表した象形文字と、「尾の短いずんぐりした小鳥の様子」を表した象形文字の組み合わせが組み合わさって完成した漢字だという由来があります。
「拙」の意味
稚拙の「拙」という漢字は二つの意味があり一つは「つたない」や「上手でなく下手な様子」を意味しており、もう一つに意味は、一人称の人代名詞で、男性が自分自身のことを「へりくだって」表すという意味があります。昔は男性がどうしようもない遊びなどで時間やお金を浪費した時など、「せつは今日もよく遊んだ」などという使い方をしていました。
「拙」という漢字の成り立ちは、「手の指」を表した象形文字と、「その手が窪みに上手く収まらない様子」を表した象形文字が組み合わさり作られた漢字だという由来があります。
つまり「稚拙」という言葉は「幼い・若い」という意味の「稚」という漢字と「つたない」「下手である様子」という意味の漢字を組み合わせた言葉ということになります。
「稚拙」の類義語とは
次に、稚拙の類義語を紹介します。稚拙の類義語はいろいろありますが、全て若干ニュアンスが違う為、稚拙と全く同じ意味をもつ同義語は存在しません。稚拙の類義語として「未熟」、「幼稚」、「取るに足らない」また「荒削りな」などの言葉があり、一つずつ例文も織り交ぜながら説明します。
また、「稚拙」という言葉は文法上名詞ですが、「稚拙な」という言葉は形容詞になります。ここでは「稚拙」の類義語として、基本的には名詞としての類義語がメインですが、形容詞としての類義語や、慣用句で稚拙の類義語に近いものも紹介します。
「未熟」の意味
「未熟」という言葉は「稚拙」の類義語と言えます。「未熟」という言葉には二つの意味があり、一つは「果物などが、まだ完全に熟していない様子」と、もう一つの意味は「技術や教養などがまだ一人前とは言えず、熟練していないこと」という意味があります。「稚拙」の類義語として意味が近いのは二つ目の「技術が熟練していない様子」です。
「未熟」という言葉は日常会話で頻繁に使われる言葉であり、例として「彼の板前としての技術はまだまだ未熟だ。」または「彼女には向上心が全く無いが故に、いつまでも未熟者のままだ。」のような使い方が考えられます。
「幼稚」の意味
「幼稚」という言葉も「稚拙」の類義語だと言えるでしょう。「幼稚」は単純に名詞としての意味で「幼い子供」を指しますが、形容詞として「物事への取り組み方や接し方が、大人らしく成長していない様子」という意味があります。例として「彼の幼稚な態度には辟易する。」または「彼女はいつまで経っても幼稚な側面がある。」のように使います。
「取るに足らない」の意味
「取るに足らない」という表現も「稚拙」の類義語と言えます。正確に言うと、「取るに足らない」とは慣用句の一つです。因みに慣用句とは「二つ以上の言葉が合わさって特別な意味を成し、そしてそれが使い慣れて習慣のようになっている言葉」です。「取るに足らない」という慣用句も「取る」と「足らない」という言葉が合わさって別の意味になっています。
「取るに足らない」とは「取り挙げるだけの値打ちがない」という意味です。単純に言い換えるとしたら「話題にする価値がない」とも表現できます。使い方としては「今仕事がとても忙しいので、取るに足らない話は避けてもらってもいいですか?」あるいは「そんな取るに足らないようなことで悩む必要はありませんよ。」のように使います。
「荒削り」の意味
「稚拙」の類義語として「荒削り」という言葉も考えられます。「荒削り」は「粗削り」とも書き、読み方は「あらけずり」です。意味は三通りあります。一つは「木などを大雑把に削ること」、そしてもう一つが「細部まで注意が十分に行き届いていない様子」で、最後に「十分に洗練されていない様子」という意味があります。
この中で「稚拙」のニュアンスに近いものは、「細部まで注意が十分に行き届いていない様子」と「十分に洗練されていない様子」だと言えるでしょう。例文として「彼の野球の才能は十分だが、まだまだ選手としては荒削りの部分が多い。」または「彼女は小説家を目指しているが、あの荒削りな文章を直さないと難しいだろう。」のようなものがあります。
「拙い」の意味
「稚拙」の言葉の一部になっている「拙」の意味は先述で説明しましたが、「拙」の形容詞で「拙い」という言葉があります。この「拙い」という表現も「稚拙」の類義語と考えて良いでしょう。「拙い」の読み方は「つたない」、若しくはあまり知られてはいませんが「まずい」とも読みます。
「拙い」を「まずい」と読む場合、「下手である様子」を意味します。食べ物のが美味しい、不味いの「まずい」とは意味が全く異なるので注意しましょう。一般的によく使われるのは「つたない」の方になります。「拙い」とは「巧みではない様子や、劣っている様子」を表す際に用いられる言葉です。
また使う状況として「他人に自慢したり、披露できる程上手ではない」場合、よく「拙い」という言葉で、その状況に見合っていないことを表現します。「拙い」という言葉は、ビジネスシーンで謙遜の意味を込めて使われることが多いと言えるでしょう。また、ビジネスメールでもよく使われます。
ビジネスシーンで用いられる場合、例として、プレゼンテーションの最後に「拙い説明ではございましたが、最後までご清聴いただき、ありがとうございました。」のように使ったり、また上司や目上の人に謙遜の意味を込めて「私の拙い意見ではございますが、もしご参考になれば幸いです。」のような使い方ができます。
また、ビジネスメールでは、文章の最後の締めくくりの部分で「長文の上、拙い文章ではございますが、最後までお読みいただき誠にありがとうございます。」のように使われるケースもあります。注意するべき点は、あくまで「拙い」とは、目上の人や普段お世話になっている人や企業に対して使う言葉であり、部下や後輩に使う言葉ではないという点です。
「稚拙」のその他の類義語
「稚拙」のその他の類義語として考えられるのは、「大人げない」や「子供染みた」または「青臭い」のような言葉が考えられます。「大人げない」とは「大人としての思慮分別がなく、大人らしくない様子」を意味します。使い方としては「いい年して子供相手にそんな大人げないことをするべきではない。」のような使い方ができます。
「子供染みた」も「大人げない」と似たような意味で使われることがあります。「子供染みた」とは「子供のような行為・思考をする様」を指し、「そんな子供染みた嘘は、すぐに見破られられてしまう」のように使います。「青臭い」とは「未熟で、洗練されていない」という意味です。
使い方としては「東京で10年以上クリエイティブな仕事をしているのに、君の意見はいつも青臭いね」のような使い方をします。
このように、「稚拙」の類語はいろいろあり、その意味やニュアンスも似ているのものの、微妙に違います。ただ、基本的に特に専門的で難しいものはなく、日常生活で一般的によく使わている言葉が多いと言えるでしょう。従って、よく使われる言葉だからこそ、その本当の意味や使い方をきちんと把握していることが重要だと言えるでしょう。
「稚拙」の反対語とは
次に「稚拙」という言葉の反対語にあたるものを紹介していきます。稚拙の類義語もいろいろな言葉がありましたが、同様に反対語もいろいろな言葉が考えられます。ここでは「稚拙」の反対語として挙げられる、「洗練」「熟練」「巧み」「成熟」の四つの言葉を、例文を使いながら説明していきます。
補足として、これら四つの言葉は全て文法上では名詞として扱われますが、文章を組み立てる場合、基本的に「洗練された」や「巧みな」のように、形容詞に変化させて文章に取り入れるケースが殆どです。
「洗練」の意味
「稚拙」の反対語として挙げられる「洗練」という言葉の意味を一言で表現するのは難しく、ニュアンスとしては「物事の余計なものが除かれて、良い部分が磨かれて上手く表現されている様」のような感じのニュアンスになります。「垢ぬけた」という表現がありますが、「垢ぬけた状態から更にもうひとステップ上の段階に達した」ようなニュアンスです。
後述しますが、「洗練された」を英語にすると「sophisticated」という英語になり、これは英語圏で、人格が優れていて、尚且つ賢こく、上品な人を褒める際に、非常によく使われます。特に女性に対して使われることが多く、外見だけではなく内面も非常に優れているような人を「a sophisticated lady」(洗練された女性)のように表現します。
日本語でも、外見・内面が共に優れている人を「洗練された人」と表現することがあります。また、「洗練されたデザイン」というような使い方をよくしますが、この場合「余計なものが除かれて、シンプルで上品なデザイン」のような捉え方が一般的と言えるでしょう。
「熟練」の意味
「熟練」という言葉も「稚拙」の反対語として考えられます。「熟練」とは「物事に対して十分に経験を積んで、高度な技能と経験を持っていること」を指します。ここで言う「物事」とは特に仕事に結ぶつくことがほとんどです。使い方として「彼の大工としての腕は、相当熟練されている。」のような使い方をします。
「巧み」の意味
「巧み」という言葉も「稚拙」の反対語と言えるでしょう。「巧み」には「何かしらの計画をくわだてる・図る」という意味の他に、「物事を手際よく、上手くに成し遂げる様」という意味もあります。「巧み」を使った例文として「彼女はプレゼンテーションをする際に巧みな身振りや話し方をして、皆の同意を得ることに長けている。」などの例文があります。
「成熟」の意味
その他の言葉で稚拙の対義語として上がられるのは「成熟」という言葉です。「成熟」とは、意味として果物などが成長した様子を表現するのに使われることが一般的ですが、「人間の心や体が十分に成長してること」という意味もあります。また人間だけでなく「もの」が成長している様子も同時に意味します。
使い方として「彼はとても成熟した社員になった。」あるいは「日本という国は非常に成熟した法治国家である。」のような使い方ができます。勿論、果物が成熟した場合も「この桃は十分に成熟しているので、今が食べ頃だ。」のような使い方もできます。
「稚拙」の使い方とは
前述した通り、「稚拙」には様々な類義語があり、中には「稚拙」と表現するよりも簡単な類義語がありますが、敢えて「稚拙」という言葉を使うケースとは、どのようなケースが考えられるのでしょう?ここでは、実際に「稚拙」という言葉はどのような場面で、どのように使うのが正しいのかを説明していきます。
例文:下手なことを批評する
先述に「稚拙」とは「何らかの事柄が想像以上にレベルが低いと感じた時に使われる表現方法」として説明しましたが、やはり「何らかの事柄が下手であることを批評する」際に、事前に想像していたレベルより低いということを強調し、皮肉を込めた表現にする為に敢えて稚拙という言葉が使われるケースが考えられます。
例文として考えられるのは「せっかくこのミュージカルを楽しみにしていたのに、演技や歌が稚拙でがっかりした。」または「この作者が書く小説はいつも面白いのに、今回に限っては物語の設定が稚拙で失望した。」のような例文が考えられます。
例文:大人気ない行動
また、「稚拙」が使われるケースとして、本来は立派であるべき大人が、子供がするような無責任で大人げない行動をした際に使われるケースがあります。使い方として「あんなに尊敬していた教授が、余りにも無計画、且つ稚拙な投資をした結果大金を失ってしまった。」のような使い方をします。
また、別の例文として「この工事現場で起きた今回の大事故は、計画性のない突貫工事という稚拙な決定をした、現場監督の責任である。」のような例文が考えられます。
例文:謙遜する表現
また「稚拙」という言葉は自分をへりくだって、謙遜する際の表現としても使われます。この場合「稚拙ながら○○しています」あるいは、「稚拙ながら○○します」のように「恥ずかしながら」や「お粗末ながら」と同じ意味合いで使われます。使い方として「稚拙ながらこの年になって、定期的にジムに通うようにしています。」のような使い方があります。
これは、自分の能力に見合っていないことや、自分のしていることを見立たせ過ぎないことを強調して謙遜するという意味が含まれています。
例文:あまりにひどいこと
ある事柄や、物事の現象があまりにも酷く、自分の想像していたレベルを遥かに下回っている際にも「稚拙」という言葉を使うことで、その酷さを表現するケースもしばしばあります。例として「あの政治家はもともとあまり信用していなかったが、今回の汚職はあまりに稚拙なもので、即辞任するべきだ。」と言った使い方ができます。
また、自分の想像していたレベルを遥かに下回っている際にも「彼は英語が苦手だとは聞いていたが、ここまで稚拙だとは想像もしていなかった。」のような使い方もできます。
「稚拙美」とは褒め言葉として使われる
稚拙という言葉を使った表現方法で「稚拙美」という言葉があります。「稚拙美」とは「幼稚で拙さがあるが、素朴さや純粋さが感じられ美しい様子」を表現する際にしばしば用いられる言葉です。また「稚拙美」とは、女性や芸術品のみに対して使われる言葉なので、使い方には注意しましょう。
「稚拙美」の言葉の由来は、ギリシャの歴史における、紀元前8世紀頃の「アルカイック期」という時代に作られた「アルカイック彫刻の持つ美しさ」を表現する為にできた言葉だという由来があります。この時代のギリシャ彫刻は派手なものがあまり好まれず、「素朴で素材の面影そのまま用いた純粋な美」が好まれていたことが理由だと言われています。
芸術・女性に対して用いられる
「稚拙美」の使い方として、主に女性に対しては、派手に着飾られておらず、その女性が持つ本来の純粋な美しさを表現する際に使われます。芸術に関しては、特に素朴な古代美術品の美しさを表現する際に使われます。例文として「あの素朴で古風な雰囲気の女性からは、稚拙美が感じられる。」のような例文が考えられます。
また芸術品に対しては、「この下手に飾らず、素朴で素材の良さが際立つ彫刻品は、正に稚拙美という言葉がぴったりだ。」のような使い方ができます。
「稚拙」の英語表現とは
稚拙を英語に訳すとどのような英語が意味として最も近いニュアンスにあてはまるのでしょうか?稚拙には、他にも「未熟」や「幼稚」という意味があると先述しましたが、これらの言葉にも当てはまる英語と、それらの英語の使い方を例文を織り交ぜながら説明していきます。
「poor」
稚拙という意味で最もよく使われる英語は「poor」になります。「poor」という英語は「貧しい」という意味だと捉われがちですが、その他にも「乏しい」や「不器用」または「哀れな」といった意味でも良く使われる英語です。例えばよく「Poor kids」と言いますが、これは「貧しい子供達」というより「哀れな子供達」の方が正しい表現です。
「poor」を使った単純な英語の例文として「His ideas are always very poor」(彼のアイデアはいつも非常に乏しい)のような例文が考えられます。
また、少し応用を効かせ、難しい例文を作るとしたら「The reputation of the noverl was very good, however actually the contens was awfully poor.」(この小説の下馬評は非常に良かったが、実際の内容は悲惨なほど稚拙なものだった)のような例文が考えられます。
「immature」
その他に稚拙を英語で表現するとしたら「immature」という英語が良く使われます。「immature」という英語はもともと「mature」という「成熟した」という意味を持つ英語の対義語です。従って「immature」という英語は、稚拙の他に、幼稚、未成熟なまたは、未完成な、という意味があります。
「immature」という英語は文法上、形容詞としての使います。従って、例文として「This country is still too immature to be a legal states」(この国は法治国家になるにはまだまだ未熟である)または「Why do you always behave immaturely?」(なぜ君はいつもそんなだらしない行動ばかりするんだ?)のような使い方をします。
「unskillful」
また「unskillful」という英語も稚拙という意味があります。もともとの語源は「skill」です。そして「skill」の形容詞が「skillful」であり、その否定形が「unskillful」となります。「unskillful」を使った例文として「I'm sorry for my unskillful French」(稚拙なフランス語で申し訳ありません)のような例文が考えられます。
「unsophisticated」
最後にもう一つ、稚拙の意味に近い英語表現として「unsophisticated」という英語を紹介します。「sophisticated」という英語は「洗練された」という形容詞で、日常会話でも頻繁に使われます。「unsophisticated」は「sophisticated」の否定形なので「洗練されていない」という意味ですが、「世間知らず」や「青臭い」という意味もあります。
使い方としては単純に「I think he is quite unsophisticated person.」(彼は本当に世間知らずだと思う。)または「Unsophisticated people won't be able to be accepted by the hight classed company.」(しっかりと洗練されていない人たちはこのレベルの高い会社には受け入れられないだろう。)のような使い方ができます。
これらのように、英語でも稚拙という言葉の意味を、色々な言い方で表現することができます。前述で日本語の稚拙に関しての類義語をいろいろ説明しましたが、これらの英語も全てニュアンスが非常にいているので英語での類義語と言えるでしょう。
「稚拙」の英語表現におけるポイント
英語での表現方法に関しては、少し慣れる必要がありますが、基本的なルールとして、今回紹介した「poor」、「immature」、「unskillful」また「sophisticated」は、ほとんどのケースに於いて形容詞として使われることが多いので、不安な人は英語の文法上の形容詞の使い方のルールを勉強すると、かなり英語の使い方の幅が広がると言えるでしょう。
文法的には基本的に、形容詞+名詞の形がほとんどです。従って「乏しいスキル」という日本語は「poor」という形容詞と「skill」という名詞の組み合わせですので、単純に「poor skill」で「乏しいスキル」という意味になります。
「稚拙」を使う上での注意点と大切なことは?
「稚拙」という言葉を使う上で必ず注意しなければならないのは、稚拙という言葉は、自分が想像していた以上に物事のレベルが低かった場合に、皮肉の意味を込めて使うケースが多いので、稚拙を含め「幼稚」や「未熟」といった言葉は全てネガティブな意味を持っているということを、十分に認識することだと言えるでしょう。
そのような「稚拙」という言葉の性質上、間違っても目上の人や上司などに使ってはいけません。例えば「○○部長の考え方は意外と稚拙なんですね。」のような表現は例え冗談だとしても、相手を非常に不愉快な思いにさせてしまう可能性が高いので、注意しましょう。
「稚拙」という表現を使う場合、仲の良い友達の間でのやり取りや、家族間などで第三者や、第三者の作品、発言、行動などを批判する場合に限りますので、覚えておきましょう。
また「稚拙」という言葉を使うにあたり、大切なことは、「稚拙」という言葉の類義語が色々と存在する上で「幼稚」や「未熟」または「大人げない」といった言葉よりも「稚拙」という表現の方が的確で、伝わりやすい状況を如何に上手く判断する能力だと言えるでしょう。
どんなに難しくて語彙力の高い言葉や表現方法でも、使い方を間違ってしまうと、自分の思惑とは裏腹に、ただの「滑稽な人」と捉われてしまうので、意味や由来を思えるのも大切ですが、「どのような場面で使うのか」ということも非常に重要だということを忘れてはなりません。
「稚拙」とは幼稚で未熟なさまを表す意味
ここまで「稚拙」という言葉に関し色々と説明しましたが、如何でしたでしょうか?「稚拙」という言葉は基本的には「幼稚で未熟な様子を表す意味」ですが、他にも謙遜の意味で使われるケースや、中には「稚拙美」といった称賛の意味で使われるケースもあることは、意外と一般的には知られていないと言えるでしょう。
その為、このような特殊な表現方法を覚えることにより、語彙力を高めることは自分自身の能力値を高めることにも繋がると言えるでしょう。