大団円の意味や語源とは?使い方や類語・対義語、英語表現もまとめてチェック!

大団円の意味や語源とは?使い方や類語・対義語、英語表現もまとめてチェック!

大団円は「だいだんえん」と読み、小説や芝居などの結末が円満に収まる様子を意味します。語源とともに意味を紹介し、使い方や類語・対義語、英語での表現まで、大団円に関することをまとめて解説しています。また時折見かける大円団という表現についても少し触れています。

記事の目次

  1. 1.大団円の意味
  2. 2.大団円の語源
  3. 3.大団円の類語
  4. 4.大団円の対義語
  5. 5.大団円の英語表現の使い方
  6. 6.大円団は大団円の誤用
  7. 7.大団円は円満に収まることを意味する

大団円の意味

大団円の意味
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大団円という言葉に対して、どういったイメージが思い浮かぶでしょうか。「すべてがうまくいくイメージ」「みんなが笑顔のイメージ」などプラスのイメージを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

なんとなくプラスのイメージはあるけれど、正確な意味や使い方がいまいちつかみにくいこの言葉。今回は大団円の意味や語源について掘り下げて紹介し、使い方や類語・対義語・英語での表現まで詳しく解説していきます。

物事の結末が円満に収まること

物事の結末が円満に収まること

大団円の意味は「物事の結末が円満に収まること」です。日常生活ではほとんど使われることがありませんが、小説や芝居、アニメなどの物語作品について語るときによく使われます。物語の途中まではいろいろな問題が起こるけれど、最後にはそれらが全て解決し、後腐れなくめでたく終わる場面を指して使われます。

使い方としては「その演劇は初めのうちはいろんな問題が起きてどうなることかと思ったが、最後には大団円を迎えてめでたく終わった」のように使います。

大団円の語源

大団円の語源
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大団円はもともと「団円」という言葉があって、それが強調されて後から「大」が付いてできた言葉です。では「団円」はどういう意味でしょうか。

日本ではほとんど使われませんが、中国ではよく使われる言葉です。春節前夜に家族が集まってする食事を「団円飯」と呼び、料理を囲んで新年を迎えます。また中秋節を「団円節」とも呼び、「団円」は離散した家族や夫婦が再会する場合にもよく使われます。

円満な様子から誕生

円満な様子から誕生
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「団」と「円」はどちらも丸いことを意味しています。丸い円は終わりがなく欠けることがないため、昔から円満でめでたい様子と結び付けられてきました。そのため中国では、めでたいときに丸い餅や団子をみんなで囲んで食べる習慣を「団円」と呼んでいました。

そんなことから、意味が転じて小説や芝居などの結末が円満に収まる様子を「団円」というようになりました。そこに「大団円」と「大」が付くことで盛り上がりのニュアンスを含んだ言葉になり、それが広まって一般的に使われるようになったのです。

大団円の類語

大団円の類語
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大団円の意味がわかったところで、続いて類語を紹介します。類語と比べることでより理解が深まるため確認していきましょう。

大団円の類語には「大切り」「大詰め」「終幕」「仕舞い」「フィナーレ」があります。それぞれの意味や使い方について例文を交えながら解説していきます。

①大切り

①大切り
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一つ目に紹介する大団円の類語は「大切り」です。読み方は「おおぎり」で、物事の最後や終わりを意味し、演劇などでの最後の一幕のことを指して使われます。例文を挙げると「今日の大切りは見ものだった」のように使います。

歌舞伎で一幕ごとの最後の場を切(きり)と呼ぶことが語源で、それが転じて一般に最後の演目を指して使われるようになりました。また「切る」では縁起が悪いということから「大喜利」と書かれることもあります。

大団円は円満に収まるという意味が強調されるのに対し、大切りは最後ということが強調される言葉です。

②大詰め

②大詰め
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次に紹介する大団円の類語は「大詰め」です。読み方は「おおづめ」で、物事の終局を意味し、演劇などでは最後の場面のことを指して使われます。例文を挙げると「タイトル戦もいよいよ大詰めを迎えた」のように使います。

江戸時代の歌舞伎は二部構成になっていて、一番目の最後を大詰(おおづめ)、二番目の最後を大切(おおぎり)とよ呼んで区別していたことが語源で、それが転じて一般に最後の局面を指して使われるようになりました。

大団円は円満に収まるという意味が強調されるのに対し、大詰めは終局に近づいていることが強調される言葉です。

③終幕

③終幕
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続いて紹介する大団円の類語は「終幕」です。読み方は「しゅうまく」で、物事の終わりの場面を意味し、演劇などでは最後の一幕や演劇全体が終わることを指して使われます。例文を挙げると「その事件は著者自身が犯人であったという意外な結末で終幕を迎えた」のように使います。

大団円は盛り上がりのニュアンスを含んでいるのに対し、終幕は単に物事の終わりを意味する言葉です。

④仕舞い

④仕舞い
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次に紹介する大団円の類語は「仕舞い」です。読み方は「しまい」で、物事の最後を意味しまず。例文を挙げると「本を仕舞いまで読む」のように使います。

能に仕舞という上演形態があり、それを語源とする説もあります。その昔能を演じ終わった演者が催しの終わりにアンコールとして舞ったものが「仕舞」と呼ばれ、それが転じて一般に物事の最後を指して使われるようになったという説です。

大団円は円満に収まってその状態で在り続けるというイメージがあるのに対し、仕舞いは終わった後に切り上げるイメージの言葉です。

⑤フィナーレ

⑤フィナーレ
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最後に紹介する大団円の類語は「フィナーレ」です。交響曲の最後の楽章や演劇などの最後の幕のことを指して使われます。例文を挙げると「今年の花火大会もいよいよフィナーレだ」のように使います。

フィナーレの語源はイタリア語の最後を意味する「finale」で、交響曲などの最後の楽章を指す音楽用語として広まり、転じて一般に演劇などの最後の幕のことを指して使われるようになりました。

大団円は物語が円満に収まることが強調される言葉ですが、フィナーレは音楽などの盛り上がりが強調される言葉です。

大団円の対義語

大団円の対義語

大団円と似た意味を持つ類語を五つ紹介しました。続いては大団円と反対の意味を持つ「対義語」を紹介していきます。

大団円の類語には「開幕」「旗揚げ」「プロローグ」「オープニング」があります。それぞれの対義語の意味や使い方について例文を交えながら解説していきます。

①開幕

①開幕
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一つ目に紹介する大団円の対義語は「開幕」です。読み方は「かいまく」で、物事が始まることを意味し、演劇などでは最初に舞台の幕が開いて芝居が始まることを指して使われます。例文を挙げると「去年見に行けなかった分待ちに待った今年の舞台がいよいよ開幕した」のように使います。

大団円は物事の最後を指して使う言葉ですが、開幕は物事が始まることに対して使う言葉です。

②旗揚げ

②旗揚げ

次に紹介する大団円の対義語は「旗揚げ」です。読み方は「はたあげ」で、組織などを新しく作ることを意味し、演劇などでは新しく一座を組むことを指して使われます。例文を挙げると「一座を旗揚げした」のように使います。

兵を集めて戦いを起こすことが語源で、それが転じて一般に組織などを新しく作ることを指して使われるようになりました。

大団円は物語の最後には初心なども満たされて終わることになる意味の言葉ですが、旗揚げは新たに志を持って物事を始めるときに使う言葉です。

③プロローグ

③プロローグ
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続いて紹介する大団円の対義語は「プロローグ」です。物語の導入部を意味し、演劇などでは本筋に先立つ序幕を指して使われます。例文を挙げると「プロローグですでに物語の謎を解くヒントが語られていたとは思いもよらなかった」のように使います。

古代ギリシャの劇でコロス(合唱や状況説明を担う役)の登場に先立つ部分を指した「プロロゴス(prologos)」という言葉が語源で、それが転じて一般に演劇などの序幕を指して使われるようになりました。

大団円は物語の最後にこれまでの問題が解決されて円満になる意味がありますが、プロローグは物語の始めに問題提起がされることがある部分です。

④オープニング

④オープニング
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最後に紹介する大団円の対義語は「オープニング」です。物事の始まりを意味し、テレビアニメなどでは本編が始まる前にはさまれる映像を指して使われます。例文を挙げると「この映画はオープニングが素晴らしい」のように使います。

大団円は物語の最後になって初めて知ることができる「オチ」の部分ですが、オープニングは物語の始めに触れる「ツカミ」の部分です。

大団円の英語表現の使い方

大団円の英語表現の使い方
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物事の結末について語ることは日本語だけでなく英語でも行われます。では、英語では「大団円」をどのように表現するのでしょうか。

物事や行動の終焉を表す意味を強調する表現と、丸く収まるというニュアンスの表現があるため、順に紹介していきます。

①◯◯は大団円を迎える

①◯◯は大団円を迎える

まずは物事や行動の終焉を表す英語表現で、「◯◯ reach its climax」です。「climax」は映画や演劇以外にも物事の終焉を指す単語として一般に使われています。

例文としては「The movie reaches its climax.」「映画が大団円を迎える。」が挙げられます。しかし、大団円は円満に収まる意味が含まれるのに対し「climax」は盛り上がることが強調される言葉です。

②丸く収まるニュアンス

②丸く収まるニュアンス
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では大団円と同じく丸く収まるニュアンスを含んだ英語表現にはどのようなものがあるでしょうか。

それには「work out」という英語表現があります。例文としては「Everything worked out in the end.」「最終的には全てが丸く収まりました。」が挙げられます。

大円団は大団円の誤用

大円団は大団円の誤用
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最後に、大団円に関してよくある間違いについて解説します。大団円(だいだんえん)は「だ」という音が繰り返されることからか、大円団(だいえんだん)と書き間違えたり読み間違えたりされることが多い言葉です。

インターネットではわざと大団円を「大円団」と書いて遊ぶ行為も見られるため、惑わされないように大団円は「だいだんえん」と読むことをあらためて確認しておきましょう。

大団円は円満に収まることを意味する

大団円は円満に収まることを意味する
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これまで大団円の意味や語源、使い方や類語・対義語、英語表現などについて見てきましたが、大団円について深く知ることができたでしょうか。大団円は意味がつかみにくい言葉であると同時に読み間違えしやすい言葉でもあるので、目上の方の前で間違えて恥ずかしい思いをしないように、きちんと確認しておきましょう。

イズハマ シゲト
ライター

イズハマ シゲト

大学の理系学部卒業後、製造業で働く。大学生の頃の一人暮らしや企業での経験を生かし、見やすくためになる記事をモットーに記事を書く。

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