「養生してください」の意味
「養生してください」という表現は、病気やケガをした人への「お見舞い」のときに使う表現です。目にしたり耳にした事はあるが意味や使い方などを理解していない、という人は多いです。お見舞い相手に失礼のないよう「養生してください」の正しい使い方を身に付けましょう。
「養生してください」という表現を使った例文も紹介するので、参考にしてください。それでは「養生してください」という表現の意味から紹介します。
意味①健康促進や健康の向上をはかること
「養生してください」という表現のひとつめの意味は「健康促進や健康の向上をはかること」です。「養生してください」の「養生」は「健康促進や健康の向上をはかること」という意味です。「養生してください」という表現は、相手により良い健康状態を目指して欲しいときや病気やケガなど体の不調が回復へ向かうよう願うときに使います。
意味②病気や体調不良の回復につとめること
「養生してください」という表現には「病気や体調不良の回復につとめること」という意味もあります。「養生してください」の「養生」は「病気や体調不良の回復につとめること」という意味です。「養生してください」という表現は、相手の病気やケガなど体の不調が早く治るよう、回復に専念して欲しいと願うときに使います。
「養生してください」の類語
「養生してください」という表現には、言い換えることができる類語があります。相手に合わせて、シーンに合わせて適した表現が使えるよう「養生してください」の類語も身に着けておくとべんりです。ここからは「養生してください」という表現の類語を紹介します。類語の敬語表現も紹介するので、参考にしてください。
お大事になさってください
「養生してください」という表現には「お大事になさってください」という類語があります。「お大事になさってください」の「大事」は「大切にする」という意味です。日頃からよく使われる表現で、病院などで「お大事に」という表現をよく耳にします。診察を終えたあとや会計のあとなど「お大事に」と声をかけられることが多いです。
「お大事に」という表現は相手に気を遣ってはいますが、ビジネスシーンの敬語表現としては不適切です。ビジネスシーンにおいて「お大事に」の正しい敬語表現は「する」の尊敬語「なさる」を付け加えた「お大事になさってください」です。上司や目上の人、その家族に対して使える表現です。
「お大事になさってください」という表現は、相手が病気やケガなど体の不調を自覚しているときに使いますが「養生してください」という表現は相手が自覚していないときにも使えます。「お大事になさってください」の例文を紹介します。「お大事になさってください。返信は不要です。」メールを送るときは、相手を気遣い返信不要といれるとよいでしょう。
「養生してください」という表現には「ご自愛ください」という類語もあります。「ご自愛ください」という類語は「お大事に」の敬語表現です。「お大事に」はメールや電話など幅広いシーンで使える類語表現です。相手との関係性により「お大事になさってください」という表現を敬語で使うのか判断しましょう。
無理はなさらないでください
「養生してください」という表現には「無理はなさらないでください」という類語があります。「無理はなさらないでください」の「無理」は「押し切って行動する」という意味で「無理しないでください」の敬語表現になります。こちらも日常会話などで良く使われる表現です。
ほかにも「ご無理なさらずに」「ご無理なさいませんように」など「無理」の前に「ご」を付け加えると、より丁寧な敬語表現になります。「養生してください」という表現と違うのは「無理はなさらないでください」という類語は、相手が病気やケガ、疲労など体の不調を自覚している以外に、体の不調はないが頑張りすぎて心配なときにも使えるという点です。
「養生してください」の使い方
「養生してください」という表現の意味は「健康促進や健康の向上をはかること」や「病気や体調不良の回復につとめること」です。「養生してください」という表現をこれらの意味合いで使う場合の方法を学びましょう。ここからは「養生してください」という表現の使い方を紹介します。
早く良くなってくださいという意味で使用
「養生してください」という表現は、病気やケガをしている相手に対して「早く良くなってください」という意味で使用します。入院している人のお見舞いや退院したばかりでまだ無理をしない方がよい人、体調がなかなか回復しない人などに「早く良くなってください」「体を大切にしてください」といったニュアンスで使います。
「養生してください」のビジネスでの使い方
ビジネスシーンや目上の人などと会話するときは、正しい敬語表現を使うことが大切です。ビジネスシーンでは、メールや電話で使うときもあります。「養生してください」の敬語表現の正しい使い方を覚え、相手に失礼がないように気持ちを伝えましょう。ここからは「養生してください」という表現のビジネスメールと電話での使い方を紹介します。
メール
ビジネスシーンでは、メールで連絡を取り合うことが多いです。相手の都合を気にせず連絡が取れるメールは、ビジネスシーンでは欠かせない方法です。ビジネスメールで「養生してください」という表現を使うシーンは、相手の体調についてメールで連絡を受けたときや、お見舞いメールをこちらから送るときなどが考えられます。
社内の人、社外の取引先の人、上司、部下、先輩など、相手との関係性により「養生してください」という表現を敬語で使うのか判断しましょう。ビジネスメールで「養生してください」という表現を使う場合は、文末に添えることが多いです。
電話
ビジネスシーンでは、電話で連絡を取り合うことも多いです。電話は、急いている場合やすぐに連絡を取りたいとき、誰かに伝えてほしいときなどに便利です。ビジネス電話で「養生してください」と使うシーンは、主に欠勤の連絡が多いです。体調不良などにより、欠勤の旨の連絡を本人の身内などから受けることもあります。
また、取引先の担当者から直接電話で体調について連絡を受けることも考えられます。「養生してください」という表現を取引先の担当者に使う場合は、必ず敬語に直しましょう。担当者の代理の方からの電話の場合も敬語で「養生してください」という表現を使い、気持ちを伝えてもらえるようお願いしましょう。
「養生してください」の例文
「養生してください」という表現は、さまざまなシーンで使うことができます。気持ちを伝える相手との関係性や伝えたい意味合いにより、敬語表現に置き換えたり副詞を付け加えるなど使い方は異なります。具体的なシーンごとの使い方が分かるよういくつか例文を用意しました。例文を参考に「養生してください」の正しい使い方を学び身に付けましょう。
ここからは「養生してください」という表現を使った例文を、シーンごとにいくつか紹介します。そのまま使える例文もあるので、チェックしてください。
静養や回復を願う
「養生してください」という表現を「静養や回復を願う」シーンでの例文を紹介します。手術を終え静養中の目上の人には「術後の痛みもだいぶ和らいだと伺っておりますが、完全に治るまではくれぐれもご養生ください。」と使うことができます。
自分の体調よりも仕事を優先させてしまう人、仕事が気になって早い復帰を考えている人などに使うことができます。「くれぐれも」と副詞をつけることで、回復に専念してしっかり静養して欲しいと念を押す表現になります。
そのほかの例文も紹介します。「ご復帰の日を心待ちにしておりますが、まずはご養生ください。」
早い退院を願う
「養生してください」という表現を「早い退院を願う」シーンでの例文を紹介します。早期の仕事復帰を願うときは「入院されたと聞き、皆心配しております。プロジェクトは順調に進行しておりますので、安心してください。ご無理なさらず今はしっかり養生なさってください。一日でも早い復帰をチーム皆でお祈り申し上げます。」と使うことができます。
上司が入院したことを知り、早く退院できるよう願うシーンで使うことができます。静養や回復を願うときと同じく「しっかり」を「くれぐれも」と言い換えることができます。早く退院できるように回復に専念して欲しいという気持ちを伝えることができます。
本人に伝えてほしいときの例文も見ていきましょう。「入院されたと聞きました。一日でも早く退院されることを願っております。どうぞ、養生なさるようお伝えください。」
そのほかの例文も紹介します。「入院されたと伺いました。年末の忙しい時期ではありますが、焦らずどうぞ養生なさってください。」「全快の日が早々に訪れますよう、心からお祈り申し上げます。どうぞご養生ください。」「ご入院されたと聞き、案じております。徹底した検査を受けられ、十分ご養生をなさってください。」
ゆっくり休んでもらうことを願う
「養生してください」という表現を「ゆっくり休んでもらうことを願う」シーンでの例文を紹介します。仕事のことは忘れて、ゆっくり体を休ませて欲しいときは「この機会にしっかりご養生に励まれ、一日も早く回復されますようお祈り申し上ます。」や「日頃の疲れがでたのでしょう。ゆっくりと養生なさってください。」と使うことができます。
そのほかの例文も紹介します。「お体の回復を優先して、どうか、無理をなさらず養生なさってください。」「しばらく仕事のことは忘れて、くれぐれもご養生に専心されてください。」「しばらく、ご自宅で療養されると伺っております。ゆっくりご養生なさってください。」
「この度は無事退院とのこと、誠におめでとうございます。無理をなさらず、しっかり養生なさってください。」
体調が悪い時に静養を促す
「養生してください」という表現を「体調が悪い時に静養を促す」シーンでの例文を紹介します。病気やケガなどではないけど、体調が本調子でないことが見て取れるときに声をかける場合は「最近体調がすぐれないようですが、無理をせず養生なさってください。」と使うことができます。
そのほかの例文も紹介します。「昨日倒れられたとお伺いしました。今は無理をなさらず、どうか養生なさってください。」「仕事のことは心配なさらず、どうか養生なさってください。」
「養生してください」の敬語表現
「養生してください」という表現は、「養生」+動詞「する」の連用形「し」+接続助詞「て」+「くれる」の丁寧語「くださる」から成り立っています。「してください」という表現は、相手に行動を促す命令文として使われる言い方です。人によっては命令されていると受け取ってしまうので、使い方には注意が必要です。
「ください」は敬語の種類のひとつである丁寧語ですが、尊敬語のように相手を立てる表現ではありません。このことから、目上の人に「養生してください」という表現を使うことは失礼にあたることがわかります。目上の人に対して失礼のないよう「養生してください」の敬語表現を覚えましょう。ここからは「養生してください」の敬語表現を紹介します。
「ご養生ください」と表現
「養生してください」を敬語で表現すると「ご養生ください」や「養生なさってください」となります。「養生してください」を敬語表現にするためには「してください」を置き換える必要があります。
まず「ご養生ください」について解説します。「してください」の「して」を使わず「名詞または動詞」+「ください」と表現することで敬語になります。尊敬語の接頭語「ご」+名詞「養生」+「ください」で「ご養生ください」という敬語表現になります。
つぎに「養生なさってください」について解説します。「なさって」は「なさる」の変形です。「なさる」は「する」の尊敬語です。「養生してください」の「して」は「する」の意味なので「してください」は「なさってください」という敬語表現に置き換えることが出来ます。「養生」+敬語表現「なさってください」で「養生なさってください」となります。
「養生してください」は静養や回復を願うこと
「養生してください」という表現は「お見舞い」に使う言葉と理解している人も多いです。「養生してください」という表現は「静養や回復を願う」ときに使います。病院へお見舞いに行ったとき、ビジネスメールを送るとき、電話で会話するときはもちろん、体調が悪い時に静養を促す意味で使うこともできます。
「養生してください」という表現は、さまざまなシーンで使う機会があります。「養生してください」という表現を使う相手に失礼のないよう、紹介した例文を参考に正しい使い方を身に付けましょう。また、紹介した類語の方が適している場合もあります。シーンに合わせて適切な表現を選びましょう。