アンフェアの意味とは?
ドラマや映画でお馴染みの言葉「アンフェア」には、”不公平、不当、不平等、片手落ち、汚らわしい”などの意味があります。
ドラマや映画の影響で日本語英語としての認知が広く、フェアではない、不当さや不平等、不公平を強く意識させる言葉として知られています。
しかし、日本で知られているアンフェアの意味と英語本来の意味や使い方には少し違いがあります。
アンフェアの対義語・類義語
ドラマや映画でお馴染みの「アンフェア」の意味が「不公平、不当、不平等、片手落ち、汚らわしい」などにあたりますが、これに似たような意味をもつ言葉や、そうでない言葉についてどのような違いがあるのかをまとめています。
まずは類語と対義語それぞれにどのような言葉があるのかについてご覧ください。そのうえでアンフェアの意味についてもう少し考察を深めていきましょう。
アンフェアの対義語
対義語とは、言葉がもつ意味に対してまったく正反対、もしくは限りなく反対の意味をもつ言葉の事です。そのため全く違った意味というよりは、意味を反転させた言葉が定義されます。
本来の反語に比べてどのような対義語としての役割や使い方、意味をもつのかについても見て参りましょう。
対義語「fair(フェア)」の意味
アンフェアの対義語の一つ「fair(フェア)」には、「公平」「公正」「相当」「ほどよい」「良心的」などの意味があります。「彼は常にフェアだ」というような使い方が一般的です。
対義語「impartial(インパーシャル)」の意味
アンフェアの対義語のひとつ、「impartial(インパーシャル)」には「公平」という意味があります。形容詞として用いられていて、アンフェアと違ってとても限定的な使われ方をします。
アンフェアの類語
一つの言葉に対して、比較的近しい意味を持つ言葉を「類語」と呼びます。必ずしも近い、同じ意味ではなく、文字のもつ方向性が似通った意味での「類語」となりますので、使い方などは言葉によって変わります。
ここでは、ドラマ・映画で馴染み深い言葉、「アンフェア」の類語について順番にまとめています。しっかりと確認し、間違えないように覚えておきましょう。
類語「アンフェアネス(unfairness)」の意味
アンフェアの類語「アンフェアネス(unfairness)」はアンフェアの名詞表記です。ですので意味もアンフェアと同じで、扱い方がアンフェアを名詞として使うときに変化させた形となります。
類語「injustice(インジャスティス)」の意味
アンフェアの類語のひとつ、「injustice(インジャスティス)」には、「不正・不公平・不当・不義・失当・曲事」などの意味があります。正しくない事を意味する名詞で、動作として使用することはできません。
アンフェアの使い方・例文
類語や対義語を見ることで、ドラマや映画で使われているアンフェアの意味についての外観を知ることができましたが、続いてはアンフェアそのものの使い方や例文についてをまとめています。
日本語英語らしい使い方や、ネイティブな英文による使い方の両方をご紹介しますので、必要に応じて参考にしましょう。
例文①
「Was he being unfair, taking the easy way out?(彼は不公平だったのか、安易な道を選んだのか?)」”ワズ ヒー ビーイング アンフェア、テイキング ザ イージー ウェイ アウト?”
英語による例文です。彼がはたしてずさんな選択をとったのか、はたまた不公平で不平等な選択をしたのかという問いかけの例文になります。
例文②
「It was unfair to string Josh along this way.(こんなやり方でジョシュを縛るのは不平等だった)」”イット ワズ アンフェア トゥ ストリング ジョシュ アロング ディス ウェイ”
他の参加者に比べて公平、平等ではないという英語の例文です。英語のニュアンスは前後の文脈から意味が変化します。より詳しくはこの文章が現れる前に、その意味が決している場合がほとんどです。
例文③
「少なくとも、彼の意見はアンフェアだ。他の参加者はきちんとルールを守っているし、そうすることでこのイベントは正しく運営されていると言えるのだから」
イベントの参加に関する公平さ、不公平さを表した日本語英語の例文です。名詞としての使い方ですので、この場合のアンフェアであれば正しくない、などの意味をそのままアンフェアと言い換えても差し支えありません。
例文④
「~(誰かの行動)はアンフェアだ」といった使い方の他に、「~(ルールなど)がアンフェアとしか思えない」といった基礎的なルールに対して異を唱える例文もあります。
また、他の言葉とつなぎ合わせて印象化させる使い方もあります。例えば「アンフェアマン(不実な男)」や「アンフェアトーナメント(不公平なトーナメント)」のように表現する使い方です。
言葉としてのアンフェアとドラマ「アンフェア」の違い
ドラマや映画で登場した「アンフェア」は、不正や不実、不公平や不本意といったあらゆる「アンフェア」なことをテーマ、モチーフにしたストーリー構成が特徴となっています。そうしたアンフェアをいかに克服していくのかが焦点といった意味で使われていました。
テーマとしての扱いなので、英語で表記され使われる際のアンフェアとはいささか立ち位置が違っており、日本語英語としての意味合いが強い事が伺えます。
ドラマのアンフェアはあらゆる不公平という意味
不正や不実などをストーリーの切り口に据えた展開で、見る側にストレスを与えることで解消されたときに得られるカタルシスが中毒性を高めていました。そんなストレスの象徴がドラマ「アンフェア」の本質的な意味であったと言えます。
アンフェアを使う際の注意点
「アンフェア(unfair)」を使うときにどのような場面で使うのが最適といえるのでしょうか。逆に言えば、使うべきではない場面はどのような状況なのでしょうか。
文面での表現であれば、アンフェアは比較的気軽に使用できます。「思えば、あのやり方はアンフェアだった」のように気兼ねなく表現でき、かつ読みやすくなるからです。直接的な表現としても優れています。
ポジティブ表現では使えない
「彼の方法はアンフェアで非常に優れている」といったように、誉め言葉として使用するのは間違いです。アンフェアそのものがネガティブな表現なので、ポジティブに表現するのであれば違う表現に言い換える必要があります。
例えば、「彼の方法は現時点ではもっとも最適だと言える」「彼の方法は、幸福を得られる人の割合が高くなる分優れている」というように、否定も肯定もしない言い方や、何が優れているのかについて言及する言い方が適切と言えます。
アンフェアの由来・歴史
言葉としての「アンフェア(unfair)」の歴史や由来については、14世紀に初めて文献に登場したことが分かっています。しかし、それ以外の由来や歴史は詳細が残っていません。ここではドラマや映画の「アンフェア」についての由来や歴史情報をまとめています。
由来
ドラマ・映画の「アンフェア」を生み出したのは映画監督であり小説家、脚本家の「秦建日子(はたたけひこ)」さんで、原作「刑事・雪平夏見シリーズ」がドラマ化されてお茶の間に届けられました。シリーズ中の一部が「アンフェア」として描かれています。
歴史
ドラマ「アンフェア」の初回放送は2006年1月10日の22:00から22:54の間にフジテレビにて放映されました。最初のシーズンは3月21日にて終わっています。その後、同年10月3日にスペシャルドラマが放映され、翌年2007年には一作目の映画が公開されています。
シリーズは2015年まで続いており、最新作は9月15日のスペシャルドラマが放映されていました。「刑事・雪平夏見シリーズ」はまだ完結していません。
アンフェアの英語表記
すでに日本語英語として定着しつつある「アンフェア」ですが、英語表記では「unfair」とされ、公平を意味する「fair」を打ち消す「un」が接頭詞として付けられることで成り立っている言葉です。
アンフェアの漢字
「アンフェア」を漢字にすると「不公平」「不平等」などで表されます。英語表記についても述べましたが、公平や平等という言葉に対して否定の接頭詞を付けています。どちらも同じような活用がなされている点が特徴です。
アンフェアは不公平という意味
アンフェアはとても不名誉な言葉です。誰かを糾弾したり、誰かから強く求められる形で追及されることが多いため、このような状況に陥ることはきわめて良くないと言えます。
人間社会で生きていく以上、フェアな立場からフェアな判断を求められ続けることは常にあり、そうした自己基準には余計なフィルターは必要ありません。知らず知らずのうちに、アンフェアな目線で周りを見ていないか注意しましょう。