至高の意味とは?
ニュースやドラマなどの中で「至高」という言葉が使われることがありますが、「至高」の正しい意味を知っているという人はそう多くないでしょう。何となく意味はわかるような気がしても正しい意味はわからないという人は少なくありません。
「至高」という言葉は普通の人がごく一般的な日常生活を送る中で使うことはほぼありませんので、「至高」の意味を知らなくても当然だと言えますが、何事も知らないよりは知っておいた方が良いでしょう。
「至高」という言葉にはどのような意味があるのか、まずは「至高」の意味についてご紹介しましょう。
この上なく高いことという意味
「至高」の読み方は「しこう」で、「至高」の意味は「この上なく高いこと」という意味です。「至高」の「至」という文字は「いたる」と入力すれば出ますが、この「至」の意味は「行きついた先がないこと」という意味です。
「至高」の「高」は言うまでもなく「高い」という意味ですので、「至」の意味「行きついた先がないこと」という意味と合わせると、「行きついた先がないほど高いところ」という意味になります。
これらの文字の意味から、「至高」の意味は分かりやすく言えば「この上なく高いこと」という意味になるということです。
至高の対義語・類語
「至高」の意味についてご紹介しましたので、次は「至高」の対義語と類語についてご紹介します。「至高」の意味は「この上なく高いこと」という意味ですので、「至高」の対義語はこの意味とは逆の意味を持つ言葉になります。
また、「至高」の類語は「至高」と似た意味を持つ言葉ということになります。それでは、「至高」の対義語と類語についてご紹介しましょう。
至高の対義語とその意味
まず「至高」の対義語ですが、「至高」には「この上なく高いこと」という意味がありますので、この意味とは逆の意味を持つ言葉が「至高」の対義語に当たります。「至高」の意味はとても良い意味なので、対義語は悪い意味を持つ言葉になります。
とても良い意味を持つ「至高」の対義語にはどのような言葉があるのか、「至高」の対義語についてご紹介します。
最低
「至高」の対義語の一つ目は、「最低」です。「最低」の意味は「最も低いこと」という意味で、「至高」とは正反対の意味になりますので、「最低」は「至高」の対義語になり、使いどころも「至高」とは真逆です。
「至高」は主に人や物などをほめたたえる時に使われる言葉ですが、「最低」は人や物などをけなしたりする場合に使われる言葉です。このような点からも「最低」は「至高」の対義語に当たると言えます。
最悪
「至高」の対義語の二つ目は、「最悪」です。「最悪」の意味は「最も悪い」という意味ですので、先にご紹介した「最低」とは少し違う意味になりますが、「最悪」も「至高」の対義語として挙げられます。
「最悪」は意味的には「至高」の対義語としては少し違うニュアンスになりますが、使いどころは「至高」とは正反対ですので、そういった点では「最悪」も「至高」の対義語だと言うことができます。
他に「稚拙」や「下手」「劣悪」「劣等」などの言葉も「至高」の対義語として挙げられますので、「至高」の対義語は意外に多いと言うことができます。
至高の類語とその意味
「至高」の対義語についてご紹介しましたので、次は「至高」の類語についてご紹介します。「至高」の意味は「この上なく高いこと」という意味ですので、この意味に近い意味を持つ言葉が「至高」の類語になります。
「至高」という言葉の類語にはどのような言葉があるのか、「至高」の類語についてもご紹介しましょう。
最高
「至高」の類語の一つ目は、「最高」です。「最高」の意味は「最も高い」という意味ですので、「この上なく高いこと」という意味を持つ「至高」の類語だと言えます。ですが「至高」と「最高」には微妙な違いがあります。
「至高」と「最高」の違いについては、後で「至高と類語との違い」という所でまたご紹介しますが、「最も高い」と「この上なく高い」にはニュアンスに微妙な違いがあるということです。微妙な違いはありますが、「最高」は「至高」の類語として挙げられます。
至上
「至高」の類語の二つ目は、「至上」です。「至上」の意味は「この上ないこと、最高」という意味で、「至高」の意味と非常に似た意味を持っていますので、「至上」は「至高」の類語だと言えます。
ですがこの「至上」も「最高」と同じく、「至高」とは微妙にニュアンスが違います。こちらも後でご紹介する「至高と類語の違い」のところでご説明します。
最上
「至高」の類語の三つ目は、「最上」です。「最上」の意味は「一番上」「もっとも上」という意味で、「至高」の意味「この上なく高いこと」とかなり似た意味になりますので、「最上」は「至高」の類語だと言えます。
「最上」には「最も優れていること」という意味もありますが、実は「至高」にも「この上なく高く優れていること」という意味があり、「優れていること」という意味が共通していますので、「最上」は「至高」の類語になります。
優良
「至高」の類語の四つ目は、「優良」です。「優良」の意味は「他のものに優って良いこと」という意味で、「至高」の意味「この上なく高いこと」に近い意味になりますので、「優良」も「至高」の類語になります。
ですが「優良」という言葉の使いどころは意外に多く、複数の物に対して「優良」という言葉を使うケースもありますので、そういった点で「この上なく高いこと」という意味の「至高」とは使いどころが違うということになります。
音楽のコンクールなどでも「優良賞」という賞がありますが、「優良賞」には複数の人が選ばれます。複数に対しても使われるため「優良」は「至高」とは違うと言えます。
至高の使い方・例文
「至高」の対義語と類語についてご紹介しましたので、次は「至高」の使い方と例文をご紹介します。「至高」は何かや誰かをほめたたえる時に使われる言葉ですが、人や物に対してだけ使われるわけではありません。
「至高」という言葉は意外に色々な使い方ができる便利な褒め言葉です。それでは、「至高」の使い方と例文をご紹介しましょう。
例文①
「至高」の使い方と例文の一つ目は、「そのリンゴは至高のリンゴと呼ばれている」という例文です。この例文では、たくさんあるリンゴの中でも特にすばらしいリンゴのことをほめるという使い方をしています。
「至高」は人や物やその他のことをほめる時に使われる言葉ですが、この例文では「リンゴ」という「物」をほめるための「至高」の使い方がされています。
リンゴに限らず、メロンなどにも「至高のメロン」などという「至高」の使い方ができ、通信販売などで素晴らしく美味しい果物などを紹介する文章などに「至高」という言葉は結構使われています。
例文②
「至高」の使い方と例文の二つ目は、「才色兼備の彼女は我が社の中では至高の存在だ」という例文です。この例文ではとてもすばらしい女性のことを「至高の存在」だと称してほめたたえています。
先にご紹介した例文とは違って、この例文では「至高」という言葉を人に対して使うという使い方がされていますが、ここで着目すべきは「至高」がかかっている言葉です。
この「彼女」という女性をほめている例文ですが、「至高」は直接「彼女」にかかっているわけではありません。「至高」が指すのは人ですが、「至高」がかかっているのは「存在」です。それでも文の流れで、「至高」を使って人をほめているということになっています。
例文③
「至高」の使い方と例文の三つ目は、「その職人の技は、まさに至高の技と言える」という例文です。先にご紹介してきた「至高」の使い方は、物や人を表すための使い方でしたが、「至高」は「技」という言葉にも使えます。
「技」は人や物とは違って形のないものですが、それでも「この上なく高いこと」という意味が当てはまるほど素晴らしい場合には「至高」という言葉を使ってほめることができます。「至高」が使えるのは人や物だけではないということです。
形がないものであっても形があるものであっても、「この上なく高いこと」という表現があてはまる場合には「至高」という言葉を使うことができます。
例文④
「至高」の使い方と例文の四つ目は、「その選手の至高のプレイに観客は興奮を抑えきれなかった」という例文です。この例文では先にご紹介した例文と同じように、「プレイ」という形のないものに対して「至高」が使われています。
スポーツのプレイは職人技などと同じように、目で見ることはできても形のないものですが、こういったことに対しても「至高」という言葉を使ってほめることができるということですので、覚えておくと良いでしょう。
至高と類語の違い
「至高」の使い方と例文についてご紹介しましたので、次は「至高」と類語との違いについてご紹介します。先に「至高」の類語の所でご紹介した類語のうち、「至高」と「最高」「至上」は微妙に意味が違うとご説明しました。
「至高」の類語である「最高」「至上」と「至高」にはどのような違いがあるのか、「至高」と類語の違いについてご紹介しましょう。
最高は最も高いという意味
まずは「至高」と「最高」の違いについてご紹介します。「至高」の意味は「この上なく高いこと」という意味ですが、「最高」の意味は「最も高い」という意味です。とても似た意味の二つの言葉ですが、ニュアンスに少し違いがあります。
「至高」には「この上なく高く優れている」というニュアンスがありますが、「最高」には「この上なく物事の程度が著しい」というニュアンスがあります。意味的には似ていても、ニュアンスが違うため「至高」と「最高」は違うと言えます。
至上はこの上もないことという意味
次に「至高」と「至上」の違いについてご紹介します。「至高」の意味は「この上なく高いこと」で「至上」の意味は「この上もないこと」という意味ですので、「至上」は「最高」よりもさらに「至高」に近い意味を持つと言えます。
「最高」の所でもご紹介したように「至高」には「この上なく高く優れている」というニュアンスがあります。それに対して「至上」には「優れている」というニュアンスは含まれていません。この点で「至高」と「至上」とは違いがあるということになります。
至高を使う際の注意点
次に「至高」を使う際の注意点についてご紹介します。「至高」という言葉は最上級の褒め言葉ですので、人などを褒める時に使えば間違いはありません。褒められれば人は悪い気はしませんので、「至高」を使うのは良いことだと言えます。
「至高」は人を喜ばせることができる褒め言葉ですが、使い方には注意が必要なこともあります。「至高」を使う際の注意点についてご紹介しましょう。
この上ないという場合以外では使えない
「至高」は確かに褒め言葉ですが、あまり「至高」を乱用すると価値がなくなってしまいます。この上などいくらでもありそうなことに対して「至高」という言葉を使うと、「至高」の意味を知らないのかと疑われてしまう可能性もあります。
「至高」という言葉は「この上ない」という場合に使うべき言葉ですので、あれもこれもみんな褒めたいからといって「あれも至高、これも至高」などとなんでもかんでも「至高」と言ってはいけません。
何でもかんでも「至高」と言ってほめたりせず、本当に「この上などない」といった場合にだけ「至高」という言葉を使いましょう。
至高の英語表記
それでは次に、「至高」の英語表記についてご紹介します。日本語独特のちょっと難しそうな特殊な言葉には、対応する英語がないため意訳しなければならないことも多いですが、「至高」もちょっと難しい日本語の一つです。
なので意訳で「至高」を英語にするという場合も多いですが、「至高」に対応する英語も存在しています。「至高」の英語はどのような英語なのか、「至高」の英語表記についてご紹介しましょう。
Supreme
「至高」の英語表記は「Supreme」で、「至高」を英語に訳する場合にはこの「Supreme」が使われることが多いです。他に中学校の英語で習うような「very great」という英語も「至高」の英語表現に使われます。
また、「この上なく」という意味では「the best」も「至高」の英語表現として使われることがあり、「至高」に当たる英語は意外に多いと言えます。
至高はこの上なく高いという意味
「至高」の意味や対義語や類語、「至高」の使い方の例文などについて色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。「至高」の意味は「この上なく高い」という意味ですので、正しい意味を知って「至高」という言葉を正しく使いましょう。