「失笑」の正しい意味とは?使い方・例文・類語や苦笑との違いも紹介!

「失笑」の正しい意味とは?使い方・例文・類語や苦笑との違いも紹介!

「失笑」という言葉を使う際、誤用が多くその本来の意味を間違えて理解している場合が多いことをご存知でしょうか?今回は「失笑」の意味、類語、対義語、誤用しないための注意点を例文を交えてまとめました。「失笑」の意味を理解し、正しい使い方をマスターしましょう。

記事の目次

  1. 1.失笑の意味とは?
  2. 2.失笑の対義語・類義語 
  3. 3.失笑の使い方・例文
  4. 4.失笑と爆笑の違い
  5. 5.失笑を使う際の注意点
  6. 6.失笑は場をわきまえず吹き出すという意味

失笑の意味とは?

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「失笑」という言葉の意味をご存知でしょうか?小説やHP上の評論などでも「失笑」という言葉をよく見聞きします。多くの文章で良く目にするだけではなく、例えば「図書館で面白い記事を目にして、失笑してしまった」など日常生活にでも良く使われます。

この「失笑」という言葉、「笑いを失う」と書くので、漢字を単純に追っていくと、ある人の行動がその場を凍りつかせるとか、笑っている和やかな雰囲気を壊すとか、そんな行為のように意味を捉えがちです。

「失笑」の誤用については、平成23年度の文化庁の月報によると、「国語に関する世論調査」で、「失笑」に関する意味に関して調査したところ、約6割の人が「笑いが出ない」様子である意味と答えたという報告が残っています。

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しかし、「失笑」の本来の意味は、「笑ってはいけない場所で、こらえきれずについ笑ってしまうこと」を指します。本来の意味は、約6割の多くの人が捉えている意味と真逆の意味となります。

この場合の「失笑」の「失」は「過ち」、「しくじり」という意味で、「失くす」という意味で使われていないことがポイントです。あやまった笑い、しくじった笑いが転じて、場にそぐわず笑ってしまうという本来の意味として使われることになります。

では、「失笑」の意味がわかったところで、「失笑」をもう少し掘り下げていきます。「失笑」の類語や対義語はどういう言葉があるか、または「失笑」の使い方や注意点などを、実際の例文を交えてご紹介いたします。

失笑の対義語・類義語 

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「笑い」には、冷笑、朗笑、微笑などいろんな種類があります。そのなかでも「失笑」の類語はあるのでしょうか?自身の感情から湧き出る笑いという意味では、冷笑、朗笑、微笑も類語と呼ぶことができます。

例えば、冷笑はその言葉通り、「冷ややかに笑う」類語ですし、微笑は「ほほえむ」こと、郎笑は「朗らかに笑う」類語になり、そのどの言葉も自身の感情から湧き出る笑いという意味では、「失笑」と類語となります。

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しかし「失笑」の本来の意味を踏まえ、もう少し絞り込んで見ると、「失笑」の特徴は「こらえきれずに笑う」ことになります。この意味に似た言葉に類語「吹き出す」という言葉があります。

この類語「吹き出す」は「風が強く吹き出す」「内から外へ勢いよく出る」「木の芽や草が出てくる」の他に「我慢できずに笑い出す」という意味があります。

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「失笑」も「吹き出す」どちらの言葉も「こらえきれずに笑う」ことです。では「失笑」と「吹き出す」との違いは何でしょうか?

その答えとして「失笑」は「場にそぐわない」「笑ってはいけない場所で」「笑う」という条件がつくことに対し、類語「吹き出す」はそういった場所の条件はつかない、無条件な笑いとなります。

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次に「失笑」の対義語を見てみます。「我慢できずに笑う」と対極となる意味は「笑いたくないのに笑う」と捉えることができます。本当の笑いと偽りの笑いとの違いです。

「失笑」の対義語は「愛想笑い」という言葉になります。この「愛想笑い」は「人の機嫌を取るために笑うこと」で「おせじ笑い」とも言われています。本心は笑いたくないけど、日々の人間関係を円滑にするために仕方なく笑うというシチュエーションで、「愛想笑い」は使われます。

失笑の使い方・例文

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次に実際に「失笑」を使った例文を交えて「失笑」の使い方を紹介いたします。例文に「失笑を禁じ得ない」「失笑でした」「失笑を漏れる」などの言葉も組み合わせながら、説明していきます。正しい使い方で「失笑」をマスターし、日常生活に活かしてください。

まず、「失笑を禁じ得ない」という使い方があります。「禁じ得ない」とは「抑えることができない」という意味です。つまり「失笑を抑えることができない」という意味になります。

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先述の通り「失笑」は「笑ってはいけない場所」という条件がつくので、「笑ってはいけない場所なのに、笑いを抑えたくても抑えが効かない」という状況です。笑いを禁じられているが笑ってしまうという脂汗が出るような状況であることが理解できます。

例文として「教壇の先生にカマキリがピタッと止まって、これには一同失笑を禁じ得なかった」「電車内で上をむいて、大きな口を開けて寝ているサラリーマンを見て、失笑を禁じ得ない」など笑ってはいけないような空間で思わず笑ってしまうようなシチュエーションで使いやすいです。

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次は「失笑でした」の使い方を紹介します。例文として「ジョジョの奇妙な冒険」という漫画で、ワムウという登場人物が「失笑でした、カーズ様」と発したシーンがあります。

詳しいストーリーは「ジョジョの奇妙な冒険 第2部」を実際にご覧いただき、割愛しますが、主人公側と敵側の戦いの中で、主人公側の戦いの提案に対し、敵側のワムウが「フッ」と笑ったことに対し、敵側のボス、カーズが「ワムウ!」と一喝したことに対して発した言葉です。

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敵側のボス、カーズは主人公側と正統な戦いを避け、危険を避けて勝利したいが、ワムウは正統な戦いを経て勝利したいという、両者に意識の齟齬があり、主人公側の提案は正統な戦いの条件だったので、ワムウにとっては「渡りに船」で思わず笑ってしまったということです。

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実際の社会生活の中でも、上司と部下との見解の齟齬があり、部下の見解に体勢がなびくときなどに「失笑」し、上司の怒りを買った場合に上記の例文「失笑でした」と一言加えることで、自分の笑いは場を弁えていないことを相手に伝える役目を果たします。

最後に「失笑が漏れる」の使い方を紹介いたします。これは大勢の中で、笑ってはいけないシチュエーションで、思わず笑いがこぼれるといったシーンがイメージできます。

例文としてあげると、映画館で映画を見ていた時、笑いを誘うシーンがあったとします。ただ、他人がいるので、大声では笑えないがどうしても堪えきれない、そういった場合に「今日の映画はおもわず失笑が漏れるシーンがありました」などの使い方ができます。

失笑と爆笑の違い

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「失笑」と似たような意味の熟語に「爆笑」という言葉があります。この両者はどのような違いがあるのでしょうか?「爆笑」は「爆笑〇〇」など、お笑い芸人などが登場するようなテレビのバラエティー番組のタイトルなどで冠について、よく見かける熟語なので気になるところです。

爆笑は大勢が吹き出すという意味

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「爆笑」も「失笑」も吹き出すように笑うことは同じ意味です。ただ、その違いの一つとして「爆笑」は大勢の人が一気に笑うことを意味します。テレビ番組のスタジオやお笑い劇場などの会場の視聴者が、エンターテイナーの行為に対し、一気にどっと笑うようなことが「爆笑」になります。

また、爆笑には、「笑ってはいけない場所で」などの条件は特にありません。笑ってはいけない場所であってもなくても、大勢がどっと笑うことが「爆笑」となります。

よく「漫画喫茶に行って、一人でギャグ漫画を読んでいる時、爆笑してしまった」という使い方をする例を見かけますが、誤用ですので、注意しましょう。

失笑は一人でも意味は成立する

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これに対し、「失笑」は「爆笑」とは違い、一人でも、大勢でも、笑ってはいけない場所にも関わらず、思わず笑ってしまうことを意味します。同じ笑いの意味でも、笑う人数や、笑う条件などが違うので、それぞれの使い方に注意が必要です。

例えば、寮生活の人が、一人で真夜中にテレビを見ている時、みんなが寝静まっているにも関わらず、「テレビの内容に思わず、大声で失笑してしまった」ケースなどが当てはまります。このケースの時は「爆笑」が当てはまらないので、ご注意ください。

失笑と苦笑の違いも間違えやすい

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もう一つ、間違えやすい言葉に「苦笑」という言葉があります。「失笑」と「苦笑」にはどんな違いがあるのでしょうか?「失笑」も「苦笑」も「失」「苦」というマイナスの言葉を頭に擁しています。同じニュアンスの言葉ではないかと間違いやすく、誤用しがちな言葉なので要注意です。

苦笑は仕方なく笑うという意味

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「失笑」と「苦笑」両者の違いは、似て非なるものではなく、「全く違う」意味になります。「苦笑」は笑いたくないのに笑う、無理に笑うことを意味しており、本当におかしくて笑っている「失笑」とは全く違います。

本心では苦々しい思いなのに、怒ることもできない。こういったシチュエーションで、「苦笑」という言葉が使われます。例えば、「朝令暮改な上司の指示に対し、苦笑し対応した」「遅々と進まない工事に対し、苦笑混じりに催促した」などが挙げられます。

この「苦笑」という言葉、先述した「愛想笑い」と一見同じ意味のように捉えられそうですが、違いがあります。どこに違いがあるのでしょうか?

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「苦笑」も「愛想笑い」も「笑いたくないのに笑うこと」という点では意味に違いはありません。しかし、「笑いたくないのに笑う」動機、理由が異なります。「苦笑」は「怒りたいが気を紛らわせて笑う」ことを意味しており、「愛想笑い」は「相手の機嫌を取るために笑う」ことです。

この点から「苦笑」は自分の感情をコントロールするための「笑い」であり、「愛想笑い」は相手の感情をコントロールするための「笑い」と言えます。

失笑を使う際の注意点

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「失笑」を使う際、先述した、「失笑を禁じ得ない」や「失笑が漏れる」の他に「失笑を買う」などの言葉がよく使われます。この「失笑を買う」という言葉、間違った解釈で誤用するケースが多々見かけます。この「失笑を買う」という意味はどのような意味であるか、次にご紹介いたします。

見下すという意味では使えない

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「失笑を買う」の意味は「愚かな行動や言動のために、笑われる」ことを指します。例えば、「学校にテレビのリモコンを筆箱と間違えて持ってきた」「社会の窓が空いていることに気づかなかった」など挙げられます。

「失笑を買う」とは上記のような日常生活で起こりうる出来事に対して、笑ってしまう、その原因が愚かしい行動や言動によっている時に使う言葉です。

上記のような行動に対して、「笑いも出ないほど呆れる」「冷めて無表情になる」「呆れてものも言えない」とか「軽率すぎて軽蔑してしまう」という価値観もあります。

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「失笑を買う」の意味には上記のような「見下す」ニュアンスは含まれておらず、「見下す」という意味を含めて「失笑を買う」を使うことは誤用となります。

また、愚かな行動であるという、「愚か」とは単に「思慮や知恵が浅はかであり、仕方が適切でない」ことを意味しており、言葉自体に「故意」「過失」が含まれていないことがポイントです。

故意であればしたことに対し「わざと」「あえて」という修飾語がつけられるし、過失であれば「つい」「うっかり」という言葉がつけられます。

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「失笑を買う」のニュアンスには、行動の故意ではなく過失を問わず、笑うこと自体であり、故意か過失かはその行動者に委ねられます。先入観を排したその笑いには「軽蔑」や「見下す」という意味は含まれず、かつ、しっかりと「笑い」が成立していることがポイントです。

上記のようなシーンの例文の場合、「ああわざとやったな」とか「うっかりしたのだな」という受け手側の捉え方はケースバイケースです。捉えた結果、軽蔑したり、見下したりするのは「失笑を買う」後の文に続きます。

「失笑を買う」という言葉自体は受け手側の捉え方に左右されない、先入観のない笑いそのものです。誤用の多い使い方をしがちな用例ですので、ご留意ください。

失笑は場をわきまえず吹き出すという意味

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「失笑」について、意味、類語、対義語、例文、使い方、他の言葉との違い、誤用を含む注意点を見てきました。「失笑」はその漢字の印象からその使い方を誤用されてきた経緯がある言葉です。

言葉が誤用されがちであることは、その言葉の正しい意味を捉える人もいれば、誤った解釈で捉える人もいることであり、一人ならいざ知らず、その使い道が大勢の前であればある程、混在してしまって、その言葉が本来持つべき印象とは違うものをその場に与えることになってしまいます。

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その言葉が「失笑」という、される側の尊厳や人格に関わってくる言葉となると、その取り扱いには、誤用を回避し細心の注意を払わないと、失笑される側を傷つけてしまうリスクを負うことになってしまいます。

この機会に、「場をわきまえずに吹き出す」という正しい意味、使い方を、日常生活に役立てて頂ければ幸いです。

SDA
ライター

SDA

本記事をお読みいただきありがとうございます。近頃はイベント自粛で何かと我慢な日々ですね。ただ最近は、家の中でも新たな発見があるものだと気づかされました。今後はインドアならではのお役立ち情報があれば、記事の通じてどんどん発信していきたいです。明るく取り組んでいきますのでよろしくお願い申し上げます。

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