アルコールストーブを空き缶で自作する作り方
アルコールストーブとは、エチルアルコールやメチルアルコールを燃料として使うタイプの携帯型コンロのことです。軽量でコンパクトなので登山やキャンプでよく使われます。
市販されている物もありますが、このアルコールストーブは空き缶を使って自作することも出来ます。一見難しいと思われますが意外と簡単に作れるのです。この記事では空き缶を使ったアルコールストーブの作り方をご紹介します。
空き缶を使ったアルコールストーブは軽いアウトドアにうってつけのアイテムです。上手に作ってアウトドアに役立てましょう。
空き缶を半分に切断する
それでは空き缶を使った自作のアルコールストーブの作り方をご紹介します。用意する物は、空き缶、カッターナイフ、燃料用アルコールの3つです。
まずカッターナイフを使い空き缶を半分に切断します。空き缶の高さは好みで大丈夫ですが、最低でも5cm以上残しておくのがおすすめです。空き缶のタイプはコーヒーのボトル缶の底がへこんでいるタイプの物が自作アルコールストーブに向いてます。
高さを調節する
次に切った空き缶のパーツのそれぞれの高さを同じにします。この後に飲み口側をひっくり返して底側にはめ込むので同じに高さにしなければなりません。
切り口はとても鋭くなっており危ないのでやすりをかけてつるつるにしておきましょう。ひっくり返した飲み口部分はアルコールストーブの大事な機能をもっているのでしっかりとはめ込みましょう。高さが揃っていると安全です。
飲み口にハサミで切り込みを入れる
飲み口にハサミで切り込みを入れます。この切り込みからアルコールが隙間に流れ出してコンロの役割を果たします。切り込みは3箇所くらい小さく入れれば十分です。
このタイプの自作アルコールストーブは、入れたアルコールが切り込みの隙間から中に入って、火を付けると中のアルコールが、気化して外に出た部分が燃焼することによってコンロになります。この切り込みはアルコールストーブの重要な部分です。
下側パーツに穴をあける
パーツを合わせた空き缶の上から2cmくらいの所に押しピン等で小さな穴を空けます。穴の数はだいたい20~30個くらいが良いでしょう。
自作アルコールストーブの火力は空ける穴の大きさや数によって決まります。穴が小さく少ない程火力が小さく、穴が大きく多い程火力が強くなります。穴を空ける時は均等になるように空けるのが上手な自作アルコールストーブを作るコツです。
アルコールを注ぎ込んで火をつける
最後に燃料用アルコールを注ぎ込んで火を点けてテストしてみましょう。開けた穴からきちんと火が出ていれば完成です。
この時火が小さければ後で穴を大きくするか穴の数を多くすれば火力を上げることが出来ます。キャンプ等のアウトドアで使うならお湯を沸かせるくらいの火力が必要となります。実際に小鍋やカップを置いてお湯を沸かして試してみましょう。
アルコールストーブの自作に向いている空き缶
自作のアルコールストーブを作る際、アルコールストーブを作るのに向いている空き缶と向いていない空き缶があります。
自作アルコールストーブを作る時はちゃんとアルコールストーブに出来るタイプの空き缶を使って自作するようにしましょう。最近では空き缶の形も様々なのでアルコールストーブに使えるかどうかちゃんと確認しておきましょう。
ここでは自作アルコールストーブを作るのに向いている空き缶と向いていない空き缶にどんな違いがあるのかを説明します。
アルミ缶・スチール缶
コーラ等の炭酸ジュースでよく使われるプルタブタイプのアルミの空き缶は、自作アルコールストーブを作るのにとても使い勝手が良いです。どんな形でも自作することが可能ですが、底の形によって空け穴の位置を変える必要があります。
アルミ缶を使った自作アルコールストーブは他の空き缶に比べて比較的簡単に作ることが出来るのでとても人気があります。
しかしコーヒー等のプルタブタイプのスチール缶は自作アルコールストーブに不向きです。スチール缶は底が平らな物が多いのでアルコールストーブが機能するのに必要な副室というアルコールが入りこむ隙間が作れない構造となっています。
アルコールストーブを作る上で必要なのは底がしっかりとへこんでいるタイプの空き缶です。自作する時は空き缶が2つ必要です。
小さな空き缶も自作可能
アルミ缶を使った自作アルコールストーブは容量の少ない小さな空き缶でも作ることが出来ます。アルミでもスチールでも底がしっかりとへこんでいるタイプならアルコールストーブの自作は可能です。しかし小さい分火が消えるのも早いです。
また、小さい空き缶で作ったアルコールストーブは軽い分風等によって非常に倒れやすくなっています。外で使うなら防風グッズを用意しておきましょう。
小型のアルコールストーブを作るなら「ウコンの力」や「レッドブル」の空き缶がおすすめです。この2つは設置面の安定性も良く、丈夫なので自作アルコールストーブに向いています。家にあるなら是非使ってみましょう。
コーヒーのボトル缶
コーヒー等のキャップタイプのボトル缶は中型のアルコールストーブを作るのに向いています。先ほど説明したアルコールストーブの作り方はコーヒーのボトル缶を使った作り方です。アルミ缶やスチール缶と違い、空き缶1つで自作することが出来ます。
ボトル缶のアルコールストーブは飲み口に切り込みを入れることによって安定した火力を出すことが出来る構造をしているのでとてもおすすめです。
ボトルタイプの空き缶を使った自作アルコールストーブは他の空き缶の物よりも高さがあるので倒れやすくなっています。このタイプのアルコールストーブを使用する際は設置面が平らになっている場所で使うようにしましょう。
空き缶とクッキー型で作る簡易型アルコールストーブ
自作のアルコールストーブは空き缶の底と100均で売っているクッキー型を使うととても簡単に作ることが出来ます。
作り方はほんとに単純で、エナジードリンクの空き缶を切って底の部分にプッシュタイプのクッキー型をはめ込むだけで完成します。押しピン等で穴を空ける必要も、切り込みを入れる必要もありません。しっかりとハマっていれば大丈夫です。
火力が高い分燃料の消費が激しいですが、お湯を沸かすくらいなら十分使えます。コンパクトなので荷物にならないのもポイントです。
アルコールストーブを自作する注意点
自作アルコールストーブは簡単に作れてとても便利ですが、自作する際にはいくつか注意しておかなければならない点があります。
アルコールや火を使う道具なのでもしもの時のための備えは必ずしておかなければなりません。ここではアルコールストーブの作り方の注意点や、アルコールストーブを使う上で気を付けなければならない注意点をご紹介します。
火を扱うので注意が必要
アルコールストーブを使う際の注意点の1つに、火を使う道具であることが挙げられます。火を扱う準備をしておかなければなりません。
アルコールストーブを使う時は周囲に燃えやすい物がないかを確認しておきましょう。また、自作の物は缶が倒れてアルコールが漏れたりして引火する危険もあるので消火用の水や濡れタオルは必ず準備しておきましょう。
燃料を注ぎすぎは事故の元なので注意する
自作アルコールストーブの注意点の1つとして、使う燃料の量も重要な注意点になります。長時間使いたいからといって大量にアルコールを注いではいけません。入れすぎるとアルコールが沸騰し過ぎて噴き出してしまい、引火して大変なことになってしまいます。
アルコールストーブにいれる燃料用アルコールの適正量は10ml~50mlです。アウトドアでお湯を沸かす程度なら15ml程あれば十分です。
消火用の水・濡れタオルの準備
自作アルコールストーブを使う時は必ず火を扱う上での注意点に留意しておかなければなりません。消化用の水や濡れタオルを準備しておきましょう。
自作のアルコールストーブは基本的に一度火を点けると燃料を使い切るまで手動で火を消すことは出来ません。簡単に作ることが出来る反面、消火機能はついていないのです。そのため別途で消火するための水や濡れタオルが必要になります。
周りに燃えるものがないか確認する
自作のアルコールストーブの注意点の1つに、燃え移りに関する注意点が挙げられます。自作のアルコールストーブを使う時は、燃料の量が多かったり、缶が倒れたりして漏れたアルコールが引火して燃え移る可能性があります。
アルコールストーブを使う時は置き場所や周囲に燃える物が無いことを確認してから使用するようにしましょう。
カッター・アルミ缶は手を切りやすいので注意
自作のアルコールストーブを作る際に最も気を付けなければならない注意点が、手を切ってしまうことです。
アルコールストーブを自作する時はカッターナイフやハサミ、空き缶の切断口で手を切らないように注意しましょう。ケガが不安な方は軍手やゴム手袋等を着けて作業すれば安全です。空き缶の切り口はやすりをかけておくようにしましょう。
自作が不安なら購入するのもおすすめ
もし自作でアルコールストーブを作るのが苦手だったり、もっとかっこいいアルコールストーブが欲しいのなら通販サイト等で購入するのもおすすめです。アルコールストーブは市販でも値段が2000円以下なので手軽に買うことが出来ます。
機能性が高くオシャレなデザインの物も多いので登山等のアウトドア用に市販のアルコールストーブを使うのもおすすめです。
アルコールストーブと一緒に自作すると便利なアイテム
自作のアルコールストーブは簡単に作れて便利ですが、アウトドアで使用する際は置き場所が不安定だったり風が吹いていたりして使いづらくなってしまうケースも少なくありません。そんな時のために五徳や風よけを用意するのがおすすめです。
ここではアルコールストーブと一緒に自作すると便利なおすすめアイテムをご紹介します。中には自作するより買った方が安く済む物もあります。
火消し蓋
自作のアルコールストーブは一度点火すると燃料を使い切るまで手動で火を消すことが出来ません。必要無くなった時のための火消し蓋を用意しておくのをおすすめします。アルコールストーブを作った時に余った部品で簡単に作ることが出来ます。
作り方は余った方の缶の飲み口部分に取っ手を付けるだけです。アルコールストーブに蓋をして酸欠状態にすることで消火出来ます。
風防
登山やキャンプ等のアウトドアでアルコールストーブを使う時は風よけが必須になります。風が吹いていると火力が安定しない上、缶が倒れてしまうリスクもあります。自作の風よけは作り方も簡単で、アルミ板でぐるっと囲うように曲げるだけで作れます。
風よけは市販のウインドスクリーンならコンパクトで安いのでおすすめです。現地にある物でも十分代用出来るので好みの方法で風よけを用意しましょう。
五徳
缶の口の広さや高さによっては上に置くカップや鍋が上手く設置出来ない場合があります。そんな時のために五徳を用意しておくのをおすすめします。
アルコールストーブ用の五徳を自作するのなら、太めの針金を使うのがおすすめです。100均でも売ってるいるのでコスパがよく簡単に作ることが出来ます。作り方は針金をコの字か三角に曲げてアルコールストーブに設置するだけです。
アルコールストーブに使うアルコールの種類
アルコールストーブに使う燃料にもいくつか種類があります。燃料の種類によって火力や持続時間等が違うのでそれぞれの特徴を把握しておくようにしましょう。燃料用のアルコールは薬局やドラッグストアに行けば大体売っています。
ここでは自作のアルコールストーブに使う燃料用アルコールの種類や、おすすめのアルコールをご紹介します。
薬局で買える燃料用アルコール
アルコールストーブに使う燃料用のアルコールは、通販等を使えばたくさんの種類が販売されていますが、近くの薬局等で売っている物ではケンエーの燃料用アルコールがおすすめです。容量が500mlと丁度良いのと、値段も安いので使い勝手が良いです。
燃料用アルコールは薬局であれば大体売っているので探すのに困ることはほとんどありません。使用する際は液漏れ等に気を付けましょう。
ガスよりも寒さに強いのがメリット
ストーブやコンロの燃料として使われる物にはカセットコンロ等で使うガスと、燃料用アルコールがあります。
燃料用アルコールにはガスよりも寒さに強いという特徴があるので寒い秋や冬の軽いアウトドアには燃料用アルコールを使ったアルコールストーブがおすすめです。しかし最近は寒冷地用のガスバーナー等も充実しているので使うのは好みでも大丈夫です。
アルコールストーブは空き缶一つで簡単に自作できるのでおすすめ
空き缶を使った自作のアルコールストーブは、使う缶や作り方によって大きさや火力を変えることが出来るのでとても使い勝手が良いです。
また、空き缶だけで出来る上、作り方も簡単なのでアルコールストーブが欲しいのなら自作するのがおすすめです。しかし火を使う道具である以上作る時と使う時には注意点を守って正しく使わなければなりません。