指針の意味とは?
「指針(ししん)」には意味が二つあり、”時計など各種計器類につけられた針”という意味と、”向かうべき方向を示す大方針”という意味があります。多くの例文や文章では、向かうべき方向を示すという意味で用いられることが多いでしょう。
このまとめでは、時計などの物理的な意味での針をさす「指針(ししん)」ではなく、向かうべき方向性や方針を意味する「指針(ししん)」として説明を紹介しています。
指針の対義語・類義語
言葉の意味を位置づけるものはさまざまですが、そうした位置づけの基準を指し示す物の一つとして、「対義語」と「類義語・類語」が挙げられます。他の言葉との意味の関係性について「対義」しているか「類義」しているか、という考え方です。
ここでは「指針(ししん)」に対しての「対義語」と「類語・類義語」関係にある言葉をまとめて紹介しています。
指針の対義語
言葉の意味を位置づけるものはさまざまですが、そうした位置づけの基準を指し示す物の一つとして、「対義語」と「類義語・類語」が挙げられます。他の言葉との意味の関係性について「対義」しているか「類義」しているか、という考え方です。
ここでは「指針(ししん)」に対しての「対義語」と「類語・類義語」関係にある言葉をまとめて紹介しています。
指針の対義語「流浪」の意味・使い方・例文
「指針(ししん)」の対義語の一つ「流浪(るろう)」です。意味は”さまようこと”や”さすらうこと”という意味になります。指針が方向性を指し示すことなので、しっかりと目的を決めるという意味とは反対に目的をさだめることのない行為という意味になります。
方向性もなく、その場の空気や流れに身を任せて、生きるべくして生きるのではなく、なんとなく生きられる方向にむかって流されて生きる、というような意味をもった言葉です。
使い方としては「仕事をやめて流浪の身となった」や、「ずいぶんと長い時間、流浪として身をやつしてきました」というような例文となります。ただ、流浪の対義語として考えた場合は「指針(ししん)」ではなく「士官」という方が適切となります。
指針の対義語「任意」の意味・使い方・例文
「指針(ししん)」の対義語の一つ「任意(にんい)」です。意味としては”その人の意思に任せること。”もしくは”そうするか否か、どれにするかが、勝手に選べること。”また、” 勝手に選ばせること。”などの意味を持ちます。
指針との対義としては、すでに決められている方向性ではなく、自分でこれから選ぶ立場にある。もしくは、これから誰かに方向性や目的などを選ばせるという意味合いでの対義関係にあります。しっかりとした対義関係にないので、任意の対義としては「強制」がより適切な形といえます。
使い方は、「予定はとくに決めていなかったので、ここからの行動は任意性として各自に判断してもらうことになっている」、もしくは「任意という名の放任とのいえる方針のお陰で、自由ではあるけれどもなんとも手持無沙汰だ」という使い方が出来ます。
指針の類語
「類語(るいご)・類義語(るいぎご)」とは、”元になる言葉との一部分が同じ意味となる言葉”や”元になる言葉の意味とほぼ同じ意味をもつ言葉”のことです。熟語であれば文字の組み合わせで意味を形成しているため、一部のみの類似性も類語として選ばれます。
指針の類語「指数」の意味・使い方・違い
「指針(ししん)」の類語の一つ「指数(しすう)」です。意味は”規準になるもの、または規準になる時期での値を一〇〇と定め、それに比べて他のもの、または他の時期ではどうかを表した数値”と定義されています。
目的や方向性を指し示す指針との意味の違いとしては、「数値化した場合はどのようになるのか?」という考え方という違いがあると言えます。
使い方の例文として、「目標値にたいしての指数は90を超えている」、「こうしたことは指数関数的に明確な表記を心がけるべきだ」というような使い方が挙げられます。
指針の使い方・例文
続いては、「指針(ししん)」の具体的な例について、例文をいくつか挙げています。それぞれに微妙な言い回しの違いで「指針(ししん)」という言葉を表現しています。例文を通じて実際にどのように使えばよいのかを理解しましょう。
例文①
「どのようなことにも方向性というものは重要です。 方向性を見失えば、どのような向きに力や技術を向けたらいいのか分からなくなってしまうからです。 私たちにはそうした指針がどうしても必要なのです。」
方向性という言葉を「指針(ししん)」として言い換えて表現した例文です。どのように優れた技術でもその方向性が間違ったものであれば正しく結果につながることはないでしょう。そうした心象を表した例文と言えます。
例文②
「この先々私たちが生きていくために常に念頭に置いておかなくてはならないことは、目標でありまたそうしたこれからも利用を確かなものにする指針である。私たちには技術と可能性がありその方向性が間違っていなければ確実な結果を得られるだろう」
先ほどの「指針(ししん)」の例文が、個人の心象を表す言葉であったとしたらこちらの例文では公に発表するための少し硬い文面で書かれた例文と言えます。基本的な意味合いはあまり変わっていませんが使い方もさほど大きな違いはありません。
例文③
「ひとつひとつ確かに刻まれる時の慟哭は、私たちのこれからをまるで指し示す指針のように、ゆらゆらと蠢き続けているのだ。針は確かな正確さに基づいて一歩一歩進む。私たちの歩みがこの時計の指針のように確かなものであることを願う。」
計器類としての「指針(ししん)」と、方向性や方針を表す「指針(ししん)」という言葉を掛け合わせて用いられた例文です。使い方としては少々特殊ですが、このような持ち方もあります。
例文④
「彼は極めて真面目な人間である。仕事に対してはもちろんそうだが、一人の人間としても、至って真面目な人間性を持っているのである。そんな彼は人生の指針としてとらえているのは一体どのような存在なのであろうか。」
ここで評される彼を表現するための言葉として、「指針(ししん)」を使っています。彼という人間を構成する一要素として、真面目さの元になっている原理原則という意味での使い方です。
「指針(ししん)」という言葉には、それほど特殊な使い方が求められるような事はありません。名詞ですので、活用形などで困惑するようなこともありませんし、使い方としてはタイミングが重要であると言えます。
指針と方針・指標の違い
「指針(ししん)」には”時計など各種計器類につけられた針”という意味と、”向かうべき方向を示す大方針”という意味がありますが、「方針」や「指標」という言葉もとても似た意味を持っています。
しかし、厳密には違った意味をもっていますが、具体的にはどのような違いがあるのかについて、以下に記載します。
方針は行動の方向性という意味
「方針(ほうしん)」の意味は、”ある事をするのに当たって定めた、その行動や処置の方向・原則。”と定義されています。つまり、特定の物事にたいしてどのような行動を取っていくのか、という点においての基本的な方向性という意味です。
指針との違いとして、指し示しているか指し示していないかという違いに現れています。行動をあらわす言葉として「指」の字が用いられていることが、方針と指針の違いを如実に表しています。
指標は「めじるし」という意味
「指針(ししん)」によく似た言葉として「指標(ししょう)」という言葉が用いられます。しかし、指針との違いは方向性でもその先を示すわけでもなく、単純な「ポイント」を表すだけの言葉である、という点です。
指標が意味するのは「めじるし」だけなので、要点などとも言い換えられる言葉です。「今回はこの数値を指標とする」や、「指標となる場所がこことなる」などの要所を指す言葉として用いられます。
指針を使う際の注意点
「指針(ししん)」の使い方としていくつか注意したいことがあります。まず一つは、動作と一緒に言葉を繋げないことです。「指針(ししん)」そのものが動作の一部となっていますので、「指針を指し示した」というような使い方は誤法となります。
続いて、「指針(ししん)」は名詞として定義されています。時計の針や機器類の針についても同じように「指針(ししん)」として呼びますので、文脈の前後での読み分けが必要になる場合があります。
動詞としては使えない
「指針(ししん)」には「指し示す」という動作も意味合いに含まれていますが、だからといって「指針する」というような使い方はできません。「指針にする」「指針を得る」「指針となる」というような使い方が正しい使い方となります。
口語では雰囲気で使ってしまいがちですが、文章として「指針(ししん)」を使う場合は、名詞でありながら動作を含むやや特殊な意味合いを考えたうえでの使用が重要な言葉だということは覚えておきましょう。
指針は行動の原則という意味
「指針(ししん)」には、時計や各種計器などに用いられる数値を表す針や、物事や計画の大まかな方向性や原理原則を指し示すという意味があります。
一般的に用いられる意味としては、そのほとんどが計画の大まかな方向性や原理原則だと言えるでしょう。細かい意味での計画性というよりは、物事の大原則や、計画の根幹を意味する言葉だと言えます。