クロッカスが持つ花言葉やその由来は?色別に変わる意味を解説!

クロッカスが持つ花言葉やその由来は?色別に変わる意味を解説!

春先に可憐な花を咲かせるクロッカス。育てやすく、園芸用として人気の高い花ですが、その花言葉には実は意外な意味があります。古代の伝説に由来する、ロマンチックなクロッカスの花言葉をひもといていきましょう。色別で変わる意味もご紹介します。

記事の目次

  1. 1.クロッカスの花言葉
  2. 2.クロッカスの英語での名前と花言葉
  3. 3.クロッカスの花言葉の由来
  4. 4.クロッカスの特徴
  5. 5.クロッカスの花言葉はプラスの意味もマイナスの意味もある

クロッカスの花言葉

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クロッカスは、アヤメ科クロッカス属の球根植物全般を指す言葉です。クロッカス属はさらに春咲きと秋咲きに大別され、秋咲きのものはサフランと呼ばれます。パエリアなどでおなじみの、あの香辛料のサフランです。

早春に咲く春咲きのクロッカスはヨーロッパでは春を告げる使者として親しまれ、たくさんの花言葉を与えられました。花色は黄色、紫、白など。色別で意味する花言葉も変わります。

クロッカス全般の花言葉

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クロッカスは、まだ雪が残る早春に咲く花です。雪の中から可憐な花と青々とした葉を覗かせるクロッカスの姿に、人々は春の喜びを見出しました。

厳しい冬の終わりを告げるクロッカスの花言葉は、青春の喜び、切望、じれったいなど。春を迎える若々しい季節、そのあふれるような喜びが青春の喜びという花言葉に込められています。

反面、切望やじれったさなど待つことを意味する花言葉ももっているのは、クロッカスが球根植物であることに由来しています。冬の間、土の中に埋まってじっと春を待ち続けるもどかしさがこんな花言葉になったのです。

クロッカスは色別で花言葉が違う

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クロッカスの仲間はおよそ80種類といわれています。花色は黄色、紫、白が中心ですが、ブルーに近いものや縞や斑の入ったもの、二色にくっきりわかれたものなど多種多彩な色柄があります。花言葉は色別で変わります。それぞれどんな意味をもっているのか詳しくみていきましょう。

黄色のクロッカスの花言葉

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黄色は春咲きクロッカスの代表的な色です。金髪のような明るい色をしたゴールディロックス種、白と黄色の中間色のようなクリームビューティなど、さまざまな品種がガーデニング用品種として出回っています。

庭が明るくなるとガーデナーにも人気のカラーですが、驚いたことに黄色のクロッカスの花言葉はネガティブなものばかり。例えば不幸な恋、嫉妬、羨望などが挙げられます。

とはいえ国によっては幸福というよい意味をもつこともあり、悪い意味ばかりとも言い切れません。シンプルな色と裏腹に、複雑な意味をもつ花なのです。また、後述するクロッカスの伝説をモチーフにした「私を信じて」という花言葉もあります。

紫のクロッカスの花言葉

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紫は秋咲きのクロッカスによく見られる花色です。秋咲きのクロッカスとは、前述の通りサフランのこと。紫のクロッカスには、サフランの連想から尊敬、歓喜、また後悔といった花言葉が与えられています。

ヨーロッパでは昔から紫は王者の色とされ、高貴な人しか身にまとえない色でした。さらにサフランは1本のクロッカスからわずかしか採れない貴重なものだったため、尊敬や尊厳といった花言葉をもつようになったと考えられます。

また紫は悲しみの色、喪の色でもあり、後悔という花言葉もあるのはそれに由来しています。後の項で述べるクロッカスの悲しい伝説も、その意味を強めています。

白のクロッカスの花言葉

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白はほとんどの花言葉で純粋なものを意味します。クロッカスも同様で、白いクロッカスには純粋、無垢といった花言葉が与えられています。

また色がないという意味で、白いクロッカスは色別の意味をもたずクロッカス全般の花言葉をそのまま意味することもあります。春の喜びや明るさを意味する花言葉も、白いクロッカスの花言葉として通用します。

ところで、同じ球根植物で形も似ているチューリップでは、白い花の花言葉は「失恋」という意味になります。同じような花でも花言葉の意味はまったく違う、というのも興味深いところです。

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クロッカスの英語での名前と花言葉

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クロッカスは英語で書くとCrocusです。このクロッカスの名前の由来として、古代ギリシャまでさかのぼる伝説を挙げることができます。文化史的にも興味深い由来を次の項でご紹介します。

また由来には諸説あり、ドラマチックな由来がある一方で、よくいえば正統派、悪くいえば面白みのない言語学的由来もあります。こちらもあわせてご紹介します。

英語のクロッカスの名前はヘルメス神の神話が由来

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クロッカスの名前の由来は、先に述べたとおりギリシャ神話の中にあります。この伝説の中で主役を務めているのは、オリンポス十二神のひとりヘルメスです。

ヘルメスにはクロッカスという美青年の恋人がいました。2人は冬の日にソリに乗って遊びに出かけますが、ヘルメスがまだソリに乗らないうちに突風が吹いてソリが飛ばされ、先に乗り込んでいたクロッカスは谷底に転落して命を落としてしまいます。

そのとき、クロッカスの流した血から小さな花が芽吹きました。その花がクロッカスと呼ばれるようになったということです。また別の伝説ではクロッカスが美しい女性となっていますが、物語の筋は変わりません。

英語でのクロッカスの花言葉

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英語でのクロッカスの花言葉を、少し詳しくみてみましょう。まず挙げられるのはCheerfulness、陽気で前向きなさまを表す花言葉です。似たような意味でMirthfulness(にぎやか)という花言葉もよく使われます。

クロッカスは群生することが多いので、小さな可愛い花がたくさん咲いている様子からこんな花言葉が生まれたのかもしれません。

またGladnessあるいは Glee(ともに歓喜という意味)も、クロッカスの英語での花言葉として代表的なものといえます。

これは春咲きのクロッカスがもつ花言葉。色別では黄色が該当します。輝かしい季節の始まりを告げる、早春の花ならではの花言葉です。youthfulnessも同じように、若々しい喜びを表現した花言葉です。

英語でのクロッカスの名前のもうひとつの語源

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ところで、クロッカスの語源には諸説あります。ヘルメス神の伝説のほかにも、興味深い語源がいくつかありますが、花言葉につながるまた別の美青年クロッカスの伝説は次項でみていくことにしましょう。

ここでは言語的な観点から考察された例をご紹介します。この名前はギリシャ語で糸を意味するクロケーに由来するともいわれています。サフランの原料である秋咲きクロッカスの、糸のように長く伸びためしべからそう名付けられました。

悲劇的な伝説に比べるとちょっと現実的でドラマ性はあまりありませんが、こちらもなかなか面白い語源です。

クロッカスの花言葉の由来

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前項ではヘルメス神と美青年クロッカスの悲劇をご紹介しましたが、実はクロッカスの物語はこれだけではありません。

クロッカスの花色が色別にさまざまであるように、伝説もさまざまなバリエーションで語り継がれています。そのバリエーションの一部を覗いてみましょう。

ギリシア神話のクロッカスという少年の恋物語が由来

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別バージョンの伝説でも、やはりクロッカスという恋する少年が登場します。一説によれば、クロッカスは妖精の娘スミラックスと恋に落ち、2人の仲睦まじい様子を見た神がその美しい姿を永遠にとどめるため2人を花に変えたということになってます。

逆にクロッカスがスミラックスの愛に応えず無関心であったため、神がクロッカスをいましめるために花に変えたという伝説もあり、このあたりは諸説入り混じってはっきりしません。

またよく知られた神話では、スミラックスは羊飼いの娘で美青年クロッカスと愛し合っていましたが、神々は2人の結婚を許しませんでした。

クロッカスは絶望して自ら命を絶ち、スミラックスを悲しみのどん底に落とします。のちに花の女神フローラが2人を気の毒に思い、花に変えたということです。

神話とクロッカスの花言葉のつながり

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以上のように、クロッカスの神話にはさまざまなバリエーションがありますが、その共通点はすべて恋愛が悲劇的に終わるということです。

そのため、春の喜びを表すワードが多い黄色の春咲きクロッカスの花言葉の中に、悲しみや不幸を表す言葉が点在することになりました。「私を信じて」という花言葉も、クロッカスとスミラックスの悲恋からの連想です。

伝説では、クロッカスとともに花に変えられたスミラックスは、その名もスミラックスというサルトリイバラ属の木になりました。古代ギリシャでは、このスミラックスとクロッカスが結婚式の花として用いられていたそうです。

クロッカスの特徴

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ここまで花言葉のモチーフとしてのクロッカスについて解説してきました。ちょっと視点を変えて、クロッカスの魅力に別の方面からアプローチしてみましょう。

ここで述べるのは、園芸品種としてのクロッカスです。クロッカスは初心者でも簡単に育てられるところが魅力。花言葉がもたらす意味に想いを馳せながらクロッカスを育ててみるのもおすすめの楽しみ方です。

春咲きはクロッカス・秋咲きはサフランと呼ばれる

Photo byXtendo

クロッカスとサフランは、同じクロッカス属の植物です。春咲きのクロッカスはおもに黄色や白の観賞用の花で、その可愛らしい花姿と育てやすさでガーデナーの人気を集めています。

春先のクロッカスは食用にはなりませんが、秋咲きの紫のサフランは香辛料の原料となります。秋咲きクロッカスのめしべを乾燥させたものが香辛料のサフランです。

サフランはもともとは秋咲きクロッカスから作った香辛料を指す言葉でしたが、いつの間にか花そのものまでサフランと呼ばれるようになりました。

ちなみにサフランにはわずかながら神経毒があり、摂りすぎると酩酊状態になることもあると昔の医学書にも書かれていました。そのためかフランスでは、度を越してはいけないという面白い花言葉が伝えられています。

栽培は比較的容易

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クロッカスは育てやすい植物です。寒さに強く、頻繁な水やりも必要としないのでガーデニング初心者でも手軽に栽培可能。球根植物なので一度植えると毎年同じ場所から芽が出て花を楽しむことができます。

春の庭を彩る植物として人気のクロッカス。小ぶりな花なので、広い場所で群生するように植えるのが主流です。同系色を色別にまとめたり、異なる色を混在させたりとさまざまなカラーリングを楽しめます。

一方で、鉢植えや水栽培など単体での栽培も人気です。とくに水栽培は、簡単に愛らしい花を観賞することができます。土で汚れないので、室内にも安心して置いておけるのも人気の理由です。

クロッカスの花言葉はプラスの意味もマイナスの意味もある

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気取らない愛らしさが魅力のクロッカス。ちょっとしたプレゼントに最適ですが、花言葉には要注意です。

その可憐な姿にもかかわらず、実は悪い意味の花言葉もあるということを忘れないのが大事。相手に不快な思いをさせないために、クロッカスを贈るときには花言葉にも気を付けましょう。

kinokoya
ライター

kinokoya

読書と猫と手作りをこよなく愛する40代です。楽しくて役に立つ情報を発信していきたいと思っています。よろしくお願いします!

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