「能天気」の意味
あなたの身近に能天気と言われる人はいませんか?もしかしたら、あなた自身が能天気なのではありませんか?よく「能天気」という言葉は「脳天気」とも書きます。「あなたって脳天気だね」と言われると、どう解釈したらいいのでしょうか?
その時の状況によって、良い意味で言われることもあれば、悪い意味で使われることもあるでしょう。「能天気な人」には長所も短所もあります。まず「能天気」という言葉はどういった人に使われるか見ていきましょう。
何事にも深く考えずに気軽な様子
まず「能天気」という言葉の意味は、「何事にも深く考えず、気楽な様子」を指しています。つまり「能天気」とは、人の性格や特徴を意味する言葉です。なぜ「能天気」という言葉ができたのでしょう。その語源には諸説あります。
もともとは「脳天気」と書いていたので、頭の中が快晴であるという意味だという説があります。この「快晴である」ということは、あまりいい意味ではありません。「頭が快晴だ」というのは、「青空のように澄み渡る明晰な頭脳を持っている」といった意味ではないからです。
雲一つない空に例えて、「何も考えていない」という意味になります。何かをくよくよ考えているよりは良い意味ではありますが、何も考えていないとなると、少々馬鹿っぽいイメージになってしまう場合もあります。
よく「君は能天気で羨ましいよ」と言われることがありますが、この場合は良い意味では使われていません。言葉の裏には「もっと考えろよ」という意味が隠されているからです。
「能天気」な性格というのは、なりたいからなれるというものではありません。深くくよくよ考える気質の人は、「能天気」な人を羨ましいと思うかもしれません。「能天気」は深く考えないことです。日々の生活で、深く考えたってどうしようもないことがあります。
どうしようもないのに、深く考えてしまうといった場合、なるべく気にしないようにしたり、何か他のことに夢中になるといった対策が挙げられるでしょう。毎日忙しく働いて、細かなことを考える暇がなくなるように自分を持っていくと、自然と「能天気」にならざるを得ないでしょう。
能天気の類語
「脳天気」とも書く「能天気」ですが、「深く考えないで、気楽でいる」といった意味になります。「深く考えない」といった意味から、「呑気で安直である」といった意味で使われることもあります。さらに「呑気で軽薄である」といったマイナスな意味合いも出てきます。
「呑気」の次に来る「安直」や「軽薄」といった言葉の意味が、「充分に考えない」といったマイナスイメージの強い意味だからです。これらの言葉の他に、「能天気」と似た意味の言葉はないでしょうか?
気楽
「能天気」の類義語の1つ目は「気楽」です。「気楽」の意味は「心配したり苦労したりすることなく、のんびりしていること」です。さらに「物事にこだわらずに呑気なこと」です。「能天気」より「のんびり」のニュアンスが強いのが特徴と言えるでしょう。
この「気楽」という言葉も、良い意味でも悪い意味でも使われます。場合によって、「気楽」はかなりの皮肉を含めた使い方をされます。たとえば「君は気楽でいいね」といった使い方をすると、皮肉を含めた物言いになります。
無頓着
「能天気」の類義語の1つ目は「無頓着」です。「無頓着」の意味は「まったく気にかけない」というものです。「能天気」には「物事に頓着しない」といった意味も含まれています。この無頓着も、良い意味と悪い意味の両方での使い方をされます。
何事にも神経質になって、すぐに気にするという特徴と真逆の性格です。小さな事を気にしてびくびくして生きるより、おおらかに構えている人のほうが魅力的に見える場合もあるでしょ。そういった人を「無頓着な人だ」と言う時は、いい意味で使われます。
何事も深く考えることなく、さらに考えが浅い時も「無頓着だ」と使われます。この場合は、悪い意味で使われます。類義語の「無頓着」と同様に、いい意味にも悪い意味にもなる「能天気」を、上手な使い方をしていきましょう。
その他の類義語
「能天気」の類義語として「気楽」や「無頓着」の説明をしてきました。「能天気」の類義語はその他に何があるでしょうか?まず「マイペース」といった言葉も「能天気」の類義語であると言えるでしょう。その他に「楽天的」や「楽観的」も「能天気」とよく似た意味で使われます。
マイナスなイメージは強いですが「安直」も「能天気」の類義語と言えるでしょう。「陽気」も類義語と言えるでしょう。こちらはプラスなイメージが強いです。再びマイナスなイメージの「考えなし」といった類義語もあります。
人は「能天気」なことを非難していても「能天気な人」のことを非難しているわけではありません。そもそも親しい間柄でなければ、なかなか口にできない言葉です。親しみを込めた非難だと割り切って受け取りましょう。
能天気の正しい使い方
「のうてんき」という言葉には、いろいろな漢字が使われています。ここでメインに使っている「能天気」の他、「脳天気」という書き方もありますし、「能転気」とも書かれます。
「能天気」と書く「のうてんき」と「脳天気」と書く「のうてんき」はどのような使い方をすればいいのでしょうか?使い方に違いはあるのでしょうか?
さらには「のうてんき」の「のう」の部分を「のー」としてみたり、カタカナ表記にしてみたりして「ノー天気」といった使い方をする人もいます。ビジネスシーンなど正式な文書では使わないほうが得策です。プライベートや友達同士の気楽な会話の中での使い方がいいでしょう。
能天気・脳天気どちらも間違いではない
「のうてんき」は「能天気」という漢字を使う人もいれば、「脳天気」という漢字表記を使う人もいます。どちらが正しいのでしょうか?まず「のうてんき」という言葉は江戸時代からありました。「能天気」という漢字の使い方は江戸時代からされてきました。
いっぽうで「脳天気」という漢字の使い方は昭和の時代からされるようになりました。それまでは「能天気」のほうが主流でした。「脳天気」が使われるきっかけとなった人が、小説家の平井和正です。
「脳の中がいつも快晴」といった意味合いでの使い方をするようになりました。漢字と言葉の意味合いが絶妙なため、「脳天気」と記す人が増えました。現在では「能天気」とも「脳天気」とも記され、どちらを使っても間違いではありません。
「脳天気」と書くか「能天気」と書くかは好みの問題です。自分の感覚にあった漢字の使い方をしていきましょう。さらに「能転気」といった漢字の使い方をする人もいるでしょう。この言葉は「能天気」から派生した漢字表記であると言われています。
さらに先述した通り「ノー天気」「のーてんき」といったカタカナやひらがなで表記する人もいます。かしこまった場所では不似合いな表現なので、時と場所を選んで使いましょう。
能天気な人の性格や特徴
ここまで「能天気」の意味や類語、「脳天気」との意味の違いなどを見てきました。普通に日常生活を送っていて、能天気な人と付き合うシチュエーションは決して少なくないでしょう。
どんな環境下にも、能天気な人はいます。脳がお天気状態の「脳天気」の人とどう付き合っていけばいいのでしょうか?
能天気な人とうまく付き合っていくため、能天気な人の性格や特徴を把握しておく必要があります。能天気な人はどのような性格や特徴を持っているのでしょうか?以下に詳しく見ていきましょう。
責任感が無くどうにかなると思っている
能天気な人の性格や特徴の1つ目は、責任感が無く、どうにかなると思っているというものです。困難に直面した時、「どうしたらいいだろう」「切り抜ける解決策を考えなくては」と思い悩んだり、不安になったりするでしょう。
しかし能天気な人は困難な状況に陥ったとしても、焦って不安になるということがありません。これはどういったことなのでしょうか?能天気な人にとっては、その状況は困難な状況ではありません。普通の人が困難な状況だと認識する状況を困難だと思わない性格や特徴があります。
「どうにかなるよね」と思っているので、不安になったりしません。周囲の人が見るに見かねて、能天気な人に助け船を出したり、解決策を示してくれたりするので、本当に困難な状況に陥るといったことが少ないのが能天気な人の特徴と言えるでしょう。
目の前の事に意識が集中しすぎる
能天気な人の性格や特徴の2つ目は、目の前の事に意識が集中しすぎるというものです。「1年後に100万円必ずもらえるのと、今目の前で1万円必ずもらえるのと、どっちを選ぶ?」と問いかけられたら、どちらを選びますか?
必ずもらえるのなら、ほとんどの人が1年後の100万円を選ぶのではないでしょうか?何しろ金額が大きいです。しかし能天気な人は、今すぐ1万円をもらうことを選択します。「1年後に確実にもらえるかわからないから」といった理由からではありません。
1万円を選んでしまう理由は目の前にあって、今すぐもらえるという今の喜びを欲するからです。つまり、1年後をクリアに想像することができません。ぼんやりした1年後の幸福より、今の幸福を選ぶのが能天気な人の性格であり、特徴です。
そのため将来の不安やもしもの事態のために生命保険に加入するという気持ちも起きない人が多いのが、能天気な人の性格と言えるでしょう。あなたの家族で能天気な人がいるなら、将来の保険や積立貯金などをあなたがしっかりと管理しておくのがいいでしょう。
何度失敗しても反省しない
能天気な人の性格や特徴の3つ目は、何度失敗しても反省しないというものです。人間誰しも、失敗をします。1度や2度の失敗はよくあることと言われます。しかしそれが3度続くと、よくあることでは済まされないのではないでしょうか?
子供なら、成長の途中なのでたくさん失敗をするものです。しかし大人になっても失敗を繰り返すのは、大きな問題だと言えるでしょう。
子供ではないのですから、なぜそんな失敗をしたのか、次にどうすれば失敗しないで済むのか、よく考えて反省するものです。ところが能天気な人は、過去の失敗を振り返って反省したり、改善したりしようとしません。
失敗して叱られたり、注意されたりしても、そんなことはすぐに忘れてしまいます。「前も同じ失敗をしたでしょう」と言っても、「そうだったっけ?」となってしまいます。ただ謝っておけばその場を切り抜けられると考えてしまう特徴があります。
そもそも何に気をつけたらいいか、次はどうやれば成功するかを考えたり理解したりしないまま、とりあえず謝っているだけです。能天気な人はその性格か悩みのないストレスフリーな生活をしていますが、周囲の人はその分ストレスを抱えがちです。
根っからの世話好きだったり、能天気なその人を心から愛して放っておけないといった人でなければ、側にいること自体、骨が折れそうになってしまいます。
周りの人のことは考えない
能天気な人の性格や特徴の4つ目は、周りの人のことを考えないというものです。能天気な人は、周囲の人に迷惑をかけるかどうか深く考えません。その結果、迷惑をかけてしまうことが多いです。迷惑をかけられてしまう方はたまったものではありません。
しかし能天気な人に何を言っても心に響くことはありません。能天気な人は周りの人のことなんて考えない性格であり特徴を持っているからです。たとえば待ち合わせの場所に能天気な人が遅刻したとします。
「ごめん」と謝ると期待していたら「先に行ってればよかったのに」と発言します。待っていた側は、謝罪の言葉もなく、行ってもいいといった連絡をくれたわけでもないのですから、いら立ってしまうかもしれません。
能天気な人に相手の気持ちを考える気持ちがあれば、こうしたやり取りはしなくてすみます。能天気な人に何かをやってもらったり、期待したりするのは間違いと言えるでしょう。付き合いづらいと考えたら、ほどほどに距離を取り、自分にかかってくるリスクを最小限に抑えましょう。
ストレスを感じない
能天気な人の性格や特徴の5つ目は、ストレスを感じないというものです。能天気な人は物事を深く考えず、悩みを持つということが少ない性格や特徴を持っています。もし悩みが出来たとしても「その時に考えよう」とか「誰かが何とかしてくれるさ」と考えてしまいます。
そのため真剣に悩んだり、落ち込んだりといったことがほとんどありません。別の言い方で言えば、気持ちの切り替えが早いと言えるでしょう。深く考えないという性格により、ストレスのない生き方ができます。
ストレスがないので眠れないということもなければ、ストレスからくる不健康な状態にはなりにくいと言えます。能天気でない人は、能天気な人に「悩みがなくていいね」と嫌味を言いがちですが、羨ましいとも考えるでしょう。
ストレスが多い今の社会では、能天気な人のようにストレスを感じないで済む生活ができれば、もっと人生を楽しめるでしょう。しかしストレスを感じないというのは深く考えないということです。
能天気な人の気持ちに対する理解が足りなかったり、人の立場になって物事を考えたりといったことが苦手な特徴があります。そういった点は大きな欠点と言えるでしょう。
能天気な人の長所
「能天気」や「脳天気」は、良い意味でも、悪い意味でも使われます。つまり、能天気な人には、長所も短所もあるということです。では、能天気な人にはどのような長所があるのでしょうか?
ここまで見てきた性格や特徴のなかにも、長所と言える部分があるでしょう。どのような性格や特徴が長所となるのか、個別に見ていきましょう。
人を信じられる
能天気な人の長所の1つ目は、人を信じられるというものです。能天気な人は、無条件に人を信じることができます。これは大きな長所です。裏切られたらどうしようという発想をしないので、純粋に他人の言葉を信じることができます。
万が一、裏切られたとしても、その事実を重く受け止めることもありません。それならばどうしようかと、次の選択肢を考え直すための出来事の1つにしかなりません。
裏切られたとしても、裏切られた実感を持ちません。そのため、裏切られたからと人間不信になることはなく、変わらず人を信じることができます。
深く悩まない
能天気な人の長所の2つ目は、深く悩まないというものです。能天気な人は深く悩むことがなく、悩んでも引きずらない特徴があります。切り替えが早いのは大きな長所と言えるでしょう。能天気だから悩みが全くないというわけではありません。
しかし普通の人が大問題だと深く悩むようなことでも、それほど深く悩むことがありません。能天気な人は物事に対する切り替えが早いです。そのため悩んでいる時間が短いため、次の行動も早く、仕事をする上で非常に大きな長所だと言えるでしょう。
人気がある
能天気な人の長所の3つ目は、人気があるというものです。能天気な人というのは、根拠がないながら自信に満ち溢れています。また性格も前向きでポジティブです。その結果、周りから嫌われる要素があまりありません。
責任感がないといった面もありますが、そこにいるだけで周りの空気を自然と明るくします。また、能天気な人は人に対して疑うことをしません。誰に対しても表裏なく接する特徴があります。その結果、人から好かれやすい傾向にあります。
能天気な人の短所
ここまで、能天気な人の長所について見てきました。能天気な人にも良い点がたくさんあります。それと同時に、能天気な人には欠点もあります。能天気な人の短所も、性格や特徴に大きく左右されます。どのような性格や特徴が短所となるのでしょうか?
すぐに人を信じる
能天気な人の短所の1つ目は、すぐに人を信じてしまうというものです。人を信じることができるのは、基本的に長所です。しかし長所でもあり短所でもあると言えるでしょう。
世の中には騙そうとして近づいてくる人もいれば、信じやすい人を利用してやろうという人も存在します。そういった悪意ある人に利用されてしまう危険性があります。
能天気な人は騙されても、裏切られてもあまり気にしない性格ではあります。それでも気持ちに大きなダメージを受けるぐらいの裏切りもあるでしょう。そのような裏切り行為に遭って、被害を受けるという点は短所と言えるでしょう。
空気が読めない
能天気な人の短所の2つ目は、空気が読めないというものです。空気が読めないというのは、大きな短所となります。人の話をあまり聞かなかったり、周りのことを充分に考えなかったりすることで、場の空気が気にならないというケースが多いです。
場の空気を読まないことで、結果的にその場の空気が和んでしまうといったケースもあります。しかし、今はそういった雰囲気にないといった状況でも、気軽に関係ないことを発言してしまいます。
信頼されにくい
能天気な人の短所の3つ目は、人から信頼されにくいということです。能天気な人は他人の言うことを簡単に信用します。しかし、他人から信頼されたり、信用されたりといったことが少ないという短所があります。これはとても重要な問題だと言えるでしょう。
能天気な人の性格として、責任感がなく、人の話を聞かず、計画性もなく、失敗を繰り返すということは先述してきました。こうした性格の人に何かを任せるということは、普通に考えても難しいと言えるでしょう。
能天気は何事にも深く考えずに気軽なこと
能天気は「脳天気」とも書く通り、「頭がすっきり快晴」の状態です。そこには良い面と悪い面があります。しかしそれらは見方によってまったく逆にもなります。
前向きさ、明るさ、無頓着さなどは神経質な人から見れば見習いたい部分ではないでしょうか?後先考えない、無責任、自分主体といった悪い面は、周囲に迷惑をかけたり、損をしたりする部分です。
何も考えずに気楽でいることがいいことなのか悪いことなのかは、その場の状況で変わっていきます。能天気な人と接する時はその性格や特徴をよく知っておきましょう。