「堪える」の意味
「堪える」という言葉を目にしたことがあるという人は結構多いでしょう。ですが「堪える」とは正確にはどのような意味を持っているのかは知らない人もいるでしょう。
「堪える」という言葉を使うことはあまりありませんが、小説などの中では結構使われるため、本をよく読む人などは目にすることも多く、意味も何となく理解できる人が多いと言えます。
実生活の中で「堪える」という言葉を使っている人であっても、「堪える」の正しい意味は知らない場合もあります。
「堪える」という言葉にはいったいどういう意味があるのか、「堪える」の意味についてご紹介しましょう。
意味①負担や任務に対応する能力がある
「堪える」の意味の一つ目は、「負担や任務に対応する能力がある」という意味です。「負担や任務に対応する能力がある」と言うとちょっと難しい意味になりますが、実はそれほど難しい意味ではありません。
「負担や任務に対応する能力がある」というのは簡単に言えば「仕事などができる能力がある」というような意味になり、何かをこなすことができる能力があるということになります。
「堪える」と混同しやすい「耐える」という言葉がありますが、「耐える」はただ我慢するニュアンスであるのに対して、「堪える」は我慢するだけではなくはねのける力があるというニュアンスになります。
意味②それをするだけの値打ちがある
「堪える」の意味の二つ目は、「それをするだけの値打ちがある」という意味です。この場合の「堪える」は先にご紹介した意味とはかなり違っていますが、こちらの意味での「堪える」は結構使われています。
「聞くに堪えない」という言葉は時々使われますが、この場合の「堪える」は「それをするだけの値打ちがある」という意味になります。
「それをするだけの値打ちがある」という意味で「堪える」を使っていますので、「聞くに堪えない」の意味は「聞く値打ちもない」という意味になるということです。
「堪える」の読み方
「堪える」の意味についてご紹介しましたので、次は「堪える」の読み方についてご紹介します。「堪える」の読み方は一つだけではなく、いくつかの読み方が存在しています。
「堪える」はその読み方ごとに色々と違った使い方ができますので、意外な時に意外な場面で使われることがあります。
「堪える」の読み方にはどのような読み方があるのか、「堪える」の読み方についてご紹介しましょう。
読み方:たえる・こらえる・こたえる
「堪える」の読み方は「たえる」「こらえる」「こたえる」で、どれを入力して変換しても「堪える」に変換することができますが、意味的には「我慢する」といったニュアンスを含んだ意味になります。
「たえる」という読み方の例文として「ハードワークに堪える能力がある」が挙げられますが、この場合の「堪える」の意味は「負担や任務に対応する能力がある」という意味になります。
「こらえる」という読み方の例文として「激痛を堪える」が挙げられます。この場合は「我慢する」という意味です。
「こたえる」という読み方の場合「堪える寒さ」といった使い方をしますが、この場合は「我慢できないほど」という意味になります。
「堪える」の類語
「堪える」の読み方についてご紹介しましたので、次は「堪える」の類語についてご紹介します。「堪える」には「負担や任務に対応する能力がある」「それをするだけの値打ちがある」という複雑な意味があります。
なので「堪える」のこれらの意味と完全に一致するような類語はなさそうですが、近い意味を持っていて「堪える」と同じような使い方ができる言葉はいくつかあります。
「堪える」の類語に当たる言葉にはどのような言葉があるのか、「堪える」の類語についてご紹介しましょう。
乗り越える
「堪える」の類語の一つ目は、「乗り越える」です。「乗り越える」の意味は「何かの上を越えて向こう側に行くこと」という意味ですので、「堪える」とは全く違う意味になります。
「乗り越える」の意味「何かの上を越えて向こう側に行くこと」は、物理的に壁などを越えるイメージがありますので、「堪える」とは全く違うと思われても当然です。
ですが「乗り越える」は「大変な局面だったが何とか乗り越えることができた」などというように、苦しい状況にも堪えて何とかできたという意味で使われることが多く、そういった意味では「堪える」の類語だと言えます。
耐え忍ぶ
「堪える」の類語の二つ目は、「耐え忍ぶ」です。「耐え忍ぶ」の意味は「辛さや苦しさなどを我慢する」「堪える」という意味で、意味の中にストレートに「堪える」があるため「堪える」の類語と言えます。
ですが「耐え忍ぶ」はニュアンス的には「ひたすら我慢する」という感じですので、ただ我慢するだけでなくはねのける力があるというニュアンスのある「堪える」とは少し違います。
「耐え忍ぶ」の場合は厳しい状況や環境などにひたすら我慢し続けるイメージがあり、はねのけるといったイメージはありませんので、その点が「堪える」との違いだと言えます。
持ち堪える
「堪える」の類語の三つ目は、「持ち堪える」です。「持ち堪える」の意味は「ある状態を何とか保つ」「支えて踏みとどまる」といった意味で、一見すると「堪える」とは違う意味に見えますが、こちらも「堪える」の類語です。
「持ち堪える」には「堪える」という言葉が入っていますので、その点では「堪える」の類語の中でもかなり「堪える」に近い言葉になります。
「持ち堪える」には「何とか保つ」「踏みとどまる」といった意味があるため、悪い状態などを何とかとどめる力が含まれていると言うこともでき、そういった点でも「持ち堪える」は「堪える」の類語であると言えます。
乗り切る
「堪える」の類語の四つ目は、「乗り切る」です。「乗り切る」の意味は「荒れた海などを船で渡りきる」「困難な状況を何とか頑張って挫折せずに切り抜ける」という意味です。
一つ目の意味は「堪える」とは全く違う意味になりますが、二つ目の意味はかなり「堪える」の意味に近いですので、「乗り切る」は「堪える」の類語と言えます。
「乗り切る」は使い方も「堪える」と似ていて、仕事などを何とかやりきったといった場合に使えますので、使い方という点でも「乗り切る」は「堪える」の類語だと言うことができます。
耐える
「堪える」の類語の五つ目は、「耐える」です。「耐える」の意味は「嫌なことや辛いことをじっと我慢する」「辛抱する」「堪える」という意味で、意味の中に「堪える」が入っていますので「堪える」の類語になります。
ですがニュアンス的には「耐える」は「堪える」とは少し違っていて、「ひたすら我慢するだけ」というイメージがあります。
「堪える」は「ひたすら我慢するだけでなくはねのける」といったニュアンスがありますので、そういった点では「耐える」は「堪える」とは少し違うと言えます。
「堪える」の対義語
「堪える」の類語についてご紹介しましたので、次は「堪える」の対義語についてご紹介します。「堪える」の類語はたくさんありますが、「堪える」の対義語はそう多くありません。
「堪える」の意味は「負担や任務に対応する能力がある」「それをするだけの値打ちがある」という意味ですので、これらの意味とは反対の意味を持った言葉が「堪える」の対義語になりますが、それがなかなかありません。
「堪える」の対義語に当たる言葉にはどのような言葉があるのか、「堪える」の対義語についてご紹介しましょう。
屈する
「堪える」の対義語の一つ目は、「屈する」です。「屈する」の意味は「何かをしようとする意欲がなくなる」「負けて服従する」という意味です。
「堪える」という言葉には「何かに我慢してもはねかえす」といったニュアンスがありますが、「屈する」にはそういった「負けない」イメージがありません。
「屈する」には「負けて服従する」という意味がありますので、「堪える」とは正反対だと言えます。そのため「屈する」という言葉は「堪える」の対義語だということになります。
くじける
「堪える」の対義語の二つ目は、「くじける」です。「くじける」の意味は「勢いや意欲がそがれて弱まる」という意味で、こちらも「屈する」と同じように最初から負けているようなイメージがあります。
「堪える」には「負けずにはねかえす」といったイメージがありますので、そういった点では「くじける」は「堪える」とは正反対のイメージがあると言えます。
「困難な状況に堪える」と「困難な状況にくじける」というように、正反対のことを表すために使えますので、「くじける」も「堪える」の対義語になります。
「堪える」の使い方と例文
「堪える」の対義語についてご紹介しましたので、次は「堪える」の使い方と例文についてご紹介します。「堪える」の使い方と例文については読み方の所でも少し触れましたが、さらに詳しくご紹介します。
「堪える」には「こたえる」「こらえる」「たえる」の三つの読み方があり、それぞれの読み方によって使い方が異なります。
なので、「こたえる」「こらえる」「たえる」の三つの読み方別にそれぞれ例文を挙げてご紹介する必要があります。
「堪える」という言葉はどのように使えば良いのか、「堪える」の使い方と例文についてご紹介しましょう。
こたえる
「堪える」の使い方と例文の一つ目は、「こたえる」の例文です。「今年の夏はこたえられない暑さだ」という例文では、「堪える」が「我慢できない」という意味で使われています。
他に「ビールに枝豆はこたえられない美味しさだ」という例文が挙げられます。この場合の「堪える」は「この上なくすばらしい」という意味で使われています。
「耐え続ける」という意味で「堪える」を使った例文として「サポートに入るのでそれまでは持ち堪えろ」という例文も挙げられます。
「こたえる」という読み方で「堪える」を使う場合には色々な意味で使えますので、「堪える」はかなり使える言葉だと言えます。
こらえる
「堪える」の使い方と例文の二つ目は、「こらえる」の例文です。「痛みをこらえる」という例文では、「堪える」を「我慢する」という意味で使っています。
「堪える」を「こらえる」という読み方で使う場合には「我慢する」という意味で使われることが多いですが、それだけではありません。
「あの攻撃を良く堪えた」というように、物理的な何かに対して堪えたといった場合にも「こらえる」を使うことができます。
「今回だけはこらえて下さい」という文章での「こらえる」は「許す」という意味になり、「堪える」を「こらえる」で使う場合にも色々な使い方ができると言えます。
たえる
「堪える」の使い方と例文の三つ目は、「たえる」の例文です。「私はその仕事には堪えない」という例文では、「能力がない」という意味で「堪える」が使われています。
「堪える」の意味の所でも少し触れましたが、「聞くに堪えない」「見るに堪えない」という文章では「値打ちがない」という意味で「堪える」が使われています。
「堪える」を「たえる」という読み方で使う場合には、「堪える」の基本的な意味「負担や任務に対応する能力がある」「それをするだけの値打ちがある」という意味で使われるということになります。
「堪える」の英語表現
「堪える」の使い方と例文についてご紹介しましたので、次は「堪える」の英語表現についてご紹介します。
日本語には英語に翻訳するのが困難なほど複雑な意味を持っている言葉もたくさんありますが、「堪える」もそういった日本語の一つですので、完全に同じ意味を持つ英語を探すのは難しいです。
「堪える」を英語表現するには意訳が必要になりますので、シンプルな英語で「堪える」を表現することになります。
「堪える」を英語表現するにはどのような英語を使えば良いのか、「堪える」の英語表現についてご紹介しましょう。
我慢する事を意味する表現
「堪える」の英語表現の一つ目は、我慢する事を意味する表現です。我慢する事を意味する「堪える」の英語表現に使える言葉はいくつかあります。
「bear」「endure」「stifle」という英語はいずれも、精神的に我慢するというニュアンスがありますので、「我慢する」という意味で「堪える」を英語に翻訳したい場合に使われます。
適する・値するという意味の表現
「堪える」の英語表現の二つ目は、適する・値するという意味の表現です。「堪える」を「適する・値する」という意味で英語表現する場合にも、いくつかの言葉が使えます。
「be fit」「be equal」という言い回しには「適する」「値する」という意味がありますので、「堪える」を「それをするだけの値打ちがある」という意味で英語に翻訳する場合にはこれらの言葉が使えます。
「堪える」の意味は負担に対する能力があること
「堪える」という言葉の意味や読み方などについて色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。「堪える」の意味は負担に対する能力があるという意味ですので、正しい意味を知って正しく使いましょう。