サスペンド(suspend)の意味とは?
ビジネスシーンやIT用語として耳にする機会が多い「サスペンド(suspend)」という単語ですが、実際にどのような意味なのかご存知でしょうか?
この記事では「サスペンド(suspend)」の意味、派生語、「サスペンド(suspend)」の使い方について詳しく解説していきます。様々な意味を持つ「サスペンド(suspend)」という言葉について学び、ビジネス・IT用語や英文で上手に使いこなせるようにしましょう。
意味①つるす・掛ける
「サスペンド(suspend)」の主な意味として「(ものを)つるす・掛ける」があります。似た意味の単語として「hang(ハング)」がありますが、この意味については後ほど解説します。
例文は「Some chandeliers are suspended from the ceiling.(シャンデリアが天井からつるされている。)」です。他には「I suspended the light from the ceiling.(私はライトを天井からつるした。)」というものもあります。
一つ目の例文は「過去分詞」、二つ目の例文は「過去形」で「サスペンド(suspend)」が用いられた例です。どちらも同じ「suspended」となるので使い分けに注意しましょう。
意味②宙に浮かせる・浮遊させる
「サスペンド(suspend)」の二つ目の意味に「(ちりなどを)宙に浮かせる・浮遊させる」があります。この意味として使うときには「suspend」を「suspended」として形容詞的に用います。
使い方の例は「suspended particles of dust / 空中に浮遊するほこりの粒子」です。この意味で「サスペンド(suspend)」を使用する機会は少ないかもしれませんが、覚えておきましょう。
意味③中止する・保留する
「サスペンド(suspend)」の三つ目の意味に「中止する・保留する」があります。「サスペンド(suspend)」の「宙に浮かせる」という意味から関連して、宙ぶらりんなどっちつかずな状態「一時的に中止する」といった意味になりました。
例文は「The company suspended the launch of the new product.(その会社は新製品の発売を一時中断した。)」です。この意味は数ある「サスペンド(suspend)」の表現でもよく使用する表現なので覚えておきましょう。
意味④(資格などを)停止する
「サスペンド(suspend)」の四つ目の意味は「(資格などを)停止する」です。具体的には「(選手を)出場停止にする」、「(人を)停職にする」、「(生徒を)停学にする」などの意味があります。
例文は「He was suspended from school for smoking.(彼はタバコを吸って停学になった。)」です。また、似た意味の単語に「ペンディング(pending)」がありますが、この単語についても後ほど「サスペンド(suspend)」との違いを詳しく解説します。
サスペンド(suspend)の派生語と意味
「サスペンド(suspend)」には単語の形を少し変え、別の使い方をする「派生語」というものがあります。「サスペンド(suspend)」と似た単語なので、合わせて覚えましょう。
「サスペンド(suspend)」の意味から連想できるものばかりです。使い方も合わせ、例文を交えて解説していきます。
suspension(サスペンション)
一つ目は名詞「サスペンション(suspension)」です。意味は「つるすこと」「中断」「停学・停職」です。名詞なので「サスペンド(suspend)」とは使い方が異なる点に注意が必要です。
また、動詞「サスペンド(suspend)」と名詞「サスペンション(suspension)」を使い分け、同じ意味の文を作ることもできます。「She was put on suspension for smoking in school./She was suspended for smoking in school.(彼女は学校でタバコを吸って停学になった。)」
「put on suspension」で「一時停止にする」という意味になります。「サスペンド(suspend)」を用いた場合と意味は同じですが、このような書き分けができることを覚えておきましょう。
suspense(サスペンス)
二つ目は名詞「サスペンス(suspense)」です。この言葉には聞き馴染みがあるのではないでしょうか。意味としては「宙ぶらりんな状態」から派生して「気持ちが宙ぶらりんな状態」「気がかり、不安な気持ち」を表します。
そのままの単語で映画やドラマのジャンル「サスペンス」として使うことができます。例文は「He likes suspense movies.(彼はサスペンス映画が好きだ。)」です。
また、「in suspense」で「心配して、ハラハラして」という意味になります。例文は「His stories keep people in suspense.(彼の物語は人々をハラハラさせる。)」です。
suspenseful(サスペンスフル)
「サスペンド(suspend)」の派生語、名詞「サスペンス(suspense)」から更に派生した形容詞「サスペンスフル(suspenseful)」という単語もあります。「サスペンスに満ちた、ハラハラさせる気持ちの」という意味です。
この単語は「サスペンス(suspense)」と似た使い方ができます。例文は「That was a suspenseful adventure!(あれはサスペンスに満ちた冒険だった!)」です。似ていますが少しニュアンスも違うので、うまく使い分けましょう。
suspender(サスペンダー)
「サスペンド(suspend)」に「er」をつけた「サスペンダー(suspender)」という単語があります。これは主に「スラックスやスカートを吊るす為に肩にかかる紐やバンドのこと」を指します。
「吊るす(suspend)」+「もの(er)」で「サスペンダー(suspender)」となります。語源を理解することで、どのようなものか理解することができるでしょう。
サスペンド(suspend)の類義語と意味
先に解説してきた中にもありましたが「サスペンド(suspend)」には似た意味の言葉、「類義語」が幾つかあります。全く同じ意味の場合もありますが、ニュアンスが違う場合もあるので注意が必要です。
ここからは「サスペンド(suspend)」の類義語とその意味、使い方と使い分け方について例文を交えながら解説していきます。
hang(ハング)
一つ目の単語は「ハング(hang)」です。この単語は「サスペンド(suspend)」の中の「吊るす・掛ける」と同じ意味になります。
例文は「hang a chandelier from the ceiling(天井からシャンデリアを吊るす)」です。「サスペンド(suspend)」とそのまま置き換えて使うことができますが、「吊るす」以外の意味合いは全く異なるので注意しましょう。
pending(ペンディング)
二つ目の単語は「ペンディング(pending)」です。この単語は「サスペンド(suspend)」の中の「保留する」と似た意味になります。ビジネス用語、IT用語としても用いることが多い単語です。
非常に似た二つの単語ですが、英語のニュアンスは異なっているので注意が必要です。「サスペンド(suspend)」は人間・契約や審査など、どちらにも使うのに対して「ペンディング(pending)」は主語が契約や審査などの「モノ」に限られます。
また、「サスペンド(suspend)」は「中断する」という意味であり物事は一旦終了しているニュアンスがあります。一方で「ペンディング(pending)」は「保留」という意味で、進行中のものが一時中断しているというニュアンスです。違いに注意しましょう。
サスペンド(suspend)の使い方
「サスペンド(suspend)」の意味や派生語について解説してきましたが、ここからは具体的にどのように文中で使用するのかを解説していきます。
多様な意味を持つ「サスペンド(suspend)」の使い方を、例文を交えながらしっかりと理解していきましょう。
例文①
例文の一つ目は「Please suspend that work.」です。これを和訳すると「その作業を中断してください。」という意味になります。
仕事の場面で、相手に一度作業を中断してもらって相談をしたいとき、急ぎの仕事があるときなどに使えるフレーズです。
例文②
「be suspended from」を用いて、様々な表現をすることができます。「from」の後ろに付く単語によって意味は変化します。
「be suspended from school」は「停学処分を受ける」という意味になります。また、「be suspended from work」であれば「停職処分を受ける」という意味に変化します。「be suspended from the game」となると「(スポーツ選手が)出場停止になる」という意味にもなります。
例文は「She was suspended from office for 4month.(彼女は4ヶ月の停職処分を受けた。)」となります。上記の例以外にも様々な表現方法があるので、是非調べてみましょう。
例文③
「サスペンド(suspend)」という単語を用いて、「延期する」という表現をすることができます。ビジネスシーンにおいてよく使われる表現です。
「suspend the commencement of 〜」で「〇〇の開始を延期する」という意味になります。例文は「She suspend the commencement of a project.(彼女はプロジェクトの開始を延期しました。」です。
例文④
「suspend judgement」で「判断を保留する」という意味になります。ビジネスシーンで何かを決定する場合、その決定がすぐに下せないときなどに用いられる表現です。
例文は「suspend judgement until the fact are clear.(事実が明確になるまで判断を保留する。)」です。様々な場面で、すぐに判断できない場合はあるでしょう。そのような場合に使うのが適切な表現です。
IT・ビジネスでのサスペンド(suspend)
ここまでは英単語としての「サスペンド(suspend)」の意味を解説してきましたが、「サスペンド」にはIT用語、ビジネス用語としての意味合いがあることをご存知でしょうか?
英単語としての「サスペンド」から連想させた意味であることに変わりはありません。いざというとき意味がわかるように、ここで理解しておきましょう。
ITでのサスペンド(suspend)
IT用語における「サスペンド」には「コンピューターを一時的に休止させる」という意味があります。これはよく使われる「スリープ」「スタンバイ」と似ていますが、使用OSによって多少の違いがあるようです。
共通しているのは「作業中の内容をメモリやハードディスクに保存しておく」「電気が節約モードである」「完全に電源を落としている場合と比べて起動が速い」という点です。
また、IT用語としての「サスペンド」には同義語として「レジューム」があります。合わせて覚えておきましょう。
ビジネスでのサスペンド(suspend)
ビジネス用語における「サスペンド」には「アカウントを凍結される」と行った意味があります。IT用語や英単語とも違った意味合いなので注意しましょう。
具体的にビジネスにおける「サスペンド」は「ECサイトなどでサービスの運営者側がサービスの利用規約に違反する行為を行ったセラーなどに対して、アカウントを利用できない状態=販売(出品)できなくすること状態のこと」を指しています。
サスペンド(suspend)は「停止する」を意味する
「サスペンド(suspend)」の意味について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。「サスペンド(suspend)」には「停止する」を含めた様々な意味があります。
また、「サスペンド(suspend)」から派生した言葉、英単語「サスペンド(suspend)」から連想させたIT・ビジネス用語など使い方は実に多様です。是非「サスペンド(suspend)」という言葉の様々な意味を理解して、上手に使っていきましょう。