ガトーの意味とは?
ガトーショコラやガトーセックなど、お菓子の名称に使われることの多い「ガトー」ですが、「ガトー」とはいったいどんな意味を持っているのか、きちんと知っているでしょうか?
今回は「ガトー」の意味や「ガトー」の名の付くお菓子やケーキの例、それ以外にも使われる「ガトー」の使い方についてご紹介します。
ガトーとはフランス語で焼いたお菓子の意味をもつ
「ガトー」とは、フランス語で焼いたお菓子という意味を持っています。主にケーキの名前に使われることが多いですが、「ガトー」は広い意味で焼き菓子という意味を持っているため、クッキーなども意味しています。
ガトーの由来
フランス語で焼き菓子という意味があり、広くお菓子を意味する「ガトー」ですが、全てのお菓子に「ガトー」と付くわけではありません。
フランス語における「ガトー」とは、小麦粉にタマゴ、バター、砂糖を加えてオーブンで焼き、木の実や果物、チョコレートなどでデコレーションをした焼き菓子を意味します。そのため、例えばキャンディーやアイスなどは「ガトー」とは言いません。
また、9月21日はケンズカフェ東京でガトーショコラを初めて販売した日のため、それに由来して9月21日はガトーショコラの日となっています。
ガトーの特徴
日本でも広く知られている「ガトー」の名の付くお菓子といえば、独特のヒビを持つチョコレート菓子の定番ガトーショコラです。
しかし、実はガトーショコラという言葉は、フランス語と日本語では意味が違ってきます。また、ガトーショコラは略称で、正式にはガトー・クラシック・オ・ショコラとなります。
ガトーショコラはフランス語でチョコレートのお菓子という意味
フランス語でガトーショコラというと、チョコレートのお菓子という意味になります。そのため、日本でイメージされるガトーショコラだけでなく、ザッハトルテ、ブッシュドノエル、ブラウニーなど、チョコレートを使った様々なケーキを意味します。
ガトーを意味するフランス語以外の言葉は?
フランス語で焼いたお菓子という意味をもつ「ガトー」ですが、フランス語以外ではなんと表すのか知っているでしょうか?いくつかみていきましょう。
ドイツ語ではトルテやクーヘン、英語ではケーキ、イタリア語ではトルタまたはドルチェになります。いずれもお菓子の名称としてよく耳にする言葉です。
ガトーのつくお菓子やケーキの例
「ガトー」の意味や由来、特徴をみていきましたが、予想していた「ガトー」の意味とは少し違ったのではないでしょうか?
続いては、「ガトー」の名の付くお菓子やケーキの例を、皆さんご存知の定番のお菓子から少し珍しいお菓子まで、いくつかご紹介していきます。また、似ているお菓子やケーキも合わせてみていきましょう。
プティガトー
フランス語でプティは小さいという意味。そのため、プティガトーは小さな焼き菓子という意味です。1切れにカットしたケーキや、一口サイズの焼き菓子を表しています。
似た言葉にプティフールがありますが、こちらはプティガトーよりもさらに小さいサイズのお菓子という意味です。
ガトーオペラ
アーモンドパウダーが入ったビスキュイ・ジョコンドというスポンジケーキに、コーヒー風味のシロップをしみ込ませ、バタークリームやガナッシュクリームをサンドして層を重ね、最後にはチョコレートでコーティングしたガトーオペラ。
ガトーショコラに似ていますが、ガトーショコラよりも大人のケーキとして知られています。フランスのお菓子の中でも高級品として知られているため、一流店には必須のお菓子です。
ガトーオペラのオペラはパリのオペラ座を意味しているため、表面の金箔はオペラ座にあるアポロン像が持っている金の琴を例えています。
オーストリアのウィーンで誕生したザッハトルテと混同してしまうことが多いですが、ザッハトルテは小麦粉にバターや卵、チョコレートなどを合わせた生地をオーブンで焼き、あんずのジャムを使用して、チョコレートでコーティングしています。
ガトーオペラは長方形が基本であることに対して、ザッハトルテはホール型が基本です。断面を見比べると、より違いが分かりやすいです。
ガトーフレーズ
フレーズとはフランス語でイチゴを意味します。そのため、イチゴのケーキ、すなわち日本でショートケーキと呼ばれているケーキを表しています。
先ほどご紹介したガトーオペラとは反対に、真っ白なクリームに赤いイチゴのコントラストが、とてもかわいらしい見た目になっています。
ガトーセック
セックとはフランス語で乾いたという意味があります。そのため、ガトーセックとはお菓子の名前というよりも、乾いた焼き菓子の総称となっています。例えば、クッキーやマドレーヌなどがガトーセックと呼ばれます。
ガトーインビジブル
最近人気のガトー系スイーツであるガトーインビジブル。インビジブルとは英語で目に見えないという意味を持っています。英語が使われていますが、ガトーインビジブルはれっきとしたフランス生まれのケーキです。
卵に牛乳と小麦粉を混ぜて作ったオーソドックスなカスタード風味の生地に、細くスライスしたフルーツをたくさん入れたケーキです。スライスするフルーツは様々ですが、ガトーインビジブルの定番フルーツはりんごです。
スライスしたフルーツが生地と混ざり合って見えないことから、ガトーインビジブルと名づけられました。
ガトーマジック
ガトーインビジブルと並んで、最近話題になっているガトー系スイーツが、魔法のケーキという意味を持つガトーマジックです。プリンやクラフティの味に似ています。
ガトーマジック自体は最近誕生したケーキですが、フランス南西部にあるランド地方の伝統的なお菓子ミヤスをアレンジしたケーキとなっています。
ガトーマジックが魔法のケーキと言われる所以は、ケーキがスポンジ、プリン、カスタードの3層構造になっていて、ケーキ一つで3つの味を楽しめるところです。また、一層ずつ作り上げていくのではなく、材料を混ぜて型に入れるだけで3層構造になる点です。
とはいえ、ただ混ぜて型に流し込めば自然と3層構造になるわけではなく、生地を混ぜる際には多少のコツが必要になります。
基本のバニラガトーマジックの他、薄力粉を少なくしてチョコレートを加えたチョコレートガトーマジックや、抹茶を加えた抹茶ガトーマジックなども作れます。
また、牛乳を半分ココナッツミルクにしてみたり、底にフランボワーズやブルーベリーなどのフルーツを入れてみたり、シンプルなケーキゆえにアレンジ方法もたくさんあるのが、ガトーマジックの特徴です。
ガトーの使い方
お菓子やケーキに使われる「ガトー」の使い方をご紹介してきましたが、「ガトー」にはまだ他の使い方もあります。続いては、フランス語でお菓子以外に使われる「ガトー」や、フランス語以外の「ガトー」の使い方の例や意味をみていきましょう。
例文①
フランス語で「ガトー」は、お菓子やケーキの名称の他にも、フランス料理に使われています。フランス料理の前菜には、ガトー仕立てと名づけられている料理があります。
これは、セルクルなどの型に材料を詰めて重ねていき、その丸い姿をケーキに例えているため、ガトー仕立てと名づけられているのです。
例文②
「ガトー」はお菓子屋さんの店名としての使い方もあります。ケーキやパイなどのお菓子をメインで販売している洋菓子店では、パティスリーが使われることが多いです。
しかし、焼き菓子をメインに取り扱っているお菓子屋さんの場合は、メインのお菓子をアピールするために「ガトー」を使うことがあります。ガトーラスクで有名なガトーフェスタハラダなどが例です。
例文③
フランス語では焼いたお菓子を意味する「ガトー」ですが、スペイン語やポルトガル語ではオス猫を意味します。
「ガトー」と名の付く猫カフェもあるため、お菓子屋さんだと思って入ったら猫カフェだったということもありえます。ポルトガル語ではオス猫の他、カッコいい人や俊敏な人という意味もあるのです。
例文④
メキシコ西部の海岸沿いに住む小型のトラザメも、「ガトー」と呼ばれます。アメリカの潜水艦は魚にちなんだ名前をつけるため、トラザメ「ガトー」にちなんで、「ガトー」と名づけられた原子力潜水艦があります。また、潜水艦の艦級にもガトー級があります。
ガトーはフランス語で焼いたお菓子という意味
お菓子の名称で有名な「ガトー」にも、様々な意味や使い方があることが分かりました。フランスには「ガトー」の他にも美味しいお菓子がたくさんあります。今まで何となく使っていた「ガトー」の意味合いをはっきりと理解して、フランスのお菓子を味わってみましょう。