寂寥感の意味とは?
日本語にはとても難しくて普段の日常生活の中ではほとんど使われない言葉もたくさんあります。そんな日本語の中に「寂寥感」という言葉がありますが、「寂寥感」の読み方もわからないという人も少なくないでしょう。
「寂寥感」の読み方は「せきりょうかん」ですが、読み方がわかっても聞いたことがないという人も多いはずです。
この「寂寥感」という言葉は小説などの中では結構使われていますが、一般的な日常生活の中で使われることはほぼありません。
「寂寥感」という言葉にはいったいどのような意味があるのか、まずは「寂寥感」の意味についてご紹介しましょう。
寂しい気持ちという意味
「寂寥感」の意味の一つ目は、「寂しい気持ち」という意味です。「寂寥感」の意味「寂しい気持ち」はただ単に寂しいと思う気持ちというわけではなく、とてつもなく寂しいといった強い意味が含まれています。
「寂寥感」の「寂しい気持ち」はとても寂しい気持ちやどうしようもないほど寂しい気持ちなど、意味的に強い寂しさを表します。
ですが実は「寂寥感」には「何となく寂しい」といったニュアンスもあります。特に理由もないのにとても寂しい気持ちになるのが「寂寥感」で、このような気持ちを表す時に「寂寥感」という言葉が使われます。
侘しい気持ちという意味
「寂寥感」の意味の二つ目は、「侘しい気持ち」という意味です。「侘しい(わびしい)」の意味は「力が抜けてしまうような気持ち」「やりきれないほど辛い気持ち」「頼るものがなく心細い気持ち」という意味です。
「寂寥感」の一つ目の意味「寂しい気持ち」は強い意味を持つ寂しさですが、二つ目の意味「侘しい気持ち」はさらに虚脱感やつらさや心細さなど、複雑な心境を表す意味を持っています。
「寂寥感」には「寂しい気持ち」「侘しい気持ち」の二つの意味がありますが、どちらも辛さや寂しさなど良くない感情を表す意味で、「寂寥感」という言葉には悲しみなども含まれていると言えます。
寂寥感の対義語・類語
「寂寥感」の意味についてご紹介しましたので、次は「寂寥感」の対義語と類語についてご紹介します。「寂寥感」の意味は「寂しい気持ち」「侘しい気持ち」なので、似た言葉が類語になり反対の言葉が対義語になります。
「寂寥感」の意味はかなりシンプルな「寂しい気持ち」「侘しい気持ち」という意味なので、対義語や類語もそう少なくありません。
「寂寥感」という言葉の対義語や類語にはいったいどういう言葉があるのか、「寂寥感」の対義語と類語についてご紹介しましょう。
寂寥感の対義語とその意味
まず最初に「寂寥感」の対義語についてご紹介します。「寂寥感」の意味は「寂しい気持ち」「侘しい気持ち」という意味なので、これらの意味とは反対の意味を持つ言葉が「寂寥感」の対義語ということになります。
「寂しい」「侘しい」の対義語と言われるとちょっと思いつかないという人も多いでしょうが、そう難しく考える必要はありません。
「寂寥感」はちょっと暗いイメージのある言葉なので、それとは正反対の明るいイメージや安心感などがある言葉が「寂寥感」の対義語になります。それでは、「寂寥感」の対義語とその意味についてご紹介しましょう。
充実感
「寂寥感」の対義語の一つ目は、「充実感」です。「充実感」の意味は「心が満たされている」「満ち足りている」という意味で、「寂しい気持ち」や「侘しい気持ち」という「寂寥感」とは正反対の意味になります。
「寂寥感」には寂しさや侘しさで思わずため息をついてしまうようなニュアンスがありますが、「充実感」にはそれが全くなく、ため息をつくどころか笑顔でいっぱいのイメージがあります。
「寂寥感」と「充実感」にはこのように正反対と言えるイメージがあるため、イメージ的にも「充実感」は「寂寥感」の対義語であると言うことができます。
安心感
「寂寥感」の対義語の二つ目は、「安心感」です。「安心感」の意味は「不安や心配がなく心が安らか」という意味ですので、「安心感」は「寂寥感」とは正反対の意味を持っていると言えます。
こちらもやはり「充実感」と同じく、ため息を思わずついてしまうような心理状態ではありませんので、そういった点でも「寂寥感」の対義語になります。
「寂寥感」の意味「寂しい気持ち」「侘しい気持ち」とは全く逆の意味を持つ「充実感」や「安心感」が「寂寥感」の対義語だということです。
寂寥感の類語とその意味
「寂寥感」の対義語についてご紹介しましたので、次は「寂寥感」の類語についてご紹介します。「寂寥感」は「寂しい気持ち」「侘しい気持ち」という意味ですので、これらの意味と同じような意味を持つ言葉が「寂寥感」の類語になります。
「寂寥感」の意味「寂しい気持ち」「侘しい気持ち」と似た意味を持つ言葉や似たニュアンスの言葉は結構たくさんあります。
「寂寥感」の類語にはいったいどういう言葉があるのか、「寂寥感」の類語についてもご紹介しましょう。
喪失感
「寂寥感」の類語の一つ目は、「喪失感」です。「喪失感」の意味は「心にぽっかりと穴が開いたような寂しい気持ち」という意味です。「寂しい気持ち」という言葉が入っていますので、「喪失感」は「寂寥感」の類語になります。
「喪失感」は大切な人や物などを失った時に感じる気持ちで、悲しみなども伴うニュアンスがあり、そういった点でも「寂寥感」に近いです。
ですが「寂寥感」は特に理由がなくても感じることがある気持ちですので、そういった点では「喪失感」は「寂寥感」とは少し違うとも言えます。
欠落感
「寂寥感」の類語の二つ目は、「欠落感」です。「欠落感」の意味は「必要なものやあるべきものが欠け落ちてしまったような気持ち」という意味で、「寂寥感」の「寂しい気持ち」「侘しい気持ち」という意味とは少し異なります。
ですが、何かが欠け落ちてしまったような気持ちになる時には、寂しい気持ちや侘しい気持ちを伴うことも多いです。
「欠落感」もニュアンスやイメージ的には「寂寥感」に近いものがあると言えますので、「欠落感」も「寂寥感」の類語だと言うことができます。
空虚感
「寂寥感」の類語の三つ目は、「空虚感」です。「空虚感」の意味は「心に穴が開いたような虚しくて空っぽな心の状態」という意味で、何か大切な存在などを失った後に陥りやすい心理状態のことを指します。
「空虚感」の意味は「寂寥感」の「寂しい気持ち」「侘しい気持ち」というシンプルな意味とは違ってかなり複雑な意味ですので、「空虚感」は「寂寥感」とは違う言葉に見えます。
ですが「寂寥感」の意味「侘しい気持ち」には「何かが抜け落ちたような気持ち」という意味がありますので、「空虚感」も「寂寥感」に似たイメージがあり、「空虚感」も「寂寥感」の類語だと言えます。
虚無感
「寂寥感」の類語の四つ目は、「虚無感」です。「虚無感」の意味は「すべてが虚しく感じられる」「何事にも価値や意味が見いだせないこと」で、「寂寥感」に比べるとかなり重いイメージの言葉です。
ですが「寂寥感」の意味「侘しい気持ち」には「何かが抜け落ちたような気持ち」という意味があり、この意味が「虚無感」の意味に似ていると言えますので、「虚無感」も「寂寥感」の類語だと言えます。
このように「寂寥感」には意外にたくさんの類語がありますが、どれも微妙にニュアンスやイメージが違いますので、「寂寥感」の類語を「寂寥感」の言い換えには使えない場合もあります。
寂寥感の使い方・例文
「寂寥感」の対義語と類語についてご紹介しましたので、次は「寂寥感」の使い方の例文についてご紹介します。「寂寥感」には「寂しい気持ち」「侘しい気持ち」という意味がありますので、そういった気持ちを表す時に使います。
「寂寥感」という言葉は日常生活の中ではほとんど使われませんので、「寂寥感」の使い方がわからないという人も多いでしょう。ですが「寂寥感」という言葉の使い方はそう難しくはありません。
「寂寥感」という言葉の使い方とはいったいどういう使い方なのか、「寂寥感」の使い方の例文についてご紹介しましょう。
例文①
「寂寥感」の使い方の例文の一つ目は、「家族と離れて生活し始め、寂寥感に襲われる」という例文です。この例文の意味は「家族と離れて生活し始めて寂しさに襲われる」という意味です。
「寂寥感」という言葉は色々な言葉とセットで使われますが、「寂寥感に襲われる」というのは「寂寥感」のセットの使い方の定型文のようなものですので、「寂寥感に襲われる」というセットでの使い方で覚えましょう。
ちなみに「寂寥感」という言葉は「寂寥感を感じる」というような使い方はできません。「寂寥感」には「感」が入っているため「寂寥感」に「感じる」をつけると「感じる」の二重表現になりますので注意が必要です。
例文②
「寂寥感」の使い方の例文の二つ目は、「遠く離れた故郷を思い、寂寥感に苛まれる」という例文です。この例文の意味は「遠く離れた故郷を思って、寂しい気持ちに悩み苦しむ」という意味です。
「寂寥感」の使い方の例文の一つ目でご紹介した「寂寥感に襲われる」という例文と同じく、「寂寥感に苛まれる」というのも「寂寥感」のセットの使い方の一つですので、「寂寥感に苛まれる」という定型文も覚えましょう。
例文③
「寂寥感」の使い方の例文の三つ目は、「何の温かみもない殺風景な部屋で、寂寥感に囲まれた」という例文です。この例文の意味は「何の温かみもない殺風景な部屋で、寂しさを感じて悲しい気持ちになった」という意味です。
「寂寥感に囲まれる」という言い方は、寂しさに取り囲まれたイメージのため、悲しみすら感じるということです。「寂寥感に囲まれる」も「寂寥感」を使った定型文の一つですので、覚えておくと良いでしょう。
例文④
「寂寥感」の使い方の例文の四つ目は、「人気のない森の中で見かけた寂寥感がある古い家」という例文です。「寂寥感」という言葉は「襲われる」「苛まれる」「囲まれる」などという言葉とのセットでの使い方だけではありません。
侘しい雰囲気のある建物などに対しても「寂寥感」という言葉を使うことがあり、そういった場合には「寂寥感のある建物」というような言い方をします。「寂寥感のある」というのも「寂寥感」の定型文の一つです。
「寂寥感」は「襲われる」「苛まれる」「囲まれる」「寂寥感のある」などといった定型で使うことが多いので、「寂寥感」の定型文を覚えましょう。
寂寥感と寂寞感の違い
「寂寥感」の使い方の例文についてご紹介しましたので、次は「寂寥感」と「寂寞感(せきばくかん)」の違いについてご紹介します。
「寂寥感」と似た言葉として「寂寞感」という言葉が挙げられますが、実は「寂寥感」と「寂寞感」は微妙に違う意味を持ちます。
「寂寥感」と「寂寞感」にはどのような違いがあるのか、「寂寥感」と「寂寞感」の違いについてもご紹介しましょう。
寂寞感はひっそりとしていて寂しいさまという意味
「寂寥感」と似た言葉として挙げられる「寂寞感」ですが、「寂寞感」の意味は「ひっそりとしていて寂しいさま」という意味で、「寂寥感」とは違ってちょっと軽く寂しさを感じる場合に使われます。
「寂寥感」はかなり寂しい時や侘しい時に使われる言葉ですので、何となくちょっと寂しいような時には「寂寞感」を使い、すごく寂しい時には「寂寥感」を使うというように使い分けます。
寂寥感の英語表記
「寂寥感」と「寂寞感」の違いについてご紹介しましたので、次は「寂寥感」の英語表記についてご紹介します。日本語には英語に訳するのが難しい言葉がたくさんありますが、「寂寥感」もその一つです。
ですが「寂寥感」にはほぼ直訳に近いニュアンスのある英語表現があり、その英語が「寂寥感」の英語訳として使われています。
「寂寥感」の英語表記にはどのような英語の言葉があるのか、「寂寥感」の英語表記についてもご紹介しましょう。
forlornness
「寂寥感」の英語表記に当たる言葉としてまず「forlornness」という英語が挙げられます。「forlornness」の意味は「もの悲しい気持ち」「寂しい侘しい気持ち」なので、「寂寥感」の英語としてぴったりだと言えます。
他にも「寂寥感」の英語表記に当たる言葉として「lonliness」という英語が挙げられます。「lonliness」の意味は「孤独感」なので少し意味が違いますが、「寂寥感」を英語に訳する場合こちらの方が良く使われています。
寂寥感は寂しい気持ちという意味
「寂寥感」の意味や「寂寥感」の対義語や類語、「寂寥感」の使い方などについて色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。
「寂寥感」の意味は「寂しい気持ち」「侘しい気持ち」という意味ですので、「寂寥感」の正しい意味を理解して正しく使いましょう。