「追伸」の意味と使い方を分かりやすく解説!書き方や返信の出し方も!

「追伸」の意味と使い方を分かりやすく解説!書き方や返信の出し方も!

「追伸」、パソコンでメールが普通になった今ではあまり見かけない言葉になってしまい、意味や使い方などよくわからないという人が増えています。知らないで使っていると失礼になることもあるため注意が必要です。そこで「追伸」の意味と使い方、さらには書き方などを紹介します。

記事の目次

  1. 1.「追伸」の意味とは?
  2. 2.「追伸」の由来
  3. 3.「追伸」の特徴
  4. 4.「追伸」のメールでの使い方
  5. 5.「追伸」の使い方
  6. 6.「追伸」の使い方の注意点
  7. 7.「追伸」は「親しいあなたへ」という意味

「追伸」の意味とは?

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「追伸」は「追ってがき」や「あとがき」と言い換えることができます。手紙や文書で要件を書いた後に付け加える文章の先頭に書きます。

付け加える文章の内容は書き忘れたものと説明しているものもあります。これはあながち間違いとは言えませんが、本来本文中に書くような、重要な内容はここには書きません。

「追伸」のあとに付け足す文章は主に、本文とは直接関係のない挨拶文や、本文には書けないような感情の入った表現の内容になります。具体的にはあとに挙げる文例を見ていただければどのようなことを書けばいいのかが分かります。

「追伸」の由来

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昔は手紙の本文中に書ききれなかった不十分な点を補足するときは「尚(なお)」を、本文とは直接関係のないことを書き加えるときは「追て」を書き始めに書いていました。

「追伸」の「追」はこの「追て」と同じような意味で使われ、そのあとに続く「伸」は、本来、体をのばすという意味で、それがのびのびした気持ちをはらすという意味に派生し、思いを述べるという意味として使われるようになりました。

なので「追伸」のあとに続く文章は、本文で要件を伝えたあとに、送り主が送り先の相手に対して感情の入った挨拶などを付け加えるような意味の内容となります。

「追伸」の特徴

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「追伸」は手紙や文書で使われる定型文のようなものですが、この言葉にはどのような特徴があるのでしょうか。

特徴を示す上で、似ている言葉の「追記」との意味の違いについて説明し、さらには「追伸」に続けて書く内容の特徴について説明します。

「追伸」と「追記」の意味と使い方の違い

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「追伸」に似た意味の言葉に「追記」というのがあります。この2つの言葉の意味と使い方の違いを説明することで、「追伸」の特徴が明確になります。

「追記」の意味も「追伸」の意味と同じく、「文章に付け足すこと」ですが、「追伸」と大きく違うのは、「追記」は本文中に付け足した書き方が普通で、内容も本文に関連したものを書くことです。

そのため「追記」はビジネスメールの中で使うことができますが、「追伸」は挨拶や近況を尋ねたりという意味の内容が普通のため、ビジネスメールで使うと失礼になり兼ねないので注意が必要です。原則として親しい間柄でのみ使います。

「追伸」の内容に関する特徴

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繰り返しになりますが、「追伸」に書く内容は、要件を伝えるための本文には書けない、自分の気持ちや相手の近況をを尋ねるなどの意味の文章となります。

なのでここには本文に書くような要件は書かないのが普通です。お世話になったお礼や、しばらく会っていない相手にいかがお過ごしですかなどと尋ねることで、相手に親しみの感情を伝えるような内容となります。

このことから、ビジネスにおいてお客様に「追伸」を使うと、必要以上に親愛なる関係性があるように感じられることもあるので、ビジネスにおける手紙や文書、メールなどではその使い方に十分な注意が必要です。

「追伸」のメールでの使い方

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最近では手紙や文書ではなく、ビジネスシーンにおいてもメールでのコミュニケーションがほとんどを占めるようになっています。

メールにおいては手紙のように「拝啓」「敬具」のような書き方や「追伸」はあまり使いません。手書きが主だった昔は手紙や文書で書き忘れがあった場合に、一から書き直すのが大変で、「追記」や「追記」という方法で付け加えていました。

メールが主流となった現在では、特にこのようなものを使わなくても、本文中にすべて埋め込んで送ることが容易になったこともあって、「追伸」も使われなくなってきました。

メールでは「追伸」は失礼になる?

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ビジネスメールでは一般的に「追伸」は使われないと説明してきました。ただし、次のような場合にはあえて「追伸」を使うこともあります。

長いお付き合いがあって、お互いのことをよく知っているような、ある程度親密感のある間柄の場合は要件の他にも近況などをお尋ねしたり報告したりすることで、相手の方が癒されるような場合。

例えば「追伸 先日、お子様の運動会があるとお聞きしていましたが、いかがでしたでしょうか。次回、お会いしたときにぜひ、お話を聞かせてください。」

などは相手との距離が近い場合にのみ使われる内容で、さほど親しくない関係の場合には、プライベートなことに踏み込まれるのを不快に思われることもあり、返って失礼に当たることもあるので注意が必要です。本文の最後に結びの挨拶程度にとどまりましょう。

「追伸」と同じ意味の英語表現

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「追伸」の英語表現は「P.S.」です。これは"Post Script"の略で、ラテン語の意味からきています。書き方にはいくつかあって、「P.S.」とPとS両方の後ろにピリオドをつける書き方、「P.S」とPのあとだけにピリオドをつける書き方、さらに小文字の「p.s」という書き方などいろいろあります。

"Post Script"のそれぞれの単語の意味は英語の単語の意味としては当てはまりません。語源であるラテン語では、"Post"は「あとの」、すなわち英語の"after"の意味で、"Script"は「書かれたもの」となり、「追伸」の意味に当てはまります。

では、英語の「P.S.」は日本語の「追伸」と同じ意味に使われるのでしょうか。結論から言うと、ほぼ同じと言えます。目上の人などに使うのも基本的に失礼という点でも共通しています。

ただし、英語圏ではビジネスにおいては日本に比べ親しさが深く、日本より幅広く使われています。そのことを分からずに日本人がまねをして使うと失礼にあたる場合が多いため注意が必要です。

「追伸」の使い方

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「追伸」の意味や特徴のところで説明したように、単に本文で書き忘れたりした内容の補足するところではありません。

ここでは具体的に「追伸」に続けてよく書かれているような文例を挙げます。これを参考にすれば、「追伸」のところにどのようなことを書くのかのイメージができて、正しい使い方ができるようになることでしょう。

例文①

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一番多いのは時候の挨拶です。本文のはじめに書く場合もありますが、その場合は「寒い季節になりましたが、おかわりありませんでしょうか」などにとどめられるのが普通です。

これを「追伸」にすると、「追伸 寒さも日を追って厳しくなりますが、おかわりありませんでしょうか。体調を崩されないよう、どうぞご自愛くださいませ。」と結びの言葉を入れることができて、また、相手を気遣う気持ちが一段と強く感じられます。

例文②

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「追伸」のあとには本文の要件とは直接関係のない内容を書きますが、ビジネスメールにおいては、本来伝えたかった項目とは別の項目について、「追伸」を使うことがあります。

例えば、「追伸 先日、お問い合わせいただいていた件ですが、ただいま確認中ですので、確認が出来次第、改めてご報告させていただきます」

このような内容は、本文の最後に「また、」と付け加えるよりもむしろ、「追伸」を使う方が、相手により印象を強く与えるので効果的です。

例文③

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お例の手紙やメールに加える場合の例文です。お礼を伝える本文に続けて書くよりも、「追伸」としてあとがきにした方が、印象として良い感じになります。

「追伸 落ち着きましたらまた改めて、今度は家族そろってお伺いさせていただきます。お会いできるのを家族みんな楽しみにしています。」

なお、親しい間柄の場合はもう少し親しみを込めた文面で構いません。「追伸 お互い忙しくてなかなか会う機会がありませんが、家族みんな会えるのを楽しみにしています。また連絡します。」などやわらかい表現の方が親しみが伝わります。

例文④

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本文の内容とは関係なくお誘いのメッセージなどを送りたい場合も、「追伸」として追加します。この場合、書き方によっては相手側も返信メールで返事が必要になる場合があります。

「追伸 先日○○に新しくレストランがオープンしました。美味しいとの評判なので、ぜひご一緒にいかがでしょうか。」

このように相手からのお誘いの場合は、受け取った側も返信メールでその返事をする必要があります。

「追伸」の使い方の注意点

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ここまで「追伸」の意味や特徴、使い方の説明に沿って注意点も挙げてきました。ここではそれ以外の注意点について紹介します。なお、「追伸」があった場合の返信の仕方についてもここで説明します。

「追伸」の意味を理解して注意することは?

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「追伸」は本文のうしろに追加して文章を入れるため、本文に書き忘れた内容を、本文を書き直すのが面倒で付け加えたと勘違いし兼ねません。

「追伸」に書く内容は基本的に親しみを込めた内容なのですが、ビジネスシーンにおいては前述したとおり、「追伸」とした方が良い場合もあります。

ここで注意したいのは、あくまで親愛の情を示す意味の文章を書くのが追伸なのですが、本文に関係する内容を書くと、書き直すのが面倒で追伸で補足したと勘違いされるので、ビジネスメールでは特に本文に関係する内容の文章は書かないことです。

「追伸」は長文にならない

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追伸はあくまで挨拶や本文と関係のない要件を伝える内容であるため、細かい内容を書いて、長文にならないように注意が必要です。長文になるようでしたら、本文の最後に「なお、」という枕詞をつけて加えるようにしてください。

「追伸」への返信は「追伸」で返す

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ビジネスメールで「追伸」という形で送られてきた時の返信メールには、やはり「追伸」という形で返すようにします。

「追伸 先日お誘いいただきました件、喜んでお受けさせていただきます。」などと返信メールに「追伸」として返事します。

ただし、追伸の内容が「ご自愛ください」などと挨拶のような内容であれば、受け取った側の返信メールで追伸で返事をしなくても問題ありません。

「追伸」を英語で「P.S」と書く時の注意

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日本でも「追伸」ではなく「P.S」と英語で書く人が多くいます。これはあくまで親しい間柄のみで、ビジネスメールや目上の人に対して英語で「P.S」と書くのは大変失礼になりますので、このような場合には必ず「追伸」と日本語で書くべきです。

「追伸」は「親しいあなたへ」という意味

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以上のように「追伸」は原則としてビジネスメールでは使いませんが、「追伸」と書かれたメールが届いた時の返信文に使ったり、ある程度親しい間柄となったビジネスパートナーなどとは、あえて「追伸」を使うことがあります。

「追伸」を使うということは、ある程度以上の信愛度を持っていることの表れでもあるので、「追伸」は「親しいあなたへ」という意味でもあると言えます。

jack.masami
ライター

jack.masami

在宅で記事作成のお仕事を中心にしています。記事作成においてはいろいろなジャンルにチャレンジし、その都度詳しく調べながら完成させて行っています。また、調べた内容を記事にするのは、お仕事ということ以上に楽しい作業で、さらにその結果が自分の知識となっていくのは自分の知識の幅を広げるのに役に立っています。

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