一途をたどるの意味とは?
「一途をたどる」という言い方を見たり聞いたりしたことがあるという人はそう少なくないでしょう。ですが「一途をたどる」の正しい意味を尋ねられた時にすぐに答えられるという人はあまりいないでしょう。
「一途をたどる」という言葉は一般的な日常生活の中で使われることはあまりない言葉なので、「一途をたどる」の意味を知らない人が多くても当然だと言えます。
ニュースや新聞、小説などの中では結構良く使われていますので、「一途をたどる」という言葉をニュアンス的に理解している人は多いでしょう。
「一途をたどる」の意味とはいったいどういう意味なのか、まずは「一途をたどる」の意味からご紹介しましょう。
物事の動きや状況がある方向に進み続けるという意味
「一途をたどる」の意味の一つ目は、「物事の動きや状況がある方向に進み続ける」という意味です。「一途をたどる」という言葉は良い意味で使われることはなく、悪い意味で使われることの方が多い言葉です。
そのため「物事の動きや状況がある方向に進み続ける」の「ある方向」は「悪い方向」だと言うことができます。
ですが「一途をたどる」という言葉はこれだけで使われることはなく、他の言葉とセットで使われることによって「悪い方向に進み続ける」という表現になります。
どのような言葉とセットで使われるのかについては、後で「一途をたどる」の使い方のところでご紹介します。
途中で様子が変わることなく常に一つの方向に進み続けるという意味
「一途をたどる」の意味の二つ目は、「途中で様子が変わることなく常に一つの方向に進み続ける」という意味です。こちらも一つ目の意味「物事の動きや状況がある方向に進み続ける」と同じく、悪い方向に進むイメージがあります。
「一途をたどる」の意味はどちらも「進み続ける」という意味なので、良い言葉と組み合わせると良い方向に進む意味にありますが、なぜか「一途をたどる」という言葉は悪い言葉と組み合わせて使われます。
「一途をたどる」はたまに良い言葉と組み合わせて使われることがありますが、一つの方向に突き進むイメージがあるせいで悪い言葉と組み合わせて使われることが多いと言えます。
一途をたどるの読み方
「一途をたどる」の意味についてご紹介しましたので、次は「一途をたどる」という言葉の読み方についてご紹介します。
「一途をたどる」の「一途」の読み方がわからないという人もいるでしょう。それは「一途」という言葉には二つの読み方があるからです。
「一途」の二つの読み方のうちどちらの読み方を「一途をたどる」に当てはめれば良いのか迷ってしまうため、読み方がわからないという人も少なくないでしょう。
「一途」という言葉の読み方とはいったいどういう読み方なのか、「一途」の読み方についてもご紹介しましょう。
一途の読み方は「いっと」
「一途をたどる」の「一途」の読み方は「いっと」です。なので「一途をたどる」の読み方は「いっとをたどる」になります。
「一途」には他に「いちず」という読み方があり、こちらの読み方の方が良く知られていますので、「一途をたどる」の読み方に迷う人が多いと言えます。
ですが「一途」の「途」には「と」という読み方もあり、「いちず」だけが「一途」の読み方ではありません。
「一途をたどる」の読み方は「いちずをたどる」ではなく「いっとをたどる」ですので覚えておきましょう。
一途をたどるの由来
「一途をたどる」の読み方についてご紹介しましたので、次は「一途をたどる」の由来についてご紹介します。日本語にはたくさんの難しい言葉がありますが、そのいずれも由来や語源が存在しています。
「一途をたどる」という言葉にも実はちゃんと由来がありますが、現代の「一途をたどる」の意味とはちょっと違ったイメージの由来です。
「一途をたどる」という言葉の由来とはいったいどういうものなのか、「一途をたどる」の由来についてご紹介しましょう。
一途をたどるの由来は仏教
「一途をたどる」の由来は仏教にあります。仏教用語での「一途」は「悟りを求めるためのただ一つの方法」という意味で、悟りを開くためにひたすら修行を続けていくということを表しています。
仏門に生きる僧侶たちの中には悟りを開くためにひたすら厳しい修行に打ち込む人もいて、そういった人に「一途」という言葉がぴったり当てはまります。
悟りを開くための一筋の道、ただ一つの方法として日々厳しい修行に励む「一途」が僧侶たち以外に広まって、違う意味で「一途をたどる」という言葉が使われるようになったということです。
一途をたどるの対義語と類語
「一途をたどる」の由来についてご紹介しましたので、次は「一途をたどる」の対義語と類語についてご紹介します。
「一途をたどる」の意味は「物事の動きや状況がある方向に進み続ける」という意味ですので、これと似た意味の言葉が「一途をたどる」の類語になり、反対の意味を持つ言葉が「一途をたどる」の対義語になります。
「一途をたどる」にはどのような対義語や類語があるのか、「一途をたどる」の対義語と類語についてご紹介しましょう。
一途をたどるの対義語
まずは「一途をたどる」の対義語についてご紹介します。「一途をたどる」の意味は「物事の動きや状況がある方向に進み続ける」という意味ですので、この意味とは反対の意味を持つ言葉が「一途をたどる」の対義語になります。
ですが「一途をたどる」の正反対の意味を持つ言葉は意外に少なく、本当の意味で「一途をたどる」と正反対だとは言い切れない対義語もあります。
「一途をたどる」の対義語にはいったいどのような言葉があるのか、「一途をたどる」の対義語についてご紹介しましょう。
迷走する
「一途をたどる」の対義語の一つ目は、「迷走する」です。「迷走する」の意味は「方向性が定まらずに迷うこと」という意味で、ある方向に向かって一直線に進んでいくイメージの「一途をたどる」とは正反対です。
「迷走する」は意味的には「一途をたどる」とは正反対なので「一途をたどる」の対義語だと言えますが、実は使い方は似ています。
「一途をたどる」は悪いイメージで使われることの方が多いですが、「迷走する」も悪いイメージで使われることが多く、「迷走する」は対義語でありながら使い方は似ていると言えます。
膠着する
「一途をたどる」の対義語の二つ目は、「膠着する」です。「膠着する」の意味は「順調な流れが疎外されてほとんど動かなくなる」という意味で、「戦況が膠着する」などといった使い方がされます。
「一途をたどる」の意味は「物事の動きや状況がある方向に進み続ける」という意味で、動き続けるイメージがありますので、「ほとんど動かなくなる」という意味を持つ「膠着する」は「一途をたどる」の対義語だと言えます。
「膠着する」は良い物の動きが滞る時に使われることが多いですが、「一途をたどる」は悪い方向に動く場合に使われることが多いので、こういった点でも「膠着する」は「一途をたどる」の対義語だと言えます。
難航する
「一途をたどる」の対義語の三つ目は、「難航する」です。「難航する」の意味は「障害が多くて物事がうまく進まないこと」という意味で、「プロジェクトは難航した」といった使い方がされます。
「一途をたどる」の意味は「物事の動きや状況がある方向に進み続ける」という意味ですので、「物事がうまく進まない」という意味を持つ「難航する」も「一途をたどる」の対義語だと言えます。
「難航する」は良いことがうまく進まないという時に使われますので、悪い方向に進むというニュアンスのある「一途をたどる」とは使い方という点でも対義語だと言うことができます。
一途をたどるの類語
「一途をたどる」の対義語についてご紹介しましたので、次は「一途をたどる」の類語についてご紹介します。
「一途をたどる」には「物事の動きや状況がある方向に進み続ける」というちょっと難しく複雑な意味がありますが、意外にも「一途をたどる」に似た意味を持つ言葉はあります。
「一途をたどる」の類語にはいったいどのような言葉があるのか、「一途をたどる」の類語についてもご紹介しましょう。
右肩下がり
「一途をたどる」の類語の一つ目は、「右肩下がり」です。「右肩下がり」の意味は「物事がだんだんと悪くなっていく一方」という意味です。「右肩下がり」という言葉は経済状況が悪くなっていく場合などに良く使われます。
「一途をたどる」には「物事の動きや状況がある方向に進み続ける」という意味がありますが、主に悪い方向に進み続ける時に使われます。
そのため「物事がだんだんと悪くなっていく一方」という意味を持つ「右肩下がり」という言葉は「一途をたどる」の類語だと言えます。
悪くなる一方
「一途をたどる」の類語の二つ目は、「悪くなる一方」です。「悪くなる一方」の意味は「事態がだんだんと悪くなっていくこと」という意味です。
こちらも「右肩下がり」と同じく何かが悪くなっていくことを指しますので、悪い方向に進み続けるニュアンスのある「一途をたどる」の類語になります。
「悪くなる一方」という言葉も「一途をたどる」と同じく、何かが悪くなっていくという時に使われますので、使い方という点でも「一途をたどる」の類語だと言えます。
悪くなるばかり
「一途をたどる」の類語の三つ目は、「悪くなるばかり」です。「悪くなるばかり」の意味は「物事がだんだんと悪くなっていく」「悪化の一途」という意味です。
こちらもやはり先にご紹介した「右肩下がり」「悪くなる一方」と同じように、何かが悪くなっていくイメージがありますので「一途をたどる」の類語になります。
このように「一途をたどる」には意外にも色々な対義語や類語がありますので、「一途をたどる」の意味と一緒に対義語や類語も覚えておくと良いでしょう。
一途をたどるの使い方
「一途をたどる」の対義語と類語についてご紹介しましたので、次は「一途をたどる」の使い方についてご紹介します。
「一途をたどる」という言葉は何か他の言葉と組み合わせて使われる言葉ですが、あまり良い意味のない言葉や悪い意味のある言葉と一緒に使われることが多いです。
「一途をたどる」という言葉の使い方とはいったいどのような使い方なのか、「一途をたどる」の使い方の例文についてご紹介しましょう。
例文①
「一途をたどる」の使い方の例文の一つ目は、「彼女との関係の修復を図ったが、悪化の一途をたどった」という例文です。
「一途をたどる」という言葉はあまり良いイメージのない言葉や悪い意味の言葉とセットで使われることが非常に多いですが、この例文では「悪化」という悪い意味の言葉とセットで使われています。
他に「国の財政状況は悪化の一途をたどる」などという使い方もでき、「一途をたどる」は「悪化」とセットで使われることが多いと言えます。
例文②
「一途をたどる」の使い方の例文の二つ目は、「その暴君の存在のため、世界は破滅への一途をたどった」という例文です。
こちらもやはり「破滅」というとても悪い意味の言葉と「一途をたどる」がセットで使われています。「悪化」ならまだしも「破滅」というと極めて悪い意味の言葉です。
他に「自業自得とも言える行いのせいで彼は破滅への一途をたどった」などという使い方もでき、「破滅」も「一途をたどる」とセットで良く使われると言えます。
例文③
「一途をたどる」の使い方の例文の三つ目は、「その国は周辺の国々との争いで衰退の一途をたどった」という例文です。
「衰退」という言葉もあまり良いイメージのない言葉ですが、こちらも「一途をたどる」とセットで使われることが結構多い言葉です。
他に「国内での暴動が治まらず、その文明は衰退の一途をたどった」という使い方もでき、「衰退」も「一途をたどる」と一緒に良く使われる言葉だと言えます。
例文④
「一途をたどる」の使い方の例文の四つ目は、「そのとんでもない出来事によって世界は崩壊への一途をたどった」という例文です。
「崩壊」という言葉もとても悪いイメージのある言葉ですが、「一途をたどる」はこの「崩壊」という言葉と一緒に使われることも多いです。
このように「一途をたどる」という言葉の使い方は、悪いイメージのある言葉やあまり良くないイメージのある言葉とのセットでの使い方が多いと言えます。
一途をたどるは物事の動きや状況がある方向に進み続けるという意味
「一途をたどる」という言葉の意味や対義語や類語、「一途をたどる」の使い方などについて色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。
「一途をたどる」は「物事の動きや状況がある方向に進み続ける」という意味で、主に悪いイメージのある言葉とセットで使われることが多いですので、「一途をたどる」の正しい意味を理解して正しく使いましょう。