「ファビュラス」の意味とは?
日本国内では「叶姉妹」のお二人がよく使用されていることで認知度が上がった「ファビュラス」という言葉。お二人の華やかで美しい容姿やその奥ゆかしい振る舞いから、「ファビュラス」という言葉に対してもそのような印象を持つ方も多いのでは無いでしょうか。
ですが、「ファビュラス」の本当の意味は実は少し違った意味なのです。「ファビュラス」というカタカナ語で浸透しつつあるこの言葉を、今回は掘り下げてご紹介します。
「ファビュラス」のスペルと意味、語源はどこにあるのか、「ファビュラス」の上手な使い方と言い換えるための類語などを解説していきます。
本来は「現実離れしている」という意味
「ファビュラス」という言葉は、元々は「fabulous」というスペルの英単語です。この「fabulous」という単語は形容詞として用いられ、スペルを辞書で調べると下記のような意味が記載されています。
「伝説上の」「伝説的な」「物語に出てくるような」「信じられないほどの」「嘘のような」「途方も無い」「ものすごい」これらはほとんどがポジティブな使い方をされるようです。
また、これ以外にも話し言葉(口語)としての用いられ方として「素晴らしい」「素敵な」という意味があります。叶姉妹のお二人が使用されている意味としては、この「素晴らしい」「素敵な」という意味が強いでしょう。
また、海外の「Urban Dictionary」というスラング(よりくだけた表現の話し言葉)に詳しいネット辞書でスペルを検索したところ、「ファビュラス(fabulous)」は下記のような意味になりました。
「beauty(美しさ)」「wonder(驚き)」「enthusiasm(熱中)」「adoration(憧れ、愛慕)」「joy(嬉しさ)」「inspiration(霊感による着想、インスピレーション)」「love(愛)」
一般的な辞書でスペルを調べた場合の意味と大きな違いはありませんが、こうして見ると海外の話し言葉としては「素晴らしい、素敵だ」という意味以外にも幅広い気持ちを表す使い方をされていることがわかります。
「ファビュラス」の語源
さて、ここまでで「ファビュラス」という言葉はスペルを「fabulous」と書く英単語であることや、「物語に出てくるような」「素晴らしい」といった意味を持っていることがわかりました。
では、「fabulous」というスペルや「物語に出てくるような」といった意味は一体どこから来ているのでしょうか。
この項目では「ファビュラス(fabulous)」のスペル・意味に関わる語源がどこにあるのかを解説していきます。「ファビュラス(fabulous)」という言葉の意味を深く知るためにも、是非語源を知識として頭に入れておきましょう。
「ファビュラス」の意味は「フェーヴル」から来ている
「ファビュラス(fabulous)」という英単語は、元々「フェーヴル(fable)」というスペルの名詞を語源とし、形容詞化したものです。語源である「フェーヴル(fable)」には「寓話(ぐうわ)」「作り話」「伝説、神話」という意味があります。
「Aesop’s Fables(イソップ物語)」のように使われる「フェーヴル(fable)」が形容詞化したということは、「ファビュラス(fabulous)」の始まりの意味は「物語に出てくるような」「伝説上の」だということがわかります。
「物語に出てくるような」という意味から転じ、「現実離れしている」となり「(現実離れ、物語に出てくるかのように)素晴らしい」という意味の使い方をされるようになりました。
「フェーヴル」と「フェアリーテイル」の意味の違い
ここで少し補足をします。「ファビュラス(fabulous)」の語源として説明した「フェーヴル(fable)」ですが、似た意味の使い方をされる単語に「フェアリーテイル(fairy tale)」があります。
この二つの意味は似ていますが「フェーヴル(fable)」は「寓話(ぐうわ)」、寓話(ぐうわ)は「動物などが擬人化し、教訓を与えたり、読者に何か考えさせる話」を意味します。一方「フェアリーテイル(fairy tale)」は「童話」、「子供に向けて作られた物語全般」を意味しています。
どちらにも重なる部分はありますが、教訓や何かを諭すような内容の話が「寓話(ぐうわ)」だということを覚えておくと良いでしょう。
「ファビュラス(fabulous)」の名詞化
「寓話」を意味する「ファーヴル(fable)」という名詞を語源として、形容詞にしたものが「ファビュラス(fabulous)」という単語ですが、「ファビュラス(fabulous)」をさらに名詞化した単語があります。
それは「ファビュラスネス(fabulousness)」というスペルの単語です。「ness」は「〜の状態の、〜であること」を意味する接尾辞であり、これにより「ファビュラスネス(fabulousness)」は「素晴らしいこと」という意味になります。
あまりメジャーではない使い方ですが、「ファビュラス(fabulous)」の活用として語源と共に覚えておくと役に立ちます。
「ファビュラス」の類語
「寓話」を意味する「ファーヴル(fable)」が語源にあった「ファビュラス(fabulous)」ですが、その意味「素晴らしい」という感情を表現する英単語は他にもたくさんあります。
それぞれ「素晴らしい」という意味では同じですが、どのように「素晴らしい」と思っているかというニュアンスが少しずつ異なる点では注意が必要です。
「ファビュラス(fabulous)」とうまく使い分けるためにも、「素晴らしい」という意味を持つ類語を覚えておきましょう。
類語①アメージング(amazing)
「ファビュラス(fabulous)」の類語一つ目は「アメージング(amazing)」です。この単語には「素晴らしい」という意味の他に「驚くべき」「びっくりするような」という意味もあります。
このため、類語「アメージング(amazing)」は「驚くほどに素晴らしい」と感じたときに使うのがもっとも適していると言えます。成果や状態、例えば、驚くほどに綺麗な景色を見たときに用いるとピッタリです。
類語②ファンタスティック(fantastic)
「ファビュラス(fabulous)」の類語二つ目は「ファンタスティック(fantastic)」です。この単語は「空想」「幻想」という意味の「ファンタジー(fantasy)」が形容詞化した単語です。
「素晴らしい」という意味の他に「空想的な」「風変わりな」という意味があります。物語や空想など「(現実的ではない、現実離れした)素晴らしさ」を表しているという点では「ファビュラス(fabulous)」と近いニュアンスの意味だと言えます。
類語③エクセレント(excellent)
「ファビュラス(fabulous)」の類語三つ目は「エクセレント(excellent)」です。この単語は何かある点において「優秀である」「優れている」という意味があります。
このことから、「エクセレント(excellent)」は「能力」「成績」が優れていて「素晴らしい」ということを意味していると言えます。同じ「素晴らしい」という意味でも、「ファビュラス(fabulous)」と比較するとより現実的な「素晴らしさ」を表しているのが特徴です。
類語④ワンダフル(wonderful)
「ファビュラス(fabulous)」の類語四つ目は「ワンダフル(wonderful)」です。「ワンダフル(wonderful)」は「不思議に思う」「驚く」という意味の動詞「ワンダー(wonder)」という単語を形容詞にした単語です。
「ワンダフル(wonderful)」には上記のように「素晴らしい」の他に「不思議な」「驚くべき」という意味もあります。このことから、不思議に思うほどに「素晴らしい」という気持ちを表すときに適した単語と言えるでしょう。
類語⑤マーベラス(marvelous)
「ファビュラス(fabulous)」の類語五つ目は「マーヴェラス(marvelous)」です。「マーヴェラス(marvelous)」は、アメリカンコミックの出版社の名前としても有名な「マーベル(marvel)」という単語を形容詞化した単語です。
そもそも「マーベル(marvel)」には「驚くべきこと、不思議」という意味があり、それが形容詞化した「マーヴェラス(marvelous)」は「素晴らしい」という意味の他に「不思議な、信じられない、驚くべき」という意味を持っています。
以上のことから、「マーヴェラス(marvelous)」は「信じられないくらい素晴らしい」という意味があることがわかります。
上記の意味を見ると、「マーヴェラス(marvelous)」は「ワンダフル(wonderful)」と非常に似たニュアンスの意味を持っています。
この二つを使い分けるポイントは「マーヴェラス(marvelous)」と「ワンダフル(wonderful)」の表現の強さの違いです。
「マーヴェラス(marvelous)」は「ワンダフル(wonderful)」よりも高貴で強い意味を持つので、「ワンダフル(wonderful)」よりも一歩上の素晴らしさを表現したい場合に「マーヴェラス(marvelous)」を使うと良いでしょう。
「ファビュラス」の使い方
「ファビュラス(fabulous)」の意味はしっかりとご理解いただけたでしょうか?語源と合わせて説明してきたように、「ファビュラス(fabulous)」には「(現実離れしているほど)素晴らしい」という意味がありました。
ここからは、そんな「ファビュラス(fabulous)」の使い方を「ファビュラスな例文」と共にご紹介していきます。あらゆる場面での使い方をマスターしましょう。
例文①
例文一つ目は「ファッション・服」に対しての使い方を示した例文です。心から素晴らしいと思ったもの、この世のものと思えないほど素敵だと感じたもの、そういったものに対して使いましょう。
「Look! This dress is really fabulous!(見て!このドレス、ものすごく素敵!)」ドレスを見つけた瞬間に、こんなに素敵なものがあるんだ!と感動さえ覚えた様子が伝わるかと思います。
例文②
例文二つ目は「時間」に対して「ファビュラス(fabulous)」を使用した例文です。夢だったのではないかと思うほどに「素晴らしい時間」を表現することができます。
「I spent a fabulous time with my family on Christmas day.(私はクリスマスの日、素晴らしい時間を家族と過ごした。)」家族水入らず、楽しく和気藹々とした素晴らしい時間を、まるで夢のようだったと思い返すときにこのようないうことができます。
例文③
例文三つ目は「パフォーマンス」に対して「ファビュラス(fabulous)」を使用した例文です。本当に人が成せる技なのだろうか?と疑いたくなるほどに素晴らしい演奏、演技などを称賛する際に使ってみましょう。
「Please let me hear your fabulous musical performance.(あなたの素敵な演奏を聴かせてください。)」現実離れした素晴らしい演奏を、また聴きたい。心から素晴らしいと感じていることが伝わる表現です。
例文④
例文四つ目は「食べ物」に対して「ファビュラス(fabulous)」を使用した例文です。こちらも、これまでの例文同様に「心から美味しい」という味だけではなく作った人までも誉めたたえるような表現をすることができます。
「My wife makes me fabulous meals everyday.(私の妻は毎日、おいしい料理を作ってくれる。)」妻が作ってくれる料理だけでなく、それを作ってくれている妻のことも含めて「ファビュラス(fabulous)」だと思っているように表すことができるのではないでしょうか。
例文⑤
例文の五つ目は、今までの例文とは少し異なった使い方をします。「素晴らしい」ということを表現するための使い方をされている例ではなく、「現実離れした」という部分を強調した使い方をされた例文です。
「Curios are sold at fabulous prices.(骨董品は、法外な値段で売られている。)」これは「ファビュラス(fabulous)」の「現実離れした」という意味から転じ、「現実離れした値段」つまり「法外な値段」という表現の例文です。
他にも「a fabulous sum of money」で「莫大な金額」という表現もできます。「素晴らしい」という意味だけではないことを覚えておきましょう。
「ファビュラス」の注意点
「ファビュラス(fabulous)」という言葉は、最上級に「素晴らしい」という気持ちを表す上で非常に良い言葉です。しかし、あまり頻繁に使用されることがない言葉であるため、その使い方には少し注意が必要です。
その注意点をいくつかしっかりと理解した上で、何かを表現する際には使うようにしましょう。そうすることで、より「ファビュラス(fabulous)」と思う気持ちが伝わります。
注意点①少し古い意味の言葉である
「ファビュラス(fabulous)」という言葉は、英語圏では少し古い言葉として認識されています。そのため、ネイティブの方に対して使うと「なんだか古い言い回しだな」と思われてしまうこともあります。
ですが、逆にその点を会話のきっかけにできる場合もあるので、自分が気に入った表現は臆せずにどんどんと使っていきましょう。
注意点②女性特有の言葉
日本語にも、古くに「女性言葉」「女ことば」といったものがあったように、英語にも「女性言葉」のように特に女性が使う言い回しがあります。
「ファビュラス(fabulous)」はまさにその女性特有の言い回しに当てはまるため、男性が使用している場合には「女性的な男性」「ゲイ」という印象を抱くきっかけになります。
実際に海外ではドラァグクイーンの方やフェミニンなゲイの方がよく使用している単語なので、もし気にされる方は使い方に気をつけましょう。
「ファビュラス」とは「素晴らしい」という意味
いかがだったでしょうか。ここまで、「ファビュラス」についての意味・スペル、語源、類語、使い方、そして注意点をご紹介してきました。
「ファビュラス(fabulous)」という言葉は「物語のような」「素晴らしい」という意味を持つ単語であること、また、特に女性が使用する印象がある言葉であることが主なポイントです。
皆さんも、この言葉の意味どおりに「ファビュラス」でスマートにこの単語を使いこなしていきましょう。