誠心誠意の意味とは?
ビジネスなどにおいて時々使われる言葉の中に「誠心誠意」という言葉がありますが、「誠心誠意」という言葉の正しい意味を理解している人は少ないと言えます。
「誠心誠意」には色々な意味がありますが、どれもとても良い意味ですので「誠心誠意」という言葉はそうやすやすと使ってはいけないと言えます。
「誠心誠意」という言葉にはいったいどのような意味があるのか、「誠心誠意」の意味についてご紹介しましょう。
心を込めてまじめに取り組むという意味
「誠心誠意」の意味の一つ目は、「心を込めてまじめに取り組む」という意味です。ただ取り組むのではなく「まじめに取り組む」にさらに「心を込めて」がプラスされるという、最上級の取り組みが「誠心誠意」の意味です。
「誠心誠意」という言葉はビジネスシーンなどで良く使われますが、その対象はお客様であったり取引先であったりなど色々です。
相手のことをとても大切に考え、心を込めてまじめに取り組むといった場合に「誠心誠意」という言葉を使うことができるということです。
この上ない真心という意味
「誠心誠意」の意味の二つ目は、「この上ない真心」という意味です。「真心」の意味は「偽りや飾りのない心」「真剣に尽くす心」という意味で、それに「この上ない」という言葉がつくので最上級の心になります。
「誠心誠意」という言葉はビジネスなどで簡単に使われていますが、「誠心誠意」という言葉を使うには、相手に尽くす心が必要になります。
「誠心誠意」は生半可な気持ちで使うことができないほど、とても重い意味を持っている言葉だと言うことができます。
打算的な考えを持たず真心を込めて相手に接するという意味
「誠心誠意」の意味の三つ目は、「打算的な考えを持たず真心を込めて相手に接する」という意味です。人間は損得勘定が働いて打算的になることもありますが、「誠心誠意」には打算的な考えはありません。
ビジネスでは損得勘定をするのは会社のためには当然のことですが、「誠心誠意」という言葉にはそのような損得勘定は含まれていません。
このように「誠心誠意」という言葉には心から相手のことを思って行動するというニュアンスがありますので、「誠心誠意」という言葉はあまり軽々しく使ってはいけない言葉だと言えます。
誠心誠意の由来
「誠心誠意」の意味についてご紹介しましたので、次は「誠心誠意」の由来についてご紹介します。日本語には「誠心誠意」のような難しい四字熟語がたくさんありますが、そのいずれにも何らかの由来があります。
それらの四字熟語と同じように「誠心誠意」にも由来がありますが、実は「誠心誠意」の由来は他の四字熟語のように難しい由来ではありません。
「誠心誠意」という言葉の由来とはいったいどういうものなのか、「誠心誠意」の由来についてもご紹介しましょう。
真心の意味を重ねるのが由来
「誠心誠意」の由来は、真心の意味を重ねたことです。「誠心誠意」の「誠心」の意味は「この上ない真心」「真心のこもるさま」という意味で「誠意」の意味は「真心」「私欲を持たず正直に真面目に物事に対する心」です。
「誠心」だけでも「誠意」だけでも充分な「真心」ですが、「誠心」や「誠意」だけでも言い表すことができないほどの「真心」を伝えるため、「誠心」と「誠意」を重ねたのが「誠心誠意」の由来です。
日本語には「誠心誠意」と同じような四字熟語はたくさんありますが、「誠心誠意」のような由来を持っている言葉は珍しいと言えます。
誠心誠意の類語
「誠心誠意」の由来についてご紹介しましたので、次は「誠心誠意」の類語についてご紹介します。「誠心誠意」には「心を込めてまじめに取り組む」などの意味がありますので、それらと似た意味を持つ言葉が「誠心誠意」の類語になります。
日本語には「心を込める」という意味を持つ言葉は意外にたくさんあり、そういった言葉が「誠心誠意」の類語になります。
「誠心誠意」という言葉の類語にはいったいどのような言葉があるのか、「誠心誠意」の類語についてご紹介しましょう。
誠意を持って
「誠心誠意」の類語の一つ目は、「誠意を持って」です。「誠意を持って」の意味は「私欲を持たず正直に真面目に物事に対する心を持って」という意味です。
「誠意を持って」という言葉には「誠心誠意」の「誠意」という言葉がストレートに含まれていますので、「誠意を持って」は「誠心誠意」の類語になります。
「誠心誠意」ほど重い意味で使われることはありませんが、「誠意を持って」という言葉もビジネスシーンなどで良く使われます。
真心を持って
「誠心誠意」の類語の二つ目は、「真心を持って」です。「真心を持って」の意味は「偽りや飾りのない真剣な心を持って」という意味です。
「誠心誠意」には「この上ない真心」という意味もあり、「真心を持って」に「真心」が含まれているという点で「真心を持って」も「誠心誠意」の類語だと言えます。
ですが「誠心誠意」の意味は「この上ない真心」という意味ですので、単なる「真心」ではありません。そういった点では「真心を持って」は「誠心誠意」よりは少し軽い意味になります。
嘘偽りなく
「誠心誠意」の類語の三つ目は、「嘘偽りなく」です。「嘘偽りなく」の意味は「嘘や偽りやごまかしがない」という意味です。
「誠心誠意」には「この上ない真心」という意味がありますので、「嘘偽りなく」という言葉もニュアンス的に「誠心誠意」に近く、「嘘偽りなく」も「誠心誠意」の類語になります。
「嘘偽りなく」は「誠心誠意」の他の意味「打算的な考えを持たず真心を込めて相手に接する」に通ずる意味もありますので、その点でも「嘘偽りなく」は「誠心誠意」の類語だと言えます。
正直に
「誠心誠意」の類語の四つ目は、「正直に」です。「正直に」の意味は「正しく素直で偽りやごまかしをしない」という意味です。
「誠心誠意」には三つの意味がありますが、「正直に」はそのどれにも似た意味を持っているため、「正直に」も「誠心誠意」の類語になります。
ですが「正直に」の「正しく素直で偽りやごまかしをしない」という意味は、真心を重ねる「誠心誠意」よりは少し弱い意味になるとも言えます。
心の底から
「誠心誠意」の類語の五つ目は、「心の底から」です。「心の底から」の意味は「上辺ではなく本心によるものである」という意味です。
「心の底から」は単独では「誠心誠意」の類語とは言いかねますが、良い意味の言葉と組み合わせると「誠心誠意」の類語になると言えます。
「心の底から」という言葉は悪い意味の言葉との組み合わせでも使えますので、そういった点では「誠心誠意」とは少し異なります。
駆け引きなく
「誠心誠意」の類語の六つ目は、「駆け引きなく」です。「駆け引きなく」の意味は「相手の出方などに応じて自分に有利に働くようにしようとする気持ちがない」という意味です。
「駆け引きなく」の意味を簡単に言えば「打算的な考えを持たない」になりますので、「駆け引きなく」も「誠心誠意」の類語だと言えます。
ですが「誠心誠意」は「打算的な考えを持たない」というだけではなく「真心を込めて相手に接する」という意味もありますので、その点では「駆け引きなく」は「誠心誠意」とは少し違います。
純粋に
「誠心誠意」の類語の七つ目は、「純粋に」です。「純粋に」の意味は「邪念や私欲がなく打算や駆け引きがない」という意味です。
「誠心誠意」には「打算的な考えを持たず真心を込めて相手に接する」という意味がありますが、「純粋に」にはこの意味と似た意味があると言えるので、「純粋に」も「誠心誠意」の類語になります。
このように「誠心誠意」にはたくさんの類語がありますが、「誠心誠意」の言い換えに使えるほど重い意味を持つ言葉はなく、「誠心誠意」という言葉は特別な言葉であると言えます。
誠心誠意の英語表現
「誠心誠意」の類語についてご紹介しましたので、次は「誠心誠意」の英語表現についてご紹介します。日本語には英語に翻訳することが難しい難解な言葉がたくさんありますが、「誠心誠意」もそういった言葉の一つです。
「誠心誠意」には「心を込めてまじめに取り組む」「この上ない真心」「打算的な考えを持たず真心を込めて相手に接する」といった意味がありますので、「誠心誠意」をそのまま英語に訳するのは難しいと言えます。
「誠心誠意」を英語に翻訳するにはどのような言い回しをすれば良いのか、「誠心誠意」の英語表現についてもご紹介しましょう。
with whole heart
「誠心誠意」の英語表現として最も意味的に近い英語は「with whole heart」という言い回しです。「with whole heart」は「すべての心を込めて」という意味の英語ですので、日本語における「真心」とほぼ同じ意味です。
他に「in all sincerity」という英語も「誠心誠意」の英語表現として使われます。「in all sincerity」の意味は「誠意を持って」なので、「誠心誠意」よりはやや軽い意味になります。
また他には「whole-hearted devotion」という英語も「誠心誠意」の英語表現に使われます。「whole-hearted devotion」の意味は「心を込めた献身」という意味ですので、「誠心誠意」に非常に近い意味だと言えます。
誠心誠意の使い方
「誠心誠意」の英語表現についてご紹介しましたので、次は「誠心誠意」の使い方についてご紹介します。「誠心誠意」は主にビジネスシーンなどで使われることが多いので、社会人なら「誠心誠意」の使い方を知っておくと良いでしょう。
「誠心誠意」という言葉は文章のどこにどう入れれば良いか迷う言葉ですが、例文をいくつか見れば使い方は簡単に覚えられます。
「誠心誠意」という言葉はいったいどのように使えば良いのか、「誠心誠意」の使い方の例文についてご紹介しましょう。
例文①
「誠心誠意」の使い方の例文の一つ目は、「お客様のため、誠心誠意尽力いたします」という例文です。この例文の意味は「お客様のため、真心を込めて力を尽くします」という意味です。
「誠心誠意」という言葉は主にビジネスシーンなどで使われることが多いですが、お客さんを相手にする客商売などのビジネスで良く使われます。
お客さんに対して心を込めてサービスするという気持ちを表す時などには「誠心誠意尽力いたします」という「誠心誠意」の使い方をしましょう。
例文②
「誠心誠意」の使い方の例文の二つ目は、「会社のため、誠心誠意励みます」という例文です。この例文の意味は「会社のために一生懸命真面目に頑張ります」という意味です。
「誠心誠意」という言葉は客商売などのビジネスだけではなく、会社の上司に対してやる気があることをアピールする場合にも使うことができます。
「誠心誠意」という言葉は軽々しく使ってはいけない重みをもっている言葉ですが、真剣に「頑張ろう」と思っているなら「誠心誠意励みます」といった使い方もできますので、こういった使い方もおすすめです。
例文③
「誠心誠意」の使い方の例文の三つ目は、「お任せいただいた仕事に誠心誠意取り組みます」という例文です。この例文の意味は「任せてもらった仕事にひたむきに取り組みます」という意味です。
「誠心誠意」には表面的には「ひたむき」という意味はありませんが、ニュアンス的には「ひたむき」と言ってもおかしくはなく、「ひたむき」という意味でも「誠心誠意」を使うことは可能です。
ビジネスにおいて大きな仕事などを任せてもらった時には、「お任せいただいた仕事に誠心誠意取り組みます」と言ってみましょう。
例文④
「誠心誠意」の使い方の例文の四つ目は、「今後このようなことがないよう、誠心誠意対応いたします」という例文です。この例文の意味は「今後このようなことがないよう誠実に心を込めて対応します」という意味です。
この例文は何らかのミスを犯した後に謝罪する言葉ですが、「誠心誠意」は謝罪の言葉にも使うことができます。
「誠心誠意」という言葉はある種の覚悟を示すほど重い意味を持つ言葉ですので、ビジネスシーンなどで使う場合には、ここぞという時に的確に使うことが大切です。
何でもかんでも「誠心誠意」という言葉を使えば良いというわけではありませんので、「誠心誠意」を乱用しないよう注意しましょう。
誠心誠意は心を込めてまじめに取り組むという意味
「誠心誠意」という言葉の意味や類語、「誠心誠意」の使い方などについて色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。
「誠心誠意」の意味は「心を込めてまじめに取り組む」「この上ない真心」「打算的な考えを持たず真心を込めて相手に接する」という意味ですので、「誠心誠意」の正しい意味を知って正しく使いましょう。