当該と該当の意味とは?
日本語の中には似ているために間違った意味で使ってしまう言葉が結構ありますが、「当該」と「該当」という言葉も正しい意味が分からず間違った使い方がされがちな日本語の一つです。
「当該」と言うべきところで「該当」と言ったり、「該当」と言うべきところで「当該」と言ってしまう人はかなり多いと言えます。それは「当該」と「該当」の意味の違いを理解していないからです。
「当該」と「該当」という言葉の意味の違いとはいったいどういうものなのか、まずは「当該」と「該当」の意味についてご紹介しましょう。
当該の意味
それではまず「当該」という言葉の意味についてご紹介します。「当該」という言葉は「該当」と間違って使われがちな言葉ですが、「当該」と「該当」には明確な意味の違いがあります。
「当該」は実はとてもシンプルな意味を持っていて、対する「該当」はやや複雑な意味を持っています。そのため「当該」と「該当」を混同するととてもややこしいことになってしまいます。
「当該」という言葉にはいったいどのような意味があるのか、「当該」の意味についてご紹介しましょう。
それに当たるという意味
「当該」の意味は実にシンプルで「それに当たる」という意味です。「それに当たる」というと何となく難しそうですが、「それに当たる」をもっと簡単に言い換えると「その」になります。
例えば「当該商品」などという小難しい言い方をすることがありますが、実は「当該商品」の意味は「その商品」という意味になります。
「当該」というのは簡単に言えば「その」という言葉の改まった言い方で、ビジネスシーンなどでも結構使われています。
該当の意味
次に「該当」の意味についてご紹介します。「当該」の意味は「それに当たる」という意味で簡単に言えば「その」というとてもシンプルな意味ですが、「該当」は「当該」よりは複雑な意味があります。
「当該」は「その」という言葉で簡単に言い換えることができますが、「該当」はそのような簡単な言葉で言い換えることができません。
「該当」という言葉にはいったいどのような意味があるのか、「該当」という言葉の意味についてご紹介しましょう。
一定の資格や条件にあてはまるという意味
「該当」の意味は「一定の資格や条件にあてはまる」という意味で、何らかの資格や条件などを満たしているという場合に使われますので、「当該」のように「その」などという簡単な言葉に言い換えることはできません。
「当該」の所で「当該商品」という使い方を例に挙げましたが、これを「該当」を使って「該当する商品」と言うと全く意味が違ってきます。
「該当する商品」は「何らかの条件を満たしている」という商品になりますので、「当該商品」とは全く違うと言えます。
当該と該当の違い
「当該」と「該当」の意味についてご紹介しましたので、「当該」と「該当」の違いは理解できたでしょう。ですがさらに「当該」と「該当」には違いがありますのでその点についてもご紹介します。
「当該」は「当該商品」などというように使われますが、「該当」は「該当する」といった動詞形で使われることが多いです。「該当」は「該当者」というような言い方でも使われますが、基本は「該当する」が多いです。
また「当該」は「その」の改まった堅い言い方なのであまり使われませんが、「該当」はごく普通に使われているというのも「当該」と「該当」との違いになります。
当該の類語
「当該」と「該当」の意味やその違いについてご紹介しましたので、次は「当該」の類語についてご紹介します。
「当該」の意味は「それに当たる」という意味ですので、「それに当たる」という意味に近い意味を持つ言葉が「当該」の類語になります。
「当該」という言葉の類語にはいったいどのような言葉があるのか、「当該」の類語についてご紹介しましょう。
この
「当該」の類語の一つ目は、「この」です。「当該」の意味は「それに当たる」ですので、「この」というシンプルな言葉も「当該」の類語に当たります。
「この」という言葉には実は「これと指し示せるような関係に立つ意を表す」というかなり難しい意味があります。
ですが「この」という言葉はこのような難しい意味があるとは知らなくても、子供でも使うことができる簡単な言葉です。「当該」は「この」のようにとても簡単な言葉に言い換えることができると言えます。
その
「当該」の類語の二つ目は、「その」です。「当該」は簡単に言えば「その」に言い換えられると言いましたが、「その」も立派に「当該」の類語の一つになります。
「その」にも「それと指し示せるような関係に立つという意を表す」というちょっと難しく複雑な意味があります。
ですが「その」も「この」と同じく小さな子供でも使うことができる言葉で、「その」も「当該」の言い換えに使うことができます。
件の
「当該」の類語の三つ目は、「件の(くだんの)」です。「件の」の意味は「例の」「あの」「前に話題にした」という意味で、「件の」の意味のうち「あの」という意味が「当該」の意味にかなり近いと言えます。
「あの」と簡単に言えるところで「件の」という言い方をすることは結構多いですが、「あの」を「当該」と言い換えることもできます。
このように「当該」の類語に当たる言葉には、とても簡単な言葉が多く、いずれも「当該」の言い換えに使うことができます。
該当の類語
「当該」の類語についてご紹介しましたので、次は「該当」の類語についてご紹介します。「該当」には「一定の資格や条件にあてはまる」という意味がありますので、これに似た意味を持つ言葉が「該当」の類語になります。
「一定の資格や条件にあてはまる」というとちょっと難しい言い回しですが、実はこれに近い意味を持つ言葉はいくつかあります。
「該当」の類語に当たる言葉にはいったいどのような言葉があるのか、「該当」の類語についてもご紹介しましょう。
相当
「該当」の類語の一つ目は、「相当」です。「相当」の意味は「その程度や地位などにあてはまること」という意味で、「該当」の意味「一定の資格や条件にあてはまる」という意味に良く似ていて、「該当」の類語と言えます。
「相当」という言葉は「該当」という言葉を使うのと同じような場面で使うことができますので、その点でも「相当」は「該当」の類語になります。
ですが「相当」には「一定の」という意味は含まれていませんので、そういった点では「相当」は「該当」とは少し違うと言えます。
適合
「該当」の類語の二つ目は、「適合」です。「適合」の意味は「ある条件や事情に良くあてはまること」という意味で、「該当」の意味「一定の資格や条件にあてはまる」という意味に極めて近い意味がある「該当」の類語です。
「適合」という言葉は意味的には「該当」にとても近いですが、使い方という点では「該当」とは少し異なります。
「適合」という言葉は「適合手術」などという使い方がされますが、これを「該当手術」と言い換えることはできません。
適応
「該当」の類語の三つ目は、「適応」です。「適応」の意味は「その場の状態や状況に良くあてはまること」という意味で、こちらも「適合」と同じく「該当」の意味「一定の資格や条件にあてはまる」と良く似ています。
そのため「適応」も意味的には「該当」の類語だと言えますが、「適応」も使い方という点では「該当」とは少し違います。
「該当」にはいくつもの類語がありますが、「当該」の類語とは違って「該当」の類語を「該当」の代わりに使うことは難しいと言えます。
当該と該当の英語表現
「当該」と「該当」の意味についてそれぞれご紹介しましたので、次は「当該」と「該当」の英語表現についてご紹介します。「当該」と「該当」は意味が違いますので、英語表現も違います。
日本語の中には英語に翻訳することが難しい言葉が沢山ありますが、実は「当該」はとてもシンプルな英語に訳することができます。逆に「該当」はちょっと難しい英語になります。
「当該」と「該当」の英語表現にはどのような英語が当たるのか、「当該」と「該当」の英語表現についてご紹介しましょう。
当該の英語はThe
「当該」と「該当」の英語表現の一つ目は、「当該」の英語表現です。「当該」の意味は「それに当たる」という意味ですのでちょっと難しそうですが、実は「当該」の英語表現は「The」ととてもシンプルです。
「当該」という言葉は「その」と言い換えることができますので、「その」を表す英語「The」を「当該」の英語表現として使います。
「当該」というと複雑で難しい日本語だというイメージがありますが、「当該」の英語表現はシンプルに「The」ですので覚えておきましょう。
該当の英語はApplicable
「当該」と「該当」の英語表現の二つ目は、「該当」の英語表現です。「該当」の英語表現に良く使われるのは「Applicable」という英語で、「Applicable」の意味はストレートに「該当する」です。
「Applicable」には他に「あてはまる」「適用できる」という意味もあり、それらの言葉を日本語に訳する時にも使われます。
「Applicable」は「be applicable to」という形で「該当する」という意味になりますので、「be applicable to」という定型文で使われることが多いと言えます。
当該と該当の使い方
「当該」と「該当」の英語表現についてご紹介しましたので、次は「当該」と「該当」の使い方についてご紹介します。「当該」の意味は「それに当たる」という意味ですので意外に簡単に「当該」を使うことができます。
一方「該当」の意味は「一定の資格や条件にあてはまる」という意味ですので、「当該」に比べると少し使い方が難しいと言えます。
「当該」と「該当」の使い方とはいったいどのような使い方なのか、「当該」と「該当」の使い方の例文をそれぞれご紹介しましょう。
例文①
「当該」と「該当」の使い方の例文の一つ目は、「当該」の使い方の例文です。「当該」の使い方の例文として「当該コースは初心者向きですので、安心してお試しください」という例文です。
この例文での「当該」は「この」という意味で使われています。「当該」は「その」「この」といった意味で使うことができますので、使い方は本当に簡単です。
「当該」という言葉はちょっと難しい表現ですので、友達などに対して使うと「何それ」と思われてしまいます。「当該」の使い方は簡単ですが、使いどころには注意が必要です。
例文②
「当該」と「該当」の使い方の例文の二つ目も、「当該」の使い方の例文です。「当該」の使い方の例文として「当該商品は小さな子供でも簡単に使うことができます」という例文が挙げられます。
この例文での「当該」も「この」というシンプルな意味で「当該」という言葉が使われて、ビジネスシーンなどにおいて「この」の代わりに「当該」が使われることが多いと言えます。
ビジネスシーンで「この」と言いたい場合には「当該」という言葉を使うとちょっと改まった言い方になりますので、ビジネスシーンでは「当該」という言葉を積極的に使うと良いでしょう。
例文③
「当該」と「該当」の使い方の例文の三つ目は、「該当」の使い方の例文です。「該当」の使い方の例文として「お客様のご希望に該当する商品はこちらです」という例文が挙げられます。
この例文では「一定の条件にあてはまる」という意味で「該当」という言葉が使われていて、「該当する」といった形での「該当」の使い方です。
「該当」という言葉は「該当する」という形で使われることが結構多く、「何かにあてはまる」と言いたい時にはこのように「該当する」といった使い方をすることができます。
例文④
「当該」と「該当」の使い方の例文の四つ目も、「該当」の使い方の例文です。「該当」の使い方の例文として「図書室に家の鍵らしい忘れ物がありましたので、該当者は職員室に取りに来て下さい」という例文です。
先にご紹介した「該当」の例文では「該当する」という使い方をしていましたが、こちらの例文では「該当者」というように名詞に「該当」をくっつけて使っています。
「該当」は「該当する」という使い方が多いですが、「該当者」という使い方も決行されますので、「該当する」「該当者」という形で「該当」という言葉を覚えておくと良いでしょう。
当該はそれに当たるという意味で該当は一定の条件に当てはまるという意味
「当該」と「該当」という言葉の意味やこれらの言葉の違い、「当該」と「該当」の類語や英語表現などについてご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。
「当該」の意味は「それに当たる」で「該当」の意味は「一定の資格や条件にあてはまる」という意味ですので、「当該」と「該当」を混同しないよう、正しい意味を理解して正しく使いましょう。