今日も今日とての意味とは?
「今日も今日とて」という言葉の意味は、じつはとても単純な意味で「毎日いつも代り映えのない日常だ」、もしくは「昨日から今日にかわったけど変わり映えない」などの意味を持っています。
昨日から今日へと日付が変わることによって、なんらかの変化をどこかで希望しているこころの内とは裏腹に、実際にはなにも変化がないということに気付いた瞬間に「今日も今日とて」として表現した言葉となります。
そんな「今日も今日とて」のすこし詳しい意味だけでなく、由来や特徴、悪い意味なのか良い意味なのか、類語や英語表現と例文を交えつつ、「今日も今日とて」の意味を完全に理解できるように網羅的にご紹介します。
今日も今日とての由来
今日も今日とての由来として考えられるのは、今日が意味するのは日付ですからそのままの意味として捉えられます。そこで、助詞として使用されている「とて」の意味に由来が隠されていると考えられています。
つまり、古語に代表される「さりとて」や「然りとて」のような表現手法が表す意味を、そのまま今日も今日とてとして表すようになったのではないか?という説です。古語でいう「とて」は「でも」や「だって」という意味を表します。
今日も今日とてというのは「今日も今日だって(でも)」と考えられ、さらに言い換えれば「今日も今日も」となり、繰り返し表現される日常という意味を表す「毎日」へと繋げたのではないかと考えられます。
今日も今日とての特徴
言葉として重複しているため思わず「?」となってしまう「今日も今日とて」ですが、まさにそのような反応を促していることが「今日も今日とて」という言葉の裏に隠されています。つまり、「今日も今日とて」として前置くことで、周りの注意を引く役割を与えられているのです。
また「今日も今日とて」という言葉の後に続く言葉が、何かしらの希望を込めた思いが残っている点も今日も今日とてという言葉の特徴的な言い回しとして印象付けていると言えます。
今日も今日とては悪い意味?
それにしても、今日も今日とてという言葉には「繰り返される日常」という意味はありますが、それは果たして悪い意味での言葉なのでしょうか?確かに言い回しとして「今日も今日とて」には繰り返される変わり映えのない日常というアンニュイな意味があります。
これがそのまま悪い印象を持っているかといえばそうとも言い切れません。あくまでもアンニュイなのであって悪いわけでは無いからです。となれば、あながち悪い意味で使われている言葉ではないと考えられます。
つまり、良い意味としても使えるし、悪い意味としても使える言葉なので、使い方次第でどのような表現にでも流用できる言葉なのです。「今日も今日とて」という言葉そのものには悪い意味はない、という事です。
今日も今日とての類語・英語表現
良い意味でも悪い意味でも使い方次第でいろいろな意味に変わる「今日も今日とて」という言葉の、類語や英語表現にはどのようなものがあるのでしょうか。続いては「今日も今日とて」の類語の意味や使い方、英語表現についてご紹介します。
類語
類語とは、対象のことに対して全く反対の意味を持つ、もしくは限りなく反対に近しい意味を持った言葉のことを類語と言います。ここでは「今日も今日とて」に限りなく近しい意味を持つ類語を中心に紹介します。
ここでは「今日も今日とて」の意味に限りなく近い言葉もしくは非常に似通った言葉としていくつかの類語を紹介します。完全に同じ言葉はありませんがその微妙なニュアンスの違いに注意しながらご覧ください。
類語「相変わらず」の意味・使い方
「今日も今日とて」の類語「相変わらず」です。意味は「時間の経過などで変化がない」「状況や環境の変化があるにもかかわらず特に代わり映えがしない」といった意味があります。今日も今日とてとの違いとしては、日をまたぐという時間間隔の違いと言えます。
使い方の例としては、「相変わらず今日もシケてんな」「お前は相変わらずのんきだな」といった使い方が一般的です。「今日も今日とて」のような少し風変わりな言葉遣いではないところも違いの一つと言えます。
ですが、相変わらずという言葉も良い意味でも悪い意味でもどちらにでも使う事のできる言葉ですので、使い方次第でどのような印象にも変えられる言葉になっています。
類語「来る日も来る日も」の意味・使い方
「今日も今日とて」の類語「来る日も来る日も」です。意味は「いつも毎日同じことを繰り返し続けているにもかかわらず、目的にたどり着けない」というような悪い意味で使われることの多い言葉です。そのため「今日も今日とて」とは微妙なニュアンスが異なります。
使い方の例としては「一体いつになったらこの地獄から抜け出せるのか、来る日も来る日も同じことの繰り返し」というような使い方ができます。また、「来る日も来る日も成果の出ない実験を繰り返した」という直接的に悪い表現としても使うことができます。
類語「明けても暮れても」の意味・使い方
「今日も今日とて」の類語「明けても暮れても」です。意味は「太陽が昇ってやがてまた降りていくことの繰り返し」もしくは「太陽が登っても降りても続く様子」を意味した言葉です。一日中何かをし続けていることを表現しています。
「今日も今日とて」が繰り返される毎日のことを表しているのに対して、「明けても暮れて」はその日一日の行動に対しての表現であるところが違いと言えます。
使い方としては、「明けても暮れても私は飽きることもなく繰り返し同じことをし続けた」「明けても暮れても仕事仕事の毎日だ」「明けても暮れても私は自分のために練習を繰り返した」のような使い方ができます。
類語「今日もまた」の意味・使い方
「今日も今日とて」の類語「今日もまた」です。意味は「変わることのない日常の中で、諦めつつある変化のなさに、仕方ないと思いつつも楽しんでいる」というような意味を持ち、こうした表現を行う際に使います。
具体的な使い方として、「今日もまたいつもと変わらない1日が始まろうとしている」「今日もまた飽きもせずにあいつらがやってきた」というような使い方となります。「今日も今日とて」にかなり近い意味を持った言葉です。
今日も今日とての英語表現
「今日も今日とて」という言葉を英語で言い表した場合は、 「day after day」や「Everyday」「Day In and Day out」のような表現で言い表されます。またべつの表現手法として「 Nothing has been changes for a long time」のような言い換え方もあります。
また場合によっては「as usual」という表現や「Again today」というような英語での表現方法もあります。それぞれ状況に応じて英語での色々な言い換え方があるので、礼文を通じて使い方を知っておきましょう。
英語表現の例文・使い方①
I unrolled my sleeping bag as usual.(私は今日も今日とて寝袋を開いた)。They kissed and made up, as usual.(今日も今日とて私たちはキスで仲直りをします)。I found him in the garden, dreaming away as usual.(今日も今日とて夢見る彼を私は庭で見つけた)。
as usualを用いた英語の例文です。as usualは直訳すると「いつもの」といった意味を持っていますが、「今日も今日とて」と同じような使い方で解釈が出来る言葉です。
英語表現の例文・使い方②
They lolled and lolloped about day after day.(今日も今日とて彼らは変わらずぶらぶらしていた)。She sat in the house day after day, pining for her lover.(今日も今日とて彼女は恋人を愛しく思いながら家で座っていた)。
day after dayを用いた英語の例文です。day after dayは日本語で直接予約した場合は「来る日も来る日も」といった意味合いになります。こちらも解釈を変えて「今日も今日とて」として使用した例となります。
英語表現の例文・使い方③
Success is the sum of small efforts, repeated day in and day out.(今日も今日とて一生懸命頑張っているから成功につながる)。It means superb performance day in and day out.(今日も今日とて最高のパフォーマンスを意味してる)。
day in and day outを用いた英語の例文です。day in and day outの直訳は「朝から晩まで」や「一日中」といった意味を元々持っています。そうした意味も言い換えれば今日も今日とてとして表現することができます。
英語表現の例文・使い方④
He was late again today.(今日も今日とて彼は遅刻をした)。The inner Cabinet is to meet again today.(今日も今日とて内閣と面会の予定が入っている)。Share prices fell again today after yesterday's rally.(今日も今日とて株価は上昇の後に下降した)。
again todayを用いた英語の例文です。again todayの直訳は「今日も」というごく単純な意味ですが、日本語で表現する際に、少し手を加える形で「今日も今日とて」と繰り返される日常を表現を言い換えた形で表すことができます。
今日も今日とての使い方
「今日も今日とて」の意味をある程度色々な形で言い換えたり、英語での表現を交えることでより深く理解できたのではないでしょうか。続いてはそんな「今日も今日とて」という言葉を使って例文をいくつかご紹介します。
今日も今日とてとしての表現の中で誤った表現についても紹介させて頂くので例文のように間違って使ってしまうことのないように注意しながら、正しく使うためにはどのような使い方が適切なのかについても、しっかりと把握できるように例文の構成を把握しましょう。
またそうすることで、「今日も今日とて」という言葉が正しく意味を伝えられるような表現手法を覚えましょう。
例文①
「繰り返される日常は消して危ぶまれるようなものではないが、ついつい口につく言葉は、今日も今日とて変わりなし、などといった愚にもつかない愚痴にも似た何とも言いようのない言葉だけが垂れ流されるのであった」
変わらない日常が必ずしも本人にとって喜ばしいことではないが、それでもわざわざ悲嘆にくれるようなことでもないといった意味合いの例文です。この場合は本人の独白の中に思わず口に出てしまう言葉が「今日も今日とて」になってしまうという意味です。
例文②
「今日も今日とていつもと変わらぬあの子の美しい姿を見れることが、これほどまでに喜ばしいと思える日常を与えてくださる神に感謝をせねばなりません。私は喜ばしい!ハレルヤ!」
少し離れた場所から愛しの女性の姿を目にすることで人生の喜びを「今日も今日とて」として神への感謝へと繋げているという例文です。こちらは喜ばしい繰り返される日常を意味した表現方法となっています。
例文③
「小さいことを繰り返すことで何か大きなことにつながっていくという話はよく耳にするが、今日も今日とてそのようなことに繋がったという実感を得られることはなく、ただただ繰り返される日常に暗鬱な想いを抱く私の心はどこまでも沈み続けるのであった」
成功への階段は繰り返される努力の上でしか成り立たない、というような名言はよくありますがその言葉通りに努力をし続けているつもりだけれども、一向に芽が出る様子がないのはなぜなのかという部分に関して「今日も今日とて」という言葉を使って表現している例文です。
非常にネガティブな意味合いで使われています。このように悪い意味でも「今日も今日とて」頭を使うことで印象を変えることができるようになっています。
例文④
「寒い季節が訪れて、忙しい師走を駆け抜けたその後には、例年のことではあるが今日も今日とてお年玉を配る年がやってくる。世間ではようやく訪れた正月に息抜きなのかそれはそれでせわしない季節なのかを迎えることになっていく」
例年のこと、と年単位での時間感覚を出しておきながら、直ちに「今日も今日とて」と日々の時間間隔で表現しているのは誤りです。このような表現をするのであれば、一旦「例年のことではあるがお年玉を配る日々がやってくる」と区切った上で次の文節で今日も今日とてを使うべきです。
「今日も今日とて」という言葉は1日1日という時間単位を明確に表現している言葉ですので、他の時間帯と混同して表現してしまうとおかしな文節になってしまいます。
今日も今日とてはいつも同じという意味
ここまでで一通りの見解から見た「今日も今日とて」という言葉の意味や使い方、英文表記や類語などを例文も踏まえながらご紹介してきました。「今日も今日とて」という言葉がどのような意味で使われ、どのような印象を相手に与えるのかも理解できたでしょう。
どことなく古風な印象の「今日も今日とて」という言葉ですが、上手く使うことで読み手に次の言葉を印象付けることができます。上手く活用して、一風変わった雰囲気のある文を書きましょう。