「所感」の意味とは?
ビジネスの際の報告書や日報の書式によく使われる「所感」ですが、実際はどういう意味かご存知ですか?「感想」と同じだと思っている方が多いですが実は違います。「所感」の意味を詳しく紹介します。
「所感」は心が動いたところという意味
「所感」は何かの事から影響を受けて心が動かされたところを意味しています。「感想」とよく似ていますが、「感想」は何を感じたかの感情を重視する言葉ですが、「所感」は心が動かされた出来事が何なのかを表す言葉です。
ビジネスで「感想」より「所感」が多く用いられる理由は個人の感情よりも心動かされた事象の方を重視しているからです。心動かされた出来事を研修の報告書に記載させることで、研修の意味や報告書を書いた人の研修で学んだことが見えてきやすくなります。
逆に報告書を書く立場ならば、「所感」を求められた場合は「良かった」などの感想ではなく反省点や改善点などビジネスらしい次に繋がる「所感」を記載することで意味のある報告書になります。
「所感」の由来
ビジネスで良く用いられる「所感」の意味を解説しましたが、続いては「所感」の由来を紹介します。「所感」の由来を知ることで「所感」の意味を深く理解できます。では早速、「所感」の由来を紹介します。
「所感」の漢字の意味
「所感」の由来として「所」と「感」、それぞれの漢字の由来を見ていきます。まず「所」は神聖なところを表す漢字です。そこから「場所、ところ」という意味になりました。
そして「感」は影響を受けて心が動いたところを意味する漢字です。その2つの漢字を合わせて「所感」となり、意味も「心が動いたところ」となります。
「所感」の特徴
続いて「所感」の特徴を紹介します。「所感」の類語や類語の意味、正しい使い方などを細かく解説します。「所感」の特徴を詳しく知り、正しい意味を理解してビジネスで「所感」を的確に書けるようになりましょう。
「所感」の類語と意味
まず「所感」の特徴として「所感」の類語を紹介します。「所感」の類語には「所見」や「考察」などがあります。それぞれの意味やどこでよく使われているかなど「所感」の類語と類語の意味を詳しく見ていきます。
「所見」の意味
「所感」の類語として「所見」を解説します。「所見」の意味は「あることに対しての意見または考え」と「見立て、見た結果や判断」の2つあります。
「あることに対しての意見または考え」の意味で使われる「所見」が「所感」の類語として正しいです。「所感」と同じく「所見を述べる」という使い方が多いです。
「所感」と「所見」の違いは「所見」は見た結果なので「所感」の感情よりも客観的なイメージが強いです。
「考察」の意味
続いては「所感」の類語として「考察」を解説します。「考察」の意味は「物事を明らかにするために調べて考えること」です。「考察」は意味からも分かるように、よく実験のレポートで使用される言葉です。
「考察」は「所感」よりも深く調べて考える意味合いで使われることが多く重要な意見を求めるときに使われます。
「所感を述べる」と使う
「所感」はビジネスの場や書類などの最後に「所感」の記載がある場合が多いです。その場合は基本的に「所感を述べますと」と使われます。
会議などでは「所感を述べますと」や書類では「所感を記入して下さい」などで使われます。「所感を述べますと」をワンフレーズで覚えておけば、「所感」を上手に使うことができます。
「所感」を書くときのポイント
ビジネスで「所感」を書くときに悩まないためにも「所感」を書くときのポイントをおさえましょう。「所感」を上手く書けていると相手に好印象を与えます。「所感」を上手に書いてビジネスで役立てましょう。
3つのポイント
「所感」を書くときには3つのポイントがあります。まず誰に向けて書く「所感」かを明確にしてから書き始めます。相手が上司ならば「所感」を書く際には言葉遣いに気を付けなくてはいけません。相手によって言葉のチョイスが変わってくるでしょう。
2つ目のポイントは結論を先に書くことです。面接の自己PRでも同じですが、最初に結論を言うことで相手に伝わりやすく、印象に残る「所感」になります。
3つ目は簡潔に書くことです。一文を短めにしてダラダラ書かないように注意しましょう。更に文章の意味を分かりやすくするためには「所感」で書かれる資料を添付することで、より相手に伝わりやすくなります。
「所感」を求められる場面
「所感」を書くポイントを紹介しましたが「所感」を求められる場面別に詳しく紹介します。更に「所感」を求められる場面別にも「所感」を書くポイントを紹介します。それぞれの「所感」の求められている意味を理解しましょう。
日報
日報とはビジネスで書く機会が多いものです。特に会社に入りたての新人のときに日報を書き上司に提出することが多いでしょう。まず日報とは「毎日の仕事内容を記録する報告書」です。
日報の最後に「所感」を書くことが基本的です。ここで「所感」と「感想」を間違えないようにしましょう。あくまでも日報は仕事の反省点や改善点を記すものであり、「楽しかった」や「辛かった」などの「感想」を求められているのではありません。
日報に「所感」を書くときは感想に加えて、感じたことから今後の展望や反省点など具体的に書くことで日報の「所感」として意味のあるものになります。
報告書
報告書はビジネスの場で提出を求められる場合が多く、出張報告書や研修報告書などがあります。報告書は事実、目的、意見を盛り込んだものを言います。「所感」は報告書の意見の部分です。
報告書の「所感」を書くときは目的と関連させて書きましょう。報告書に記した目的を達成したのかなど目的が達成されなかった場合はそのときの心情に加えて、その反省点や改善点を記すことで意味のある「所感」となります。
スピーチ
朝礼や会議などでスピーチする場合に「所感」を述べる場合があります。その場合は誰に向けてのスピーチなのかを意識しましょう。更にスピーチする時間も大切です。
朝礼の場合は3分程度にまとめると良いでしょう。簡潔に相手に意味が分かりやすい「所感」になるようにスピーチを考えましょう。
「所感」の使い方
「所感」の意味や由来、特徴などを理解できたところで続いては「所感」を実際に使った例文を紹介します。「所感」の例文から「所感」がどのような場面で使われるのかなど正しい使い方や意味を学びましょう。
例文①
まずは研修のレポートの「所感」の例文を紹介します。「実際に研修を受け、業務内容を知ることができて良かったです。研修を通してビジネスマナーの認識が低いことを痛感致しました。これから社会人としてビジネスマナーを身に着けたいと思います。
特に電話対応は言葉遣いなどに注意していきたいです。」このように研修レポートでは研修を受けた感想を述べてから、研修を通して学んだことを記します。更に研修で感じた自分の反省点を書き、その反省点に対して、どう改善していくのかを述べます。
研修のレポートで求められている「所感」を意識して書きましょう。また研修レポートは必ず上司がチェックするものなので言葉の使い方などにも注意しましょう。
例文②
続いては出張の報告書の「所感」の例文を紹介します。「契約数を増やすことができた。次回は今回の成果を踏まえて、もっと契約数を増やすためにキャンペーン内容の改善点を考える。」
出張の報告書は自分が次回のために何をするべきかを振り返るものでもあるので簡潔に書く必要があります。言葉の使い方はそこまで注意する必要はありません。意味のある「所感」を意識して書きましょう。
例文③
次は日報の「所感」の例文を紹介します。「本日は目標の企業訪問6社に対して実績は4社となりました。反省点として1社に時間がかかり過ぎました。時間を上手く使い、1社だけに時間を取られないようにしたいと思います。」
このように日報の場合は今日の実績を書いた後、反省点と改善点を「所感」として記す使い方です。具体的な反省点を述べることで意味のある「所感」になります。
例文④
次はスピーチの「所感」を紹介します。「業務の効率についてスピーチします。会社の中でもデスクや身の回りの整理を心がけましょう。目的は周囲の状況把握です。資料など、何がどこにあるかを常に意識することで仕事が効率的になります。
所感を述べますと少し整理整頓ができていない場所もあるので、今日から意識的に行いましょう。」このようにスピーチの場合はテーマを最初に言い、その目的を述べます。所感は現状の感想とこれからの改善点を伝える使い方ができます。
「所感」は心が動いたところという意味
「所感」は何かの事から影響を受けて心が動かされたところを意味しています。ビジネスの場で使われることが多く意味を感想と同じだと勘違いしていたり、正しい意味を知らずにいると恥をかいてしまいます。正しく「所感」の意味を理解して使いましょう。