「お見受けする」の意味とは?
ビジネスシーンでよく使われる言葉に、「お見受けする」という言葉があります。この記事では「お見受けする」の意味や類語、英語表現や使う上での注意点等をご紹介します。正しい言葉遣いで「お見受けする」を使いましょう。
「お見受けする」は敬語表現であり、目上の人に使うのにおすすめの言葉です。しかし、最近ではこの「お見受けする」という言葉の意味をはき違えて使う人も少なくありません。
日常ならともかく、ビジネスシーンで使うなら、正しく意味を捉えて、適したシーンで使う必要があります。ビジネスで恥をかかないよう正しい敬語遣いを心がけましょう。
「お見受けする」の類語
「お見受けする」の意味は「判断する」「察する」「認識する」という、大きく分けて3つの意味に分かれます。「判断する」という意味での使い方では、見た感じから物事の真偽を見極める、という意味があります。
「察する」という意味での使い方では、関心を持った事柄からどんな事情があるのかを推測すること、もしくは相手の気持ちに予想を立てて、思いやりの心を持つこと、という意味があります。
「認識する」という使い方では、知ったことの本質を理解する、という意味が含まれています。「お見受けする」という言葉には様々な意味があるので、類語に当たる言葉もたくさん存在します。ここでは「お見受けする」の類語をご紹介します。
類語
「お見受けする」の類語には「わかる、勘付く、感触、覚える、感じ取る、お目にかかる、見かける、思う」等、たくさんの類語があります。「お見受けする」とう言葉には様々な意味があるので、使い方によって類語も違ってきます。
「お見受けする」には様々な意味がありますが、全てに共通して言えることは、「お見受けする」は敬語表現であるという点です。なので「お見受けする」の類語は、「お見受けする」という言葉を少し崩した表現であることが多いです。
また、「見た感じから判断する」という点も全てに共通して言えることです。「お見受けする」は敬語の中でも謙譲語にあたり、相手に対して腰の低い表現をする時に用いられます。
「お見受けする」の使い方・例文
「お見受けする」には様々な意味があり、それぞれで使い方が違います。ここでは実際に「お見受けする」という言葉を使った例文をご紹介します。「お見受けする」という言葉には大きく分けて「判断する」「察する」「認識する」という3つの意味があります。
「お見受けする」という言葉の使い方は、「見受け」という言葉の意味や類語を理解しておくと分かりやすくなります。「見受け」の意味は「一度与えたり取られたりしたものをもう一度自分の物にする」です。
「お見受けする」は「見受け」の謙譲語での表現となります。なので相手に対してへりくだった態度をとる時に使われる言葉としての使い方をします。謙譲語はビジネスシーンや目上の人を話す時によく使われる表現です。相手に不快感を与えずに言葉を伝えることが出来ます。
例文①「お見受けするところあなたと私は同じ立場にあるようですね」
「お見受けするところあなたと私は同じ立場にあるようですね」という例文は、「お見受けする」の「判断する」という意味合いでの使い方をしています。もっと詳しい言い方をするなら「私が見た感じでは、あなたと私は同じ立場にあるようですね」となります。
この「判断する」は、自分が相手のことを見た感じで思ったこと、推測したこと、という意味があります。こういった断定的でない表現をする時は、ビジネスシーンや目上の人と話す時にとても便利です。
ビジネスシーンでは、相手に何かの同意を求めたり、何かを諭したりするのが難しい時もあります。そんな時に「お見受けするところ」と前置きを置けば、ある程度言いやすくなります。「お見受けする」は謙譲語なので言いづらいことを言いたい時に重宝します。
例文②「なにか恐れているようにお見受けしますが」
「なにか恐れているようにお見受けしますが」という例文は、「察する」という意味での「お見受けする」の使い方をしています。なのでもっと崩した言い方にするなら「なにか恐れているように私は思いますが」という言い方になります。
ここでの「察する」は、相手の様子から、相手が思ったこと、感じたことを自分が推測する、という意味になります。「お見受けする」は敬語表現なので、相手がビジネスだったり目上の人だったりする以外にも、何か言い出しにくいような内容を言う時にも使えます。
相手に対して少し否定的に捉われてしまうような言葉でも、「お見受けする」を使えば、敬語表現なので言葉のとげとげしさを少し和らげることが出来ます。敬語は都合の良い事を言う時だけでなく、都合の悪い言葉をいう時にも使えます。
例文③「いつも通りの先生とお見受けしますが」
「いつも通りの先生とお見受けしますが」という例文では「認識する」という意味での「お見受けする」の使い方をしています。ここでの「認識」とは、「そのように見える」という意味です。崩した言い方なら「いつも通りの先生に私には見えますが」となります。
「認識」の詳しい意味は「物事を見分け本質を理解し正しく判断すること、またはそうする心の働きや成果」です。なのでこの例文での「お見受けする」は「私にはそのように見える(認識する)」という意味になります。
「お見受けする」という言葉の意味である「判断する」「察する」「認識する」という3つの意味には、それぞれを分ける決定的な違いというものが無く、ニュアンスによってどんな意味にも通じてしまいます。
特に「判断する」「察する」「認識する」はどの言葉にも「推測する」という共通のニュアンスが含まれています。なので「お見受けする」という言葉はあくまで断定的な言葉ではなく「自分がそう思った(推測した)」ことを言う時の言葉なのです。
例文④「疲れたようにお見受けする」
「疲れたようにお見受けする」という例文をもっと崩した言い方にすると「疲れたように私には見えます」となります。この例文では「相手が疲れていること」を「私が察する(私にはそう見える)」ことを伝える言葉です。
この例文での「お見受けする」という言葉は「判断する」「察する」「認識する」の度の意味にも当てはまる言葉であると言えます。「お見受けする」という言葉には、どの意味にあてはめても通じる場合があります。
「相手が疲れていること」を「私が判断する(一定の根拠からの推測)」「察する(相手の見た感じから推測)」「認識する(相手の様子からそのように見える)」と、どの意味でも通じるという特徴があります。
このような現象は「お見受けする」という言葉に限ったことではありません、敬語表現にすることで意味合いが広義的になる言葉というのはたくさんあります。他には「存じます」「よろしいでしょうか」等が挙げられます。
「お見受けする」と「見受けられる」の違い
「お見受けする」という言葉に似た表現に「見受けられる」という言葉があります。「お見受けする」と「見受けられる」は、どちらも意味は似ていますが、文法上や表現の方法という点でお互いに使い方や意味合いが違ってきます。
ここでは「お見受けする」という言葉と「見受けられる」という言葉の違いについてご紹介します。あまり使う機会のない言葉ではありますが、互いの違いを理解して、正しく使い分けられるようにしましょう。
「お見受けする」と「見受けられる」はどちらも敬語表現なので、使い方を覚えておけば目上の人と話す時に重宝します。ビジネスシーンや年上の人と会話をする機会が多い人は覚えておくと便利です。
「見受けられる」は「目に留まる」という意味
「お見受けする」と「見受けられる」には、文法上での違いがあります。「お見受けする」と「見受けられる」はどちらも元々は「見受ける」という言葉の表現方法の1つです。「見受けられる」は「見受ける」の受け身表現ということになります。
なので、「お見受けする」と「見受けられる」には、「見受けする」側と、「見受けられる」側という違いがあることが分かります。
例えば「認識する」という「お見受けする」の意味で例えるなら、「お見受けする」は「(自分が相手に対して)認識する」という意味になり、「見受けられる」は「(自分が相手から)認識される」という意味になります。
「お見受けする」を使う際の注意点
「お見受けする」は「見受ける」敬語表現である以上、きちんとした使い方をしなければビジネスシーンで恥をかいてしまいます。
「お見受けする」という言葉は、特に目上の人やビジネスシーンで使われることが多いので、正しい使い方をする必要があります。ここでは「お見受けする」という言葉を使う上での注意点をご紹介します。
否定的な意味では使えない
「お見受けする」という言葉は謙譲語です。なので相手い対してへりくだって使う言葉である以上、相手を否定するような内容では、文法上矛盾が生じてしまいます。
例文で例えるなら「普段の仕事を見ている限り、あなたは仕事が出来ない人だとお見受けします」とは使いません。相手を否定、もしくは見下すような表現は、謙譲語の意味と反するので使い方としては間違いです。
「お見受けする」は相手に対して敬意を持って接する時の言葉です。間違った使い方をするとビジネスシーン等でも恥をかくことにもなりかねません。正しい使い方を心がけるようにしましょう。
「お見受けする」の英語表記
「お見受けする」という言葉を英語で表現すると、様々な言葉に訳することが出来ます。英語表現の場合、「お見受けする」という言葉の直接的な英語表現は存在せず、「お見受けする」の意味や類語を英訳するという形になります。
ここでは「お見受けする」という言葉の英語表現をご紹介します。「お見受けする」という言葉には「判断する」「察する」「認識する」という意味で分けた英語表現をする必要があります。
なのでどんな意味合いで「お見受けする」という言葉を使っているのかによって用いる言葉が変わってきます。ここでは意味合い別での英語表現をご紹介します。
「判断する」という意味での英語表現
「お見受けする」という言葉には「判断する」という意味があります。「判断する」を英語で表現すると「suppose」となります。例文にするなら「Isupposehe'sright(私は彼が正しいと思います)」と表現します。
「お見受けする」という言葉における「判断する」という意味は断定的な意味でなく、あくまで推測、推量という範囲での判断になります。なので正確には「~であると思われます」という意味です。
「suppose」の意味は「仮定、推測する」「考える」「思う」です。「suppose」という英語は、明確な根拠がない憶測に対して自分の意見を述べる時に使う言葉です。なので「お見受けする」という言葉の英語表現と言えます。
「察する」という意味での英語表現
「お見受けする」という言葉には「察する」という意味があります。「察する」は英語で表現すると単語なら「think」「guess」、熟語なら「takeahint」「getthemessage」と表現します。
「察する」という言葉の英訳は種類が多いですが、「お見受けする」という言葉での「察する」は「相手の気持ちに予想を立てて思いやりの心を持つこと」という意味になります。
例文にするなら「Iguessthatyouaregettingsick(体調が良くないようにお見受けします)」「Heknowhowtotakeahint(彼は気が利くとお見受けします)」と表現します。
「認識する」という意味での英語表現
「お見受けする」という言葉には「認識する」という意味も含まれています。「認識する」を英語で表現すると「recognize」「infer」「surmise」と表現します。いずれも動詞で、一定の根拠に基づいて推測、認識をする時に使う単語です。
例文にすると「Iinferthatyouaresick(私はあなたが病気だとお見受けします)」等と表現します。「お見受けする」という言葉の「認識」とは、知ったことの本質を理解することや表現の意味や内容、意図を理解するという意味があります。
なので「お見受けする」を英語で表現するときは単に「認識する」という意味の単語ではなく、一定の根拠に基づいた推測や推理を話す時に使うのが正しいです。
「お見受けする」は「見た感じや雰囲気から察する」という意味
「お見受けする」という言葉には「見た感じや雰囲気から判断する、察する、認識する」という意味があります。「お見受けする」は謙譲語にあたる敬語表現で、相手に対してへりくだって話す時に使われます。
ビジネスシーン等で目上の人との話で何かを伺う時、何かを諭す時に「お見受けする」と表現するのはとてもおすすめです。特に目上の人に対して言いづらいような内容を丁寧に伝える時には便利な言葉です。