「逐一」の意味と使い方まとめ！類義語や対義語も分かりやすく紹介！

ビジネスシーンなどで「逐一（ちくいち）」という言葉が使われることがありますが、「逐一」の意味がわからないという人も少なくありません。

一般的な日常生活の中では「逐一」という言葉を使うことはほとんどなく、ビジネスなどでしか使われないため、「逐一」の意味が分からない人が多くても仕方がないと言えます。

「逐一」という言葉にはいったいどのような意味があるのか、まずは「逐一」の意味についてご紹介しましょう。

「逐一」の意味の一つ目は、「ひとつずつ順番に」という意味です。「逐一」という言葉はビジネスシーンなどで使われることが多いですが、この「ひとつずつ順番に」という意味で使われることが結構多いです。

仕事の指示をする時に上司が「逐一」という言葉を使う場合、「ひとつずつ順番に」という意味で「逐一」を使うことが多いと言えます。

「逐一」という言葉を上司などから言われた場合には、「ひとつずつ順番に」という意味である場合が多いので覚えておきましょう。

「逐一」の意味の二つ目は、「もらさずに全部」という意味です。「逐一」は先にご紹介した「ひとつずつ順番に」という意味で使われることが多いですが、こちらの「もらさずに全部」という意味でも使われます。

仕事場で上司から「逐一報告しなさい」などと言われた場合には、「もらさずに全部」という意味で「逐一」が使われています。

「逐一」は「ひとつずつ順番に」という意味で使われることもあれば「もらさずに全部」という意味で使われることもありますので、「逐一」の後に続く文章でどちらの意味なのかを判断する必要があります。

「逐一」の意味の三つ目は、「順に従い全て取り上げる」という意味です。「順に従い全て取り上げる」というのは、先にご紹介した「逐一」の意味を二つ合わせたような意味になります。

「ひとつずつ順番に」と「もらさずに全部」という意味を両方含むのが「順に従い全て取り上げる」という意味で、「逐一」はこの意味でも使われます。

「逐一」は文章の流れによって意味が変わることもありますので、「逐一」と言われたら前後の文章でどの意味で言っているのかを判断しましょう。

「逐一」の意味についてご紹介しましたので、次は「逐一」の由来についてご紹介します。日本語には語源や由来がある言葉がたくさんありますが、「逐一」にも由来があります。

ですが「逐一」は故事成語などの難しい言葉ではありませんので、故事成語のように歴史を感じさせるような由来はありません。

「逐一」という言葉にはいったいどのような由来があるのか、「逐一」の由来についてもご紹介しましょう。

「逐一」の由来は「順番に」という意味を持つ「逐」にあります。「逐」は音読みすると「ちく」ですが訓読みをすることもでき、訓読みでは「逐」は「おう」になります。

この「おう」には「順番に」「ひとつひとつ次々と」「後を追って」といった意味があり、本来ならば「逐」だけで「逐一」の意味を持つと言えます。

ですがこの「逐」に「一」をつけることによって、「ひとつひとつ」という意味をより強めることができます。「逐」に「一」をつけて意味合いを強めたというのが「逐一」の由来です。

「逐一」の由来についてご紹介しましたので、次は「逐一」の類義語についてご紹介します。「逐一」の意味は「ひとつずつ順番に」「もらさずに全部」という意味ですので、これらの意味に近い意味を持つ言葉が「逐一」の類義語になります。

「ひとつずつ順番に」「もらさずに全部」という意味を持つ日本語は少なそうですが、実は結構たくさんあります。

「逐一」という言葉に似た意味を持つ言葉にはいったいどのような言葉があるのか、「逐一」の類義語についてご紹介しましょう。

「逐一」の類義語の一つ目は、「隅から隅まで」です。「隅から隅まで」の意味は「ある範囲のすべてにわたって」という意味です。

「逐一」には「もらさずに全部」という意味がありますので、「隅から隅まで」という言葉は「逐一」と似た意味を持つ類義語になります。

「逐一」という言葉を「もらさずに全部」という意味で使う場合には、「隅から隅まで」という言葉で言い換えることもできますので、そういった点でも「隅から隅まで」は「逐一」の類義語だと言えます。

「逐一」の類義語の二つ目は、「くまなく」です。「くまなく」の意味は「隅々まで余すところなく」という意味で、先にご紹介した「逐一」の類義語「隅から隅まで」とほぼ同じ意味を持ちます。

「くまなく」の意味の中に「余すところなく」という言葉がありますが、この「余すところなく」の意味は「残りがないように」という意味ですので、言い換えれば「全て」という意味になります。

「くまなく」は「隅々まで全て」という意味になり、「逐一」の意味「もらさずに全部」という意味とほぼ同じ意味ですので、「くまなく」も「逐一」の類義語だと言えます。

「逐一」の類義語の三つ目は、「片っ端から」です。「片っ端から」の意味は「端から順にすべてに及ぶさま」「次から次へと」という意味です。

「逐一」には「ひとつずつ順番に」「もらさずに全部」という意味の他に「順に従い全て取り上げる」という意味があり、「片っ端から」はこの「順に従い全て取り上げる」に非常に近い意味を持つ「逐一」の類義語になります。

「逐一」という言葉はビジネスメールなどでも使えるちょっと堅い言葉ですが、「片っ端から」はそういった場面では使えないという点では「逐一」とは少し違います。

「逐一」の類義語の四つ目は、「しらみつぶしに」です。「しらみつぶしに」の意味は「物事を残らず端からひとつひとつ処理していく」という意味です。

「逐一」には「もらさずに全部」という意味があり、「しらみつぶしに」はこの「もらさずに全部」という意味に近い意味を持っていますので「しらみつぶしに」も「逐一」の類義語になります。

「逐一」には他にも「ひとつずつ順番に」「順に従い全て取り上げる」という意味がありますが、「しらみつぶしに」は順番に片付けるというわけではないので、その点では少し違うと言えます。

「逐一」の類義語の五つ目は、「満遍なく」です。「満遍なく」の意味は「行き届かない所がないようくまなく一様に」という意味です。

「逐一」には「もらさずに全部」という意味があり、「満遍なく」の「くまなく一様に」という意味は「逐一」の意味にとても近い意味ですので、「満遍なく」も「逐一」の類義語になります。

このように「逐一」の類義語は意外にたくさんありますが、「逐一」の言い換えに使える言葉もあれば、言い換えには使えない言葉もあります。

「逐一」の類義語についてご紹介しましたので、次は「逐一」の対義語についてご紹介します。「逐一」の意味は「ひとつずつ順番に」「もらさずに全部」という意味ですので、これらとは反対の意味を持つ言葉が「逐一」の対義語になります。

日本語には正反対の意味を持つ対義語を探すのが難しい言葉が結構ありますが、「逐一」という言葉もそのような日本語の一つで、本当の意味で正反対の意味を持つ言葉を探すのは非常に難しいです。

「逐一」という言葉と反対の意味を持つ対義語にはいったいどのような言葉があるのか、「逐一」の対義語についてもご紹介しましょう。

「逐一」の対義語の一つ目は、「適当」です。「適当」の意味には良い意味と悪い意味がありますが、「逐一」の対義語としての「適当」の意味は悪い方の「いい加減」です。

「逐一」には「ひとつずつ順番に」「もらさずに全部」という意味がありますが、悪い意味での「適当」には「雑に」というニュアンスがあるため、「逐一」とは正反対の意味があると言えます。

そのため「適当」は「逐一」の対義語になりますが、細かいところまで意味を突き詰めると「適当」は「逐一」の対義語としては少し物足りないということになります。

「逐一」の対義語の二つ目は、「不完全」です。「不完全」の意味は「欠けていたり充分ではない所があって完全ではない」です。

「逐一」には「もらさずに全部」という意味がありますので、「完全ではない」という意味のある「不完全」も「逐一」の対義語になります。

ですが「逐一」には他に「ひとつずつ順番に」という意味もありますので、そういった点では「不完全」は「逐一」の対義語としては足りないと言えます。

「逐一」の対義語の三つ目は、「不備」です。「不備」の意味は「充分な備えに欠けること」という意味で、「欠ける」という意味があることから「逐一」の対義語の一つに数えられます。

ですが「不備」には「備え」という言葉が入っているため、その点では「逐一」とは意味的に違うと言えます。

「逐一」にはいくつかの対義語がありますが、そのいずれも「逐一」の対義語としては少し違いますので、「逐一」の完璧な対義語はないとも言えます。

「逐一」の対義語についてご紹介しましたので、次は「逐一」の英語表現についてご紹介します。日本語には難解な言葉や繊細な言葉がたくさんあり、英語に訳することが難しい言葉が多いです。

「逐一」もそんな難解な日本語の一つで英語に訳するのは難しいですが、意訳をすれば「逐一」になる英語は結構あります。

「逐一」を英語表現するにはいったいどのような英語を使えば良いのか、「逐一」の英語表現についてご紹介しましょう。

「逐一」の英語表現として良く使われるのは、「one by one」という英語です。「one by one」という英語の意味は「ひとつひとつ」「次々」という意味ですので、「逐一」の意味「ひとつずつ順番に」と同じと言えます。

「逐一」の英語表現に使われる英語は他にもあります。「fully」という英語には「充分」「ぎっしり」などという意味があり、「もらさずに全部」という意味で「逐一」を使う場合にはこの「fully」という英語が使われます。

また「minutely」という英語には「事細かく」「事細やかに」という意味があり、「逐一」の英語訳に良く使われています。

「逐一」の英語表現についてご紹介しましたので、次は「逐一」の使い方についてご紹介します。「逐一」という言葉はビジネスシーンなどで時々使われますが、一般的な日常生活の中ではほとんど使われません。

なので「逐一」という言葉の使い方がわからないという人も多いですが、意味さえ知っていれば「逐一」の使い方はそう難しくありません。

「逐一」という言葉はいったいどのように使えば良いのか、「逐一」の使い方の例文についてご紹介しましょう。

「逐一」の使い方の例文の一つ目は、「何かトラブルがあればメールで逐一報告するようにと上司から言われた」という例文です。この例文では「もらさずに全部」という意味で「逐一」が使われています。

「逐一」という言葉はビジネスで上司などから言われることが多い言葉で、この例文でも上司から「逐一」と言われています。

「逐一」の使い方の例文の二つ目は、「新入社員の仕事にミスがないか、逐一チェックをする」という例文です。この例文では「ひとつずつ順番に」「もらさずに全部」という意味で「逐一」が使われています。

この例文で「チェックをする」という行動をしているのは、上司ではなく「新入社員」の先輩の可能性もあります。「逐一」という言葉は必ずしも上司限定で使われるわけではないということです。

「逐一」の使い方の例文の三つ目は、「浮気を疑われて、妻から行動を逐一監視されている」という例文です。「逐一」という言葉はビジネスシーンだけではなく、このような使い方もできます。

この例文では「もらさずに全部」という意味で「逐一」が使われています。「もらさずに全部」という意味で「逐一」を使う場合、使える範囲が広がると言えます。

「逐一」の使い方の例文の四つ目は、「独占欲が強い彼氏から、日々のスケジュールを逐一報告しろと言われてうんざりする」という例文です。この例文でも「もらさずに全部」という意味で「逐一」が使われています。

「逐一」という言葉には「ひとつずつ順番に」「もらさずに全部」という意味があり、これらの意味にあてはまる場合にはビジネスでも日常生活でも「逐一」という言葉が使えます。

「逐一」という言葉の意味や類義語や対義語、「逐一」の使い方の例文など色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。

「逐一」の意味は「ひとつずつ順番に」「もらさずに全部」という意味ですので、「逐一」の正しい意味を理解して正しく使いましょう。