「摘要」の意味とは?
伝票や帳簿などで「摘要」という言葉を見かけることがあります。この「摘要」の意味はどんな意味があるのかご紹介していきましょう。また、「摘要」と似たような言葉で「備考」という言葉もありますが、この2つの言葉にははっきりとした違いがあります。
「摘要」と「備考」の違いについても迫っていきましょう。そして、「摘要」の意味、類語、英語表現、使い方についても網羅した内容になっています。ビジネスマンとして「摘要」の正しい使い方や意味を理解しておきましょう。それでは、「摘要」の意味から解説していきます。
意味「大切なところを抜き出したもの」
「摘要」の意味は「大切なところを抜き出したもの」という意味があります。「摘要」は主な情報という意味もあるので、「摘要」を把握することで内容の概略を理解することができるのです。会計業務などで伝票や帳簿などに取引先、取引内容を記入する「摘要欄」があります。
「摘要」の使い方として「摘要欄に記入漏れがないようにお願いします」「改正法案の摘要には、国民のことを思って書かれているのか疑問です」という使い方になります。
「摘要」の由来
「摘要」の「摘」の意味には、「掻い摘んで(かいつまんで)選び出す」という意味があります。「摘要」の「要」の意味は「大切なところ」「かなめ」という意味があるのです。
この2つの漢字が合わさって「摘要」になり、「大切なところをかいつまんで選び出す」という意味の言葉になりました。よって、「摘要」の由来になったのです。
「摘要」の特徴
「摘要」と似たような言葉として「備考」があります。「摘要」と「備考」の違いについて詳しく解説していきましょう。
「摘要」と「備考」の違いには、情報の重要度によって記入する箇所が違ってきます。ビジネスマンとしてきちんと把握しておきたい部分でもあるので、しっかりとチェックしてみて下さい。
「備考」の意味との違い
「備考」の意味には、「従いたる情報」という意味があります。備考だけでは、取引内容が把握できない部分に「摘要」との違いがあるのです。「摘要」の意味は「大切なところの抜き書き」という意味があるのに対して「備考」は、参考のために書き添えるという意味になります。
「備考」の使い方としては、「何かありましたら備考欄に記入して下さい」という使い方になるのです。青森産ぶどう12ケース、山梨産りんご4ケース、山梨産なし6ケースの取引を仕入れ帳に記入する場合について例をご紹介していきましょう。
数量の部分にはそれぞれの○ケースと記入し、摘要にはぶどう、りんご、なしといった果物の名前を記入します。そして、備考にはどこ産のものかを記入していきましょう。具体的には青森産、山梨産、山梨産という風に記入していけばいいということになります。
「摘要」には、仕入れした果物の名前を備考の欄には、参考程度にどこで収穫したのかを記入することになるのです。仕入れ帳にとって何を仕入れしたのかが重要になってくるので、こういった書き方になります。
「摘要」の類語
「摘要」の類語についてそれぞれの意味と使い方についてご紹介していきましょう。「摘要」の類語として「要約」「大意」「要旨」があります。それぞれ「摘要」の類語になっているので、類語を知ることで「摘要」についてより深く理解を進めることができるでしょう。
類語「要約」の意味と使い方
「摘要」の類語に「要約」があります。「摘要」の類語「要約」の読み方は「よくやく」という読み方をして、意味は「論旨・要点を短くまとめて表す」という意味があるのです。
「要約」の「短くまとめる」という意味は、「摘要」の「大切なところを抜き出す」の意味との違いになります。「摘要」の類語「要約」の使い方として「今週の課題は、小説の要約だ」「要約するとどういうことになるのですか?」という使い方です。
類語「大意」の意味と使い方
「摘要」の類語に「大意」があります。「摘要」の類語「大意」の読み方は「たいい」という読み方で、意味は「だいたいの意味」という意味になります。
「大意」の意味と「摘要」の意味の違いには「大意」には、だいたいの意味という部分と「摘要」の「大切なところを抜き出し」の部分が違います。「摘要」の類語「大意」の使い方は、「大意を知れば問題ありません」という使い方になります。
類語「要旨」の意味と使い方
「摘要」の類語に「要旨」があります。「摘要」の類語「要旨」の読み方は「ようし」という読み方をして、意味は「述べられたことの大事な筋」という意味があります。「要旨」は「筆者がいいたいこと」という意味になるのです。
「摘要」が「大切なところの抜き出し」という意味があるのに対して、「要旨」はニュアンスが違っています。「摘要」の類語「要旨」の使い方として、「筆者が何をいいたかったのか要旨をまとめましょう」という使い方になります。
「摘要」の英語表現
「摘要」の英語表現をいくつかご紹介していきましょう。「摘要」の英語表現について理解していくことができます。「摘要」の英語表現には色々な英語表現があるので、日本語と英語それぞれ理解していきましょう。「摘要」を表す英語表現の使い方例文についてもご紹介していきます。
abstract
「摘要」の英語表現として「abstract」があります。「摘要」の英語表現「abstract」の使い方として「書物の摘要を作る」という日本語の例文の英語表現は「make an abstract of a book」という英語表現になります。
この他にも「摘要」の英語表現はあって「摘要欄」を表す英語表現は「the remarks column」となります。「私の論文の摘要はこうです」の英語表現は「Here is a summary of my thesis.」となります。
「摘要」の使い方
それでは、「摘要」の正しい使い方について例文でご説明していきましょう。「摘要」の正しい使い方は例文を見ればよく分かります。「摘要」の正しい使い方をしっかりと理解して、ビジネスでも活用していきましょう。それでは、「摘要」の使い方例文①からご紹介していきます。
例文①
「摘要」の使い方例文①として「摘要欄」があります。「摘要欄」を使った使い方をご紹介します。「この伝票の摘要欄には、何も記載されていません」「摘要欄の記入を必ずしておいて下さい」「今回の仕入れ帳には摘要欄の記入がないと受理できません」となります。
例文②
「摘要」の使い方例文②として「摘要する」があります。「摘要する」の使い方例文として「長時間に及ぶ会議の内容を摘要する」「摘要する作業は大変苦労がある仕事です」「前文が長いので、条約の内容を摘要することが必要です」という使い方になります。
例文③
「摘要」の使い方例文として「適用」と名詞として使う場合もあります。この意味には「大切なところを抜き出しているもの」を意味しています。使い方としては「レポートは摘要を表記することになっています」「摘要を読むと昔のことが理解できました」という意味になります。
例文④
「摘要」の使い方例文④「摘要を添えて」があります。「摘要を添えて」の使い方例文としていくつかご紹介していきましょう。「論文には、摘要を添えて提出するようにいわれています」「今回提出する資料には摘要を添えてくださいね。忘れたら受け取りません」という使い方があります。
「摘要」の注意点
帳簿や振替伝票や出金伝票に「摘要」という欄があります。この摘要の欄には何を書けばいいのかご紹介します。摘要の欄には、取引の内容を分かりやすく記載するメモのようなものになります。
消費税の仕入れ税額控除では、帳簿記載要件に摘要欄の具体的な記入が必要となり、2019年10月1日以降は、軽減税率を区分して記入することも必要になってくるので注意しておきましょう。
「摘要」は「大切なところを抜き出したもの」という意味
「摘要」の意味には「大切なところを抜き出したもの」という意味があります。「摘要」と似たような言葉として「備考」があり、「備考」の意味には「参考のために書き添える」という意味があるのです。
「摘要」と「備考」は、よく間違いやすい部分でもあるのでしっかりと理解しておくことはビジネスマンとして必要になってきます。また、「摘要」の類語もいくつかあり、それぞれに似たような言葉ではありますが、ニュアンスの違いがあるので注意して下さい。
今回ご紹介した内容で「摘要」についてしっかりと理解して、ビジネスマンとして恥ずかしくないようにしておきましょう。