道理の意味とは?
「道理」という言葉を見たことがあるとか聞いたことがあるという人は結構多いですが、「道理」の意味とはいったいどういう意味なのかと問われた時に「道理」の正確な意味を答えることができる人は少ないです。
「道理」という言葉には「道」という漢字が入っていますので、何かの道なのだろうということは想像がついても、「道理」の正しい意味はわからない人が多いです。
「道理」は比較的年配の人が使うことが多い言葉で、若い人にはあまりなじみがないため、「道理」の意味を知らない人は結構多いと言えます。
「道理」という言葉にはいったいどのような意味があるのか、まずは「道理」の意味についてご紹介しましょう。
物事の道筋という意味
「道理」の意味の一つ目は、「物事の道筋」です。「物事の道筋」の意味は「どの道を通るかという物事の筋(すじ)」という意味で、ちょっと難しい意味になります。
簡単に言えば「物事の道筋」は「物事のコース」で、何かを決めたりする時にどのコースを選ぶかということです。
「道理」という言葉は一般的な日常生活の中のちょっとした出来事で何を選ぶかという軽い選択でも使えますし、人生の岐路に立った時の大きな選択にも使うことができます。
物事がそうあるべき筋道という意味
「道理」の意味の二つ目は、「物事がそうあるべき筋道」です。こちらも先にご紹介した「物事の道筋」と同じくちょっと難しい意味です。
「物事がそうあるべき筋道」の意味は「何らかの物事がそうであるべきであるという順序」という意味で、言い換えても難しい文章になります。
「そうあるべき」という言い方が難しくて理解できないという人も多いでしょう。ですが簡単に言えば「そうあるべき」は「正しい」になります。なので「物事がそうあるべき筋道」は「物事の正しい筋道」ということです。
人が行うべき正しい道という意味
「道理」の意味の三つ目は、「人が行うべき正しい道」です。この意味は先の二つの意味に比べればとてもわかりやすいでしょう。
世の中には「善」と「悪」とされる物事がありますが、「道理」は人が行うべきである「善」を指しています。「人が行うべき」という言葉から、「人間は正しい行いをしなければならない」というのが「道理」の前提であると言えます。
人間は皆正しい行いをしなければならないという前提があっても、それに外れた行いをする人もいるため、そういった時には「道理に外れた」などという言い方をします。
「道理」という言葉にはかなり難しい意味があり、全ての意味を覚えるのは大変ですので、「物事の道筋」だけでも覚えておくと良いでしょう。
道理の類語
「道理」の意味についてご紹介しましたので、次は「道理」の類語についてご紹介します。「道理」の意味は「物事の道筋」「物事がそうあるべき筋道」「人が行うべき正しい道」ですので、似た意味を持つ言葉が「道理」の類語になります。
「道理」の意味はとても難しいので完全に意味が一致する類語を探すのは難しいですが、少しでも意味やニュアンスが似ている言葉なら「道理」の類語だと言えます。
「道理」という言葉に似た意味を持つ類語にはいったいどのような言葉があるのか、「道理」の類語についてご紹介しましょう。
節理
「道理」の類語の一つ目は、「節理」です。「節理」の意味は「物事の道筋」「道理」で、「道理」の意味と完全に一致する類語になります。
「節理」と「道理」の違いは、「道理」の三つ目の意味「人が行うべき正しい道」という意味が「節理」にはないという点です。
「節理」という言葉には「比較的規則正しい岩石の割れ目」という意味もあり、元々砕石用語として使われていました。そのため「節理」には人間に対する意味はなく、そういった点では「道理」とは全く違うと言えます。
根拠
「道理」の類語の二つ目は、「根拠」です。「根拠」の意味は「物事が存在するための理由となるところ」という意味ですので、一見すると「道理」とは全く違う意味を持つ言葉のようですが、「根拠」も「道理」の類語です。
「道理」には「物事の道筋」「物事がそうあるべき筋道」「人が行うべき正しい道」というという意味がありますが、二つ目の「物事がそうあるべき筋道」が「根拠」に近い意味になります。
「根拠」が「存在するための理由」という柔らかい表現なのに対して、「道理」は「そうあるべき」という堅い表現ですので、その点では少し違うと言えます。
理由
「道理」の類語の三つ目は、「理由」です。「理由」の意味は「物事がそうなった訳」「筋道」で、「道理」の意味にも入っている「筋道」という言葉が入っていることから、「理由」も「道理」の類語になります。
「理由」という言葉は一般的な日常生活の中でも「理由を言いなさい」などというように良く使われますが、「理由」に「筋道」という意味があると知って「理由」という言葉を使っている人は少ないでしょう。
「理由」という言葉は意味的には「道理」に極めて近いですが、「道理」には他にも「人が行うべき正しい道」という意味があるため、「道理」の代わりに「理由」という言葉を使うことはできません。
筋合
「道理」の類語の四つ目は、「筋合(すじあい)」です。「筋合」の意味は「物事の道理」「納得できるだけの正しい理由や根拠」という意味で、ストレートに「道理」という言葉が入っていることから「道理」の類語だと言えます。
「筋合」という言葉は「そんなことをされる筋合はない」などというように、普段の日常生活の中で使うこともありますが、この「筋合」は「道理」と言い換えることができます。
「道理」の類語には「道理」の言い換えに使えない言葉も多いですが、「筋合」は「道理」の言い換えに使える類語です。
理屈
「道理」の類語の五つ目は、「理屈」です。「理屈」の意味は「物事の筋道」「道理」で、こちらも「筋合」同様ストレートに「道理」という言葉が入っている「道理」の類語になります。
「理屈」には「物事の筋道」「道理」という意味だけではなく、「こじつけの理論」「現実を無視した理論」という良くない意味もあります。
「理屈」という言葉は「道理」の言い換えに使える時と使えない時がありますので、そういう点では「道理」とは少し違うとも言えます。
天道
「道理」の類語の六つ目は、「天道」です。「天道」の意味は「自然に定まっている道理」「天然自然の道理」という意味で、こちらも意味の中に「道理」という言葉が入っていることから「道理」の類語として挙げられます。
「道理」の意味は「物事の道筋」「物事がそうあるべき筋道」「人が行うべき正しい道」という意味がありますが、「天道」と比べるとスケールが小さくて理屈っぽいです。
「天道」には運命すら感じさせるようなスケールの大きさがあるため、そういった点では「天道」は「道理」とは大きく違うと言えます。
道理の対義語
「道理」の類語についてご紹介しましたので、次は「道理」の対義語についてご紹介します。「道理」の類語はたくさんありますが、「道理」の対義語はとても少ないです。
対義語というのは反対の意味を持つ言葉ですが、「道理」の意味である「物事の道筋」「物事がそうあるべき筋道」「人が行うべき正しい道」と反対の意味になる対義語はほぼありません。
「道理」とは反対の意味を持つ「道理」の対義語とはいったいどのような言葉なのか、「道理」の対義語についてもご紹介しましょう。
無理
「道理」の対義語として挙げられるのは「無理」です。「無理」の意味は「物事の筋道が立たず道理に合わないこと」「実現するのが難しいこと」という意味です。
「無理」の一つ目の意味「物事の筋道が立たず道理に合わないこと」は「道理」の意味とは正反対ですので、「無理」は「道理」の対義語になります。
「無理」という言葉は「無理が通れば道理が引っ込む」などというように使われていて、「道理」とは正反対だということが表されています。
「道理」の対義語を探しても「無理」以外の対義語は見つからないため、「無理」はただ一つの「道理」の対義語だと言えます。
道理の英語表現
「道理」の対義語についてご紹介しましたので、次は「道理」の英語表現についてご紹介します。日本語には英語に翻訳する際に意訳をしなければならない難しい言葉や繊細な言葉がありますが、「道理」もそんな日本語の一つです。
「道理」には「物事の道筋」「物事がそうあるべき筋道」「人が行うべき正しい道」という意味があり、これらに合致する英語はないため、似た意味を持つ英語を使って意訳をする必要があります。
「道理」を英語に訳するにはいったいどのような英語を使えば良いのか、「道理」の英語表現についてご紹介しましょう。
理由を意味する「reason」が道理の英語表現
「道理」の英語表現には、「理由」を意味する「reason」が使われることが多いです。「理由」は「道理」の類語にもありますので、「理由」を意味する「reason」が「道理」の英語表現として適当だということです。
「道理」の英語表現には他に「正義」を意味する「justice」という英語が使われることもありますが、こちらは「人が行うべき正しい道」という意味での「道理」の英語表現になります。
また「真理」を意味する「truth」という英語も「道理」の英語表現として使われることがありますが、「道理」の英語表現はいずれも意訳であって直訳は出来ないと言えます。
道理の使い方
「道理」の英語表現についてご紹介しましたので、次は「道理」の使い方についてご紹介します。「道理」は「物事の道筋」「物事がそうあるべき筋道」「人が行うべき正しい道」という意味なので、それらを表す時に「道理」が使えます。
「道理」の意味はとても難しいため、一般的な日常生活の中では使えないと思う人も多いですが、実は「道理」の使い方はそう難しくはありません。
「道理」という言葉の使い方とはいったいどういう使い方なのか、「道理」の使い方の例文についてご紹介しましょう。
例文①
「道理」の使い方の例文の一つ目は、「作業の量を増やせば生産量が増えるというのは、道理であって道理ではない」という例文です。
この例文の意味は「作業の量を増やせば生産量が増えるというのは、当然のようだが当然ではない」です。この例文では「物事の道筋」という意味で「道理」が使われています。
「当然」には「道理にかなっている」という意味がありますので、「当然」ということを言いたい場合に「道理」という言葉を使うことができるということです。
例文②
「道理」の使い方の例文の二つ目は、「恋人同士なのだからいつでも一緒に居るのは当然だという彼女の考え方は道理にかなっていない」という例文です。
「道理」という言葉は「道理にかなう」という使い方をすることが結構多く、この例文でも「道理にかなっていない」というような「道理」の使い方をしています。
この例文では「物事がそうあるべき筋道」「人が行うべき正しい道」という意味で「道理」が使われていて、「彼女の考え方」は間違っていると言っています。
例文③
「道理」の使い方の例文の三つ目は、「急に予定が変わったらしく、クライアントが道理に合わない要求をしてきた」という例文です。
この例文では「物事の道筋」という意味で「道理」が使われていますが、「道理に合わない」という言い方をすることで「無理だ」ということを表しています。
「道理」という言葉は「道理にかなう」という使い方の他に「道理に合わない」といった使い方もあり、「道理に合わない」は「道理」の対義語である「無理」という意味になります。
例文④
「道理」の使い方の例文の四つ目は、「無理が通れば道理が引っ込むと言うが、上司のやり方はまさにそれだ」という例文です。
「道理」の対義語「無理」の所でも「無理が通れば道理が引っ込む」という文章をご紹介しましたが、この文章の意味は「道理にかなわないようなことが公然と行われるようになれば道理にかなったことが行われなくなる」という意味です。
この文章は「道理」の使い方としてとても有名なことわざで、この例文のような使い方もできますので、意外に簡単に「道理」という言葉を使うことができると言えます。
道理は物事の道筋という意味
「道理」という言葉の意味や「道理」の類語や対義語、「道理」の使い方の例文などについて色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。
「道理」には「物事の道筋」「物事がそうあるべき筋道」「人が行うべき正しい道」という意味がありますので、「道理」の正しい意味を理解して「道理」を正しく使いましょう。