錚々たるの意味とは?
テレビなどを見ていると時々「錚々たるメンバーです」などという言い方を耳にすることがありますが、「錚々たる」の意味を尋ねられた場合、「錚々たる」の意味をきちんと答えられる人はあまりいません。
「錚々たる」という言葉はかなり古い言葉で昨今ではテレビや小説などの中でしか使われないため、「錚々たる」という言葉になじみがない人が多く、意味を知っているという人も少ないと言えます。
「錚々たる」という言葉にはいったいどのような意味があるのか、まずは「錚々たる」の意味についてご紹介しましょう。
特に優れている人の集団という意味
「錚々たる」という言葉の意味は、「特に優れている人の集団」という意味です。「錚々たる」は必ず集団のことを指し、個人に対しては使われません。
様々な分野において「錚々たる」という言葉が使われますが、その場合には個人ではなく集団を意味します。文化やスポーツなど幅広い分野のそれぞれの中には特に優れている人がいますが、その人達の集団のことを「錚々たる」と言います。
スポーツ中継や歌番組などにおいて「ご覧ください、この錚々たるメンバーを」などと言うことがありますが、この場合「特に優れている人の集団」という意味で「錚々たる」という言葉が使われているということです。
錚々たるの語源
「錚々たる」という言葉の意味についてご紹介しましたので、次は「錚々たる」という言葉の語源についてご紹介します。日本語には古くから使われていて語源がある難しい言葉が多いですが、「錚々たる」もそんな言葉の一つです。
「錚々たる」はかなり難しい漢字が使われていますので、古い歴史のある言葉だということは一見すればわかるでしょう。
「錚々たる」という言葉にはいったいどのような語源があるのか、「錚々たる」の語源についてもご紹介しましょう。
中国の故事が錚々たるの語源
「錚々たる」の語源は、中国の故事です。「錚々たる」の「錚(そう)」は昔の中国では「鉄でできた楽器」を指しました。
中国の故事の中での「錚々たる」の意味は「金や銀の楽器ほどではないけれど、鉄の楽器でもましな音を出すことができるものもある」と意味で、これが現代日本で使われている「錚々たる」の語源です。
つまり元々の「錚々たる」の意味は「凡人にしてはマシな方」という、現代の「錚々たる」とは全く異なる意味だったということです。
このような語源を持つ「錚々たる」ですが、長い月日の流れの中で「凡人にしてはマシ」という部分がなくなって、現代の「錚々たる」の意味「特に優れている人の集団」になりました。
錚々たるの特徴
「錚々たる」の語源についてご紹介しましたので、次は「錚々たる」と言われる人達の特徴についてご紹介します。テレビの中で「錚々たるメンバー」と言われる人達には共通する特徴があります。
「錚々たる」の意味は「特に優れている人の集団」という意味ですので、額面通りなら「特に優れている」で良いのですが、テレビなどで一般的に「錚々たるメンバー」と言われる人には違う特徴もあります。
「錚々たる」と言われる人達にはいったいどのような特徴があるのか、「錚々たる」と言われる人達の特徴についてご紹介しましょう。
その道のベテラン
「錚々たる」と言われる人達の特徴の一つ目は、その道のベテランだということです。「錚々たる」の意味は「特に優れている人の集団」という意味ですが、単にベテランであるというだけでも「錚々たる」は使われます。
今は売れていなくても往年の人気歌手などが集まる歌番組などで、司会者が「この錚々たるメンバー」と言うことがあります。
「錚々たる」はその道のベテランに対して敬意を込めて「錚々たる」と言われることもありますので、「錚々たる」と言われる人達の特徴としてまず「その道のベテラン」であることが挙げられます。
まだ若い新進気鋭の人達
「錚々たる」と言われる人達の特徴の二つ目は、まだ若い新進気鋭の人達だということです。「錚々たる」と言われる人はその道のベテランだけではなく、まだ若い新進気鋭の人達も「錚々たる」と言われることがあります。
それまで全く無名だった若いランナーなどが、いきなり何かの大会で優勝した場合、一気に「錚々たる」と言われる集団の一員として数えられるようになるというのは良くあることです。
そういった人がその後も何度も優勝すれば、本格的に「錚々たる」になるのですが、一度優勝しただけでも「錚々たる」と言われる集団の一員と言われるようになるということです。
錚々たるの類語
「錚々たる」と言われる人達の特徴についてご紹介しましたので、次は「錚々たる」の類語についてご紹介します。「錚々たる」には「特に優れている人の集団」という意味がありますので、似た意味を持つ言葉が「錚々たる」の類語になります。
「特に優れている人の集団」というとちょっと複雑ですので、似た意味を持つ類語を探すのは大変そうですが、実は「錚々たる」に近い意味を持つ言葉は結構あります。
「錚々たる」という言葉に似た意味を持っている類語にはいったいどのような言葉があるのか、「錚々たる」の類語についてご紹介しましょう。
傑物揃い
「錚々たる」の類語の一つ目は、「傑物揃い」です。「傑物揃い」の意味は「優れた人物からなる集団」という意味で、「錚々たる」にかなり近い意味を持つ「錚々たる」の類語として挙げられます。
「錚々たる」の意味は「特に優れている人の集団」という意味で、「特に」という言葉がついていますが、「傑物揃い」には「特に」という言葉は入っていません。
「傑物揃い」は「錚々たる」に極めて近い意味を持つ類語ではありますが、「錚々たる」に比べると少し意味的に弱いと言えます。
よりすぐりの
「錚々たる」の類語の二つ目は、「よりすぐりの」です。「よりすぐりの」の意味は「良いものの中からさらに選び抜いたもの」という意味で、「錚々たる」の「特に優れている人の集団」という意味に近い類語だと言えます。
「錚々たる」は人限定で使われる言葉ですが、「よりすぐりの」は食べ物やその他の様々な品物などに対しても使われます。
そういった点では「よりすぐりの」は使い方の面で「錚々たる」とは違いますが、「よりすぐりの」を人に対して使う場合には「錚々たる」にひけをとらない意味になると言えます。
粒ぞろいの
「錚々たる」の類語の三つ目は、「粒ぞろいの」です。「粒ぞろいの」の意味は「集まった人々の能力などが揃っていて、劣る人がいない」という意味で、簡単に言えば「優秀な人がそろっている」という意味になります。
「錚々たる」には「特に優れている人の集団」という意味がありますので、「粒ぞろいの」という言葉も「錚々たる」の類語だと言えます。
ですが「粒ぞろいの」という言葉は人の集団だけではなく、物などに対しても使うことがありますので、使い方という点では「錚々たる」とは少し違います。
豪華な
「錚々たる」の類語の四つ目は、「豪華な」です。「豪華な」の意味は「ぜいたくで派手なこと」という意味ですので、一見すると「錚々たる」とは全く違う意味ですが、「豪華な」も「錚々たる」の類語の一つとして挙げられます。
特に優れた人や有名な人などの集団の事を「豪華メンバー」などと言うことがありますが、このような使い方をする場合には「豪華な」は「錚々たる」の類語だと言うことができます。
「豪華な」という言葉は人間に対して使うだけではなく、物に対しても使うことが多いですので、使い方という点では「錚々たる」とは少し違うと言えます。
選り抜きの
「錚々たる」の類語の五つ目は、「選り抜きの」です。「選り抜きの」の意味は「多くの中から優れたものを選んで抜き出すこと」という意味で、「優れたもの」という意味があるため「錚々たる」の類語になります。
ですが「錚々たる」の意味は「特に優れている人の集団」という意味で、「優れたものを選んで抜き出す」というニュアンスはありません。
「錚々たる」は偶然優れている人が集まる場合にも使われますので、「選んで抜き出す」という意味を持つ「選り抜き」とは違うと言えます。
オールスター
「錚々たる」の類語の六つ目は、「オールスター」です。「オールスター」の意味は「ある分野におけるスターが集まること」という意味で、スポーツや芸術など様々な分野で使われる「錚々たる」の類語です。
「オールスター」の「スター」は「特に優れている」という意味に加えて「有名である」という意味もありますので、その点では「錚々たる」とは少し違います。
ですが有名人の集まりに対して「錚々たる」という言葉を使う場合もありますので、この場合には「オールスター」と言い換えることができ、「オールスター」も「錚々たる」の類語であると言えます。
粒選り
「錚々たる」の類語の七つ目は、「粒選り(つぶより)」です。「粒選り」の意味は「多くの中から優れたものが選んであること」という意味で、「錚々たる」の類語の一つとして挙げられます。
「錚々たる」の意味は「特に優れている人の集団」という意味で、「選ぶ」という意味はありませんので、そういった点では「粒選り」は「錚々たる」とは少し違います。
また「粒選り」という言葉は人に対して使うだけではなく、物に対して使うことも結構多いですので、使い方という点でも「錚々たる」とは少し違うと言えます。
錚々たるの使い方
「錚々たる」の類語についてご紹介しましたので、次は「錚々たる」の使い方についてご紹介します。「錚々たる」の意味は「特に優れている人の集団」という意味なので、そういったことを言いたい場合に「錚々たる」は使えます。
スポーツ選手や有名人などに対して「錚々たる」という言葉を使うことが多いですが、「錚々たる」は身近な存在に対しても使うことがあります。
「錚々たる」という言葉はいったいどのように使えば良いのか、「錚々たる」の使い方の例文についてご紹介しましょう。
例文①
「錚々たる」の使い方の例文の一つ目は、「その大きな国際会議には、高名な学者など錚々たるメンバーが顔を揃えた」という例文です。「錚々たる」という言葉はこのように、高名な人などの集まりに対して使うことが多いです。
「錚々たる」の意味の中に「集団」という言葉がありますので、「集団のメンバー」と言うと日本語としておかしい感じになりますが、「錚々たる」という言葉はこのような使い方をすることが多く、一般的な使い方だと言えます。
例文②
「錚々たる」の使い方の例文の二つ目は、「陸上の国際大会には毎年、世界各国から錚々たる顔ぶれが集まる」という例文です。「錚々たる」は「錚々たるメンバー」という使い方の他に「錚々たる顔ぶれ」という使い方もできます。
この例文での「錚々たる」は「特に優れている人の集団」という意味に加えて、「有名である」という意味で使われています。
スポーツの競技会などには、優れているだけではなく有名な選手もたくさん集まりますので、そういった場合には「特に優れている人の集団」という意味だけではなく「有名である」という意味で「錚々たる」が使われることが多いです。
例文③
「錚々たる」の使い方の例文の三つ目は、「社内のコンペには、我が社きっての錚々たる面々が集まった」という例文です。「錚々たる」という言葉は誰もが知っている有名人に対してのみ使われる言葉ではありません。
会社の中で仕事ができる人としてたくさんの人から認められている人達に対しても「錚々たる」という言葉を使うことができます。
この例文では「錚々たる面々」という使い方をしています。「錚々たる」は「メンバー」「顔ぶれ」の他、「面々」という言葉とセットで使われることも多いです。
例文④
「錚々たる」の使い方の例文の四つ目は、「地球温暖化対策の会議には多くの名だたる専門家など、錚々たるメンバーが顔を揃えた」という例文です。
「錚々たる」は「メンバー」などと合わせて使われますが、その後ろには「顔を揃える」「集まる」などというように「集まる」ことを意味する言葉がつけられるのが一般的です。
「錚々たる」は「メンバー」「顔ぶれ」「面々」などとセットで使われるだけでなく、その後ろには必ず「顔を揃える」「集まる」という言葉がつながりますので、「錚々たる」の使い方はセットで揃えて覚えましょう。
錚々たるは特に優れている人の集団という意味
「錚々たる」という言葉の意味や類語、「錚々たる」の使い方の例文などについて色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。
「錚々たる」の意味は「特に優れている人の集団」という意味ですので、「錚々たる」の正しい意味を理解して正しく使いましょう。