「毅然」の意味とは？使い方の例文・類語・対義語・英語表現まとめ！

「毅然とした態度」「毅然として」などという言い方を見たり聞いたりしたことがある人は多いでしょう。ですが「毅然」の正しい意味を尋ねられた時に、きちんと「毅然」の意味を答えられる人は少ないです。

「毅然」という言葉は日常生活の中で普通に使うことができますが、「毅然」という言葉が当てはまるような人は滅多に見かけないため、「毅然」という言葉を使う人は少なく、そのため意味を知らない人が多いと言えます。

「毅然」という言葉にはいったいどのような意味があるのか、まずは「毅然」の意味についてご紹介しましょう。

「毅然」の意味の一つ目は、「意志がしっかりとして物事に動じない」という意味です。「毅然とした態度」などと言われる人は、意志がしっかりとしていて誰かに何かひどいことを言われたりしてもびくともしません。

「毅然とした人」にはしっかりとした意志があり、それを保ち続ける強さがあるため、間違ったことを押し付けるように言ってくる人などは気にも留めません。

「毅然」という言葉は、わがままな人が自分の意思を押し通す場合には使われず、正しい信念を持っていて意志が強い人に対して使われます。

「毅然」の意味の二つ目は、「自分の信念を貫きしっかりとした態度」という意味です。これは自分の信念をしっかりと持っていて、それを貫き通す意志の強さがあるということです。

「毅然」という言葉はあくまでも「正しい信念を貫く」という意味ですので、一般的に見て正しくない自分勝手な信念を貫くといった場合には使われません。正しい信念を貫くという場合にだけ「毅然」という言葉が使えます。

「毅然」の意味の三つ目は、「肝が据わっていて物事に動じない」という意味です。「毅然」の意味は「意志がしっかりとして物事に動じない」「自分の信念を貫きしっかりとした態度」の他にこちらの意味もあります。

「肝が据わっている」の意味は「度胸がある」「落ち着いていて滅多なことでは騒がない」という意味ですので、先の二つの意味とは意味的に少し異なります。

ですが「肝が据わっていて物事に動じない」という意味でも「毅然」という言葉が使われることもありますので、こちらの意味も覚えておくと良いでしょう。

「毅然」の意味についてご紹介しましたので、次は「毅然」の対義語についてご紹介します。「毅然」の意味は「意志がしっかりとして物事に動じない」などという意味なので、反対の意味を持つ言葉が「毅然」の対義語になります。

「毅然」の意味は複雑で難しいので、「毅然」の対義語を探すのは難しいですが、「毅然」の対義語と言える言葉はいくつかあります。

「毅然」という言葉の対義語に当たる言葉にはいったいどのような言葉があるのか、「毅然」の対義語についてご紹介しましょう。

「毅然」の対義語の一つ目は、「呆然」です。「呆然」の意味は「気抜けしたようにぼんやりするさま」という意味で、「毅然」の対義語として真っ先に挙げられます。

「毅然」の意味は「意志がしっかりとして物事に動じない」という意味ですので、「気抜けしたようにぼんやりするさま」では対義語っぽく見えませんが、「呆然」は「毅然」の立派な対義語になります。

対義語は「反対の意味を持つ言葉」ですが、文字数や使われている漢字が似ている言葉でありながら反対の意味を持つ言葉が対義語の条件として最も理想的なので、「呆然」は「毅然」の対義語だと言えます。

「毅然」の対義語の二つ目は、「優柔不断」です。「優柔不断」の意味は「ぐずぐずしていて物事の決断ができないこと」という意味で、意味的には先にご紹介した「呆然」よりずっと「毅然」の対義語としてふさわしいです。

「優柔不断」には「意志がしっかりしていない」という意味も含まれますので、「意志がしっかりとしている」という意味を持つ「毅然」とは正反対の意味があると言えます。

「毅然」には「物事に動じない」という意味がありますが、「優柔不断」は「物事の決断ができない」という意味ですので、そういった点では少し違うと言えます。

「毅然」の対義語の三つ目は、「及び腰」です。「及び腰」の意味は「自信ややる気がなく、腰が引けているという態度」という意味で、「意志がしっかりとして物事に動じない」という「毅然」の意味とは反対です。

「毅然」は「堂々としている」というイメージが強いので、腰が引けている「及び腰」は姿勢的にも正反対のイメージがあり、「毅然」の対義語だと言うことができます。

このように「毅然」という言葉にはいくつもの対義語が存在していますが、そのいずれもが情けないようなイメージのある言葉だと言えます。

「毅然」の対義語についてご紹介しましたので、次は「毅然」の類語についてご紹介します。「毅然」の意味は「意志がしっかりとして物事に動じない」などの意味ですので、似た意味を持つ言葉が「毅然」の類語になります。

「毅然」の意味はかなり複雑ですが、「毅然」に似た意味を持つ言葉は結構たくさんありますので、「毅然」の類語は多いと言えます。

「毅然」と似た意味を持つ類語にはいったいどのような言葉があるのか、「毅然」の類語についてもご紹介しましょう。

「毅然」の類語の一つ目は、「決然」です。「決然」の意味は「覚悟を決めたさま」「強く決心したさま」という意味で、「毅然」の類語として真っ先に挙げられる言葉です。

「毅然」の意味は「意志がしっかりとして物事に動じない」という意味ですので、元々意志の強い性格であるイメージがありますが、「決然」は元々しっかりしていない人であっても覚悟を決めたら使うことができる言葉です。

そういった点では「決然」は「毅然」とは少し違いますが、元々しっかりしていない人でも覚悟を決めたら強い意志を持てますので、「決然」は「毅然」の類語だと言うことができます。

「毅然」の類語の二つ目は、「断固」です。「断固」の意味は「非常に意志が強いさま」「頑な（かたくな）なさま」という意味があり、「決然」と並んで「毅然」の類語として挙げられる言葉です。

「毅然」には元々しっかりとしていて強い意志があるというイメージがありますので、「断固」の「非常に意志が強い」という意味は、「毅然」にとても近いと言えます。

ですが「断固」には「頑な」という意味もあり、「断固とした態度」は「頑として聞き入れない態度」という良くない意味になりますので、そういった点では「断固」は「毅然」とは少し違います。

「毅然」の類語の三つ目は、「泰然」です。「泰然」の意味は「落ち着き払っていて物事に全く動じない」という意味ですので、「毅然」の意味「意志がしっかりとして物事に動じない」という意味に極めて近い類語になります。

「毅然」という言葉にはきっぱりとした強さというイメージがありますが、「泰然」にはそのような強いイメージはなく、むしろゆったりと構えているような柔らかなイメージがあります。

ゆったりと構えているのに物事に動じない「泰然」は、「毅然」の類語ではありますが「毅然」よりさらに物事に動じないイメージがあります。

「毅然」の類語の四つ目は、「堂々」です。「堂々」の意味は「どっしりとした立派さを感じさせるさま」「何の隠し立てもないさま」という意味ですので、「毅然」とは少し違いますが「堂々」も「毅然」の類語になります。

「毅然」には「立派さ」まではありませんが、どっしりとしたイメージはありますので、「堂々」も「毅然」の類語の一つだと言えます。

「堂々」は「どっしりとした立派さを感じさせるさま」という意味だけではなく、「何の隠し立てもないさま」という意味でも良く使われますので、使い方という点では「毅然」とは少し違います。

「毅然」の類語についてご紹介しましたので、次は「毅然」の英語表現についてご紹介します。日本語には英語に訳することが難しい複雑な言葉や繊細な言葉がたくさんありますが、「毅然」もそんな日本語の一つです。

「毅然」の意味は「意志がしっかりとして物事に動じない」という意味ですので、これに完全に対応する英語はほぼないと言えます。

「毅然」という言葉を英語表現する場合にはいったいどのような英語を使えば良いのか、「毅然」の英語表現についてご紹介しましょう。

「毅然」という言葉を英語に翻訳する場合に良く使われるのは、「resolute」という英語です。「resolute」は「断固とした」という意味を持つ英語で、非常に強い意志を持っているという場合に使われる言葉です。

他に「firmily」という英語も「毅然」の英訳として使われますが、「firmily」という英語には「しっかりと」という意味があり、「しっかりしている」という意味で「毅然」を英語に訳する時に使われます。

「毅然」を英語に訳する場合にはこれらの英語が使われますが、いずれも意味的には「毅然」とは少し違いますので、「毅然」を完全に英語に訳することができる英語はないと言えます。

「毅然」の英語表現についてご紹介しましたので、次は「毅然」の使い方についてご紹介します。「毅然」は「意志がしっかりとして物事に動じない」という意味ですので、そのようなことを言いたい場合に「毅然」を使うことができます。

「毅然」という言葉は人の態度や行動などについて「しっかりしている」などと言いたい時に使うことができますので、日常生活の中でも簡単に使えます。

「毅然」という言葉はいったいどのように使えば良いのか、「毅然」の使い方の例文についてご紹介しましょう。

「毅然」の使い方の例文の一つ目は、「別れた彼と偶然再会した彼女だったが、未練も見せず毅然とした態度だった」という例文です。「毅然」は少し堅いイメージのある言葉ですが、このような使い方をすることもできます。

「毅然」という言葉は「毅然とした」という使い方をすることが多く、この例文でも「毅然とした態度」という使い方がされています。

「毅然」は「毅然とした」という使い方の他に、「毅然たる」という使い方や「毅然として」という使い方もでき、前後の文章によって使い方を変えます。

「毅然」の使い方の例文の二つ目は、「お客様相談口にとんでもないクレーマーから電話があったが、彼は毅然たる態度で見事に退けた」という例文で、この例文では「毅然たる」という使い方がされています。

「毅然」という言葉は昨今では「毅然とした」「毅然として」という使い方がされることがほとんどで、「毅然たる」という使い方はほぼありません。

ですが小説などの中では「毅然たる」という言い方は結構使われていますので、「毅然たる」という使い方は口頭ではなく文章での使い方であると言えます。

「毅然」の使い方の例文の三つ目は、「彼はクライアントからの無茶な要求を無視して、毅然としてデザインの仕事を続けた」という例文です。この例文では「毅然として」という形で「毅然」が使われています。

「毅然とした」の後には「態度」や「行動」などの名詞が続きますが、「毅然として」の後には動詞が続きます。この例文での「毅然として」は「続けた」という動詞にかかっています。

「毅然とした」という使い方と同じぐらい「毅然として」という使い方は多く、「毅然として」も「毅然」の使い方として一般的であると言えます。

「毅然」の使い方の例文の四つ目は、「周囲がパニック状態に陥っても、彼女だけはいつも毅然としている」という例文です。この例文では「毅然としている」という形で「毅然」という言葉が使われています。

「毅然」の使い方には「毅然とした」「毅然として」「毅然たる」という使い方があるとご紹介しましたが、「毅然としている」という使い方もあります。

「している」という動詞は状態を表す動詞で、「毅然としている」という使い方をすると「毅然」という状態であることを表します。

「毅然」という言葉は「毅然とした」「毅然として」「毅然たる」「毅然としている」などといった使い方ができますので覚えておきましょう。

「毅然」という言葉の意味や「毅然」の対義語や類語、「毅然」の使い方の例文など「毅然」について色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。

「毅然」の意味は「意志がしっかりとして物事に動じない」という意味ですので、「毅然」の正しい意味を理解して「毅然」を正しく使いましょう。