深謀遠慮の意味とは?
「深謀遠慮」の意味は「将来を見通して、細部までよく考えた計画を立てること」となっており、読みは「しんぼうえんりょ」となります。「深謀遠慮」の対義語と類語を解説しますので「深謀遠慮」と使い分けられるようにしましょう。
「深謀遠慮」の使い方を例文を挙げながら紹介します。また、「深謀遠慮」の由来や歴史と英語表記のしかたを解説します。
深謀遠慮の対義語・類語
「深謀遠慮」の意味は「将来を見通して、細部までよく考えた計画を立てること」と紹介しました。対義語は反対の意味を持つ「よく考えないで、軽はずみな行動をすること」の意味を持つ四字熟語となっています。
「深謀遠慮」は類語としては「思慮深い考えと、先を見通す目線」の意味を表す四字熟語となります。それぞれ対義語と類語を紹介します。
深謀遠慮の対義語
「深謀遠慮」の対義語は「短慮軽率」「軽率短慮」などがあります。読みは「たんりょけいそつ」「「けいそつたんりょ」です。
それぞれ意味は「浅はかな考えと軽はずみな行動をする事」と「よく考えないで軽はずみに動く事」となっています。
どちらも「短絡的な考えをすぐに行動に移す様」を意味しており、例文としては「この失敗は軽率短慮が原因だ」「彼は短慮軽率なところがある」などの使い方となります。
深謀遠慮の類語
「深謀遠慮」の類語を3語紹介します。どの類語も「深謀遠慮」と同じく「深く考える様子」や「綿密な考え」「周到な計画」を意味する四字熟語となっています。それぞれ類語の意味を例文を交えて解説します。
類語①
「深謀遠慮」の類語①は「深慮遠謀」です。読みは「しんりょえんぼう」となり、意味は「考えを深く巡らせて、遠い未来を見通す事」となっています。
「深謀遠慮」の「慮」と「謀」が入れ替わっています。例文としては「彼女は深慮遠謀な性格です」の様に使い、「深謀遠慮」と同じ様な意味合いで使うことができます。
類語②
「深謀遠慮」の類語②は「周到綿密」です。読みは「しゅうとうちみつ」となり、意味は「細かな点まで分析され、抜かりがない事」です。「周到綿密」を使った例文としては「石田三成は周到綿密な準備で太閤検地を取り仕切った」などがあります。
類語③
「深謀遠慮」の類語③は「百術千慮」です。読みは「ひゃくじゅつせんりょ」となり、意味は「あらゆる手段、方法を探り、注意深く考える事」です。
「百術千慮」を使った例文としては「相手チームの監督は百術千慮の名将だ」などの様につかいます。具体的な数字が熟語に入っている分、事柄を表すのに相応しい類語です。
深謀遠慮の使い方・例文
「深謀遠慮」は「将来を見通して、細部までよく考えた計画を立てること」の意味があると紹介しました。主な使い方としては、人の性格を表す時に使ったり、慎重な行動を意味する時に「深謀遠慮」を使います。
「謀」という漢字は「はかりごと」などの意味があるので「深謀遠慮」とい言葉は文脈次第で良い意味にも、悪い意味にも捉えることができますので、どちらの意味で使われているのかは文脈で判断するようにしましょう。
また四字熟語となっているので「深謀」と「遠慮」にわけることもできます。「深謀」には「深く見通すこと」の意味があり「遠慮」には「遠い未来を考える」という意味があります。
例文①
「深謀遠慮」の使い方と例文①は「彼は深謀遠慮な人だ」です。「深謀遠慮」は人の慎重で思慮深い性格を表現する意味でも使う事ができます。
基本的には良い意味で使いますが、前後の文脈次第では「ズル賢い」「策略家」といったネガティブな意味に受け止められてしまいますので注意が必要です。
例文②
「深謀遠慮」の使い方と例文②は「曹操は深謀遠慮の結果、中国を統一した」です。曹操はご存知の通り、冷徹な判断力と深い思慮で三国時代を統一し、魏を作り上げました。
有名なエピソードとしては映画にもなった「赤壁での戦い」で疫病で死んだ死体を呉に送りつけ、呉の軍師である周瑜を疫病に罹らせ、曹操は「赤壁の戦い」で敗れはしましたが呉の軍事力を低下させました。
曹操は中国を魏で統一しましたが、「三国志演義」では悪役として名高い存在として有名です。曹操は孫子の兵法を編纂し将軍としても文化人としても名を現在にも残し、「乱世の奸雄」と呼ばれています。
曹操には他にもエピソードがたくさん
曹操は宦官の養子として曹氏を継ぎ、宦官の子供としてコンプレックスがあるといわれています。そのためか後に戦が進んで行くに連れて自軍を拡大していく必要がありました。
その時に曹操は当時人材に重視された家柄や品行ではなくその時に必要な才能を重視して人材登用を進めていった為、三国の中でもいち早く強大な軍団を作ることができました。
また、人の心を掌握し恐怖心を植え付け服従させるようにしたり、行軍時に水が尽きかけている時にも「すぐ先に梅の木があるぞ」と嘘をついて酸っぱさを思い浮かべた兵士は皆、唾が出て喉の乾きを忘れてしまったという逸話が豊富にあります。
曹操は心理・兵法・政治に長けた人間でなおかつ冷徹に事実を見つめていたので、孫権・劉備を破って中国統一を果たせたのでしょう。
例文③
「深謀遠慮」の使い方と例文③は「彼は深謀遠慮なテスト対策をし、見事高得点を得た」です。「深謀遠慮」は個人の性格を意味する以外にも行動に対しても使う事ができます。この文脈では「深謀遠慮」は良い意味で使われています。
例文④
「深謀遠慮」の使い方と例文④は「一連の流れは深謀遠慮の事があってのことだ」です。こちらも例文③と同じく行動や事象に対して使われています。
得てして「深謀遠慮」な出来事は発案した人以外は後になって説明されるまで気づかない事が多くなっています。それほど「深謀遠慮」に計画された事はそれほどまで隙がないということも言えます。
遠慮には他の意味もある
「深謀遠慮」は「深謀」「遠慮」と別々に分けた熟語になることをこの項のはじめに解説しました。「深謀」は「深く見通すこと」の意味があり「深謀を巡らす」などの使い方をします。
一方「遠慮」は「遠い未来の事を考える」以外にも「他人に対して行動や言動を控えること」や「人からの誘いを断る時に婉曲的な表現」として使われる事があります。
例文としては「彼女は遠慮がちな性格だ」や「今回は遠慮しておきます」などの使い方があり「深謀遠慮」よりも「遠慮しておきます」の使い方が身近に定着しているのではないでしょうか?
深謀遠慮の由来・歴史
「深謀遠慮」という言葉の由来は古く、中国の前漢時代遡ります。「過秦論」と言う著書の中にあります。
「過秦論」の中で秦が早く滅びた理由は法治する事に重点を置き、対外政策を疎かにした為だと批判した文章の中に「深謀遠慮」が使われていました。士官なら先を見通して計画を深く考える必要があると主張しています。
深謀遠慮の英語表記
「深謀遠慮」の英語表記は「Far sight and deep design」「Long-sightedness「careful and foresight」などが「深謀遠慮」の英語表記となっています。どの英語表記も「長期的な展望と見通しを立てる」という意味があります。
「深謀遠慮」の英語表記を使った例文としては「He did the test measures that were careful and foresighted.」意味は「彼は深謀遠慮なテスト対策をした」などの使い方があります。
深謀遠慮は完璧な計画を立てるという意味
「深謀遠慮」は「将来を見通して、細部までよく考えた計画を立てる事」の意味があります。「深謀遠慮」の類語はどの類語も「慎重で深い思考」を意味する四字熟語となっています。
それに対して対義語は正反対の意味である「考えないで、行動する」ことを意味する四字熟語となります。類語は「慎重に考える」ところで言葉が終わっているのに対して対義語は「すでに行動してしまっている」表現となっています。
「深謀遠慮」は個人の性格や事柄や行動に対しても使う事ができますが文脈によってはネガティヴな意味にも捉えられてしまいますので使い方には注意が必要です。
「深謀遠慮」の由来は前漢時代まで遡り、古くから使われている言葉となっています。また「深謀遠慮」の英語表記は「Far sight and deep design」「Long-sightedness」「careful and foresight」などがあります。