心象の意味とは?
一般的な日常生活の中では滅多に使われませんが、「心象」という言葉があります。滅多に使われない言葉なので、「心象」の意味を問われても答えられないという人が多いです。
「心象」という言葉は「心象風景」などという使い方がされ、小説などの中では結構使われることが多いですが、一般的な人にはあまり使われないため「心象」の意味を知らなくても当然と言えます。
「心象」という言葉にはいったいどのような意味があるのか、まずは「心象」の意味についてご紹介しましょう。
イメージという意味
「心象」の意味の一つ目は、「イメージ」という意味です。「イメージ」という言葉は一般的な日常生活の中でも結構良く使われますので、「心象」の意味は「イメージ」だと言われれば何となく「心象」の意味はわかるでしょう。
詳しく言えば「イメージ」には「心の中に思い浮かべる姿や像」という意味がありますが、ここまで複雑な意味で覚える必要はありません。「心象」の意味は「イメージ」だと覚えればOKです。
感覚的要素が心の中に再生したものという意味
「心象」の意味の二つ目は、「感覚的要素が心の中に再生したもの」という意味です。「感覚的要素」と言うととても難しい意味のようですが、実はそう難しい意味ではなく、「感覚的要素」は「感覚に訴えるもの」という意味になります。
このため「心象」の意味は「感覚に訴えるものが心の中に再生したもの」だということになりますが、とても複雑な意味ですので、「心象」の意味は「イメージ」だと覚えておけば大丈夫です。
心や意識の中に表れる印象という意味
「心象」の意味の三つ目は、「心や意識の中に表れる印象」という意味で、「心」と「象」という文字が入っているため、「心象」の意味として最もふさわしいと言えます。
「心象」の意味は「イメージ」だと覚えればそれで構いませんが、余裕があれば「心や意識の中に表れる印象」という方でも覚えておくと良いでしょう。
心象の類語
「心象」の意味についてご紹介しましたので、次は「心象」の類語についてご紹介します。「心象」の意味は「イメージ」という意味ですので、「イメージ」に近い意味を持った言葉が「心象」の類語になります。
「心象」という言葉に似た意味を持つ類語にはいったいどのような言葉があるのか、「心象」の類語についてご紹介しましょう。
イメージ
「心象」の類語の一つ目は、「イメージ」です。「心象」には「イメージ」という意味がありますので、「イメージ」はストレートに「心象」の類語だと言えます。
「イメージ」の意味は「心の中に思い浮かべる姿や像」で、「心象」の中の「心」という文字が共通しているため、そういった点でも「イメージ」は「心象」の類語になります。
「心象」の意味は確かに「イメージ」ではありますが、「イメージ」と言ってしまうと少し軽い印象になりますので、使い方という点では少し違うとも言えます。
印象
「心象」の類語の二つ目は、「印象」です。「印象」の意味は「人間の心に何かの対象が与える直接的な感じ」という意味で、「印象」も「心象」の類語の一つとして挙げられます。
「印象」という言葉には「象」という文字が入っていて、「印象」の意味の中に「心」という文字が入っていますので、「印象」は「心象」にかなり意味的に近い類語だと言えます。
ですが「印象」は「心象」の言い換えに使うことはできませんので、使い方という点では「印象」は「心象」とは少し違います。
表象
「心象」の類語の三つ目は、「表象(ひょうしょう)」です。「表象」の意味は「現在には知覚していない物事などのことを心に描く像」という意味で、「表象」も「心象」にかなり意味の近い類語です。
「表象」には「イメージ」という意味もありますので、「表象」は「心象」にかなり意味的に近い類語の一つだと言えます。
ですが「表象」は「シンボル」「象徴」という意味で使われることも多く、使い方という点では「表象」は「心象」とは少し違います。
写象
「心象」の類語の四つ目は、「写象(しゃしょう)」です。「写象」の意味は「心に浮かんでくる外的対象の像」という意味で、「写象」も「心象」の類語の一つとして数えられます。
「写象」の類語として「イメージ」という言葉も挙げられますので、「イメージ」という意味を持つ「心象」の類語でもあると言えます。
ですが「写象」という言葉は「偶像」なども類語に挙げられますので、「心象」とは微妙にニュアンスが違います。「写象」も「心象」の類語ではありますが、ニュアンス的には少し違います。
心像
「心象」の類語の五つ目は、「心像(しんぞう)」です。「心像」の意味は「過去の経験や記憶から具体的に心に思い浮かべたもの」という意味で、「心像」は極めて「心象」に近い意味を持つ類語です。
「心像」には「過去の経験や記憶から具体的に」という意味がありますが、「心象」にはそのような具体的な意味はありません。
「心像」は「心象」に極めて近い意味を持っていますが、「心象」に比べると思い浮かべるものが具体的だという点で「心象」とは違います。
心象の使い方・例文
「心象」の類語についてご紹介しましたので、次は「心象」の使い方の例文についてご紹介します。「心象」の意味は「イメージ」ですので、「イメージ」ということを言いたい場合に「心象」という言葉が使えます。
ですが「イメージ」とは違って「心象」の使い方は意外に難しいため、「心象」をどのように使えば良いかわからないという人も多いです。
「心象」という言葉はいったいどのような使い方をすれば良いのか、「心象」の使い方の例文についてご紹介しましょう。
例文①
「心象」の使い方の例文の一つ目は、「子供の頃の思い出などを手紙に綴る際には、心象を浮かべることが多い」という例文です。「心象」という言葉は「心象を浮かべる」という使い方をすることが多いです。
「心象」という言葉には「イメージ」という意味がありますが、「イメージ」という言葉をストレートに使う場合とは少し使い方が異なります。「心象」の使い方としてまず「心象を浮かべる」という使い方を覚えましょう。
例文②
「心象」の使い方の例文の二つ目は、「心象的で日本らしい文化と言えば、やはり俳句や川柳だろう」という例文です。この例文では「心象的」という使い方で「心象」を使っています。
「心象」の使い方には先にご紹介した「心象を浮かべる」の他に「心象的」という使い方もあります。「心象的」という使い方も結構多いですので、こちらも覚えておくと良いでしょう。
例文③
「心象」の使い方の例文の三つ目は、「私の心象風景の中には、なぜか行ったこともない外国の風景がある」という例文です。「心象」という言葉が最も多く使われるのが「心象風景」という使い方です。
「心象風景」は現実にはありえないようなものも入ったりする風景のことで、現実世界からはかけ離れた風景である場合も多いです。
例文④
「心象」の使い方の例文の四つ目は、「東京は近未来的で緑も少ないというイメージがあると言ったら、それは心象の東京だと笑われた」という例文です。「心象」は「心の中に思い浮かべた」という意味でこのような使い方もされます。
行ったことのない場所のことを想像する場合、実際の風景とは全く違う風景を想像することもあります。そういった場合には「心象の東京」「心象のニューヨーク」などといった「心象」の使い方をします。
心象と心証の違い
「心象」の使い方の例文についてご紹介しましたので、次は「心象」と「心証」の違いについてご紹介します。「心象」と「心証」とは実は違う言葉なのですが、混同してしまっている人が意外に多いです。
「心象」と「心証」にはいったいどのような違いがあるのか、「心象」と「心証」の違いについて詳しくご紹介しましょう。
心証は心に受ける印象という意味
「心象」と「心証」の違いの一つ目は、「心証」には「心に受ける印象」という意味があるということです。「心象」の意味は「イメージ」ですので、「心の中に思い浮かべる姿や像」という意味ですが、「心証」の意味は違います。
「心証」は「心証を良くする」などという使い方が一般的ですが、これは「相手に与える印象を良くする」という意味で、心の中を意味する「心象」とは違い、外的なイメージを表します。
心証は心の中に得た確信という意味
「心象」と「心証」の違いの二つ目は、「心証」には「心の中に得た確信」という意味があるということです。「心証」という言葉は裁判などの中で良く使われますが、その際には「心の中に得た確信」という意味で使われます。
裁判の最中に証拠の提出などがありますが、それらの流れの中で心の中に何かの確信を得た場合に「心証」という言葉が使われます。
一般的な日常生活の中でも「心証を良くする」という使い方がされますが、裁判というちょっと特殊なシーンでも「心証」という言葉は使われるということです。
心証は人から受ける感じという意味
「心象」と「心証」の違いの三つ目は、「心証」には「人から受ける感じ」という意味があるということです。「心象」は心の中の内的なイメージですが、「心証」は人から受けるイメージを意味します。
仕事中に勝手に飲み食いなどをすることを禁じている会社などで、仕事をしながら何かを食べたりしている人のことを「心証が悪い」などと言い、他人からどう見えるかなど、人から受けるイメージという意味で「心証」が使われています。
心証は言動から受ける印象という意味
「心象」と「心証」の違いの四つ目は、「心証」には「言動から受ける印象」という意味があるということです。「心象」は心の中に思い浮かべるイメージなので「想像」に近い意味ですが、「心証」は実際の言動などから受ける印象という意味です。
他人から見てあまり良くない言動の人を「心証が悪い」と言い、他人から見て良い言動の人を「心証が良い」などと言います。
また、会社の面接などで少しでも良く見てもらおうとする「心証を良くする」という言い方も実は裁判での「心証」と同じです。
心証は主観的な確認という意味
「心象」と「心証」の違いの五つ目は、「心証」には「主観的な確認」という意味があるということです。こちらの意味での「心証」は裁判の中などで使われます。
裁判の中で提出された証拠などの資料を確認することによって、裁判長が最終的な判決を下すといった場合には「主観的な確認」という意味で「心証」という言葉が使われます。
「心証」の意味を詳しくご紹介しましたが、簡単に言えば「心象」は心の中の想像のような内的なもので、「心証」は外的なものであるというのが「心象」と「心証」の大きな違いだということです。
心象の由来
「心象」と「心証」の違いについてご紹介しましたので、次は「心象」の由来についてご紹介します。日本語には語源や由来がある古い言葉や難解な言葉がたくさんありますが、「心象」もそんな日本語の一つです。
故事成語などの場合は大昔の物語などに語源や由来がある言葉が多いですが、「心象」という言葉は故事成語ではありませんので、あまり大層な由来などはありません。
「心象」という言葉にはいったいどのような由来があるのか、「心象」の由来についてもご紹介しましょう。
かたどるを意味する文字が由来
「心象」の由来は「かたどる」ことを意味する「象」という文字です。また「象」には「目に見える姿」「物の形」という意味もあり、この「象」に「心」を合わせることで「心の中で見える形」といった意味になります。
「かたどる」という意味で「心象」を紐解くと、「心をかたどる」ということになります。本来「心」には形などありませんが、心の中に何かの像を描くことはできますので、「心象」は心の中の何らかの形と言うことができます。
これらの漢字の意味から「心象」は「心の中に思い浮かべる姿や像」という意味になったというのが「心象」の由来です。
心象の英語表記
「心象」の由来についてご紹介しましたので、次は「心象」の英語表記についてご紹介します。日本語の中には英語訳することが難しい難解な言葉や繊細な言葉がたくさんありますが、「心象」もそんな日本語の一つになります。
「心象」の意味は簡単に言えば「イメージ」ですが、「心象」にはより深い意味合いもありますので、英語に訳するのは難しそうですが実はそうでもありません。
「心象」という言葉の英語表記にはいったいどのような英語が使われるのか、「心象」の英語表記についてもご紹介しましょう。
印象を意味する「image」
「心象」の英語表記には「印象」を意味する「image」が使われることが多いです。「image」は日本語のカタカナ語「イメージ」のもとになった英語ですので、「心象」の英語表記として意味的にかなり近いです。
他に「mental picture」という英語も「心象」の英語表記として使われますが、こちらは「心の絵画」という意味ですので「image」よりニュアンス的に「心象」の英語表記として似つかわしいと言えます。
心象はイメージという意味
「心象」という言葉の意味や使い方の例文、「心象」と「心証」との違いについて色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。「心象」の意味は「イメージ」ですので、正しい意味を理解して正しく使いましょう。