住宅ローンの借り換えとは?
住宅ローンの借り換えとは、最終的な総返済額を減らす為に現在借りている住宅ローンを別の金融機関から借りなおす方法のことを指します。様々な金融機関で住宅ローンを扱っていますがその際注意したいのが、金融機関ごとに手数料や金利など受けられるサービスに差があることです。
金額が大きい事や、返済期間などを考えると何度も借り換えをすることは難しいので、充分に比較検討した上での住宅ローンの借り換えをおすすめします。
新たな金融機関でローンを組みなおす
住宅ローンを扱っている金融機関は様々です。大手銀行や地方銀行、ネット銀行などで数多くの借り換えプランが組まれています。メリットやデメリットを確認し少しでもローンの支払い総額が減る方法があれば、手数料や返済総額などをしっかりと比較した上で新たな金融機関でローンを組みなおすことを検討してみましょう。
返済中のローンを一括で返済!
住宅ローン借り換えの方法は、まず借り換えを希望する金融機関で借り入れの審査をうけます。その審査に通ったら現在返済中の住宅ローンを一括で繰上返済し、新たな金融機関でローンを組む手順となります。その間にも様々な手続きや借り換えの際の手数料が必要になるので、ひとつひとつ確認しながらすすめていくと良いでしょう。
住宅ローンの借り換えのメリットとは?
住宅ローンの借り換えが気になってはいたけれど、具体的になかなか調べる時間がとれずになんとなくそのままになっている人も多いのではないでしょうか。しかし、借り換えを考えているなら支払い年数などを考えると早いにこしたことはありません。ここでは、そんな住宅ローンの借り換えのメリットを具体的に一つずつ紹介します。
①返済額を減らせる
借り換えによって得られる一番大きなメリットは、住宅ローンの返済額を減らせるということです。住宅ローンの現在の残高や残りの返済期間にもよりますが、より低金利の住宅ローンに借り換えることができれば住宅ローンの返済額を減らせる可能性は充分にあります。
金融機関によって異なりますが一時的に発生する手数料を考えても、毎月の返済額を増やさずにボーナス返済をなくしたり返済期間を短くしたりするなどの変更が出来る場合もあるのでおすすめです。
②長期固定金利への切り替えも出来る
現在変動金利で住宅ローンを借りている場合、長期固定金利への借り換えをすることもできます。基本的には金利は変動金利の方が低いのですが、長期固定金利でも1%台で借り換えができるケースもあります。将来の金利上昇に不安がある人は長期固定金利への借り換えも視野に入れて検討してみましょう。
③団体信用生命保険の保証の充実も!
団体信用生命保険の補償を充実させることができることもおすすめするメリットの一つとして上げられます。団体信用生命保険とは、住宅ローンの返済期間中に住宅ローンの融資を受けた人が死亡もしくは所定の高度障害状態となった場合に、住宅ローンの残高を肩代わりしてもらえる住宅ローン専用の保険のことです。
しかし最近登場した団体信用生命保険には「がんと診断確定された場合」や「ある特定の生活習慣病で○○日以上継続して入院となった場合」や、死亡もしくは所定の高度障害状態となった場合意外でも住宅ローンの残高が0円になるものが出てきています。
通常なら住宅ローンの団体信用生命保険を返済の途中で変更することはできませんが、借り換えのタイミングであれば変更することが出来るので、比較してより保障が充実している最新の保険に切り替えられるのは大きなメリットのひとつといえます。
④リフォームローンを一緒に借りることができる
もしも住宅のリフォームを検討している場合、住宅ローン借り換えに合わせてリフォーム資金を一本化して住宅ローンとして借り入れすることが出来る場合があります。リフォームローンだけを単独で利用すると金利が高くなってしまう場合が多いですが、住宅ローンと一本化できれば支払額を抑えることができるのです。
住宅ローンの借り換えのデメリットとは?
メリットのほかに、住宅ローンの借り換えにはデメリットもあります。借り換えによる手数料などで返済総額が増えたのでは、本末転倒になってしまいます。借り換えには回数の決まりはありませんが、返済年数や健康状態など色々なことを考えるとだんだんと借り換えは難しくなっていくのでしっかりとデメリットも知っておく必要があります。
①手数料などの諸費用がかかる
住宅ローンの借り換えを行うには様々な手数料や費用が必要になってきます。銀行や住宅ローンの借入金額・期間・金利などによって諸費用の具体的な金額や借り換えの際の手数料は変動しますが、30万円から80万円程度となることが多いです。
けして安くは無い金額なので、手数料や諸費用を差し引いても納得の出来るメリットがあるのか一つ一つ比較しながら慎重に検討することも必要です。
②審査や様々な手続きが必要
住宅ローンの借り換えの場合でも住宅ローンを新規に組む時のような審査が必要です。審査の為の必要書類も多いので、その書類を過不足無く準備しなくてはなりません。手続きには時間が掛かる場合も少なくないので、手続きにはまとまった時間の確保も必要です。
また、借り換え後は新しい銀行の口座から住宅ローンが引き落とされるので、ローンにかかわる銀行の口座やクレジットカードの引き落とし口座を確認することも忘れないようにしましょう。
住宅ローンの借り換えを検討している方に!
2016年2月に導入されたマイナス金利の影響で、銀行は少しでも利益が出るように今までに無い低金利を打ち出すようになりました。購入時に組んだ時よりも低い金利で住宅ローンを組みなおすことができれば、総返済額はもちろん月々の支払額を減らすことができるかもしれません。
ただし金額も大きいので、手数料やメリットデメリットを理解し、充分に金融機関を比較したうえで納得のいく借り換えをしましょう。
高額だからこそ手数料を比較する
住宅ローンは人生で一番多い額のローンであることも多いのではないでしょうか。だからこそ、それにかかる手数料もけして安い金額ではありません。総借入額や借入年数により手数料も変わってきます。特定の手数料だけを見て比較してしまうと最終的に損をする事態にもなりかねないので、全ての手数料を総合して比較し考えてみましょう。
借り換えの際にどの程度安くなるのかを計算
住宅ローン借り換えの際に発生する手数料・金利などを、ホームページに記載されている情報を目安によく検討してまず一度計算してみることも大切です。自分で計算することが難しければ、金融機関の窓口に相談しにいくのが確実です。ネット銀行などは電話でも相談にのってくれるので、何か不安なことがあれば、納得の行くまで聞いてみるのもおすすめです。
住宅ローン借り換えの際の手数料比較のポイント!
住宅ローンを借り換えをする銀行を選ぶ際には、あるひとつの手数料だけで比較しないように注意することがポイントとなります。全ての手数料を一つずつ比較し、金利を含めた総返済額で損をしないように金融機関を選ぶことが必要です。正確な金額を出すには銀行や司法書士に見積もりを依頼する必要がありますので、余裕をもって比較検討をしましょう。
比較ポイント①融資事務手数料
融資事務手数料とは、住宅ローンを組む際に銀行に支払う手数料のことを指します。借入金額によらず一定の金額を支払う「定額型」と、借入金額に対して一定の割合の金額を支払う「定率型」の銀行があります。金額や金利は銀行によって異なるので、住宅ローンの借り換えを考えている銀行のホームページ等で詳細を確認してください。
借り換えの為の費用
借り換えの為の事務的な手数料ですが、新規の借入時の手数料と大きくは変わりません。単純に金額だけで比較すると「定額型」の手数料の方が安く感じる事もあります。
しかしここで注意したいのが、「定額型」は「定率型」に比べると金利が0.1~0.3%程度高く設定されている場合が多いという点です。借入れ期間が長ければ「定率型」を選んだほうが、総支払額が少ない場合も多いので慎重に比較検討してみましょう。
比較ポイント②保証料
保証料とは、万が一住宅ローンの返済ができなくなってしまった時に借り入れ主に代わって保証会社に肩代わりしてもらうために支払うものです。ですので、支払い先は借り換え先の銀行の保証会社に支払う手数料です。
銀行ごとに借入金額100万円あたりの保証料を借入期間別に定めた保証料率表がありますので、住宅ローンの借り換えを考えている金融機関のホームページ等で確認しましょう。
保証会社が肩代わり
この保証料を払っていれば万が一、借入主が住宅ローンの支払いができなくなった場合は保証会社が住宅ローンを肩代わりして金融機関へ支払いをしてくれます。銀行からすれば、融資したお金をきちんと回収するための保険、リスクへの保険の手数料ということになります。そのため、肩代わりしてもらった後は保証会社へお金を支払うかたちとなります。
比較ポイント③団信保険料
団体信用保険は借り換えの際に再度加入しなおす必要があります。その際に支払う団信保険料も様々な特約により保険料がかわってきます。ガン特約・3大疾病特約付などさまざまなプランがありますので、住宅ローン借り換え後の返済負担を抑えられるようならば手数料を比較して変更を検討してみましょう。
返済出来なくなった時の保証
借入者が返済中に死亡・高度障害などで返済不能になった場合に団信に加入していれば、借入残高を保険金で金融機関への返済を保証してくれます。ただし通常の団信では病気やケガ、または要介護状態となったために返済できなくなった場合の保証はないので「疾病特約付団信」を視野に入れての比較もおすすめです。
住宅ローンおすすめ借り換え金融機関を比較!
住宅ローンの借り換えを検討する上で候補にいれておきたいおすすめの金融機関をご紹介します。住宅ローンの借り換え手数料を比較する際には「融資事務手数料」「保証料」「団信保険料」の3つの手数料を中心にして比較していきましょう。自分のプランに合った金融機関を見つける際の参考にしてみてください。
①手数料が安い「新生銀行」
新生銀行の事務手数料は、定額で108,000円です。定額なので、借入金額などで変動することはありません。ネット銀行の事務手数料は、借入金額に対して2.1%からが相場であることが多いので他と比較してみてもかなり安い計算になります。
例として「借入金額3,000万円」の場合は3000万×2.1%=63万円という計算になりますので、新生銀行との手数料の差額は約51万円になります。また、新生銀行は事務手数料以外に保証料ゼロ・団信保険料がゼロその他に一部繰上返済手数料などが無料なので諸費用を抑えることができる点でおすすめといえます。
保障もついていて安心!
また新生銀行には「安心保障付団信」の保障をつけることもできます。これは特定の病気に限らず不慮の事故などにより介護が必要な状態になってしまった際に、介護保険料から住宅ローンの残高を全て返済してくれるものです。これから先の様々なリスクを考えると、この保障はとても心強いです。
②事務手数料が相場の半額「楽天銀行 フラット35」
固定金利への借り換えを検討しているのであれば、「楽天銀行フラット35」もおすすめです。融資事務手数料が他の金融機関の事務手数料相場と比較しても半額程度と安く、ネットでの相談ができ窓口に行かずに書類や電話のやり取りのみで契約できる利点もあります。金利も低く団信の保障内容も充実しています。
事務手数料半額が良い!
楽天銀行フラット35への借り換え時にかかる融資事務手数料は、借入額×0.972%と他の金融機関の手数料と比較して半額程度となっています。3000万円を借り入れた場合、3,000万円×0.972%=291,600円となります。ほかのネット系銀行の事務手数料は2.1%程度なのでほぼ半額で済む計算です。
ただし、変動金利であったり楽天銀行口座以外の口座を返済口座に指定する場合には、借入額×1.404%になるようなので注意が必要です。あくまでもフラット35のみのメリットである点を覚えておきましょう。
③事務手数料が選べる「ソニー銀行」
ソニー銀行の特徴としては、2種類の金利・手数料のプランから比較して選ぶ事が出来る点があげられます。2つの手数料の内容を比較すると同じ銀行のプランとは思えないほど金利と手数料が違ってきますので、どちらが今の自分の状況においてメリットが多いかをよく比較した上で検討することをおすすめします。
2種類から選べる!
2種類とは「変動セレクト住宅ローン」と「住宅ローン」というプランです。「変動セレクトローン」は金利が低いが手数料が高く、「住宅ローン」は金利は高いけど手数料は安いプランとなっています。総借入額によってどちらがいいかは変わってくるので、それぞれしっかりと手数料や総返済額を確認した上で選ぶと良いでしょう。
住宅ローンの借り換えの注意点とは?
ここまで住宅ローンの借り換えについて紹介してきましたが、借り換えだからこその注意点があります。それは、手数料のみで比較するのではなく金利もしっかり比較してから決めてほうがいいという点です。
事務手数料がいくら安くても金利が高くては最終的に損をしてしまう場合もあります。比較一覧をつくるなどして、自分なりに一度まとめてみるとわかりやすいのではないでしょうか。
手数料のみでは無く金利も把握しよう!
借り換え時には、新規に借り入れる時よりも借入期間が短いので最終的に「事務手数料が安く、金利が高く設定させているプラン」の方が得をする場合もあります。金利が低ければ、毎月の返済額や総返済額が低く抑えられるメリットがあるので返済額を安く抑えたければしっかり把握しておきましょう。
低金利のうちに借り換えをする
現在は今までと比べると空前の低金利時代といえます。細かい金利差を気にして、借り換えを先延ばしせずに少しでも早く借り換えをするのもおすすめといえます。特に固定金利もかなり安いので、変動金利・固定金利を問わず住宅ローンの借り換えをするなら今はかなりいいタイミングといえます。
住宅ローンの借り換えの際には手数料や金利を把握しよう!
いかがでしたでしょうか。住宅ローンの借り換えには、借り換える上でメリットが充分に出るかどうかが重要になってきます。各金融機関の手数料や金利を充分に把握し、長い目で見て最終的にどの程度自分にとってメリットがあるのかをしっかりと計算した上で、納得のいく住宅ローンの借り換えをしましょう。