「泡沫(うたかた)」の意味は?使い方・例文・類語も分かりやすく解説!

「泡沫(うたかた)」の意味は?使い方・例文・類語も分かりやすく解説!

テレビやお店、文芸作品などで見かけることの多い『泡沫(うたかた)』という言葉ですが、実際の意味を知らない人が多い言葉の一つです。今回はその『泡沫』について意味をはじめ、類語や語源を含めた言葉の使い方や表現方法なども詳しくご紹介します。

記事の目次

  1. 1.泡沫の意味とは?
  2. 2.泡沫の対義語・類義語 
  3. 3.泡沫の使い方・例文
  4. 4.泡沫(うたかた)と泡沫(ほうまつ)の意味と違い
  5. 5.泡沫を使う際の注意点
  6. 6.泡沫の由来・歴史
  7. 7.泡沫の英語表記
  8. 8.泡沫は『儚いもの』という意味

泡沫の意味とは?

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今回ご紹介する『泡沫』という言葉をご存じの方は意外にも多いでしょう。言葉の意味を知っている、というよりは漢字をよく見かけるという方が正しいです。『泡沫』は『うたかた』と読み、儚い様子を表す言葉の意味をに持っています。

綺麗な意味を持つ『泡沫』は様々な文芸作品にも用いられたり、商品名になることも多いです。なので『泡沫』という言葉を目にする機会が多くなります。

泡沫の意味は『儚い様子』『泡のように一瞬で消えてしまうもの』などの切ない意味を持っていますが、『泡沫』には『ほうまつ』という読み方もあり、こちらは『あぶく』という意味です。今回は『泡沫(うたかた)』の意味や言葉の使い方などをご紹介します。

泡沫の対義語・類義語 

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次に『泡沫(うたかた)』の対義語と類語についてご紹介します。まず初めに『泡沫』とは反対の意味を持つ『不滅』についてです。『不滅』は『ふめつ』と読み、漢字の通り『滅びることのない様子』を表します。

泡沫の意味のように『儚く消える』とは全く異なり、『消えることのない』力強い意味を持っています。次に泡沫の類語です。泡沫の類語は意外にもたくさん存在していて、その中でも『儚い(はかない)』という言葉は意味にも使われています。

しかしここで紹介するのはあまり馴染みのない『玉響』という泡沫の類語です。この後にご紹介しますが、『泡沫』と同様に『玉響』も古く綺麗な言葉ですので類語としてここでご紹介させていただきます。

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『玉響』は『たまゆら』と読み、古来から守りの装飾品として用いられる『勾玉』が語源の言葉です。勾玉同士がぶつかり、微かに音を響かせたことから『玉響』という言葉ができました。このことから『玉響』は『一瞬』を意味を表す言葉になっています。

意味だけでなく漢字や語源、読み方も綺麗な『泡沫』と『玉響』は響きもよい言葉なので、頭の隅っこにでも綺麗な二つの言葉をぜひ覚えてみてください。

泡沫の使い方・例文

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次にご紹介するのは『泡沫(うたかた)』の使い方についてです。泡沫(うたかた)の意味は『儚い様子』や『泡のように消えてなくなる様子』など、すぐに消えてしまう印象を与えます。美しい言葉でもあるので、様々なタイトルやテーマに使われています。

なかなか日常で使うことはありませんが友人同士での話題にもなったり、恋愛ドラマや恋愛小説にはよく登場するテーマですので、意味を把握しているとより一層楽しむことができます。

例文①

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泡沫(うたかた)の例文の一つ目は『童話にある人魚姫は泡沫に消えた』です。作品を読んだことがある人には、最後のシーンが脳内をよぎることでしょう。泡となり消えていった人魚姫は、この『泡沫』という言葉にはピッタリの存在です。

この例文の時の『泡沫に消えた』は『泡のように儚く消えた』という悲しい意味を持つ表現ができます。『泡沫』には様々な表現方法があり、言葉が同じでも、他の言葉との組み合わせによって表情が変わります。

例えば『人魚姫は泡沫のようだ』にすると、『人魚姫は泡のように儚い存在だ』となります。そして『人魚姫は泡沫に』とすると儚さが際立ち、『泡のように消えてしまった』と切なさが増します。『泡沫』一つで言葉の表現が変わるので、このように言葉遊びができるのも『泡沫』の魅力です。

例文②

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二つ目の例文は『亡き夫の姿は今では泡沫の記憶となっている』という泡沫の例文の使い方です。この例文の意味は『大切な人と過ごした記憶も、今では朧気になり人生の一瞬の出来事に過ぎない』というような切なさを意味する一つの例文です。

例文③

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次にご紹介する使い方の例文は『泡沫の恋』です。『泡沫』を使う際に一緒に取り上げられる単語が恋愛に関してのことが多いです。恋愛は一瞬だったり、気まぐれだったり、多くの意味が悲しかったり切なかったりとします。

そんな恋愛に泡沫と付けると寂しさも増し、一瞬の恋だったという悲しい印象を与えます。泡沫と恋は様々な題材にもなることがあるので、意外といろんなもので取り上げられています。

例文④

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最後にご紹介する使い方の例文は『泡沫の夢を見る』です。恋愛と同じで『夢』も泡沫とセットで取り上げられることがあります。理由も同じで夢は儚いものとされているからです。

寝ている時に見る夢は一瞬で、一度は叶えたいと思う将来は想像でしか叶えることができないものが多いです。そんな一瞬の夢を『泡沫(うたかた)』と言うことで『泡沫の夢』という繊細で切ない意味を持つ例文ができます。

泡沫(うたかた)と泡沫(ほうまつ)の意味と違い

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次にご紹介するのは『泡沫(うたかた)』と『泡沫(ほうまつ)』の意味の違いについてです。同じ漢字でも読み方は異なり、『泡沫』だけを見た人の大半は『ほうまつ』と読む人が多いです。

その理由の一つとしては『泡沫(うたかた)』は日常的に使うことがほとんどなく、『泡沫(ほうまつ』は日常的に使ったり目にする機会が多いからです。シャワーやキッチンの関係で『泡沫(ほうまつ)』という言葉は目にすることがあります。

そのため日常的に使われる方が真っ先に読み方が浮かぶので、『泡沫』だけだと『ほうまつ』と読む人の方が多くなり『泡沫(うたかた)』の意味や言葉そのものを知らない人が多いのです。

泡沫(ほうまつ)は『水面の泡』という意味

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泡沫(うたかた)では『儚いもの』という意味がありますが、『泡沫(ほうまつ)』の意味に『儚いもの』は使われず『あぶく』つまり『水面の泡』を表す意味になるので、読み方だけでなく意味の違いにも注意が必要です。

『泡沫が水面に浮いている』と例文があれば、『ほうまつ』と読みます。『線香花火が泡沫に消える』と例文を作ると『うたかた』と読むことになります。言葉の繋ぎ合わせや表現の違いで『泡沫』の意味や読み方が変わるので注意してください。

泡沫を使う際の注意点

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泡沫(うたかた)を使う際の注意点はいくつかあります。まず初めに『泡沫』には『ほうまつ』という読み方があるということです。文章の構成や表現で違いを見つけてください。それから『水面の泡』という泡沫(ほうまつ)の意味がないということです。

同じ漢字を使っていても意味が異なり、泡沫(うたかた)の意味である『泡のような』と、泡沫の意味である『水面の泡』は全く異なります。表現をするかそのものを示すかで違うので気を付けてください。

『泡沫(ほうまつ)』の意味では使えない

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泡沫(ほうまつ)の意味である『あぶく』『泡』『水面の泡』などが、泡沫(うたかた)の意味にはありません。泡沫の意味の『泡』は印象であり、表現です。『泡沫(うたかた)』はその場の雰囲気や感情を表現する言葉なので、物理的な『泡』の意味はありません。

泡沫の由来・歴史

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『泡沫(うたかた)』という言葉は例文でもご紹介した通り『泡沫の夢』という儚さを表現する言葉の意味があります。そして『泡沫』は『うたかた』と読みます。

実はこの『泡沫』と『うたかた』はもともとは別の国の言葉でした。次に『泡沫』と『うたかた』の違いについて、由来と歴史を元に詳しくご紹介します。

由来

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『泡沫(うたかた)』の由来には多くの所説がありますが、今回はその中から一つの説をご紹介します。もともと『泡沫(うたかた)』には漢字表記がなく、『うたかた』と古来では使われていました。なぜ漢字がついたのかは次でご紹介します。

『うたかた』の由来には『浮きて得がたきもの』という言葉があります。『浮いていて得ることが難しい』という意味です。この言い方が変わり『うたかた』と呼ばれるようになった、という説があります。

泡沫(うたかた)は切なさや儚さを表現する意味を持っているので、『浮きて得がたきもの』が由来となるのも不思議ではありません。

歴史

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『泡沫』は本来、古代中国語から来た漢字です。古代の日本語では『泡沫(うたかた)』に漢字は使われず、ひらがな表記の『うたかた』と使われていました。

古代中国語の『泡沫』と古代日本語の『うたかた』を組み合わせた理由は、それぞれの読み方を紐解いていくと同じ意味を持っていることが分かったからなのです。それからは『泡沫』を『うたかた』と読み、当て字にしたということです。

泡沫の英語表記

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続いてご紹介するのは『泡沫(うたかた)』の英語表記についてです。泡沫を英語表記にする際には『儚い』や『束の間の』を表現する単語を使います。それが『ephemeral』です。『泡沫(ほうまつ)』と『泡沫(うたかた)』は英語表記も違うので注意が必要です。

泡沫は『儚いもの』という意味

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これまで『泡沫(うたかた)』の意味や読み方など『泡沫』についてご紹介してきました。『泡沫(ほうまつ)』との違いは多く、その中でも意味の違いが大きいです。どちらにも使われる『泡』も泡沫(ほうまつ)では意味、泡沫(うたかた)では表現でしかありません。

類語には『玉響』という読み方も漢字も『泡沫(うたかた)』同様に美しい言葉がありました。『泡沫(うたかた)』を日常的に使うことは難しいですが、目にする機会や表現には出会うことができるので探してみてください。

稀木瑞
ライター

稀木瑞

『好きなことを好きなだけ』をモットーに一日一日を過ごしてます。病弱のため人との交流や外に出かけることは多くありませんが、家の中でできる趣味や学びを楽しんでいます。楽器演奏や創作小説、外国語を覚えたりタロット占いを趣味としています。

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