至極の意味とは?
「至極」という言葉はビジネスシーンなどで時々使われますが、「至極」という言葉の意味を尋ねられた時に正しい意味を答えられないという人も少なくありません。
「至極」という言葉は一般的な日常生活の中で使われることはめったにないため、「至極」の意味を知らない人が多くても仕方がないと言えます。
「至極」という言葉にはいったいどのような意味があるのか、まずは「至極」の意味についてご紹介しましょう。
この上なくという意味
「至極」の意味の一つ目は、「この上なく」という意味です。「この上なく」の意味は「これ以上ないぐらい」「最高」「最上」という意味で、最上級であることを表現します。
「至極」は「この上なく」ということを表現する際に使われることが多く、「恐悦至極」などという四字熟語にも使われていて、目上の人に対して使われることが多いと言えます。
極めてという意味
「至極」の意味の二つ目は、「極めて」という意味です。「極めて」の意味は「非常に」という意味になりますが、ニュアンス的には「非常に」よりさらに上の「この上なく」に近い意味になります。
「至極」という言葉をビジネスシーンなどで目上の人に対して使う際には、「極めて」という意味より「この上なく」という意味で使われることが多いですが、小説などの中では「極めて」という意味で使われることも多いです。
至極の類語
「至極」の意味についてご紹介しましたので、次は「至極」の類語についてご紹介します。「至極」の意味は「この上なく」「極めて」なので、これらの意味に近い意味を持つ言葉が「至極」の類語になります。
「至極」と似た意味を持つ類語にはいったいどのような言葉があるのか、「至極」の類語についてご紹介しましょう。
極々
「至極」の類語の一つ目は、「極々(ごくごく)」です。「極々」の意味は「極めて」という意味ですが、「極」を二つつなげることによって「極めて」の意味を強調しています。
「至極」には「極めて」という意味があるため、「極々」はストレートに「至極」の類語になりますが、「極々」の方がやや強い表現であると言えます。
すこぶる
「至極」の類語の二つ目は、「すこぶる」です。「すこぶる」の意味は「普通の程度を越えて」「予想した程度を越えて」「たいそう」といった意味で、「すこぶる」も「至極」の類語の一つとして挙げられます。
ですが「すこぶる」は「この上ない」といった表現には使われませんので、使い方という点では「すこぶる」は「至極」とは少し異なります。
めっぽう
「至極」の類語の三つ目は、「めっぽう」です。「めっぽう」の意味は「並外れていること」「法外」という意味で、一見すると「至極」の類語には見えませんが「めっぽう」も「至極」の類語です。
「めっぽう」の意味「並外れていること」「法外」は「極めて」に近い表現なので、「めっぽう」も「至極」の類語の一つだと言えます。
至極の使い方・例文
「至極」の類語についてご紹介しましたので、次は「至極」の使い方の例文についてご紹介します。「至極」の意味は「この上なく」「極めて」という意味なので、こういったことを表現したい場合に「至極」を使うことができます。
「至極」という言葉はいったいどのような使い方をすれば良いのか、「至極」の使い方の例文についてご紹介しましょう。
例文①
「至極」の使い方の例文の一つ目は、「部長の昇進は至極当然のことでございます」という例文です。「至極」という言葉は「この上なく」「極めて」ということを表現する言葉ですが、このようなビジネス会話などの中で良く使われます。
「至極」という言葉は少し堅いイメージの言葉なので、ビジネスシーンで目上の人や取引先の人に対して使うのが一般的です。
例文②
「至極」の使い方の例文の二つ目は、「本日はお目にかかることができまして、至極光栄に存じます」という例文です。「至極」という言葉は「光栄」という言葉とセットで使われることも多く、いかに光栄であるかを表現します。
「至極」という言葉はビジネスシーンの他、天皇陛下などとても身分の高い人に対して使うこともあり、そういった場合にも光栄であることを表現するために「至極光栄」という言い方をします。
例文③
「至極」の使い方の例文の三つ目は、「社長直々にご指導いただき、恐悦至極に存じます」という例文です。「至極」という言葉は「恐悦」という言葉とセットで使われることも多く、恐縮しつつも喜んでいることを表現します。
「至極」という言葉は「光栄」「恐悦」などという言葉とセットでビジネスシーンなどにおいて使われることが多く、「この上なく」という気持ちを表現する際に使われます。
例文④
「至極」の使い方の例文の四つ目は、「人から見れば私はふざけているように見えるようだが、私は至極真っ当だ」という例文です。「至極」という言葉はビジネスシーンで使われることが多いですが、このような作文の中でも使われます。
「至極真っ当」という言い回しは「至極」の使い方の中ではかなり一般的ですが、「至極真っ当」と言うとちょっと偉そうな感じに見られることもありますので、使い方には注意が必要です。
至極と凄くの違い
「至極」の使い方の例文についてご紹介しましたので、次は「至極」と「凄く」の違いについてご紹介します。「至極」と「凄く」は文字で見ると全く違いますが、口で言う場合に間違えられやすい言葉です。
「至極」と「凄く」にはいったいどのような違いがあるのか、「至極」と「凄くの違いについてもご紹介しましょう。
凄くは程度が甚だしいという意味
「至極」と「凄く」の違いは、「凄く」は「程度が甚だしい」という意味だということです。「至極」の意味は「この上なく」「極めて」なので、これの上はないという意味ですが、「凄く」は程度が甚だしいというだけです。
「凄く」には「この上なく」というニュアンスはありませんので、この上がある場合にも使うことができるという点で「至極」とは全く違うと言えます。
至極を使う際の注意点
「至極」と「凄く」の違いについてご紹介しましたので、次は「至極」を使い際の注意点についてご紹介します。「至極」の意味は「この上なく」「極めて」ですが、使う際には注意が必要な点もあります。
「至極」という言葉を使う際にはいったいどのような点に注意をすれば良いのか、「至極」を使い際の注意点についてご紹介しましょう。
親しい仲では使えない
「至極」を使い際の注意点は、親しい仲では使えないということです。「至極」はビジネスシーンで目上の人などに対して使うのが一般的で、同年代の友人などに対しては使いません。
親しい友人に対して「至極」などと言うと、きどっていると思われたりして誤解されることもありますので、その点では注意が必要です。
至極の由来
「至極」を使い際の注意点についてご紹介しましたので、次は「至極」の由来についてご紹介します。日本語には語源や由来のある言葉が沢山ありますが、「至極」もそんな日本語の一つです。
「至極」という言葉にはいったいどのような由来があるのか、「至極」の由来についてご紹介しましょう。
極みを意味する言葉が由来
「至極」の由来は、「極み」を意味する「極」という言葉です。「極」という言葉には「極まる所」「果て」といった意味があり、この「極」に「いたる」を意味する「至」をつけることによって「極みに至る」という意味になりました。
「極みに至る」という言葉は簡単に言えば「最も上に届く」という意味で、「この上ない」という意味になります。
至極の英語表記
「至極」の由来についてご紹介しましたので、次は「至極」の英語表記についてご紹介します。日本語には英語に翻訳することが難しい言葉が沢山ありますが、「至極」もそんな日本語の一つです。
「至極」という言葉を英語表記する際にはいったいどのような英語を使えば良いのか、「至極」の英語表記についてご紹介しましょう。
極めてを意味する「extremely」
「至極」の英語表記に良く使われる英語は「極めて」を意味する「extremely」という英語です。「至極」には「極めて」という意味もありますので、「extremely」はほぼ直訳と言えます。
他に「very」という英語も「至極」の英語表記に使われますが、「very」の基本的な意味は「とても」なので、「至極」の英語訳としては少し足りないです。
至極はこの上なくという意味
「至極」という言葉の意味や使い方の例文などについて色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。「至極」の意味は「この上なく」「極めて」という意味なので、正しい意味を理解して正しく使いましょう。