ダメ元の意味とは?
「ダメ元(だめもと)」という言葉を使う人は結構多いですが、「ダメ元」の正しい意味をきちんと理解して使っている人はあまり多くありません。
「ダメ元」は「ダメで元々」という言葉を省略した言葉なので、「ダメ元」の意味は「ダメで元々」という意味だと思い込んでいる人がかなり多く、そういう人は肝心の「ダメで元々」の意味を知らない場合が多いです。
「ダメ元」という言葉にはいったいどのような意味があるのか、まずは「ダメ元」の意味についてご紹介しましょう。
何もせず諦めるより無理を承知でやってみるという意味
「ダメ元」の意味は、「何もせず諦めるより無理を承知でやってみる」という意味で、これは「ダメ元」の元になっている「ダメで元々」の意味になります。
「ダメ元」という言葉を使うのは、「無理なんじゃないかな」と思っていることを実行する場合で、無理だと思いながらも諦めることなくとりあえず実行するという時に「ダメ元」という言葉を使うことができます。
また「ダメ元」は成功する確率が低そうな場合に良く使われますので、状況が悪い時や能力などが足りない時など、失敗する可能性が高くても挑戦するという時にも使えます。
ダメ元の類語
「ダメ元」の意味についてご紹介しましたので、次は「ダメ元」の類語についてご紹介します。「ダメ元」の意味は「何もせず諦めるより無理を承知でやってみる」という意味なので、この意味に近い意味を持つ言葉が「ダメ元」の類語になります。
「ダメ元」の意味はかなり複雑で難しいので、「ダメ元」の意味と完全に同じ意味を持つ類語はほぼないと言えますが、ニュアンスなどが似た言葉はいくつかあります。
「ダメ元」という言葉に似た意味を持つ類語にはいったいどのような言葉があるのか、「ダメ元」の類語についてご紹介しましょう。
玉砕覚悟の
「ダメ元」の類語の一つ目は、「玉砕覚悟の」です。「玉砕覚悟の」の意味は「大義や名誉を重んじて潔く死ぬような覚悟の」という意味で、ちょっと難しい意味の言葉ですが「玉砕覚悟の」は「ダメ元」の類語になります。
「ダメ元」の意味は「何もせず諦めるより無理を承知でやってみる」という意味で、最初から諦めているわけではありません。「玉砕覚悟の」も覚悟は決めていますが決して諦めているというわけではありません。
「ダメ元」という言葉はビジネスメールなどでは使えませんが、「玉砕覚悟の」はビジネスメールなどでも使うことができますので、使い方という点では「玉砕覚悟の」は「ダメ元」とは少し異なります。
当たって砕けろ
「ダメ元」の類語の二つ目は、「当たって砕けろ」です。「当たって砕けろ」の意味は「成功するかどうかは分からないがとにかくやってみよう」という意味で、「ダメ元」に非常に近い意味を持つ類語です。
「ダメ元」の意味は「何もせず諦めるより無理を承知でやってみる」という意味で、かなり失敗する確率が高いというニュアンスがありますが、「当たって砕けろ」は成功するか失敗するかの可能性は半々です。
こういった点では「当たって砕けろ」は「ダメ元」とはニュアンス的に微妙に違いますが、「当たって砕けろ」は「ダメ元」に極めて近い意味を持つ類語だと言えます。
決死の
「ダメ元」の類語の三つ目は、「決死の」です。「決死の」の意味は「命を投げ出す覚悟をすること」という意味で、先にご紹介した「玉砕覚悟の」に近い意味を持つ「ダメ元」の類語の一つです。
「決死の」も「玉砕覚悟の」と同じく、命をかける覚悟は決めていますが諦めているわけではありませんので、「決死の」も「ダメ元」の類語になります。
ですが「決死の」はかなり重いイメージのある言葉なので、「ダメ元」の言い換えに使うことはできません。そういった点では「決死の」は「ダメ元」とは少し違うと言えます。
無理を承知で
「ダメ元」の類語の四つ目は、「無理を承知で」です。「無理を承知で」の意味は「無理だとは分かっているが」という意味で、「ダメ元」の意味とかなり似た意味を持つ類語の一つだと言えます。
「ダメ元」という言葉はビジネスメールなどでは使えませんが、ビジネスメールなどで「ダメ元」と言いたい場合には「無理を承知で」と言い換えることができます。
「無理を承知で」という言葉は意味が似ているというだけでなく、「ダメ元」の言い換えに使えるという点でも「ダメ元」に極めて近い類語だと言えます。
恐縮ですが
「ダメ元」の類語の五つ目は、「恐縮ですが」です。「恐縮ですが」の意味は「身も縮まるほど恐れ入りますが」という意味で、一見すると「ダメ元」とは全く違う意味のようですが、「恐縮ですが」も「ダメ元」の類語の一つです。
「ダメ元」はビジネスメールなどでは使えませんので、先にご紹介した「無理を承知で」と言い換えて使いますが、「恐縮ですが」という言葉に言い換えることもできます。
「恐縮ですが」は意味的には「ダメ元」とはかなり違いますが、「ダメ元」の言い換えに使えるという点で「ダメ元」の類語の一つとして数えられます。
ダメ元の使い方・例文
「ダメ元」の類語についてご紹介しましたので、次は「ダメ元」の使い方の例文についてご紹介します。「ダメ元」の意味は「何もせず諦めるより無理を承知でやってみる」という意味なので、こういったことを表現したい時に使えます。
「ダメ元」という言葉は日常生活の会話の中でもごく当たり前のように使われていますので、「ダメ元」の使い方がわからないという人は少ないでしょう。
「ダメ元」という言葉はいったいどのような使い方をすれば良いのか、「ダメ元」の使い方の例文についてご紹介しましょう。
例文①
「ダメ元」の使い方の例文の一つ目は、「ダメ元で小説の新人賞に応募してみたら、佳作を受賞することができた」という例文です。この例文は、友人などの親しい相手に対して送るメールの文章の例文になります。
「ダメ元」という言葉は、可能性が低そうなことに対して使われることが多いですが、この例文でも可能性が低そうなことに対して「ダメ元」が使われています。
「多分ダメだろうな」「でも諦められないな」といった感情を抱いて何らかの行動を起こした場合に、「ダメ元」という言葉を使うことができるということです。
例文②
「ダメ元」の使い方の例文の二つ目は、「新規顧客の開拓に行き詰まったため、ダメ元で飛び込み営業してみたら意外なほどに上手くいった」という例文で、ビジネスで同僚などに対して使えるメールの例文になります。
ビジネスなどで行き詰まることは結構良くあることですが、そういった時には従来の方法ではない方法を試してみることもあります。
「ダメ元」という言葉は、とりあえず行動してみたら上手くいったという場合に使われることが多く、この例文でも上手くいったという結果がついてきています。
例文③
「ダメ元」の使い方の例文の三つ目は、「パソコンの具合が悪くなって通常の方法では立ち上がらなくなったので、ダメ元でセーフモード立ち上げをしてみたら起動できた」という例文です。
この例文でも「ダメ元」でやってみたら良い結果が得られたということを表しています。「ダメ元」は元々が悪い状態なので、良い状態になればラッキーだというような心理で使われる言葉です。
悪い状態であっても諦めずに何らかの行動を起こす時に「ダメ元」という言葉を使いますが、その結果が良かった場合にこのような文章に「ダメ元」を使うことが多いと言えます。
例文④
「ダメ元」の使い方の例文の四つ目は、「少ない予算でも何とかならないかとダメ元で交渉したが、やはりダメだった」という例文です。この例文はビジネスで同僚などに対するメールに使える例文になります。
先にご紹介した三つの例文ではいずれも「ダメ元」で行動を起こしたら良い結果になっていましたが、こちらの例文では「ダメ元」で行動を起こしたけれど結果は良くなかったと言っています。
「ダメ元」は結果が良かった場合に使われることが多い言葉ですが、結果が悪かった場合にもたまに使われることがありますので、「ダメ元」は良い結果でも悪い結果でも使うことができると言えます。
ダメ元と瀬戸際の違い
「ダメ元」の使い方の例文についてご紹介しましたので、次は「ダメ元」と「瀬戸際」の違いについてご紹介します。「ダメ元」と意味を混同されている言葉の一つに「瀬戸際」という言葉があります。
「ダメ元」と言うべき時に「瀬戸際」と言ったり、その逆の使い方をする人もいますが、「ダメ元」と「瀬戸際」の意味は違うので使い方を間違ってはいけません。
「ダメ元」と「瀬戸際」にはいったいどのような違いがあるのか、「ダメ元」と「瀬戸際」の違いについてご紹介しましょう。
瀬戸際は勝つか負けるかなどの運命の分かれ目という意味
「ダメ元」と「瀬戸際」の違いは、「瀬戸際」の意味は「勝つか負けるかなどの運命の分かれ道」という意味だということです。「ダメ元」の意味は「何もせず諦めるより無理を承知でやってみる」なので、「瀬戸際」とは全く違います。
「瀬戸際」には追い詰められたニュアンスがありますが、「ダメ元」にはそういったニュアンスはありませんので、その点でも「ダメ元」と「瀬戸際」は違います。
「ダメ元」は「瀬戸際」に比べるとやや重いイメージがありますので、「ダメ元」と言うべき時に「瀬戸際」と言うと大げさになってしまいます。
逆に「瀬戸際」と言うべき時に「ダメ元」と言うと言葉に重みがなくなりますので、「ダメ元」と「瀬戸際」を混同しないよう気をつけましょう。
ダメ元を使う際の注意点
「ダメ元」と「瀬戸際」の違いについてご紹介しましたので、次は「ダメ元」を使う際の注意点についてご紹介します。「ダメ元」という言葉は日常会話の中で結構良く使われますが、使う際には注意点もあります。
「ダメ元」の意味は「何もせず諦めるより無理を承知でやってみる」という意味で、結構難しい意味ではありますが、「ダメ元」はイメージ的にはそう堅い言葉ではありませんので使い方には注意が必要です。
「ダメ元」という言葉を使う際にはいったいどのような点に注意をすれば良いのか、「ダメ元」を使う際の注意点についてご紹介しましょう。
目上の人相手では使えない
「ダメ元」を使う際の注意点は、目上の人相手では使えないということです。「ダメ元」はビジネスにおいて同僚へのメールなどなら使うことができますが、上司など目上の相手に対するビジネスメールなどには使えません。
上司や取引先などへのビジネスメールで「ダメ元」という言葉を使うととても失礼になってしまいますので、上司や取引先へのビジネスメールでは「ダメ元」という言葉を使ってはいけません。
上司などへのビジネスメールで「ダメ元」と言いたい場合には、先に類語の所でご紹介した「無理を承知で」や「恐縮ですが」という言葉を使いましょう。
ダメ元の由来
「ダメ元」を使う際の注意点についてご紹介しましたので、次は「ダメ元」の由来についてご紹介します。日本語には由来や語源がちゃんとある言葉が沢山ありますが、「ダメ元」にも由来はあります。
「ダメ元」は「ダメで元々」の省略形なので、「ダメ元」の元である「ダメで元々」という言葉の成り立ちの中に「ダメ元」の由来があります。
「ダメ元」という言葉にはいったいどのような由来があるのか、「ダメ元」の由来についてもご紹介しましょう。
好ましくない状態を意味する言葉が由来
「ダメ元」の由来は、好ましくない状態を意味する言葉「駄目」にあります。「駄目」は元々は囲碁用語ですが、囲碁は簡単に言えばお互いに交互に石を置いて、その石で囲んだところがそれぞれの陣地になるというゲームです。
この囲碁で、石を置いても陣地扱いにならない目のことを「駄目」と言い、時の流れの中で「駄目」は「好ましくない状態」を意味するようになりました。
「ダメで元々」の「元々」は「初めから」という意味なので、「ダメで元々」の本来の意味は「初めから好ましくない状態」という意味でした。それが少しずつ変化していって現代の「ダメ元」の意味になったということです。
ダメ元の英語表記
「ダメ元」の由来についてご紹介しましたので、次は「ダメ元」の英語表記についてご紹介します。「ダメ元」という言葉にはかなり複雑な意味があるため、「ダメ元」を英語表記するには意訳が必要になります。
「ダメ元」を英語表記するにはいったいどのような英語を使えば良いのか、「ダメ元」の英語表記についてご紹介しましょう。
失うものはないを意味する「nothing to lose」
「ダメ元」の英語表記に良く使われる英語は、「失うものはない」という意味を持つ「nothing to lose」という英語です。
「ダメ元で彼女にお願いしてみよう」と英語で言いたい場合には「I have nothing to lose by asking her」という文章にすればOKです。
ダメ元は何もせず諦めるより無理を承知でやってみるという意味
「ダメ元」という言葉の意味や使い方などについて色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。「ダメ元」は「何もせず諦めるより無理を承知でやってみる」という意味なので、正しい意味を理解して正しく使いましょう。