「座して待つ」の意味とは?
ここでは中国・三国時代に諸葛孔明が残した言葉が語源と言われていおり、アニメや時代劇やビジネスの場などで今でもよく使われているため耳馴染みのある方も多い「座して待つ」という言葉の意味や例文を交えた使い方や類語についてご紹介していきます。
「座して待つ」の意味
「座して待つ」の読み方は「ざしてまつ」となります。この言葉には「座す」の座るという言葉と「待つ」という2つの言葉によって形成されています。その言葉から「座る以外に何もしない、傍観する」といった意味と「座って何もしないで待つ姿勢を非難する」といった2つの意味があります。
「座して待つ」の対義語・類義語
ここまで「座して待つ」の読み方や意味についてご紹介してきました。ここからは「何もしない」や「何もしない姿勢を非難する」といった意味を持つ「座して待つ」と同じ意味を持つ類義語や対義語についてご紹介します。
類語①「放置する」
ここでは「座して待つ」の類語の「放置する」についてご紹介します。「放置する」の読み方は「ほうちする」となり、そのままにして放っておくことなどの意味、例文を上げると「その場所は盗まれた自転車が乗り捨て放置するため、放置自転車が多くなっている。」とこのように使います。
類語②「見守る」
ここでは「座して待つ」の類語の「見守る」についてご紹介します。「見守る」の読み方は「みまもる」となり、無事であるよう注意しつつ成り行きを見るや目を離さず見るといった行為の意味、例文を上げると「子供を見守る。」、「その試合をかたずをのんで見守った。」とこのように使います。
類語③「指一本触れない」
ここでは「座して待つ」の類語の「指一本触れない」についてご紹介します。「指一本触れない」の読み方は「ゆびいっぽふれない」となり、人に対する干渉や避難、嘲笑をしないといった意味、例文を上げると「この娘には指一本触れない。」とこのように使います。
類語④「関与しない」
「座して待つ」の類語の「関与しない」についてご紹介します。「関与しない」の読み方は「かんよしない」となり、物事に関係しないといった意味、例文を上げると「この事件には一切関与しないように伝えた。」とこのように使います。
他にも「座して待つ」の類語には「座視する」読み方は(ざしする)や「知らん顔(しらんかお)」、「目をつむる(めをつむる)」、「見殺しにする(みごろしにする)」などもあります。
対義語①「介入する」
「座して待つ」の対義語は「介入する」などが対義語にあたります。読み方は「かいにゅうする」、意味は「争いごとやもめごとなどに自ら入って関与する。干渉する」といった意味になります。使い方は「その時期、ヨーロッパ諸国は紛争に介入しようとしていた。」などのようになります。
対義語②「詮索する」
「座して待つ」の対義語は「詮索する」なども対義語にあたります。読み方は「せんさくする」、意味は「細かいことまで自ら突き詰めて調べ、尋ねること」といった意味になります。使い方は「彼女は彼の昨夜の行動を詮索するようになった。」などのようになります。
対義語③「首を突っ込む」
「座して待つ」の対義語は「首を突っ込む」も対義語にあたります。読み方は「くびをつっこむ」、意味は「関心や興味を持って進んで物事に深入りすること」といった意味になります。使い方は「彼は何にでもすぐに首を突っ込みたがる。」などのようになります。
「座して待つ」の使い方・例文
ここまで「座して待つ」の読み方や意味、「放置する」や「見守る」といった類義語や対義語についてご紹介してきました。ここからは、「座して待つ」を実際に使う際の正しい使い方について例文を交えて詳しくご紹介していきます。
例文①「我々はその問題について座して待つべきという結論に達した。」
「我々はその問題について座して待つべきという結論に達した。」の例文では「何もせずに待つ」と使うところを「座して待つ」の言葉に置き換えて使った例です。ビジネスなどの現場でも「何もしないで待つ」と一言でいうより重みのある言葉に聞こえる為、このように使っている方も多いようです。
例文②「座して待つのではなく、この問題について打開策を練ことにした。」
「座して待つのではなく、この問題について打開策を練ことにした。」の例文の「座して待つ」は、この例文のように一般的には「座して待つのではなく」元々の語源からなど何もしないことへの批判文として用いられることが多多く、打開策や新しいアクションを提示する際に一般的に使用されます。
例文③「彼女の状況から今は座して待つのが得策だと思われた。」
「彼女の状況から今は座して待つのが得策だと思われた。」こちらの「座して待つ」は、ただ何もしないではなく仕方がなく確固たる意志を持って「じっと待っている」という際に「座して待つ」を使うと力づよい意志を感じるためこうした場面で好んで使う方も多いようです。
例文④「座して待つのはこの問題に関しては得策とは言えない。」
「座して待つのはこの問題に関しては得策とは言えない。」こちらは上記の「じっと待つ」や「傍観する」などのアクションを起こさないといった状態を批判する場合の「座して待つ」を指摘した例文です。
このように「座して待つ」はシーンによって、大まかかな意味はあっていても含まれる裏側にはさまざまな意味や背景があるのでそれぞれ状況によってくみ取って使用するのがいいでしょう。
「座して待つ」を使う際の注意点
ここまで「座して待つ」の意味や類義語、対義語、実際に「座して待つ」を取り入れた例文などをご紹介してきました。ここからは「座して待つ」を実際に使う際の注意すべきポイントについてご紹介していきます。
状況に合わせないと使えない
「座して待つ」は元々の語源から「座して死を待つより行動すべき」といった前向きな場面で使われることが多い言葉です。しかし、この「座して待つ」の後に「より」が付いた「座して待つより」が後ろにつくと今までの意味と違った言葉になります。
「より」が付くと先ほどの「座して待つ」を否定する表現となり、「座して待つ」といった行動そのものを批判や否定する言葉になる為、使用する際や使用されている場合には注意が必要です。
「座して待つ」の由来・歴史
ここまで「座して待つ」の意味や使い方についてご紹介してきました。ここからは中国の三国時代に諸葛孔明が使ってから広まったと言われている「座して待つ」の語源となる由来やその歴史についてご紹介していきます。
由来
「座して待つ」は中国・三国時代の蜀漢の軍師である諸葛亮孔明が蜀の今後のことを考え、敵対国である自国の5倍もある魏が今後、蜀の脅威となることを考え仕えている劉備に北伐を進言する際に「座して死を待つより、出て活路を見出さん」と言ったというエピソードに由来しています。
歴史
諸葛亮孔明の時代の後、語源となった「座して死を待つ」から不吉である「死」という言葉が後世に伝えられていく過程で使われなくなり、「座して待つ」に省略され伝えられていきました。
その為、当初の「座して死を待つ」の「何もしないで滅亡の道をたどることを批判する」意味とその言葉そのままの「何もしないで傍観する」といった2つの意味を「座して待つ」は持つようになり現代に至ります。
「座して待つ」の英語表記
ここまで「座して待つの」の読み方や意味、語源となる由来、三国時代の諸葛孔明のエピソードや言葉の歴史などについてご紹介してきました。ここからは、「座して待つ」の英語での表現についてご紹介していきます。
英語表現は「look on」がベスト
「座して待つ」を英語に置き換えると「look on」が意訳すると最も近い表現となります。「座して待つ」は「何もしないで傍観する」といった意味となる為に「look on」がベストな表現です。例文を上げると「I will look on.」などのように使います。
「座して待つ」は「無視する」や「傍観する」という意味での「neglect」や「放置する」という意味の「leave」という単語で置き換えることもできます。
英語表現での直訳は「wait sitting」
単純に「座して待つ」を「座って待っているだけ」という意味で使いたいならば「wait sitting」となります。しかし、こう表現を使用する場合「無視する」や「傍観する」などの意味は薄れてしまうので、用いる際には注意が必要です。
「座して待つ」を英語表現にするときは意味を重視
ここまでご紹介したように「座して待つ」を英語表現にする際には、意思を持った「傍観する」なのか、「ただ何もしない」といったそういった行為を否定したいのかを考え適切な表現をする必要があります。
上記でご紹介した他にも「傍観する」は「stand by(行動しない、何もしない)」も近い表現となります。また、「見物人」や「観客」は「 to be a spectator」に置き換えることができます。
「座して待つ」とは「何もしないで待つ」とそれを批判する意味
ここまで「座して待つ」の意味や類語、語源などについてご紹介してきました。「座して待つ」はこのようにその語源と歴史から2つの意味を持っています。このことを踏まえて「座して待つ」を使う場合は、前後の状況に合わせて正しく使うようにしましょう。