「諸処」の意味とは?
「諸処」は「しょしょ」と読むことの出来る漢字となっていますが、日常生活でもビジネスシーンでも使われています。ずばり「諸処」は「いろいろな場所」や「様々なところ」という意味を持っているような漢字です。
実は「諸処」には似ている漢字に「諸々」があるのですが、しっかりと別の意味を持っている漢字となっています。そこでこの記事ではそんな「諸処」の使い方や例文に加えて、意味の違っている「諸々」についてご紹介します。
やはり似ている漢字があると何かと誤用しがちなので、「諸々」と「諸処」の違いを把握しておくことは大切です。次の項目からはそんな「諸処」の類語を取り上げていくので、気になる人はぜひ参考にしてみてください。
「諸処」の類語
「諸処」は「いろいろな場所」、「様々なところ」という意味を持っている言葉ですが、いくつか類語があるのをご存じでしょうか?やはり同じような言葉を使い続けるのはスマートではないので、しっかりと類語を把握しておくのが大切です。
とりわけ「諸処」の類語の中でも「あちこち」や「各地」、「随所」というものを取り上げていきます。この項目ではそんな「諸処」の類語の意味や使い方、読み方などを紹介していくので、もしも知らなかったらぜひこの機会に覚えてみるのがいいかもしれません。
どれも比較的簡単な意味合いの言葉となっているので、すぐにでも使えるようになります。次の項目から詳しくそういった「諸処」類語について説明していくので、気になる人はぜひ参考にしてみてください。
類語①「あちこち」の意味
まず紹介していきたい「諸処」の類語は「あちこち」になるのですが、平仮名なのでそのまま「あちこち」という読み方をします。意味としては「あちらやこちら」や「ほうぼう」となっているので、まさしく「諸処」の類語なのです。
例文を挙げるならば、「あちこちから寄付が集まる」や「あちこちを歩き回る」をいった使い方をします。比較的「諸処」よりもカジュアルな表現となっているので、もしかしたらこちらの「あちこち」の方がなじみ深いかもしれません。
「あちこち」は漢字では「彼方此方」と書くことができるので、もしも漢字で表したいときは使ってみてください。一般的に日常生活で使う場合は「あちこち」の方で使われる方が多いかもしれません。
類語②「各地」の意味
次に紹介していきたい「諸処」の類語は「各地」となります。「各地」という漢字は「かくち」という読み方をするのですが、「いろいろな土地」や「それぞれの地方」という意味を持っているので、まさしく「諸処」の類語と言うことができます。
「各地」の例文を挙げるのならば、「各地の名産」や「全国各地」、「各地で流行っている」といった使い方がされます。やはり「諸処」よりも砕けた表現となっているので、日常生活で使いたいときは類語の「各地」を使った方がいいかもしれません。
基本的に「諸処」の類語は「諸処」の代替として使うことができるので、基本的に注意点はありません。もしも「諸処」を使いすぎていると感じたら、率先して類語の「各地」を使うのがおすすめです。
類語③「随所」の意味
最後に紹介していきたい「諸処」の類語は「随所」となります。こちらの「随所」は「ずいしょ」という読み方をするのですが、「いたるところ」や「あらゆるところ」といった意味を持っている言葉となっています。
「諸処」よりはカジュアルで「各地」よりは硬い表現となっているので、状況に応じて使い分けるといいかもしれません。例文を挙げるならば、「随所に散らばった」や「随所に主になる」といった使い方をするのがオーソドックスです。
このように「諸処」には様々な類語があるのですが、比較的飛び出た意味はないのでしっかりと置換して使うことができます。もしも同じ言葉を使っていると感じたら、スマートにこういった「諸処」の類語を使ってみてください。
「諸処」の使い方・例文
この項目からは「諸処」の使い方を例文を使ってご紹介します。「諸処」はビジネスシーンや日常生活で使えるような便利な言葉となっていますが、それぞれ違ったおすすめの使い方があるのでぜひチェックしてみてください。
上記でも紹介したように「諸処」は「いろいろな場所」や「様々なところ」という意味を持っている言葉です。実は「諸処」は「諸所」という表記もできるのですが、こちらも「しょしょ」といった読み方をするのが一般的となっています。
もしも「諸所」が少し硬すぎる表現だと感じたら、ぜひ上記で紹介したような類語も使ってみてください。どれも本当に使われている例文となっているので、もしも使う機会があれば使ってみるのもいいかもしれません。
例文①
まず紹介していきたい「諸所」の例文は「諸処を巡る」という使い方となっているのですが、「いたるところを周る」という意味を持っています。昔から日本には「諸国漫遊」という文化があったわけですが、そういった意味合いの言葉なのです。
もちろん「諸処の寺社を巡る」や「諸処の博物館を訪れる」といった使い方もできるので、本当に便利な言葉となっています。もしもどこかにを訪問する際は「諸処」という言葉を使って表現してみるといいかもしれません。
「諸処」が硬すぎると感じたら、「あちこち」や「各地」といった無難な漢字を使うのもおすすめです。もしも「諸処」に行く予定があるのであれば、手紙やメールなどで「諸処」と記すのもピッタリとなっています。
例文②
次に紹介していきたい「諸処」の使い方は「ホールの諸処に係員を配置してください。」といったものになります。「諸処」はビジネスシーンにも使えると説明しましたが、こういったオーソドックスな使い方もできるのです。
さらに「諸処に散らばって下さい。」や「諸処にある文献を集めてください。」といった使い方もできます。基本的に「諸処」は本当に自由な使い方ができるので、何かを表現できないという心配は必要ないのです。
もちろん「ホールのあちこちに係員を配置してください。」といった使い方もできるのですが、少しだけ砕けた表現かもしれません。しっかりと責任者として何かを伝えたいのであれば、「諸処」を使ってみてください。
例文③
上記では「諸処」のビジネスシーンでの使い方を紹介しましたが、次に説明していきたいのはどちらでも使える表現となります。例文を挙げるならば、「会場の諸処で盛り上がっている」という使い方ができ、オーソドックスなものとなっています。
やはり友人同士で話す際にも使える表現でも、ニュースなどで事実を伝えるときに使える表現でもあります。「諸処」は読み方がわかりにくいため使いにくいと思われがちですが、しっかりとどのような場面でも使うことができるのです。
もちろん会場だけでなく、スタジアムや教室といった様々な対象に「諸処」は適しています。基本的に「諸処」は場所に使う漢字となっているので、どのような場所にでも「諸処」は使えるのです。
例文④
最後に紹介していきたい「諸処」の例文はビジネスメールでの使い方となります。「諸処に人員を割くのを引き受けていただけますか。」といった使い方ができるのですが、しっかりと何かをお願いする際にも使うことができます。
これまで紹介してきたように基本的に「諸処」はどのような文脈にも使えるので、こういった例文のようなビジネスメールにも使えるのです。もしもせっかく覚えた「諸処」を使いたくなったら、ぜひ日常の会話の中で「諸処」を取り入れてみてください。
ここまで様々な「諸処」の例文を紹介してきましたが、次は「諸処」に似ている漢字の「諸々」との違いをご紹介します。読み方が「もろもろ」なので違う漢字なのはわかるかもしれませんが、しっかりとした違いがあります。
「諸処」と「諸々」の違い
ここまで「諸処」の説明をしてきましたが、実は似ている漢字に「諸々」というものがあります。もしかしたら読み方を「しょしょ」と読んでしまう人もいるかもしれませんが、ずばり読み方は「もろもろ」となっています。
この「もろもろ」という読み方をする「諸々」という漢字もビジネスシーンや日常生活で使える感じです。しかし、ビジネスシーンで使う時はいくらか注意が必要となっているので、もしも使おうとしている人は気をつけてください。
この項目ではそんな「諸々」について紹介していくので、もしも「諸処」との違いがどういったものか気になる人はチェックしてみてください。読み方も漢字もしっかりと違いがあるので、理解すれば自然と使い分けられるようになります。
「諸々」はいろいろなものという意味
そもそも「諸々」は「もろもろ」という読み方ができ、「いろいろなもの」といった意味を持っている言葉となっています。「諸処」の対象が場所なのに対して、「諸々」は場所に関係なく、どのようなものも対象と言っても過言ではありません。
「諸々」は詳しい説明を省いた言葉となっているので、しっかりとした説明をしなければならないビジネスシーンには向いていないのが注意点です。やはり目上の人にはこういった「諸々」を使うのはおすすめできないので、あまり使わないようにしましょう。
さらに「諸々」を謝罪で使う人もいるのですが、基本的に失礼にあたるので使わないことをおすすめします。もしも「諸々」を使いたいのであれば、波風が立たないようにオーソドックスな使い方をしていきましょう。
「諸々」の使い方
この項目では「諸々」の使い方を例文を使ってご紹介します。ずばり「諸々の説がある」や 「その他諸々」、「諸々お願いいたします」といった使い方ができるので、まさしくどのような場面でも使える便利な表現と言えるかもしれません。
上記でも軽く触れたように、「諸々の件、申し訳ございませんでした」という謝罪には使えないのが注意点です。もしもなにか謝りたいことがあるのであれば、しっかりと内容を伝えながら相手に謝罪する必要があります。
もちろん「諸々」はこういった例文以外にも使えるので、もしも使えると感じる場面があれば率先して使ってみてください。状況によってはビジネスシーンでも使えるので、しっかりと状況を把握しておきましょう。
「諸処」を使う際の注意点
ここまで「諸処」について様々な情報を説明してきましたが、「諸処」を使うにあたって少しだけ注意点があります。基本的に「諸処」はビジネスシーンにも日常生活にも使えるので、しっかりとこういった注意点を気にする必要があるのです。
しかし、上記で紹介したような「諸々」のような厳しい注意点はないので、安心して使うことの出来る漢字となっています。ずばり「諸処」と似ている「諸々」と間違えて使わないようにするのが注意点なのです。
以下の項目で詳しく「諸処」の注意点について説明していくので、もしも気になる人はこういった注意点も参考にしてみてください。
「諸々」の意味では使えない
「諸処」は「いろいろな場所」や「様々なところ」という意味を持っている言葉ですが、使う対象は場所となっています。そして「諸々」は「いろいろなもの」という意味なので、対象はどのようなものとなっているのです。
もしかしたら「諸処の事柄」という使い方をしたくなるかもしれませんが、こういった使い方ができないのが注意点となります。逆に「諸々の場所」といった使い方はできるので、混同しないようにこういった注意点を把握する必要があります。
ここまで「諸処」の注意点を取り上げてきましたが、次の項目ではそんな「諸処」の由来や歴史をご紹介します。
「諸処」の由来・歴史
どのような言葉にも由来や歴史があるように、「諸処」にもこういった由来や歴史はあります。ここまで様々な「諸処」に関する情報を紹介してきましたが、合わせて覚えることによってさらに「諸処」についての知識が深まります。
そもそも「諸処」は「諸」と「処」が組み合わさった漢字となっているので、しっかりと分解していくことによってわかりやすくなります。次の項目からは詳しく由来や歴史について説明していくので、もしも気になる人はぜひ参考にしてみてください。
由来
そもそも「諸処」に含まれている「諸」は「もろ」という読み方をする漢字となっています。「諸」には「いろいろの」、「多くの」という意味を持っているのですが、「諸外国」や「諸問題」といった使い方をすることができます。
そして「処」は「しょ」という読み方をする漢字となっていて、まさしく「場所」を表す漢字となっています。つまり組み合わせることによって、「いろいろな場所」という意味になる感じなので、比較的簡単な漢字と言えるかもしれません。
上記で紹介した「諸々」も「諸」が使われている漢字となっていますが、「諸」が二重に重なっていることによって「いろいろな」という意味を強めています。
歴史
「諸処」は昔から使われている古い言葉となっていますが、しっかりと歴史的な文献でも見かけることができます。文豪の若山牧水の『渓をおもふ』でも「諸処」は使われているのですが、しっかりと現代と同じ意味合いとなっています。
ずばり「諸所に植え込んだ大きな杉の林もあった。」という文なのですが、「諸所」が使われているものの、やはり昔から使われていることがわかります。「諸処」は「諸所」と言い換えることもできるので、ご安心ください。
ここまで「諸処」の由来や歴史について取り上げてきましたが、最後にそんな「諸処」の英語表記をご紹介します。もしも英会話で「諸処」が使いたくなったら、ぜひ参考にしてみてください。
「諸処」の英語表記
「諸処」は「いろいろな場所」や「様々なところ」という意味を持っている言葉ですが、実は簡単に英語表記にすることができます。日常生活でも使える簡単さなので、英語初心者でもすぐに覚えることが可能です。
この項目では「various place」や「here and there」、「everywhere」、「Lots of places」といった英語表記を紹介していきます。これらは例文を使って使い方を紹介していくので、尚更理解しやすいかもしれません。
こういった英語表記はとても簡単なのですが、いくつか注意点もあります。せっかく英会話で使いたいのであれば、こういった注意点も念頭に置いておいてください。
「various place」の意味
まず紹介していきたい「諸処」の英語表記は「various place」となっています。ずばり直訳して「いろいろな場所」となっているので、しっかりと「諸処」に対応している英語表記なのです。
例文を挙げるならば、「towns in various places」といった使い方をすることができます。もちろん日常会話の中で「I went to various places」と自分の訪れた場所を簡単に伝えることができます。
しかし、「various」は場所だけでなく、他の対象にも使えるのが注意点となっています。もしも「いろいろなもの」を言いたいときは「various things」と言い換えても大丈夫なのです。
「here and there」の意味
次に紹介していきたい「諸処」の英語表記は「here and there」となります。「諸処」は「様々なところ」や「いろいろな場所」という意味を持っている言葉ですが、比較的「あちこち」という言葉に意味が近いかもしれません。
例文を挙げるならば、「Beautiful birds are flying here and there」という使い方をすることができます。訳すと「美しい鳥が彼方此方飛んでいる」と言うことができ、まさしく「諸処」の英語表記と言うことができます。
もしも「various place」という英語を使いすぎていると感じたら、「here and there」を積極的に使っていくのがおすすめです。
「everywhere」の意味
次に紹介していきたい「諸処」の英語表記は「everywhere」となります。中学レベルの英語なので聞いたことはあるかもしれませんが、「どこでも」や「いたるところに」といった意味を持っている言葉となっています。
例を挙げるならば、「I see her everywhere」といった使い方をすることができます。訳すと「彼女をいたるところで見かける」となるので、こちらのまさしく「諸処」の英語表現と言うことができます。
やはり「where」という単語が入っているように対象が場所限定となっています。しっかりと「諸処」と対応しているので、日常会話で使いたくなったらぜひ使ってみてください。
「Lots of places」の意味
最後に紹介していきたい「諸処」の英語表記は「Lots of places」となります。比較的「たくさんの場所」と意味しているような言葉ですが、しっかりと「さまざまなところ」や「いろいろな場所」と訳すことだってできます。
例文を挙げるならば、「I went to lots of places this week」といった使い方をすることができます。訳すと「今週は様々な場所を訪れた」となり、まさしく「諸処」の英語表記となっているのです。
しかし。「Lots of」自体は対象は場所限定でないので、しっかりと物や人に対しても使える言葉となっています。もしも「Lots of」を使いたくなったら、様々な文で使うことが可能です。
「諸処」はいろいろな場所という意味
この記事では日常生活やビジネスシーンで使われる「諸処」の意味や使い方を紹介してきました。ずばり「諸処」は「いろいろな場所」や「様々なところ」という意味を持っているので、場所に限定されている言葉となっています。
こういった意味に加えて「諸処」の英語表記や類語についても取り上げてきたので、もしも使う機会があればぜひ使ってみてください。