ソーシャルの意味とは?
様々なところで目にすることの多いソーシャルという言葉ですが、いろいろな分野や業種を表す使い方もされています。身近な言葉でもありますが、一見縁遠そうな言葉にもソーシャルという単語が使われていたりします。
そんな時ソーシャルってどういう意味だったかしらと思っても、今さら人には聞けないなんてこともあるのではないでしょうか。そんなソーシャルについて語源や意味から使い方までわかりやすくご説明します。
ソーシャルの由来
ソーシャルという言葉はカタカナで表記されることから分かるように英語のsocialがそのまま日本に持ち込まれてソーシャル(ソシアル)となりました。
日本語のソーシャルは「社会の」という意味を表しています。もう少しソーシャルという言葉について深く知るために語源や英語での意味についてご紹介していきます。
語源はラテン語
ソーシャルは社会的などを意味する言葉です。日本語ではソシアルと表記することも多く、ソシアルダンス(社交ダンス)などの単語が有名でした。
社交ダンスはヨーロッパの宮廷舞踏会などのいわば社会的な場所で楽しまれていたことを考えると社会的な意味の強いダンスでもあります。
日本語のソーシャルは英語のsocialが元となっています。やはり「社会」を意味するソーシャルは英語としても定着していますがもともとは「社会」を意味するラテン語が語源とされています。
「仲間」を意味する「socius」と「~の」という関係を表すalisという言葉が合わさって「仲間の」から社会を表すsocailという言葉になったとされています。
socialは「社会の」という意味
語源であるラテン語のもともとの「仲間の」という意味から分かるように英語のソーシャルは「社会の」「社会に関する」「社交的な」など人々の暮らしや生活に関わるという幅広い意味で形容詞として使われることが多くあります。
日本語の「社会」という言葉は明治初期に福地桜痴によって英語のソーシャルの名詞形であるsocietyを訳語として当てられました。
socialは「社会の」という意味から「社交的な」「社交界の」「社会主義の」という意味まで持ち合わせています。
日本でもソーシャルワーカーやソーシャルメディアなどソーシャルとついた多数の言葉が存在しています。
ソーシャルの特徴
ここ数年で急に耳にすることの多くなったソーシャル。「社会の」という和訳では大まかすぎてピンとこないということも多くあります。
ソーシャルという言葉が良く使われている分野や代表的な言葉を例にとってソーシャルという言葉について詳しく見ていきましょう。
IT用語としても使う言葉
ソーシャルの表す意味は「社会の」とお伝えしました。近年はIT用語としても幅広く利用されています。「社会の」という言葉とITが正直結び付きにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。
IT用語で「ソーシャル」という言葉が主に用いられる時には「人と人がつながる」という意味を持たせていることが多いです。
社会とはもともと語源からも人と人(個々)のというイメージがあるのでそのつながりに注目をしたときに利用されています。
IT用語における「ソーシャル」の意味
最近よく聞くソーシャルメディアを例にとってみましょう。ソーシャルメディアとは主にインタネット上で個人個人が発信する情報の事です。個人個人の繋がり=ソーシャル(社会)に注目してソーシャルメディアと言われています。語源の意味から考えると何となくしっくりきます。
もっとわかりやすくするために身近なTVやラジオなどの情報と比べてみましょう。こちらはマスメディアと呼ばれることが多いです。大衆向けに多くの情報を発信するため誰でも行えるものではなく大きな組織が必要になってきます。
ソーシャルメディアが個人個人の繋がりからなる情報なことに対して大きな組織からの比較的一方的な情報であることからも違いがあります。
別の単語と組み合わせて使われる
ソーシャルという言葉は「社会の」という意味ですが、特にIT業界などではインターネット上での人と人のつながりを表すことがあるということがわかりました。
ソーシャルという言葉についてより深い理解を進めるために日本語で良く使われるソーシャルという言葉をいくつか見てみましょう。
ソーシャルワーカー
ソーシャルワーカーは社会福祉事業に携わる人の総称です。元々欧米で、よりよい社会を目指して変革をしていくソーシャルワークを専門とする専門家の呼称でした。
社会的に援助の必要な人の相談に乗ったり相談者を取り巻く環境などから多角的な視野で相談者の援助を行う専門家です。
日本では社会福祉事業に従事する人や、最近では社会福祉士や介護福祉士の資格を持つ人に使われることが多くなりました。
ソーシャルネットワークキングサービス
SNSでおなじみのソーシャルワーキングサービスはインターネット上で人間関係を構築できるネットワークサービスです。社会的なつながりを提供するサービスとなっているのでソーシャルという言葉が入っています。
FacebookやTwitter、LINEなど日本でも多くの人が利用しています。もともとの友人や趣味の仲間と情報を共有したり、共通の知人を介してネット上で新たなコミュニティを作るなど、個人の人々が情報を発信、共有することができます。
このSNS上で提供されるオンラインゲームのことをソーシャルゲームと言います。ゲーム機の代わりにソーシャルネットワーキングシステム上で遊べることからこの名前がついたようです。
ソーシャルの使い方
社会のという意味を持つソーシャルという言葉も身近になってきました。実はソーシャルという言葉には大きく分けて3つの意味で使われることが多いです。
ビジネスでも使われるソーシャルという言葉ですが、使われる分野でちょっと違ったニュアンスを持つことがあります。ここではその使い方について例文もまじえてわかりやすくご説明します。
例文①
「昨日ソーシャルゲームをやりすぎて今日は寝不足です。」この例文で使われている「ソーシャルゲーム」は「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」で提供されているオンラインゲームのことを指しています。
ソシャゲーなどと短く表現する場合もあり、別の言葉と組み合わせて使われていることがわかる文章になります。最近はソーシャルゲームのことをソシャゲーなどと短く表現する言い方も増えています。
例文②
「SNS上でソーシャルハラスメントに合いました。本当にSNSを開くのが苦痛です。」「我社でもきちんとしたソーシャルルールを作成する必要がありそうだ。」
この例文に出てくる「ソーシャルハスメント」とはソーシャルネットワーキングシステム上で嫌がらせをすることです。このようにIT用語では「インターネット上での」という意味で名詞を修飾することが多いです。
「ソーシャルルール」では「ソーシャルネットワーキングシステム利用のルール」のようにソーシャルがつく言葉を省略して使われることも多くあります。
例文③
「A社のフェアトレードで発展途上国からコーヒー豆を購入するビジネスはソーシャルビジネスの成功例とも言えますね。」「我社も責任ある企業としてソーシャルな取り組みにも参加していきたいね。」
インターネット上でのつながりの代名詞としても使われることの多いソーシャルですが、この例文ではもともとの「社会の」という意味が強くあります。
この例文のソーシャルはソーシャルワークのソーシャルと同意味で、社会的問題を解決しようとするビジネスという意味になります。
ソーシャルワークとは様々な社会の問題について持続可能に取り組んでいこうというビジネスに対して使われます。
例文④
「この間取引先といった料理屋は誰が予約したんだ?もう少しソーシャルな雰囲気の店はなかったのか?」「すみません、先方の要望で僕が予約しました。」
英語のsocialには「懇親会」などの意味がありますが、日本語のソーシャルの使い方では一般的ではありません。どちらかというと社交的なという意味で文中で使われることが多いです。この例文でも社交に向いたという意味で使われています。
ソーシャルの注意点
ソーシャルと一言にいってもIT分野で使われるソーシャルと社会課題を意味して使われるソーシャル、社交的なという意味で使われるソーシャルとニュアンスの違いがあるので注意が必要ですが、あらかじめどういった意味で使われるか知っていれば比較的理解しやすいでしょう。
今までは日本でのソーシャルという言葉の使い方についてご説明してきましたが、英語と日本語では若干ニュアンスにちがいがあります。
意味や使い方が異なる場合がある
日本のIT分野でソーシャルが使われる場合は「人と人とのつながりの場」を表します。どちらかというとコミュニケーションツールとしての意味が強いです。
しかし、英語圏特にアメリカではソーシャルという言葉はそういったSNSやソーシャルアプリケーションを意味するだけではありません。
それらから得られたデータをビジネスに活用するという広い意味でsocialという言葉を使うことが増えてきているようです。
「ソーシャル」は「社会的」という意味
解釈の違いはありますが、「ソーシャル」は「社会の」という意味を表しています。IT分野では「インターネット上の社会の」という意味で、ビジネスモデルを表す場合には「社会課題を解決する」という意味合を示します。
また、一般的な会話では「社交に向いた、社交的な」という意味で使われることが多いことがわかりました。
アメリカなどの英語圏ではより広い意味で使われることもありますが、いずれも人々の暮らしや生活に関わる活動を意味しています。いろいろな解釈ができますが、語源なども理解すると理解も広がります。