「少々お待ちください」の意味とは?
あなたは「少々お待ちください」の意味を知っていますか?「少々お待ちください」は、あちこちでよく聞く言葉なのではないでしょうか?たとえばパソコンの操作が分からず、カスタマーサポートに連絡すると、「担当者に代わりますので少々お待ちください」と言われるでしょう。
また、喫茶店などのお店で、コーヒーを頼んだ時も「少々お待ちください」と言われるでしょう。さらに、ビジネスシーンでも「少々お待ちください」は使用されます。取引先を訪れ、応接室に通されると、「少々お待ちください」と言われてしばし待つということがあるでしょう。
「少々お待ちください」はあまりに頻繁に使われるので、あえて意味を考える機会もなかったかもしれません。これを機会に「少々お待ちください」の意味を知っておきましょう。特にビジネスにおいて「少々お待ちください」は多用されるので、意味を知っておくと楽になります。
「少々お待ちください」は敬語表現です。この「少々お待ちください」は敬語として間違っているのではないかと考える人がいます。どういったところが敬語表現として間違っていると考えられているのでしょうか?
また、「少々お待ちください」は英語で表現する場合、どういった英語を使えばいいのでしょうか?ビジネスシーンでよく使用する言葉なので、英語で「少々お待ちください」と言えると英語圏の人が来客した時にも使うことができます。
ビジネスシーンでスマートに英語を使えるようになりましょう。英語が使えると、ビジネスでも大きな戦力となります。また、ビジネス以外でも英語表現を知っていると、様々に応用することができます。例文を合わせて、「少々お待ちください」の英語を見ていきましょう。
しばらくの間、相手に時間を求める
「少々お待ちください」は尊敬を表わす接頭語である「お」と「待つ」に「ください」という丁寧語をつけた言葉です。「少々お待ちください」の「少々」とは「数がわずかであること」や「少し」といった意味です。
「少々」はほんのしばらくの間の意味で、数秒間から数分間の間という意味になります。「少々お待ちください」とは少しの間、相手に時間を求める時に使用します。しかし待ってもらう時間が極端に長くなってしまう場合は、「少々お待ちください」は使用できません。
「少々お待ちください」のメール
あなたは「少々お待ちください」という言葉を、どういったシチュエーションで使っているでしょうか?だいたいが対峙している相手に直接言っているのではないでしょうか?また、電話での取り次ぎの時にも使われます。それではメールで「少々お待ちください」を使用してもいいのでしょうか?
メールでは控えたほうがいい
「少々お待ちください」はメールでも使うことはできますが、使用は控えたほうがいい表現とされています。手紙の場合も同様です。メールや手紙は書き言葉です。そのため自分の声色や表情で気持ちを伝えることができません。話し言葉以上に丁寧な言葉を心掛けなければなりません。
「少々お待ちください」は命令形の言葉です。ビジネスメールでも、もっと柔らかい言い方をすればいいだろうと「少々お待ちくださいませ」と書いたとしても、与える印象はあまりいいものではありません。
ビジネスメールでどうしても「少々お待ちください」を使わなければならない時は、「もう少々お待ちいただけますようお願いいたいします」や「あと少しお時間をいただきたく存じます」といった使い方をするようにしましょう。
使う場合は理由や返信期間を記す
「少々お待ちください」をビジネスメールでどうしても使わなければならない時は、ただ単に「少々お待ちください」と記せばいいというものではありません。丁寧な文章にするために、待って欲しい理由や、いつまでに返事をするかを「少々お待ちください」に付け加えるようにしましょう。
例文を挙げてみましょう。「現在調査中ですので、今しばらくお待ちいただきますようお願いいたします。今週末まではご連絡いたします」といったものです。理由や返信期間を記すと、ビジネスメールをもらった相手に丁寧さが伝わります。
返信は簡潔に
もしあなたが「少々お待ちください」というビジネスメールをもらった場合、簡潔な返信を心掛けましょう。連絡を待ちわびている気持ちはわかりますが、相手は何らかの理由で「待って欲しい」と言っているのです。何度もしつこくメールをして、相手を焦らさないようにしましょう。
返信内容として理想的なのは、「お返事ありがとうございます。調査中とのこと承知いたしました。よろしくお願いします」といったものにして、お礼と承諾の言葉も記すようにしましょう。
「少々お待ちください」は敬語として正しい?
「少々お待ちください」の意味は、要するに「待ってくれ」ということです。この「少々お待ちください」が、正しい敬語ではないのではないかという考え方をする人がいます。
「少々お待ちください」は敬語として間違いなのでしょうか?「少々お待ちください」は「待つ」を丁寧な表現にする接頭語の「御(お)」であり「ください」は「くれ」の丁寧語です。敬語として正しい表現と言うことができます。
「お待ちください」と「お待ちいただく」
「少々お待ちください」を使う場面では、話している人間が相手に待ってくれというお願いをしているというものです。「少々お待ちください」は敬語の中でも尊敬語になります。いっぽうで「少々お待ちいただけますか」の場合、「いただく」という謙譲語になります。
尊敬語として相手を敬う敬語にするのか、謙譲語として自分を下げ、へりくだる敬語にするかという違いです。しかし基本的には相手を敬う敬語であるという点では共通しています。
「少々お待ちください」と「今しばらくお待ちください」の違い
次に「少々お待ちください」と「今しばらくお待ちください」の違いについて見ていきましょう。「少々お待ちください」は相手に待ってもらうよう要請している言葉です。いっぽう「今しばらくお待ちください」は少しの間待機していてもらうよう要請する言葉です。
待機の他、保留してもらったり、控えてもらったりすることも意味しています。「少々お待ちください」より「今しばらくお待ちください」のほうが待ってもらう時間が長くなると言えるでしょう。
長時間待ってもらう時
そもそもビジネスシーンで、相手に長時間待たせてしまうのは良いことではありません。しかし何らかのトラブルが起きる場合もあります。そうした場合は「少々お待ちください」ではなく、「今しばらくお待ちくださるようお願いします」や「今しばらくお待ちいただけませんか」が適当です。
「少々お待ちください」の使い方
ここまで「少々お待ちください」のメールでのマナーや、敬語としての使い方の正しさについて見てきました。次に「少々お待ちください」の具体的な使い方を見ていきましょう。例文を合わせて見ていくので、「少々お待ちください」の様々な言い回しの意味について知っていきましょう。
例文①「少々お待ちくださいませ」
「少々お待ちください」の使い方をする例文の1つ目は、「少々お待ちくださいませ」です。これは「少々お待ちください」に「ませ」という丁寧語「ます」の命令形をつけた言葉です。「ご覧くださいませ」のように接客業で多用されています。
相手に何かをして欲しい時、「くださいませ」と言うことで、その行動を促すことができます。「少々お待ちくださいませ」は相手に「待っている」という行動を促す言葉となります。
「少々お待ちくださいませ」のほうが「少々お待ちください」より丁寧で柔らかい印象を与えてくれます。例文として「〇〇はただいま参りますので、少々お待ちくださいませ」というものがあります。
例文②「少しお待ちください」
「少々お待ちください」の使い方をする例文の2つ目は、「少しお待ちください」です。「少し」は「数や程度がわずかであること」や「いささか」を意味します。例文は「担当の者が参りますので、少しお待ちください」というものです。
ほんのしばらくの間待ってもらうよう依頼する言葉であり、主に数秒間から数分間の間です。「少々お待ちください」と「少しお待ちください」のどちらを使うかは、会社が決めた方針に従うといった具合で充分でしょう。
例文③「しばしお待ちください」
「少々お待ちください」の使い方をする例文の3つ目は、「しばしお待ちください」です。「しばしお待ちください」の「しばし」とは「少しの間」や「ちょっとの間」を意味しています。「しばしのお別れです」や「しばしの歓談をお楽しみください」といった使われ方をします。
「しばし」は「今しばらく」と同じように、「すぐではないけれど、あまり時間がかからない様」のことです。例文として「担当の者が詳しくお話を伺いますので、しばしお待ちください」というものがあります。
例文④「もう少々お待ちください」
「少々お待ちください」の使い方をする例文の4つ目は、「もう少々お待ちください」です。「もう」とは「あとわずかの時間で、ある事になる様」や「間もなく」といった意味があります。「もう終わります」や「もう帰ります」といった言い方を聞いたことはあるでしょう。
「もう少々お待ちください」は、すでに待たせているけれども、予想以上に時間がかかってしまった場合に使います。「少々お待ちください」より相手を待たせてしまう時間が長くなってしまう時に使うといいでしょう。
「少々お待ちください」の注意点
ここまで、「少々お待ちください」の他の言い回しの使い方について、例文を交えて説明してきました。次に、「少々お待ちください」という言葉を使う上での注意点を見ていきましょう。「少々お待ちください」はどんなことに注意をして使っていったらいいのでしょうか?
目上への使用は注意
「少々お待ちください」の注意点として、命令形であるために、目上の人への使用は気をつけなければならないというものがあります。「少々お待ちください」は丁寧語を使ってはいますが、「〇〇してくれ」の意味を表わす命令形の表現です。
たとえ丁寧語であったとしても、目上の人に不用意に使うと、「感じが悪い」と思われたり、「生意気だ」と捉えられる場合があります。目上の人には「少々お待ちください」の使用は控えるようにしましょう。
「少々お待ちください」以外にも、待って欲しい意味を伝えることはできます。「お待ちいただけますか?」や「お待ちいただけますようお願いいたいします」といった言葉で言い換えをしましょう。
「お待ちくださいませ」で柔らかく
「少々お待ちください」が命令形で相手に対して失礼に当たると感じた場合は、語尾に「ませ」をつけて、「少々お待ちくださいませ」と言ってみることもおすすめです。「少々お待ちください」が命令形であることに変わりはありませんが、「ませ」を使うことで柔らかい表現になります。
「お待ちくださいますようお願い申し上げます」
「少々お待ちください」をさらに丁寧にした言い方が、「少々お待ちくださいますようお願い申し上げます」というものです。「少々お待ちください」の後ろに「お願い申し上げます」をつけましょう。
すると丁寧にお願いする形になります。それでも命令形に変わりはないので、「お待ちいただけますよう、お願い申し上げます」といった言葉に言い換えてみましょう。
「少々お待ちください」の英語表記
ここまで「少々お待ちください」の意味や使い方、注意点などを見てきました。最後に「少々お待ちください」を英語でどう表記するかを見ていきましょう。「少々お待ちください」を英語で直訳すると、「Please wait a moment.」になります。
しかし一般的に使われる表現としては「Just a moment」になります。「moment」は「一瞬」の意味の単語です。「少々お待ちください」と言いたい状況で使用できる英語です。「please」を付け加えて、「Just a moment, please.」と、より丁寧な表現の英語になります。
メールで「少々お待ちください」と英語で書く場合は「Would it be possible for~」という表現が適しています。とても丁寧に依頼する時の英語なので、メールでの使用に適しています。例文として「Would it be possible for you to wait by next week?」というものがあります。
「来週までお待ちいただけないでしょうか」という意味になります。接客業の人が英語で「少々お待ちください」と言う場合は「Could you wait for a moment, please?」がいいでしょう。「Could you~」には「~していただけますか?」のニュアンスがあります。
もう1つ、「すぐにお伺いします」といった意味の英語は「I'll be with you shortly.」になります。電話で「少々お待ちください」と英語で言う場合は、「Hold the line, please.」が適当でしょう。
「少々お待ちください」は「少しの間待ってくれ」という意味
「少々お待ちください」とは「少しの間待ってくれ」という意味の丁寧語です。ビジネスシーンで取引先の相手に使ったり、接客業で使ったりします。しかし命令形であるため、失礼と捉えられる場合もあります。
特にメールではうまく伝わりにくいので「お待ちいただけますようお願いいたします」などのように、言い換えをすることがおすすめです。態度や仕草も合わせれば、決して失礼に当たらないので、誠実に応対しましょう。