レコメンドとは
レコメンドは、英語の"reccomend"をカタカナにした言葉です。”リコメンド”と呼ばれることもありますが、同じ意味です。レコメンドは、日本語では”すすめる”という意味で使います。なお、”すすめる”に該当する漢字は複数ありますが、それぞれ使い方が異なります。レコメンドの使い方を正しく理解して、活用しましょう。
意味①勧める
レコメンドはすすめる意味を持ちます。すすめるとは相手にある行為を促したり、ある行為を行うように誘導することを意味します。例文としては、本を読むように勧めるなどの使い方をします。なお、”すすめる”には複数の漢字があり、行為をすすめるという意味では、”勧める”や”奨める”の漢字を使います。”推奨する”や”勧誘する”なども似た意味を持ちます。
意味②推す
相手に、人や物を採用するように促すことを意味します。”一推し”の”推す”も同じ意味です。上の例では、促す対象が”行為”であったのに対し、”人や物”を表す場合は、同じ”すすめる”意味であっても、”薦める”という漢字を使います。
また、レコメンドの別の意味として、推薦するという意味もあります。人や物を採用するように促す場合のレコメンドは、”あなたに彼をレコメンドしたい”の様に使いますが、推薦する意味では、”私は彼をマネージャーにレコメンドします”のように使います。後に説明しますが、英語でも”推奨する”と”推薦する”では、明確な使い分けがあります。
ビジネスでのレコメンドとは【使い方】
レコメンドはビジネスでもよく使われます。ビジネスにおけるレコメンドとは、顧客や利用者の好みを分析して、顧客ごとに適すると思われる情報を提供することを指します。利用履歴やアンケート結果、好みが類似した他者の情報などを分析し、適切な商品やサービスを絞り込んで勧めるすることにより、売り上げや満足度を高める効果が期待されます。
レコメンド機能
レコメンド機能とは、消費者や利用者の趣味や思考に合った商品やサービスを紹介する機能のことです。最近では、ネットショッピング、ホテルの予約サイト、ニュースサイトなど、様々なサービスがレコメンド機能を採用しています。消費者や利用者の購入意欲や契機を逃さないためにも、レコメンド機能はビジネスにおいて重要な役割を持ちます。
なお、レコメンド機能の実装には、多くの場合、AIが使われています。膨大な量のデータから、個人に合った思考を分析し、最適なレコメンドを行うためにAIを活用できます。
人の思考や行動は気分やタイミングによって変わりやすいものです。プログラムは決まったことしか出来ませんが、AIを使うと過去のデータから、未知の事柄や未来を予測できるため、レコメンドへの応用の検討が進んできています。
レコメンドエンジン
レコメンドエンジンとは、レコメンド機能を実現するためのシステムを意味します。レコメンドシステムとも呼ばれます。満足度の高いサービスを提供するためには、レコメンド機能以外にも、ランキングを表示する機能や、以前閲覧した商品を表示する機能、レコメンデーションをメールで配信する機能など、様々な機能を提供する必要があります。
レコメンドとはどう使うのか【例文】
レコメンドとは、おすすめする、おすすめという意味を持ちますが、以下、具体的な使い方を例文で紹介します。名詞としてのおすすめはレコメンド、動詞にするときは、”レコメンドする”のような形で使われています。この後、英語での使い方も併せて紹介しますので、どちらでも使えるようにしておくとスマートです。
おすすめを紹介するときに使用
英語でのreccomendは動詞ですが、カタカナでのレコメンドは、名詞、動詞両方の意味で使われることが多いです。動詞として使うときは、”XX(おすすめする対象)をレコメンドする”という使い方をします。例文としては、”商品をレコメンドする”などの様に使います。名詞として使うときは、”あなたのレコメンドは何ですか?”などの様に使います。
英語文でのレコメンドとは
英語でのrecommendもレコメンドと似た意味を持ち、推奨することや推薦することを意味します。類語としては、"advise(助言する、忠告する)","suggest","propose(考えを提案する)"などが挙げられます。recommendはこれらの類語と比較し、行動を促す意味合いが強いと言えます。名詞は"recommendation"です。
AをBにおすすめする
A(人)にB(物や人)をすすめる際には、"recommend B to A"という使い方をします。例文:I recommend this book to you.(私はあなたにこの本を勧めます。)なお、後述しますが"recommend B for A"という言い方もありますが、こちらはBをAに推薦するという別の意味になるので、注意が必要です。
AをBに推薦する
推薦とは、人をその地位や名誉に適している者として他人に薦めることです。A(人)をBを推薦する際には、"recommend A for B"という使い方をします。上記の例と混同しやすいので、注意して使い分けましょう。例文:I recommend him for a team leader.(私は彼をチームリーダに推薦します)
~することをおすすめする
recommend+doing~(動詞)、recommend+that+〜(動詞)という使い方をします。例文としては、I recommend going by bus.(バスを使うことをお勧めします。)I recommend you that you prepare the tomorrow meeting.(明日の会議の準備をすることをお勧めします。)などの使い方が挙げられます。
◯が△することをおすすめする
これには、何通りかの表現がありますので、それぞれ解説します。まず、recommend+that+○(人)+△(動詞)という使い方です。例文としては、I recommend that you read the book.(あなたにこの本を読むことをお勧めします)I recommended that he attended the meeting.(彼に会議に出席する様に勧めた)などが挙げられます。
次に、recommend+(that)+○(人)+△(動詞)という使い方です。上記と同じ意味の例文を紹介しますが、文法が異なります。例文としては、I recommend you read the book. I recommended he attended the meeting.などが挙げられます。なお、○(人)の部分に来るのは、目的格ではなく、主格になりますので、注意が必要です。
他の関連語との違い
レコメンドの関連語(類語)としては、suggest(提案する)、advise(アドバイスする)などがあります。これらは英語との関連が深いため、英語での使い分けも併せて紹介します。特に、ビジネスではこれらの使い分けによって、相手に与える印象が大きく変わることもあるため、うまく使い分けできるとスマートです。
suggestとの違い
suggestは提案するという意味ですが、レコメンドよりも、相手の意見を尊重しつつ、控えめに意見や考えを伝えるときに使います。控えめに提案したい場合にはsuggestが適しています。一方、おすすめする対象が具体的な場合や、強く勧めたい場合は、recommendを使うのが適していると言えるでしょう。
advise(アドバイス)との違い
advise(アドバイス)は、助言することを意味します。情報を相手に与えるという意味では、レコメンドと似ていますが、助言ですので、付加的な情報を与えるというニュアンスが強いです。また、adviseには忠告する意味もあり、この場合は少し上から強めの表現になります。なお、adviseは動詞ですが、名詞形の場合はadviceと記述します。
レコメンドとは人におすすめする時に使う言葉
レコメンドは、相手に行動を促したり、物や人、行動をすすめたり、促す時に使う言葉です。ビジネスにおけるレコメンドとは、顧客や利用者の好みを分析して、顧客ごとに適すると思われる情報を提供することを指し、利用者や消費者の購入意欲を逃さず、満足度を高めるためにも、適切なレコメンドは重要な意味を持ちます。
また、カタカナでも英語でも、レコメンドには、suggest(提案する)、advise(アドバイスする)などの類語があり、それぞれニュアンスが異なるため、ケースに応じて使い分け、ビジネスにおけるコミュニケーションの向上に活用してみてください。