希望の意味
「将来の希望」「希望を持つ」など、「希望」という言葉はかなり良く使われている言葉です。「希望」という言葉は毎日のように使うことはなくても、耳にすることも口にすることも結構多い言葉だと言えます。そんな「希望」という言葉ですが、深く意味を知っているという人は少ないでしょう。
まずは、普段何気なく使っている「希望」という言葉にはどのような意味があるのかをご紹介しましょう。
①こうなって欲しいと願う事
「希望」という言葉の意味の一つ目は、「こうなって欲しいと願う事」という意味です。「こうなって欲しいと願う事」と言われると小難しい感じがしますが、要は「新しい車が欲しい」などということです。「猫と一緒に住める部屋に住みたい」「おいしいご飯が食べたい」なども「こうなって欲しいと願う事」です。
「こうなって欲しいと願う事」という意味での「希望」は「願えば叶うような望み」で、今すぐにでも叶える事が出来る身近なことも含まれます。
②明るい見通し
「希望」という言葉の意味の二つ目は、「明るい見通し」という意味です。例えば「志望する大学に進学して、大企業に就職したい」というのは、「明るい見通し」という意味での「希望」です。他にも「戦争のない平和な世界になって欲しい」というのも、「明るい見通し」という意味での「希望」になります。
「明るい見通し」という意味での「希望」は将来への展望を含む「今すぐには叶えられない望み」で、もしかしたら叶うことがないかもしれないということに対しても使われます。
希望による願望と期待の違い
「希望」という言葉の意味をご紹介しましたが、次はその「こうなって欲しいと願う事」と「明るい見通し」という意味との違いについてご紹介します。「こうなって欲しいと願う事」は「願望」を表す意味であり、「明るい見通し」は「期待」を表す意味です。先にも少し触れたように、この二つの意味は少し違います。
「希望」というのは「願望」と「期待」を表しますが、この「願望」と「期待」の違いについてご紹介しましょう。
願望とは
「希望」する時に抱く「願望」は、「欲求」でもあります。「ご飯が食べたい」「漫画を読みたい」などといった小さな願いのことでも「希望」と言いますが、それらは「願望」という意味での「希望」になりますので「期待」とは違います。また「乗馬を習いたい」という「希望」は「願望」と「期待」のどちらの意味にも取れます。
既に行きたい乗馬スクールを見つけて、そこに通う段取りまで計画できていたなら「願望」という意味での「希望」になりますし、「乗馬スクールはないけどいつか習いたい」ということなら「期待」という意味での「希望」になるといった具合の違いがあります。
先にもご紹介したように「希望」を「願望」の意味で使うのは、「今すぐにでも叶えられる望み」に対してだということです。
期待とは
一方「希望」する時に抱く「期待」は、「将来への展望」です。今すぐに叶えることは出来ないけれど、いつか叶えられるようにという「期待」の意味での「希望」ということです。「期待」という意味での「希望」は、自分自身の個人的な期待だけを指すわけではないという点で「願望」という意味との違いがあります。
もちろん、個人的な「願望」に近い「期待」というものもあります。自分の将来に対する「希望」は「願望」でもあり「期待」でもあると言うことができます。
世界平和を望むという「希望」も、大きな「期待」である「希望」です。「願望」の「希望」とは違い、今すぐにでも叶えることが出来る欲求を示すものではありません。このように「希望」による「願望」と「期待」には違いがあるということを覚えておきましょう。
希望の類語①【願望】
それでは「希望」という言葉の類語についてご紹介していきます。「希望」という言葉は「願望」という意味で使われる時と「期待」という意味で使われる時があるとご紹介しました。なので「希望」という言葉の類語もそれぞれの意味に対応するものを差します。ということは「希望」という言葉の類語は、二種類の意味合いを持つ言葉になります。
「願望」と「期待」の二つの意味を持つ「希望」ですが、まずは「願望」という意味での「希望」の類語をご紹介しましょう。
類語①本懐
「願望」の意味での「希望」の類語の一つ目は、「本懐」です。「本懐」という言葉は時代劇などに出てくる程度なので、日常的にはあまり使われることがありません。「男子の本懐を遂げる」などといった使い方をしますが、「本懐」の意味は「もとから抱いている願い」という意味です。
また「本懐」の意味には「本望」も含まれるため、「願望」という意味と「期待」という意味の両方を併せ持つ「希望」の類語です。
類語②志願
「願望」の意味での「希望」の類語の二つ目は、「志願」です。「志望」は「志望校」「志望大学」などという使い方をする言葉で、日常生活にも結構なじみのある言葉です。比較的近い未来への展望を含む言葉なので、「願望」の意味とも言えますし「期待」の意味であるとも言える「希望」の類語です。
類語③宿願
「願望」の意味での「希望」の類語の三つ目は、「宿願」です。「宿願」という言葉も「本懐」と同じように、日常生活の中ではあまり使われる言葉ではありません。「宿願」は「以前から持ち続けていた願い」という意味で、「宿願を果たした」といった使い方をしますので「願望」の意味での「希望」の類語と言えます。
類語④悲願
「願望」の意味での「希望」の類語の四つ目は、「悲願」です。「悲願の優勝」などといった使い方がされる「悲願」の意味は、「実現を心から願う悲壮なほどの願い」です。「悲願」はとても強い「願望」を表す言葉ですので、「願望」の意味での「希望」の類語と言えます。
類語⑤心願
「願望」の意味での「希望」の類語の五つ目は、「心願」です。「心願」という言葉はあまり使われないため意味を知らない人も多いでしょう。「心願」は「心からの願い」という意味ですので、「悲願」に近い使い方をする言葉です。なので「心願」は「願望」の意味での「希望」の類語だと言うことができます。
希望の類語②【期待】
「願望」の意味での「希望」の類語についてご紹介しましたので、次は「期待」という意味での「希望」の類語をご紹介します。「願望」と「期待」とでは意味が違うので、それぞれに対応する類語は違ってきます。「願望」の意味での「希望」の類語は誰かの強い願いを意味する言葉が多かったですが、「期待」の意味での類語は少し違います。
それでは、「期待」の意味での「希望」の類語にはどのような言葉があるのかをご紹介しましょう。
類語①見込む
「期待」の意味での「希望」の類語の一つ目は、「見込む」です。「見込む」の意味は「あてにする」という意味で、いかにも他力本願です。「願望」という意味での「希望」の類語には「強い願い」がありますが、「見込む」には強い願いはないのに何かに期待しているニュアンスがあります。なので「見込む」は「期待」の意味での「希望」の類語になります。
類語②待望
「期待」の意味での「希望」の類語の二つ目は、「待望」です。「待望」の意味は文字通り「待ち望む」です。「待望」は、「待望の新人」「待望のワイン解禁」などといった使い方がされますが、「強い願い」ではなくただ「待って望んでいる」ということになりますので、「期待」の意味での「希望」の類語だと言えます。
類語③所期
「期待」の意味での「希望」の類語の三つ目は、「所期」です。「所期」の意味は「期待していることがら」という意味で、「所期の目的が達成される」などといった使い方をします。意味に「期待」という言葉が入っていますので、この点だけでもすでに「期待」の意味での「希望」の類語であると言えます。
類語④嘱望
「期待」の意味での「希望」の類語の四つ目は、「嘱望」です。「嘱望」の意味は「才能などに将来への望みをかけること」で、「将来を嘱望されたピアニスト」などという使い方をします。「将来への望みをかける」という意味がありますので、「嘱望」も「期待」の意味での「希望」の類語の一つであると言うことができます。
類語⑤光明
「期待」の意味での「希望」の類語の五つ目は、「光明」です。「光明」の意味は「逆境などの苦しい状況の中で見出す希望」で、「一筋の光明が見えてきた」などの使い方がされます。逆境の中の一筋の光なので、「願望」ではなく「期待」の意味での「希望」の類語になります。
希望の対義語
「希望」という言葉の類語を「願望」という意味と「期待」という意味の両方でご紹介しましたが、次は「希望」の対義語をご紹介します。「希望」の対義語に当たる言葉は「希望」の意味である「強い願い」や「明るい見通し」とは違い、あまり明るい意味やイメージを持つ言葉ではない言葉になります。
「強い願い」や「明るい見通し」という「希望」の意味とは違い、やや暗い意味を持つ「希望」の対義語についてご紹介しましょう。
①失望
「希望」という言葉の対義語の一つ目は、「失望」です。「失望」という言葉の意味は「期待外れでがっかりする」「希望を失う」といった意味で、「期待」の意味での「希望」とは正反対の意味になります。「失望」は「失う望み」と書き、まさに「希望」の対義語であると言えます。
②絶望
「希望」という言葉の対義語の二つ目は、「絶望」です。「絶望」の意味は「望みが全くなくなること」「望みが絶えること」と、同じ「希望」の対義語である「失望」よりさらに暗いイメージの対義語になります。「絶える望み」と書いて「絶望」ですので、「絶望」は明るい意味を持つ「希望」の対義語としてふさわしい対義語であると言えます。
希望の使い方と例文
「希望」という言葉の意味や類語や対義語についてご紹介してきましたが、次は実際に「希望」という言葉をどのような使い方で使えば良いのかを例文でご紹介します。「希望」という言葉は日常生活においても結構使われる言葉ですので、例文などなくても使い方はわかるという人も多いでしょう。
ですが改めて「希望」の使い方を例文で学んでおくことも悪いことではありません。それでは「希望」という言葉の使い方の例文をご紹介しましょう。
①将来の希望に対する熱い思い
「希望」という言葉の使い方の例文の一つ目は、「将来の希望に対する熱い思い」という意味での「希望」の使い方の例文です。「希望に燃える」という言葉を聞いたことがある人は多いはずですが、「希望が燃える」のではなく「希望に燃える」というのがこの例文のポイントです。
「希望に燃える」という例文を使ってさらに、「希望に燃える新入生諸君に期待する」という例文を作ることもできます。
②特定の会社に入社したいという願い
「希望」という言葉の使い方の例文の二つ目は、「特定の会社に入社したいという願い」を表したい時の例文です。入りたい会社に対して「御社に入社したいです」という言い方ではいかにも子供っぽく、あまり良い印象を与えません。こういった時には「御社への入社を希望いたします」といった言い方をすると、きちんとした印象になります。
自分の願いを「希望します」という言い方にすると少し改まったイメージになりますので、覚えておきましょう。
希望の英語表現
次に「希望」の英語表現についていくつかご紹介します。「希望」の意味は「こうなって欲しいと願う事」と「明るい見通し」で、それぞれ「願望」と「期待」のニュアンスがあります。そのため「希望」の英語表にも、ニュアンスの違ったいくつかの英語が当てられています。
「こうなって欲しいと願う事」「願望」と「明るい見通し」「期待」とでは英語表現においてどのような違いがあるのか、「希望」の英語表現についてご紹介しましょう。
希望の英語表現はニュアンスが違うものがいくつかある
「希望」の英語表現にはいくつかありますが、まずは一般的に良く知られている「hope」です。この「hope」は「期待」というニュアンスで使われることが多い英語表現です。また「wish」も「希望」の英語表現として良く使われますが、こちらはどちらかといえば「願望」の意味合いが強いです。
他には「desire」も「希望」の英語表現の一つとして挙げられますが、こちらは「要望」という意味での使い方になりますのでニュアンス的には「願望」になります。
希望には2種類の類語が存在する
「希望」という言葉の意味や類語、対義語などをご紹介してきましたが如何だったでしょうか。「希望」という言葉の意味は「こうなって欲しいと願う事」と「明るい見通し」ですが、簡単に言えば「願望」と「期待」という2種類が「希望」の意味で、その2種類の類語が存在するということを覚えておくと良いでしょう。