「聡明」の意味
「聡明」という言葉を聞いて、どんな人を想像しますか。まず、この聡明は「そうめい」と読みます。古くからある言葉で、昔から現在に至るまで同じ意味の使い方をされてきました。かつては神様へのお供え物の意味としても使用されていましたが、こちらは現在は使われていない使い方です。現在も使われている聡明の意味をここでは紹介しましょう。
意味①物事の理解が速く賢いこと
聡明という言葉は、物事に対する理解が速く賢いことを意味します。こういった人はビジネスの場で是非とも欲しい人材であると言えます。賢いと聞くと、「知的」という言葉を想像しますが、聡明と知的は少し意味、使い方が異なります。知的は知識や知性に富んでいる様子を表す語で、知識そのものに重点を置かれた言葉です。
意味②理解力・判断力が優れていること
聡明には、理解力や判断力に優れていることという意味もあります。物事に対する善し悪し等の判断が素早くでき、又優れた観察力で相手や物事に対しての賢い判断、配慮ができます。人の気持ちや状況を上手く察し行動できる為、こういった人はビジネスの場だけではなく日常の人間関係でも大いにモテる存在です。「聡明」は褒め言葉にもなります。
聡明の「聡」という漢字には耳がよく聞こえるという意味があることから、理解力や判断力に優れ、賢いという意味になりました。聡明の「明」は明るい状況を指すことから、目がよく見え物事を瞬時に判断できるという意味があります。この2文字が組合わさることで、「聡明」の意味は先に説明したような意味になるということです。
「聡明」の類義語と意味
聡明という言葉の意味が分かったところで、聡明と同様に理解力が速く判断力が優れているといった意味を持つ類義語とその類義語の意味を見てみましょう。類義語とは言えど、漢字も読み方も異なる言葉であることから、若干意味のニュアンスが言葉によって変わってきます。ニュアンスが変われば言葉の使い方も変わる為、どの類義語が適切か見極めて下さい。
①英邁
まず1つめの聡明の類義語は「英邁」です。「えいまい」と読みます。これは才知が特に優れているという意味がある言葉です。才知とはつまり才能や知恵のことで、それが優れている様子を表します。「英邁な君主」といったように例文は表すことができます。「邁」という漢字はどこまでも進んでいくといった意味です。
②明哲
2つめの聡明の類義語は「明哲」です。この類義語は、知恵があり聡明で物事の道理に通じていることという意味があります。意味の中にも聡明という言葉が登場し、聡明の類義語として相応しい意味を持つ言葉と言えます。「明」には先述した通りの意味がある上、「哲」には賢いや物事をずばりと切ることができ、尚且つ適切であるという意味があります。
③聡慧
3つめの聡明の類義語は「聡慧」です。この類義語は聡明で且つ才知があることという意味があります。意味に既に聡明の言葉が含まれている上、聡明の「聡」と同じ漢字が使用されています。又、英邁と同じく、才知という言葉も使用されており、この言葉も聡明の意味と似た類義語として相応しい熟語と言えます。「慧」の字には賢いという意味があります。
④英明
4つめの聡明の類義語は「英明」です。この類義語は才知が優れ、物事の道理に明るいことという意味があります。こちらも英邁と同じく例文として「英明な君主」といったような形で表せます。「英」の字には優れているや秀でている等といった意味があります。聡明の意味ともよく似ている為、英明も聡明と似た意味の類義語として相応しいと言えるでしょう。
「聡明」の対義語と意味
では反対に、ここからは聡明の対義語です。理解力や判断力に優れ、物事の理解が速く賢いことを表すのが聡明の意味であると紹介してきました。そうであるならば、単純に言って聡明の対義語となる言葉の意味は、理解力や判断力に欠け、物事を理解する力が劣っているということになります。では具体的に聡明の対義語となる言葉とその意味を見てみましょう。
①愚昧
まず1つめの聡明の対義語は、「愚昧」です。「ぐまい」と読みます。この対義語は愚かで道理を知らない、又は分からないという意味があります。愚か者等と表現する際の「愚」という漢字が使われ、良い印象を受けません。又、「昧」の漢字にもよく見えないといった意味があり、理解をする上で物事がよく見えていない様子を表しています。
②迂愚
2つめの聡明の対義語は「迂愚」です。「うぐ」と読みます。この対義語は世間の事情や物事に疎く愚かであることという意味があります。この言葉にも「愚」という漢字が使用されています。「迂」は物事に疎いやまわりくどい等の意味です。迂遠や迂闊といった言葉に使用され、こちらもまた対義語に相応しい意味を持つ印象の悪い言葉ばかりです。
③蒙昧
3つめの聡明の対義語は「蒙昧」です。「もうまい」と読みます。この対義語は知識が開けず、物事の道理に暗いことといった意味があります。「昧」と同じように「蒙」には暗いや愚かといった意味があり、聡明の対義語としてぴったりの意味を持つ言葉です。「無知蒙昧」という四字熟語も存在し、意味は学がなく物事の道理に暗いことを表します。
④頑愚
4つめの聡明の対義語は「頑愚」です。「がんぐ」と読みます。この対義語は頑で愚かであること、又道理に暗いことという意味があります。「頑」には頑張る等といった明るい意味の言葉も存在しますが、漢字の意味の中には頑や融通が利かないといったあまり良くない意味も存在します。そこに「愚」が加えられている為、対義語に相応しい意味になります。
「聡明」の使い方
聡明の意味や類義語や対義語が分かったところで、実際に聡明という言葉を使う使い方についても紹介します。意味を見る限りとても良い言葉であり、言われた人は嬉しく感じるでしょう。聡明の使い方を学び、そういった人へ使えるようにしましょう。後程の項では聡明の例文も紹介する為、使い方と合わせて学んでください。
人の優れた様子や能力を表す
聡明は誰か人に対して、その人の優れた能力や様子を表すといった使い方をします。賢い人や優れた能力を持つ人に対しての褒め言葉としての使い方ができる為、是非周りにいる聡明な人に対して「聡明ですね」というふうに使ってみましょう。又、「聡」の漢字そのものが良い意味を持つ漢字ですので、しばしば男性の名前として「聡」が使われます。
「聡明」の例文
聡明の使い方が分かったところで実際に聡明を使った例文を見てみましょう。褒め言葉とはいえ、間違った使い方をしては逆に失礼にあたることもあります。使い方と併せて、例文も是非学んでおきましょう。ここでは能力を表す際と人の優れた能力を表す際の2つのシチュエーションを想定して、例文を作成していきます。
①能力を表す意味の例文
まず1つめの聡明の例文は、人の能力を表す際の例文です。聡明を使って、人の能力を評価した例文になります。
例文は、「あの人はとても聡明な人なので、平社員にとどめておくのはもったいない」です。会社に入社し、それなりの成果を発揮してきているのに未だに平社員のまま役職をもらえていない人に対して、出世を後押しするような例文になります。
聡明であるということが、会社や人に対しての大きな評価に繋がり、その後のその人のステップアップにもなります。こんな聡明な人、こんな素晴らしい人を平社員で置いておくのは会社の損失にもなりかねないと。そこまで言うと大袈裟になってしまうかもしれませんが、聡明という言葉はそれだけ褒め言葉として素敵な言葉と言えるでしょう。
②人の優れた様子を表す意味の例文
2つめの聡明の例文は、人の優れた様子を表す際に使用できる例文です。使い方としては1つめの例文とほとんど同じですが、また別の例文として作成してみます。
例文は、「君のチームに入っている彼女はとても聡明で羨ましいよ」です。仕事や学校等で自分とは違うチームや斑にいるある特定の人物がとても聡明で素晴らしい人だから、そんな人と一緒に何かをできるのを羨んでいるといった例文になります。
実際に聡明な人と一緒にいる人ではなく、外からの意見として述べられた例文であることから、多くの人も同じように感じていると暗に示していると言っても過言ではありません。それだけ能力の高い人と仕事ができるというのは周りからするととても羨ましいことです。そのことを理解した上で、そういった人を大事にしなさいという思いも込められています。
聡明な人の特徴
聡明は人に対して使う言葉です。では、理解力や判断力に長けた能力の高いそんな聡明な人には何か特徴があるのでしょうか。ここからはそんな聡明な人の特徴を紹介します。自分の周りに今から述べる特徴に当てはまる聡明な人は果たしているでしょうか。もし特徴に当てはまる聡明な人を見つけたら今まで学んだ使い方や例文を使い是非褒めてみましょう。
①仕事が速い
まず聡明な人の1つめの特徴は、仕事が速いことです。聡明であるということは賢いということがまず第一にあります。そして、聡明は知的という賢さだけではなく、物事に対する理解が早いという意味も含まれている為、その力が仕事の速さにも繋がっていると言えます。又、単に仕事が早いだけでなく、正確性の高さや内容の充実も含まれます。
②冷静
聡明な人の2つめの特徴は冷静です。聡明な人は大変な状況であっても焦らず慌てずに周りをよく見て行動できます。つまり理解力や判断力に長けている為、大変なその状況の乗り越え方を判断する力があるということです。聡明な人は冷静さを常に保つことができる為、大事な判断を下すときも正確な判断を下すことが可能と言えます。
③判断力が優れている
3つめの聡明な人の特徴は、判断力が優れていることです。これは聡明という言葉の意味にもなっている特徴であり、聡明である人の根幹となるような特徴と言えるでしょう。物事の状況や雰囲気を察知する能力が高い為、状況に応じた正確な判断を下すことが可能です。仕事の場だけでなく、自分の人生そのものの大事な判断も間違えません。
④理解力が高い
4つめの聡明な人の特徴は理解力が高いことです。これも聡明という言葉の意味にもなっている特徴になります。理解力が高いということは、説明された内容をすぐに理解できたり、経験のないようなこともやり方をすぐに理解し取り組むことができるということです。又、こういった聡明な人は記憶力も高いといった特徴も持ち合わせていることが多いです。
⑤礼儀正しい
5つめの聡明な人の特徴は、礼儀正しいです。聡明な人は自分にとってどうすることが一番良いのかを理解している為、他人を敵に回すような真似はしません。相手が不愉快になるような態度を取ることで自分にダメージがあると考えられる為、きちんと相手に挨拶したり周りに対して礼儀正しい態度を振る舞います。これが後々様々な場面で生きてきます。
又、そういったことから礼儀正しい聡明な人は、他人から嫌われるような行動はしません。そういった行動は、自分にとってダメージになることを理解している為、自分に絶対的にダメージとなるような人に対して嫌な言動をする等といったことはありません。周りに敵を作ると損になることを理解している為、自然と周りからも好意的に見られます。
⑥無謀なことはしない
6つめの聡明な人の特徴は、無謀な行動をしないことです。その場の状況を的確に素早く判断できる能力を持っているのが聡明な人の特徴である為、自ずと意味のないことや無駄なことにはしません。それにより、失敗が少なく堅実に人生を歩めます。ある意味では人生に於いてのスリルを感じにくくなりますが、堅実さを求めるのであればそれも良しです。
⑦物静か
7つめの聡明な人の特徴は、物静かであることです。聡明な人は騒ぐことや余計なことを発言することに意味がない、メリットを感じないと察した場合はそういった行動をとらず、静かにしています。物静かで寡黙であることから、周りの人は聡明な人に対して知的やミステリアスと感じることも多いでしょう。
⑧本音を言わない
8つめの聡明な人の特徴は、本音を言わないことであり、これはある意味聡明な人の数少ないデメリットとも言える特徴です。自分にとって損であることを避ける為、嫌なことでもやることで無謀な争いを避けたり、本音や愚痴を言って自分の気持ちを晒しません。本音を言うことで嫌われることを避ける傾向もあり、他人の顔色を伺う人が多いです。
聡明でモテる人間になる方法
聡明な人は異性からモテることが多いです。聡明な人の特徴等見てきましたが、実際聡明でモテる人間になる為にはどうすれば良いのでしょうか。ここから紹介する聡明でモテる人の特徴は男女問わず当てはまる項目です。又、恋愛に限らず良い人間関係を構築する為にも役立つ内容ですので、聡明な人を目指す方は特にチェックしてください。
心に余裕を持つ
まずは心に余裕を持つことです。聡明な人が巧みな理解力や判断力で頭を素早く回転させている間は、必ず集中をしています。集中して物事を考えられるということは余計な物を排除してそれだけ余裕を持っているということです。ガツガツしすぎず、常に穏やかな気持ちでいることで理解力や判断力に長けた聡明な人へ近付きます。
相手の価値観を受け入れる
次に相手の価値観を受け入れ、相手の話にしっかり耳を傾けることです。相手の話を聞き、価値観を受け入れることで相手のことを知ることができ、時には今まで知らなかったことを知るきっかけにもなります。自分へのメリットに関して敏感な聡明な人だからこその処世術と言えます。その為、相手から話しやすいと感じてもらえモテることにも繋がります。
自分を好きになる
次に自分のことを好きになることです。自分のことが好きではない人は自然と相手のことも受け入れることができなくなっています。周りの意見を聞いたり受け入れることができない為、結果的に人としての評価も下がります。まずは自分のことをよく理解し、好きになり、自信を持つことが必要です。自分を知ることで自分の意志をしっかり持てる人になれます。
常に勉強をする
次に常に勉強をし、知識を蓄えましょう。理解力や判断力をより高性能に磨く為には知識が必要です。その知識をえる為には勉強することが必要となります。学校で学んできたような内容はもちろんですが、本をたくさん読んだり、知識の深い人と会話することでも自分の知識を深めることができます。知識を蓄えることで理解力や判断力の向上にも繋がります。
上品さを身に付ける
次に上品さを身に付けることです。頭の回転が速く、知識量の多い人でもその言動が下品な人は老若男女問わず好かれることはありません。マナーを守らない人は周りからの信用が減り、何か話したいなという気持ちを削いでしまいます。自分の言動が周りからどう見られているのか、恥ずかしい言動になっていないかを今一度見直してみましょう。
自立する力を向上させる
次に自立する力の向上です。理解力や判断力に長けている聡明な人は、自分自身の行動も他人を頼りすぎず自らしっかり考えることができます。何か困り事が発生しても、まずは自分で考え調べ行動します。決して他力本願にはなりません。しっかりと自立できれば自然と自分自身の自信にも繋がり、判断力の向上にも繋がります。
自分に厳しくする
最後は自分に厳しくすることです。自立するにも知識を蓄えるにも自分に甘く適当にしていては聡明な人への道は遠いままでしょう。何をするにも継続して自分に鞭打ち行動することで、なりたい自分になれるスピードも早くなります。聡明な人を目指す人も、今現在既に聡明である人も自分に厳しくすることが「聡明な人」の大事な条件です。
聡明とは言えない人の特徴
聡明な人の特徴や聡明で持てる人になる為に必要な事等を紹介してきましたが、ここからは聡明とは到底縁遠いとされる人の特徴です。この特徴に当てはまる人は聡明への道は遠い為、もし聡明な人を目指しているのであれば、今すぐ自らの行動を見直し改善できるように心がけましょう。
感情を剥き出しにする
まずはすぐに感情を剥き出しにすることです。こういった人は聡明を目指す目指さないに関係なく、人として誰もが好きなれません。知識が豊富な人でも感情を剥き出しにし、自分のことばかりを主張するような人は聡明な人とは縁遠い存在です。仕事でもプライベートの場でも話し辛い印象を与え、賢くない人だと見なされてしまいます。
露出の高い服ばかり着る
次に露出の高い服を着ることです。感情面での話ではなく、これは主に女性に言えることですが、こうした見た目の面でも聡明で有る無しは大きく関係します。露出の高い服は下品と捉えられることも多く、その上そのような格好で騒いだりすれば一発でアウトです。内面では聡明の要素をたくさん持っていても外見の印象が違えば、相手の印象は変わります。
空気を読めない
次に空気が読めないことです。自分のことばかりで周りの人や状況のことを無視した行動は悪い印象しか与えません。そうした配慮のない行動は人としての評価を格段に下げてしまいます。その点聡明な人は、まず周りを良く見て、どうすることが一番良いのかをしっかり考え行動できる特徴がある為、空気の読めない人とは真反対の位置にいることになります。
人のプライベートを知りたがる
最後は人のプライベートを知りたがることです。相手のことを知りたい、距離を縮めたいと思ってもプライベートなことまでずかずかと侵入していくようではいけません。プライベートなことをやたらと聞きたがるという行動だけでも人の心を理解できない失礼な人間だと判断されます。深い関係を築きたい時も徐々に心の距離を縮めるようにしましょう。
「聡明」は物事の理解が速く賢いこと
紹介してきたように聡明な人は理解が速く賢い人であり、誰もから憧れられるような存在の人を指します。そういった聡明な人になる為には、学問だけの知識だけではなく人生を生きる上での様々な知識を蓄え、常に冷静で周りをよく見ることです。そしてもちろん、相手ばかりではなく自分自身も大切にできる人が完璧な聡明な人と言えるでしょう。