ハルジオンとは
ハルジオンという花を知っていますか?ハルジオンの花は大正時代に北アメリカから多年生雑草として入ってきました。現在では日本全域で生息しています。花は直立した茎の中には中空で上部で分岐して、高さが50〜100センチほどに成長します。
根生葉と茎の下部につく葉はへら状で楕円形で荒い鋸歯を持ちます。茎につく葉の形は長楕円形で基部が耳形で茎を抱きます。また、茎と葉の表面には白毛が密生しているため、手触りはスベスベしています。和名は春紫苑です。なお、本種は多年生ですが、自生環境に適応して1-2年草の生活史を送る場合もあります。
ハルジオンの特徴
ハルジオンの特徴は、冬を越す為に刈り込みや踏みつけに強く出来ています。越冬できたものは春先になると一気に成長する性質があります。種子と茎根に繁殖力が強く、群生する事もあります。なので、繁殖した場所から生育域が着実に広がっていくこともあります。
ハルジオンの防除される場合は、初期段階で駆除されるのをおすすめします。ハルジオンの種子に冠毛があるため風による伝播が起こりやすく、遠くまで種子の拡散が可能です。
ハルジオンの生態
種子からの発生は夏から秋にかけて起こります。開花期は春から初夏(3-7月)で、茎の上部の枝先にキクの花に似た直径1.5-2.5cmほどの小さな頭状花を多数つけます。冬の時期は越冬をします。舌状花が主に白色に近い個体が多いですが、まれに淡紅紫色の個体も存在します。開花前は花序全体がうなだれるように下を向きますが、開花後は上を向きます。
種子は扁平の広線形で淡黄色をしており、白い冠毛を持ちます。種自体の休眠時期はありません。また、根茎を横に伸ばしそこから芽を出して新しい植物体を発生させる栄養繁殖も行います。なお、種子は風、雨、動物、人間などから伝達されています。
ハルジオンの開花時期
ハルジオンの開花時期は4〜5月、6月上旬くらいまでです。その名の通り、春先から開花しだしします。ただ、種には休眠期間がないので土の中では活動をしています。土壌の中では活動が出来るので、種子が落下したところに大量に開花することもあります。ハルジオンは、牧場や畑や道端などの窒素が多い場所を好んで咲いています。
沢山の種類の花が咲き誇る春にハルジオンも咲きます。とてもかわいらしい花で生命力の強い植物なので、ハルジオンを公園などでも見かけることも多いでしょう。花言葉とは裏腹に春に密集して咲いたりもしています。
ハルジオンの色
ハルジオンの舌状花の色は白、ピンク、薄紫などである。主に白を目にすることが多いでしょう。まれに、白に混じってピンクや薄紫のコントラストのような色になることもあります。黄色い大きな筒状花の回りに車状にきれいに並びます。緑色の茎に黄色の柱頭で白やピンク、薄紫の色の鮮やかな色の花です。
色んな花の種類があり、沢山の色を咲かせる花がありますが、ハルジオンの色は白、ピンク、薄紫の色があります。この綺麗な色をつけるハルジオンの花言葉をみてみましょう。
ハルジオンの花言葉
ハルジオンの花言葉は「追憶の愛」です。悲しげで寂しい花言葉ではあります。この由来は、茎の中が空洞になっている事ツボミの状態だと下向きに垂れていることでうなだれている状態をみて付けられたとも言われています。この状態から「過去の恋愛を思い出している」ような様子に見えたのでこのような言葉がつけられたとも言われています。
ハルジオンは貧乏草と呼ばれることもあるので、花言葉から呼ばれていると思っている方も多くいらっしゃいますが、実はそのようなことはなく、ハルジオンには少し儚げな花言葉があったのです。
そして、貧乏草と呼ばれるような花言葉の意味も持ち合わせていません。沢山ある花の種類の中でも力強さのある花であること、そして綺麗な花が咲きます。では、なぜ花言葉でもない貧乏草と呼ばれるようになったのかは、別の項でお話することにしましょう。
ハルジオン固有の花言葉は存在しない
ただ、残念ながらハルジオンの花言葉は存在しません。先程、ご紹介した花言葉は、固有の花言葉ではなく花の名前にも入っている「シオン」についての花言葉です。これは、「紫苑」という属性のものになります。なので、先程ご紹介した花言葉は「紫苑」という花の花言葉と同じものです。同じ属性の「紫苑」属性の花言葉になります。
「紫苑」属性の花にはいくつかの種類があります。どの花にも属性の花言葉が付いています。ハルジオンもその一つになります。
シオン属の花言葉
シオン属の花言葉には「追憶」「君を忘れない」「遠方にある人のことを想う」と少しさ淋しげな言葉が多いようです。「追憶」「君を忘れない」という言葉は「今昔物語集」にある父の死を悼む兄弟の物語にちなんでいるとも言われています。父が亡くなり兄弟で欠かさずお墓参りに行くようになります。
しかし、兄は仕事が忙しくお墓参りにに行けなるのですが、弟は「シオン」の花をお墓の前に植えて、毎日行き続けます。それに感じ入った鬼が、弟に予知能力を授け幸せに暮らしたというお話があります。このお話から「シオン」の花言葉が出来たと言われています。
このようなお話から、紫苑属の花言葉は少し寂しい影をもったような言葉が多いのかもしれません。花言葉自体を気にして花を見たりすることはあまりありませんが、花言葉を思い出しなら色んな種類の花を見ると少し違って見えてくるかもしれません。
花言葉は「追憶の愛」
花言葉が少し悲しげなのは、ハルシオンの花のつぼみが重たく下に垂れていることから言われています。これは、過去の恋愛を思い出したり、また遠い手の届かない人の事を思い人がうなだれている様子に似ていることからこのような言葉が付きました。また、先程のシオンの花言葉のように、亡くなってしまい手の届かない人の事を想う事にもよります。
また、ハルジオンは茎の中が空洞になっているのも過去の恋愛を引きずってしまい、空虚感を抱えた人にも見立てているとも言われています。花言葉の種類の中でも、悲しい雰囲気を持っています。
ハルジオンの花言葉は「貧乏草」ではない?
ナズナの事を「ぺんぺん草」と呼ぶように、このハルジオンも「貧乏草」と呼ばれることもあります。こんなにかわいい花がどうして貧乏草と呼ばれるようになったのか、その由来を調べてみましょう。また、そしてハルジオンのどのような特徴があってそのように呼ばれるようになったのでしょうか。
ハルジオンが貧乏草と言われる由来
では、ハルジオンの花言葉が何故「貧乏草」と言われているかの由来を見ていきましょう。ハルジオンの花を折ったり、積んだりすると貧乏になってしまうとも言われています。貧乏草の由来には諸説ありますが、ハルジオンの特徴によるのも影響しているようです。ハルジオンは生命力が強くどんな場所でも生育することが出来ます。
この特徴からの由来でハルジオンは「どんな場所でも生える事が出来る」どんな荒野や土壌でも生えることが出来る、どんな貧乏な土地(手をかけていない土地)でも強い生命力があるからです。
また、ハルジオンの特徴の一つである茎の中が空洞で空=財布が空との発想が重なって、ハルジオンは貧乏草と呼ばれるようになったようです。あの綺麗な色などは由来には関係はないようです。
ハルジオンの種類
ハルジオンにはどんな種類があるのかを見てみましょう。色は、白・ピンク・薄紫の3種類があります。ただ、色の違いがあるだけで細かく種類が分けられているわけではありません。ただ、同じ「シオン」属として似ている花がいくつかあります。それではその似ている花を紹介していきましょう。
ヒメジョオン
ハルジオンとよく似た花にヒメジョンです。花の形も色もよく似ています。ただ、細かく特徴をみていくと違う花ということがわかります。ヒメジョンは背が高く花が咲きます。また根本もハルジオンとは違いすっきりとしています。また、葉の手触りも違いますヒメジョンはすこしザラザラとした手触りをしています。
そして、茎の内部も違います。空洞のハルジオンとはちがいヒメジョンは髄が通っています。これだけ違うのですが、見た目は本当にハルジオンとよく似ています。では、どんな花言葉があるのかも見てみましょう。
ヒメジョオンの花言葉は「素朴で清楚」
では、花言葉はどうでしょうか。見た目が、ハルジオンととても似ていますが、花言葉も同じような意味なのでしょうか。もしかすると、貧乏草と呼ばれているのはハルジオンではなく、ヒメジョオンなのかもしれないです。では、花言葉を詳しく見てみましょう。
ヒメジョンの花言葉は「素朴で清楚」です。これは、何に由来するのかといいますと1865年頃から観葉植物として日本に導入されてきました。始めは観葉植物として育てられていたのですが、元々持つ強い生命力と繁殖力で自生し雑草となりましたが、咲いている姿は素朴で美しいのです。この姿から花言葉の「素朴で清楚」といったことが言葉になりました。
蝦夷昔蓬(エゾムカシヨモギ)
こちらもよく似ている種類です。この植物は、中部地方の亜高山から、高山にかけて生息しています。花の形状も、ハルジオンに似ていますがよく見ると違います。花は1本の茎から分岐して白い花を咲かせますが花びらの形状が違います。柱頭を中心にまばらに短い花びらで咲きます。また、8月〜9月に咲き涼しいところを好む植物です。
東菊(アズマギク)
本州の中部北以の山地の草原に生息しています。花の開花時期は4〜6月です。茎の高さは30〜50センチとハルジオンに比べると低いです。花の色も多彩で紫の濃淡・青・白・赤紫・ピンクなどがあります。
また、同名で園芸用品店等で売っているものは、よく似ていますが属性が違い正式には「ミヤコワスレ」といいます。
このアズマギクは関東地方から東北地方にかけて多く見られる特徴から東(あずま)が由来しているとも言われています。現代では、沢山の種類がどこにでも咲くので関東地方だけというわけではありませんが、当時はそのような特徴があることを花の名前として付けられたようです。それでは、どんな花言葉があるのでしょう。
東菊の花言葉は「貴い愛」
アズマギクにも、綺麗な花言葉があります。貴愛・しばしの憩い・しばしの慰め・しばしの別れ・しばしの別れとあります。どの言葉もとても美しいのですが、どこか儚げな印象があります。そして、貴い愛というのもとても儚い印象があります。
沢山の色が咲く花が特徴でもありますが、このような花言葉がついています。少しハルジオンの花言葉と重なるような部分もありますが、東菊には少しばかり違いテイストが含まれているようです。
ハルジオンの誕生花
まず、誕生花というのが何かというのをご説明します。花言葉と同じように誕生花にはさまざまな由来や諸説がありますが代表的なものをご紹介します。古代ギリシャのローマ人は「自然界にあはそれぞれに神が司る」と考えていました。
この考えは、「時間や月日といったところにまで神がいる」と考えていました。それに加えて、「花や木々には神秘的な力を秘めており、神からのメッセージをその身に宿す」と強く信じていました。こうした考えから、その月のその日があるということは、何か意味があるのではないか、という発想を持つようになったのです。
こういった考えから誕生花が生まれたのではないかと言われています。ただ、誰が決めたのかなどの詳細はわかっていません。しかし、古代のギリシャ・ローマ人は神の決めた事に従い誕生花を決めたと考えられます。
ハルジオンは4月14日・12月12日の誕生花
ハルジオンにも、花言葉同様に誕生花があります。花言葉にも意味があるように、誕生花にも意味があります、では、それがいつなのかどんな意味なのかをみていきましょう。
ハルジオンにも誕生花があります。4/14と12/12と付けられています。4月にはきれいな花を咲かせるのでこれは納得できるのではないでしょうか。では、花の咲かない冬の時期にも誕生花になっているのでしょうか。
それは、ハルジオンの特徴でもある種の生命力の強さと土の中で活動をしているハルジオンなのでその力強い様子で冬にも誕生花が付けられたのではないでしょうか。古代のギリシャ・ローマ人からするとその厳しい時期をも乗り越えている種に目には見えない力強さを感じたのでしょう。
ハルジオンの花言葉は「追想の愛」
ハルジオンという花の事が少しはおわかりいただけたでしょうか。今までは「貧乏草」として認識してる方もいたのではないでしょうか。でも、「貧乏草」と呼ばれるのもハルジオンの特徴でもある強い生命力が由来しているのかもしれません。色も白だけではなく、薄紫なども咲き、春にはとても美しい花を咲かせてくれます。
そして、ハルジオンの花言葉は「追憶の愛」です。花のつぼみの時に、つぼみが重たく下を向いているその姿をみて、過去の恋愛を思い出し頭をもたげているように見えたのかもしれません。
少し寂しい花言葉ではありますが、とてもかわいい花が春には咲いてくれます。叶わぬ恋をしている時や過去の恋愛を思い出す時にハルジオンの花を少しだけ思い出すのかもしれません。そんな小さな花のお話でした。