「ユニット」の意味
テレビの中や雑誌や新聞などでも「ユニット」という言葉が結構使われていますので、ユニットという言葉を知っている人はかなり多いでしょう。むしろ、ユニットという言葉を知らないという人の方が少ないはずです。それほどにユニットという言葉は日本人になじみのある言葉ですが、その意味を知らずに使っている人が多いです。
ユニットという言葉は何となくニュアンスで理解していて、何となく使っているという人はいますが、その正確な意味は知らない人が多いでしょう。知っているようで知らないユニットとは、どういう意味なのかについてご紹介しましょう。
意味①全体を作るひとつの単位や要素
ユニットの意味の一つ目は、「全体を作るひとつの単位や要素」という意味で英語の「unit」という言葉から来ています。何やら小難しい表現ですが、要は何かを形作っているもののひとつだということです。大きな全体から取り外しても、それひとつでもちゃんと存在できるものだという意味も持ちます。
ユニットバスやユニットキッチンなどという使い方がされているので、耳にしたことがある人も多いでしょう。この場合のユニットとは、この「全体を作るひとつの単位や要素」という意味での使い方になります。
意味②酵素活性
ユニットの意味の二つ目は、酵素活性です。酵素活性などという言葉は聞いたことがないという人の方がはるかに多いでしょう。それもそのはず、酵素活性という言葉は医薬分野や臨床科学分野において使われる言葉ですので、聞いたことがない人の方が多くても当然です。酵素活性は、酵素の示す触媒作用の有無や触媒作用の強さを示します。
この酵素活性の単位のことをユニットと言うのであって、酵素活性そのものの意味がユニットというわけではありませんので、その点はご理解ください。
意味③単位
ユニットの意味の三つ目は、単位です。単位には長さを示す単位や重さを示す単位など色々ありますが、それらの多くを英語ではユニットと言います。長さを示す単位であるインチやフィートやセンチメートルやメートルなどのこともユニットと言いますし、重さを示すキログラムやポンドなどのこともユニットと言います。
音楽での「ユニット」の意味
ユニットとはどういう意味なのかをご紹介しましたので、次は音楽でのユニットの意味についてご紹介します。「最小最強ユニット」などという言葉を使うアーティストなどもいますので、音楽でのユニットとはどのような意味なのかは大体イメージがわかっているという人も多いでしょう。
むしろ若い人などはユニットバスなどのユニットの使い方より、音楽でのユニットの使い方の方を耳にしたことがあるという方が多いはずです。それでは、音楽でのユニットとはどういう意味なのかについてご紹介しましょう。
歌手のユニットとは
音楽でのユニットの意味の一つ目は、歌手のユニットです。歌手などがユニットを組んで曲を作ったり歌ったりすることはよくあることなので、歌手のユニットというとすぐに想像がつく人も多いでしょう。音楽においては、特にこの楽器が絶対必要などということはありませんので、歌手と歌手のユニットなどもあります。
歌手のユニットはかなり多く、耳にしたり目にしたりすることも多いのでニュアンス的に何となく理解できている人も多いですが、歌手のユニットとは詳しくはどういうものなのかをご紹介します。
音楽作りに集まった複数の音楽家
歌手のユニットというのは、音楽作りに集まった複数の音楽家のことを意味します。先にも述べたように歌手と歌手のユニットもありますし、歌手とギターのユニットや歌手とドラムスのユニットもあります。有名なのはB'Zで、B'Zは日本の音楽界におけるユニットの先駆け的な存在と言えます。
B'Zがデビューしたころには、「ギターとボーカルの最小最強ユニット」などという言葉が使われていました。ギターとボーカルのユニットにサポートメンバーが加わるという形態のユニットで、その後の日本の音楽シーンを大きく変えました。
また、普段はそれぞれのバンドで活動している別々のバンドの人が集まって音楽を作る場合などにも、「人気アーティストのユニット」などというユニットの使い方をします。
バンドとの違い
音楽でのユニットとは音楽作りに集まった複数の音楽家という意味ですが、ユニットとバンドとでは違います。ユニットは歌手二人やボーカルとギターなどで組みますが、バンドの場合はボーカルにギターにベース、ドラムスなどで組みます。バンドは違う楽器の人達が集まって、バンドだけですべての楽器を演奏します。
ユニットの場合はサポートメンバーを必要とする場合が多いですが、バンドは最初から必要な楽器のプレイヤーを揃えているので、サポートメンバーを必要とすることは少ないというのが特徴です。
アイドルのユニットとは
音楽でのユニットの意味の二つ目は、アイドルのユニットです。歌手などのアーティストでもユニットという言葉が使われていますが、アイドルでもユニットという言葉は結構使われています。「モーニング娘。」などでもユニットという言葉が使われてきたので、アイドルでのユニットという言葉の使い方を知っている人は多いでしょう。
ですがこちらも歌手のユニット同様、何となくニュアンスはわかるけれど正確な意味はわからないという人も少なくないはずです。それでは、アイドルでのユニットとはどういう意味なのかについてご紹介しましょう。
少人数で臨時的に構成される
アイドルでのユニットの意味は、少人数で臨時的に構成されるグループという意味です。普段大勢で活動しているアイドルグループの中から3人だけ選んでユニットを組んで新曲を発表するといった場合には、「3人組のユニットの新曲」というようなユニットの使い方をして宣伝したりします。
また、高校生だけで作ったアイドルユニットを宣伝する場合、「高校生アイドルユニットが結成」などと言ったりします。昨今はアイドルグループやアイドルユニットが多く、地方限定のアイドルユニットなどもあるのでなじみ深いでしょう。
アイドルグループとの違い
アイドルユニットとアイドルグループは同じだと思っている人が多いですが、実はこのふたつは違うものです。アイドルユニットは二人以上の少人数の数人で結成されたグループですが、アイドルグループは大人数です。また、アイドルユニットは臨時で短期間活動するのに対してアイドルグループは長期的に活動します。
大人数のアイドルグループの中の数人が臨時で短期間グループを作る場合、それはアイドルユニットになります。元々がアイドルグループの一員であっても、同時にアイドルユニットの一員になるということもあるということです。
ユニットの使い方
ここまでご紹介してきたように音楽でのユニットには、歌手のユニットとアイドルのユニットがあります。歌手の場合はボーカルとギターなどの少人数のグループをユニットと言い、アイドルの場合は少人数のアイドルのグループをユニットと言ったり、アイドルグループの中の数人の臨時のグループをユニットと言ったりします。
バンドも少人数ではありますが、バンドは少人数のアイドルとは違ってユニットとは言いません。同じように音楽に携わる歌手やアイドルですが、ユニットの使い方はそれぞれ微妙に違うということです。
介護での「ユニット」の意味
次に、介護でのユニットとはどういう意味なのかについてご紹介します。介護においてユニットという言葉を使うということを知らないという人は少なくないでしょう。少子高齢化社会とはいえ、実際に介護施設で働いている人や家族の介護をしている人は国民全体の中ではそう多くありません。
ですが介護の現場でも、音楽と同じようにユニットという言葉が使われています。介護におけるユニットの意味やその使い方をご紹介しましょう。
ユニットケアの概念の中で使われる
介護におけるユニットは、ユニットケアの概念の中で使われています。ユニットケアという耳慣れない言葉は、スウェーデンから来ています。スウェーデンは介護などに力を入れている福祉国家として有名ですが、そのスウェーデンで取り入れられている介護システムをユニットケアと言います。
これまで日本の介護施設では、個人個人の生活リズムの違いなどにかかわることなく、入居者のすべてに対して同じ扱いをしてきました。ですがユニットケアでは個人個人の生活リズムの違いなどに対応し、入居者の自立をサポートします。
その人の出来る範囲のことには手を貸さず、出来ないことだけを手伝うという介護の方法のことを、介護の世界ではユニットケアと言っています。
介護施設の生活単位
介護におけるユニットには他にも意味があります。それは介護施設の生活単位としての使い方です。介護施設では全職員が全員に対していっせいに介護を行うことが多いですが、10人以下のグループを一つのグループとして専用の居住空間を作り、専任の担当者が介護をする場合、このグループをユニットと言います。
介護施設においてたくさんの入居者の介護をするのはとても大変なので事務的になってしまうことも多いですが、このようなユニットを作ることによって介護する側と介護される側が家族のように近い存在になり、温かな介護が可能になります。
ITでの「ユニット」の意味
ユニットの意味や使い方についてここまで色々とご紹介してきましたが、昨今目覚ましい発展を遂げ、日々の生活に欠かせなくなってきたITの分野でもユニットという言葉が使われています。ユニットの意味は先にご紹介したように、「全体を作るひとつの単位や要素」「酵素活性」「単位」などですが、ITにおいても同様の意味で使われています。
それでは、ITの分野においてユニットという言葉がどのような意味を持ち、どのような使われ方をしているのかについてご紹介しましょう。
IT分野
ITの分野におけるユニットには、「複数の部品を組み合わせて特定の機能を果たすもの」という意味があります。また他には「これ以上分解してしまうと機能できなくなる最小の単位」という意味もあります。つまりは何かの機械などの中の一部で、それを使うと何かの役に立つものを指します。
分解してもある程度役に立つ状態ならばそれはユニットであるといいますが、分解し過ぎて何の役にも立たなくなったという状態になるとそれはユニットとは言わないということです。
プログラミング分野
ITと言えばプログラミング分野もありますが、ITにおけるプログラミング分野ではまたユニットの意味が異なってきます。IT全体でのユニットの意味は先にご紹介した通りですが、プログラミング分野でのユニットには、プログラミング用の特定の言語の単位という意味があります。
プログラミング分野では「プログラミングユニット」や「ユニットテスト」というように、ユニットという言葉が頻繁に使われています。プログラミングユニットは変換機のことを指したり、制御装置のことを指したり色々ですが、いずれもユニットと呼ばれています。
その他の分野でのユニット
ここまでに音楽におけるユニットや介護におけるユニット、ITにおけるユニットなどについてご紹介してきましたが、ユニットという言葉は他にも色々な分野で使われています。介護やITでのユニットはあまり知られていませんが、音楽やその他の分野でのユニットには、良く知られているものも多くあります。
音楽や介護やITの他にどのような分野でどのような使われ方をしているのか、その他のユニットの使い方についてもご紹介しましょう。
ゲームでのユニットとは
その他の分野でのユニットの一つ目は、ゲームでのユニットです。ゲームでのユニットは、ゲーム内のマップの中で動かすことが出来る登場人物のことで、「コマ」という言い方もします。一人の登場人物をユニットとして動かすという場合もあれば、大人数の軍隊などをひとつのユニットとして動かす場合もあります。
建築でのユニットとは
その他の分野でのユニットの二つ目は、建築でのユニットです。ここまでにも少し触れてきましたが、建築関係において「ユニットバス」や「ユニットキッチン」という言葉がよく使われています。家を建てる場合お風呂などは家の一部としてその場でタイルを張るなどの施工をしますが、ユニットバスは違います。
ユニットバスの場合は、天井や壁や浴槽などの浴室に必要なものをすべて別に製造しておいて、作られた家の中に持って入って組み立てます。ユニットバスは防水性が高いだけではなく人件費も節約できるため、ユニットバスの採用が増えていると言えます。
宝くじのユニットとは
その他の分野でのユニットの三つ目は、宝くじのユニットです。年末ジャンボなどの宝くじの場合、1000万枚でひとつのユニットになっています。宝くじには組というものがありますが、ひとつのユニットには組が100あります。そしてそれぞれの組に10万の数字が振り分けられますので、ひとつのユニットは1000万枚ということになります。
ユニットとは色々な分野で使われる言葉
ユニットとはどのような意味なのか、どのような分野で使われる言葉なのかについてご紹介してきましたが如何だったでしょうか。ユニットには全体を作るひとつの単位や要素という意味や酵素活性の意味、単位の意味などがあり、色々な分野で使われています。ユニットの意味を知り、正しい使い方をしましょう。