アットマークは使い方で意味が変わる
インターネットが普及するにつれ、アットマークを見かける機会は増えたのではないでしょうか?アットマークと言われて、すぐに意味が理解できるでしょうか?アットマークとは記号「@」の俗称です。
アットマークはいろいろな使い方をされています。あなたもツイッターなどのSNSやメールアドレスで使っていることでしょう。しかし、アットマークの意味を正確に知っているでしょうか?
アットマークは俗称であり、正式名称が別にあります。正式名称を知らずに、アットマークとばかり呼んでいると、困るシチュエーションも出てくるかもしれません。
アットマークの正式名称の他、そもそもの意味、使い方、使える場所などについて見ていきましょう。
アットマークの正式名称は単価記号
何気なくアットマークと呼んでいるアットマーク記号ですが、正式名称は別にあります。アットマークの正式名称は「単価記号」といいます。その使い方として、日付の前に付けたり、個数の前に付けてりします。
単価を表すことから、このような正式名称をつけられたと言われています。アットマークには正式名称の他に、公式名称というものがあります。正式名称ではありませんが、世界共通であると説明すると適切なのかもしれません。
それは「コマーシャルアット」という呼び方です。アットマークという呼び方がすっかり定着しているため、正式名称も公式名称も使う機会はあまりなかったかもしれません。
しかしいざと言う時、正式名称や公式名称を知っていないと、恥をかくこともあるかもしれません。正式名称は普段あまり使う機会はないかもしれません。しかし正式名称ではなく公式名称なら使う機会も多いので、覚えておくといいでしょう。
あくまで公式名称であるので、正式名称とは違います。「コマーシャルアット」を正式名称と勘違いして使わないようにしましょう。
アットマークの由来
インターネットの普及によって、アットマークはすっかり身近なものになりました。毎日目にしない日はないと言えるのではないでしょうか?
しかしアットマークの意味を知らないで使っている人も少なくないでしょう。そんなアットマークですがどういう由来があるかをご存じでしょうか?アットマークの由来を知っていると、ちょっとした豆知識となり、話のネタになることでしょう。
アットマークは誰もが使っている記号なので、由来を知っていると、ちょっと自慢できるかもしれません。それではアットマークの由来はどういったものなのでしょうか?
ラテン語のad
アットマークの由来は、ラテン語と言われています。ラテン語で「ad」をより分かりやすく簡単にまとめたというのがアットマークの由来と言われています。また別の由来の説もあります。
簡単にまとめたのではなく、「ad」が重なってしまい、そのまま記号になってしまったという由来の説もあります。ちなみに由来となった「ad」とは英語で「at」や「for」と同じ意味の言葉です。アットマークの由来には、また別の説もあります。
もう1つの由来は、中世の修道士が「ad」と書こうとして、二つの文字がつながってしまい、「@」になったというものです。さらにギリシャの水量の単位が由来だという説もあります。
スペインとポルトガルで使われている質量の単位が由来としている説もあります。さらには英語で「each at」の「e」と「a」がつながったのが由来としている説もあります。このようにアットマークにはさまざまな由来があることを覚えておきましょう。
意味はat・or・to
アットマークが表すと言われるラテン語の「ad」は英語では「at」「for」「to」といった意味にあたる単語です。アットマークはパソコンを使うようになって、市民権を得てきたように思われがちです。しかしかなり昔から存在していました。
「at」「for」「to」といった前置詞は数多くあります。アットマーク1つに集約した使い方をすると、書く手間がはぶけて、かなり助かったのではないでしょうか?
パソコンのような便利なものがなかった時代だったからこそ、アットマークの使い方が生まれたと言ってもいいのではないでしょうか?
アットマークの俗称
アットマークは記号の1つで、「a」と「d」が重なったような形をしています。日本ではアットマークと呼ばれていますが、この名称も俗称です。正式名称は「単価記号」、公式名称は「コマーシャルアット」と呼ばれます。この「コマーシャルアット」という言葉は、Unicode(ユニコード)やANSI(米国国家規格教会)によって決められています。
海外ではアットサイン
日本での俗称はアットマークですが、海外で「アットマーク」と呼んでも通じないので注意が必要です。では海外ではどういった俗称で呼ばれているのでしょうか?まずは英語圏での俗称について見ていきましょう。
英語圏でアットマークは「at sign」や「at symbol」と呼ばれます。読み方は「アットサイン」、「アットシンボル」となります。英語圏の人と話をする時は「アットサイン」か「アットシンボル」という名称で呼ぶ使い方をしましょう。
その他の呼び方
日本語での俗称は「アットマーク」、英語圏での俗称は「アットサイン」や「アットシンボル」であるとわかりました。ではその他の国ではどう呼ばれているのでしょうか?その言語によって、アットマークの捉え方や言い方はいろいろあります。
まずスペイン語とポルトガル語では「arroba(アローバ)」と呼ばれます。意味は「で」です。イタリア語では「chiocciola(キオッチョラ)」と呼ばれ、意味は「巻貝」です。ウクライナ語では「ラーブルク」と呼ばれ、意味は「カタツムリ」です。
エスペラント語では「heliko(ヘリコ)」と呼ばれ、これも意味は「カタツムリ」です。オランダ語では「apenstaartje(アーペンスタージュ)」と呼ばれ、意味は「猿の尾」になります。
アットマークの使い方と意味
アットマークはスマホやパソコン作業など、さまざまな場面で目にするようになりました。あなたも気づかないうちに、アットマークを使っているのではないでしょうか?日頃、お世話になっているアットマークですが、どのような使い方をされているのでしょうか?次にアットマークの使い方と、その時の意味について見ていきましょう。
単価記号として使う
「@50円」と記されている場合、どういった意味になるのでしょうか?これは「これは1個50円です」という意味です。これが単価記号の使い方です。単価でこういった使い方をする人は、簿記や会計をやっている人に多いと言えるでしょう。
では単価とはどういう意味なのでしょうか?単価の意味は、物1つに対する値段のことです。このように単価を表す場合、値段の前にアットマークを置く使い方をしましょう。
単価を「1個50円」と記すより、「@50円」と記したほうがシンプルなので、わかりやすい単価の使い方になると言えるでしょう。もう1つ、単価を表す時に注意が必要なことは、アットマークを他の記号と一緒にしない使い方をすることです。
単価が「1個50円」の場合、「@¥50」といった使い方はしません。単価を表す時にアットマークを使いたい場合は、円マークを使用せず、日本語で表記する使い方をしましょう。
英語「at」の意味として使う
ツイッターなどで「私は今、ここにいます」とか「それはあそこにあります」といった、人物や物がどこにあるかを示す時に、アットマークを用いる使い方があります。この使い方をする場合、アットマークは場所を示す言葉の前に置くのが通例になっています。
たとえば「歓迎会@渋谷」という言葉の意味は「渋谷で今、歓迎会をやっています」になります。
写真を撮影し、SNSに上げる場合にコメントに「@〇〇ホテル」とすると、「〇〇ホテルで撮りました」という意味になります。こうした場所を示す使い方は、英語の「at」を簡略化した形になります。
足りない人員の募集に使う
ネット環境の発達、さらにはSNSの急速な発展の結果、オンラインにいる人たちのコミュニケーションも容易になってきたと言われています。
SNSでのコミュニケーションが簡単になってきたため、アットマークをコミュニケーションの道具として、うまく使っている人が多くいるようです。たとえば、自分が中心になっているオンラインゲームなどで人数が足りなかったとします。
もう少し人数がいればゲームが成立すると言った場合、「あと何人欲しい」といった意味でアットマークを使います。「(オンラインゲームの名前)@3人」といった意味の使い方をします。記号1つで済むので、急いでいる場合もすぐに呼びかけることができます。
メールアドレスで使う
メールは今や、日常生活に欠かせないコミュニケーションツールとなりました。大事な連絡をする時に、郵送の手紙を使うのではなく、メールで済ますことができる時代です。このメールを使う時のアドレスに、アットマークは使われています。
メールアドレスのアットマークは、アットマークより左側に、メールアドレスの持ち主である「ユーザー名」をつけるのが一般的です。
アットマークの右側は何かというと、メールアドレスの持ち主が利用しているサーバーの場所を示す「ドメイン名」がつけられています。
このメールアドレスに使われるアットマークはあまりに当たり前になっているので気にする人は少ないかもしれませんが、重要な役目を果たしています。
顔文字内で使う
ネットを利用する時は、声のイントネーションや表情を伝えることはできません。相手の表情が見えない文字だけの会話になると、無機質で感情が伝わらない時もあるでしょう。その結果、誤解を招いてしまい、トラブルになりかねません。
そこで、記号を組み合わせた顔文字を使うと、相手にこちらの感情や伝えたい意味も伝えることができます。
顔文字は最近作られたものではなく、30年以上の歴史を持っています。そんな顔文字にもアットマークが使われるようになりました。
アットマークを顔の目の部分でできている顔文字が多くあります。「(@_@;)」といった顔文字を使うと、目がぐるぐる回っているような状況を意味することができます。アットマークの便利な使い方の1つではないでしょうか?
SNSで使う
今はさまざまなSNSが人気です。ツイッターやインスタグラムといったSNS会員制サイトにおいて、アットマークと英数字を用いてユーザーを識別する方法を取っているところが多いようです。
メールアドレスの時ように、アットマークの右側にアカウント名を記すことで、そのユーザー宛てにメッセージを簡単に送ることができるような仕組みになっています。
また、自分の投稿に他の人がメッセージを送ったり、反応を示したりすると、自分のほうにも通知が届くという仕組みになっています。ただし、SNS上で使うアットマークは半角にしないと、メッセージを送ることができないので、そこは注意をしましょう。
さらにツイッターにおいて他にも他人との交流の時にも、アットマークを使う場合があります。これはツイッターだけでなく、ラインでの交流の時も活躍します。まずラインでの使い方を説明します。
グループトークで文章を入力する時、誰に充てている言葉なのかを表す時に使います。アットマークを入力して、その中から1人相手を選ぶ時に使うと、個人会話ができます。
次にツイッターでの使い方ですが、アットマークを入力して、その後に個人会話をしたい人の名前を入力します。さらに半角スペースを入れ、その後に伝えたい文章を入力します。そしてツイートボタンを押すと、その相手に向けたメッセージを伝えることができます。
オンラインゲームでのプレーヤー名
オンラインゲームをしている時も、アットマークを便利に使うことができます。プレイヤー名の後ろにアットマークを付けることで、その相手に伝えたいことを表示することができます。たとえば「たっくん」というプレイヤーがいたとします。
その人がYouTubeなどでゲーム実況中で、それを皆に伝えたいとします。その時は「たっくん@ゲーム実況中」といった表記にするといいでしょう。
そもそもオンラインゲームでは、アットマークの前に名前を付けると、動画撮影を許可している人という意味に使われてきました。最近ではアットマークの後ろに何かしらの言葉を記して、自分をアピールする時に使われることが増えている傾向にあります。
「なるほど」の略
アットマークの最近になっての使い方で、「なるほど」の意味に使うというものがあります。「@」と記すことで、「納得した」ということを伝えることができます。この使い方は、まだ知名度が低い使い方と言えるのではないでしょうか?
なぜ「なるほど」の略語がアットマークになったのでしょうか?それはアットマークが、練り物の「なると」の渦巻きに似ていることから来ているようです。「なるほど」が「なると」になって「@」になったと言われています。
アットマークのつける場所
ここまでアットマークの意味や使い方を見てきました。思っていた以上にアットマークはいろいろな場所に使われていると驚かれた人もいるのではないでしょうか?アットマークについて、知っておくべきもう1つの問題は、アットマークを付ける場所です。
どの場所にアットマークを付けるかで、意味が変わってきたり、伝えたいことが伝わらなくなってしまうので、注意が必要です。
ユーザー名とドメイン名の区切り
アットマークを付ける場所の1つ目は、メールアドレスのユーザー名とドメイン名の間です。スマホやパソコンで当たり前のようにメールアドレスを使っていますが、メールアドレスの中にアットマークが使われています。
メールアドレスでユーザー名とドメイン名の間の場所に使われるようになった経緯はどういったものだったのでしょうか?電子メールを開発したプログマー、レイ・トンプソンが名前を識別するため、間の場所にアットマークを加えたのが始まりと言われています。
使っているサーバーの中には、自分の名前など自分が好きなユーザー名を作ることができるものもあれば、できないものもあります。趣味で使うメールアドレスなどは、自分の名前を使うのが人気のようです。
場所を意味するとき
アットマークを付ける場所の2つ目は、場所を意味する時の、場所の名前の前です。これは英語の「at」と同じ意味になります。たとえば「〇〇@自宅」とすると、〇〇という名前の人が今、自宅にいるという意味になります。
このように名前の後ろという場所にアットマークを付けると、その人がどこにいるかを発信することができます。これはツイッターなどでつぶやく時に、よく使用されています。あなたもツイッターで使った経験があるのではないでしょうか?
また、スケジュール帳などに、出張先が秋田だったりしたら、「〇〇@秋田」と記しておくと、他の人が見た時、○〇さんは今秋田にいるんだなと理解することができます。
期限・期日を意味するとき
アットマークを付ける場所の3つ目は、期限や期日を示す数字の前です。たとえば、「@1時間」など、時間の前の場所にアットマークを付けると、あと1時間で到着するという意味になります。時間だけでなく、日付の前に置いても同じ意味になります。たとえば、「@25日」とすると、期日が25日という意味になります。
会社・財団などの所属団体を表記するとき
アットマークを付ける場所の4つ目は、会社や財団といった自分が所属する団体を表す言葉の前です。名前の後に所属団体を表記する例として「〇〇@企画部」とすると、企画部に所属している〇〇という人と言う意味になります。
自分が所属する団体の他、自分が今どういう状況にあるのかを示すこともできます。たとえば「〇〇@休憩中」などといった言葉を発信すると、〇〇という人が今、休憩をしていると見る人がすぐにわかります。オンラインゲームなどで多用されているようです。
アットマークの注意点
アットマークは非常に便利な文字です。簡単に自分が置かれている状況や、自分の所属団体を知らせることができます。また、自分が今どこにいるのかを伝えることもできます。
いろいろと便利に使うことができるアットマークですが、使わないほうがいい場合や、使う時の注意点などがあります。アットマークは略語の意味として使われることが多い傾向にあります。
そのため、簡単に使うと問題が起きてしまうケースがあります。以下で具体的に見ていきましょう。
フォーマルな場には向かない
SNSや友達同士のやり取りで、便利に使えるアットマークですが、どうしてもラフな意味合いになっています。メールを送る時も、フォーマルな場面に出くわすことはあるでしょう。
そういった場面において、アットマークを使うのは不適切と考えられているようです。フォーマルな場で公私混同しないようにしましょう。アットマークを使わないほうが、相手に好印象を与えることができると覚えておきましょう。
目上の人には使わない
先述した通り、アットマークは略語の意味合いが強いと言えるでしょう。そのため、目上の人に書くメールに使うと失礼に当たると考える人が多い傾向にあります。特に上司へのメールはマナー違反と認識されてしまう場合があります。
これは、社外の人間にメールを送る場合も言えるようです。ついつい使ってしまう便利なアットマークですが、目上の人や社外の人にメールを送る場合は、避けた方がいいと言えるでしょう。
SNS・メールアドレスでは半角に
アットマークは半角にしても、全角にしても表示されますし、意味も変わりません。しかしメールアドレスやSNSでの使用に関しては、半角にするよう注意しましょう。
アットマークは半角が、全世界共通です。全角にした場合、世界では表示されなかったりします。ただし、アジア圏のネット上では全角のアットマークが見られるようです。
アットマークを使う時は、これはどういう場面なのかをよく判断して、半角にするか全角にするかの使い分けをしていきましょう。
アットマークは様々な意味を持つ便利な言葉
アットマークはいろいろな使い方ができる、便利なマークです。しかし、便利だからこそ、気を付けなければならない問題も出てきます。日常で目にしているマークなので、普段はあまり深く考えない問題かもしれません。
こうした記号はアットマークに限らず、使う目的や場面によって、全角にしたり半角にしたりといった使い分けが必要でしょう。
また、なんでもかんでもアットマークで済ませるというのも考えものです。使う時は自分の立場や相手のことも考えて、しっかり使いこなしましょう。