「合点がいく」の意味・使い方まとめ!類語・例文や敬語表現も紹介

「合点がいく」の意味・使い方まとめ!類語・例文や敬語表現も紹介

合点がいく。そんな言葉を不意に投げかけられても分からないなんてことにならないように、「合点がいく」の語源、意味や使い方、類語や対義語についてや、例文を通して敬語の表現を解説。加えて「合点承知」との違いについても紹介しています。

記事の目次

  1. 1.「合点がいく」の意味とは?
  2. 2.「合点がいく」の対義語・類義語
  3. 3.「合点がいく」の使い方・例文
  4. 4.「合点がいく」と「合点承知」の違い
  5. 5.「合点がいく」を使う際の注意点
  6. 6.「合点がいく」は納得したという意味

「合点がいく」の意味とは?

Photo byniekverlaan

「合点がいく」は「がてんがいく」と読み、合点は物事に理解が及ぶ、承知する、把握するなどの意味をもちます。つまり、理解したり承知に至る。言い換えれば、納得がいくといった意味となります。

また、「がってん」と読むこともありますが、どちらも読みとしては正しく、逆にどちらが間違っているということもありません。

「合点がいく」の語源

Photo byFelixMittermeier

「合点がいく」という言葉がどのような語源からうまれた言葉なのかについてまとめています。まず、「合点」は、和歌などで、優れた作品の頭につける符号を「鉤点(かぎてん)」から「合点」といったことを語源としています。

作品の左右上部につけられた点が合うことから「合点」となり、「重なる」「合う」などの意味を持つことが現在の「合点がいく」へと解釈されていく語源となったと言われています。

「合点がいく」の対義語・類義語

Photo bygeralt

「合点がいく」について、対義語や類語としてどのようなものがあるのかについてまとめています。どのような言葉があり、またどのようにして使うのかなど、意味やその違い、言い換えられるのかなどをご紹介します。

また、「合点がいく」は敬語としての表現になるのか、また敬語でないのなら、敬語で表現するのであればどのように言い換えられるのかについて記載しています。

「合点がいく」の対義語

Photo bygeralt

「合点がいく」の対義語のついてのまとめです。対義語とは、言葉の意味とはまるきり正反対の意味、もしくは言い換えて他の言葉で代用できる近しい反語などをさします。

限りなく近いものの、完全には反対の意味にならない物も含まれます。そうした違いを例文をまじえつつ、具体的な使い方などから比べています。語源も分かる物はまとめています。

「誤解」の意味・使い方

Photo bygeralt

「合点がいく」の対義語のひとつは「誤解(ごかい)」です。誤解には”あやまったかいしゃく”や”あやまった理解”また”まちがった解答”などの意味があります。この場合は、「合点」に関する対義語ですので”ただしく理解をしていない”という意味になります。

使い方としては”本来は▽▽という意味なのに、○○だと誤解した。”というような用法となります。

「勘違」の意味・使い方

Photo bymohamed_hassan

「合点がいく」の対義語のひとつ、「勘違(かんちが)い」もしくは「勘違(かんちがい)」です。こちらも、意味は「実際の内容とは間違って解釈する」や「先入観などで違う事として認識する」などの意味を持ちます。

いずれにしても「合点」の正しい理解とは正反対の理解と言えます。勘違いも勘違もどちらでも構いませんが、一般的には勘違いが多く用いられます。

「合点がいく」の類語

Photo byBessi

「合点がいく」の類語についてのまとめです。類語とは、言葉の意味に限りなく近いと思われる熟語や言葉回しのことです。言い換えて表現されることもありますが、そうでない言葉もあります。

意味や使い方にやや違いがある言葉についても例文を交えて解説しています。判別している語源についてもまとめています。

「了解する」の意味・使い方

Photo byrawpixel

「合点がいく」の類語、「了解する(りょうかいする)」。了解の意味は「物事について理解して、それをみとめること」と定義されています。

同じように理解をしていますが、「合点」との違いとして、「合点」が納得した内省的な意味合いであるのに比べて、他人への態度も含まれている点です。

了解の語源は諒解からきており、こちらはより明瞭な理解を意味した言葉として現在も使われています。

「承知する」の意味・使い方

Photo bygeralt

「合点がいく」の類語のひとつ、「承知する」ですが、意味は「依頼されてその内容を引き受ける事」や「対象の情報をえて、それを認める事」と定義されています。「合点がいく」との違いは依頼者との相互関係がないことが挙げられます。

合点がいくの方がより広範囲な意味で「情報をえて、それを認めて」いることになり、なおかつ自身で納得することが含まれていることも違いと言えます。

「心得る」の意味・使い方

Photo bysilviarita

「合点がいく」の類語のひとつ、「心得る」です。心得るの「心得」には、「精神的な準備」や「学問や知識、知見などを一通りおさめていること」を指し、加えて「技芸などを身につけていること」の意味を指します。

「合点」があらゆる話の筋道を表すのに対し、「心得る」は学問や技芸、精神的な心構えに関しての習得や準備をあらわしていることが大きな違いで、用法も全く異なっています。例文として「私も武芸にはそれなりの心得があります。」と用いられます。

「理解」を示す使い方として、「心得ております」という使い方もされます。ですので、基本的に「合点がいく」とは意味が異なっていますので、類語とはいえ同じような意味で使えません、注意しましょう。

「合点がいく」の敬語

Photo byMyriams-Fotos

相手を敬って使う言葉が敬語ですが、「合点がいく」はそもそも敬語ではないのでしょうか。この場合、敬語かそうでないかは「合点」で判断するのではなく、動詞である「いく」に掛かってきます。

そのため、「いく」を敬語に言い換えると「いきます」もしくは「いきました」として発言します。つまり、「合点がいきました」、「合点がいきます」が敬語として正しいとなります。

「合点がいく」の使い方・例文

Photo byStartupStockPhotos

例文としていくつか「合点がいく」場面で説明をしたものをまとめています。言い換えて表現したものや、敬語を交えた物も例として挙げています。どのように使うのかについて、参考にしてください。

例文①

Photo byFree-Photos

”ようやく彼の脳裏にこれまでの布石が繋ぎ合わされたのか、曇っていた表情が一転して晴れ晴れとその様相を閃かせた。「おお!そういうことか、合点がいったぞ!」組んでいた胡坐(あぐら)に両の手を叩きつけて、彼は涼やかに応えた”

もっとも単純な「合点がいく」の例文です。これまでの判然としなかった情報がまとまって、理解に至った瞬間に使った場面です。

例文②

Photo byFree-Photos

”いまだ悶々としながら、書かれている論文の内容を改めて脳内で吟味する。なぜ、どうしてその答えに行き着くのか?この公式から導き出される答えは確かにあっているが、ここからどうしてこの発想に至ったのかが合点がいかない。”

こちらは否定系での使用例文です。単純に「いかない」や「できない」と否定するだけで、納得できない、理解できないという意味で使えます。

例文③

Photo byfreephotocc

”同僚は構わず食らいついた。「なぜですか!?私にはどうしてそうなるのか合点がいきません!」敬語ではあるが噛みつきそうな勢いで上司である課長に問いただす姿はたしかに勇ましいが、だからといってそれがどういう結果に繋がるのかまでは想像の埒外だろう。”

敬語での「合点がいきます」「合点がいきません」を題材とした例文です。場面によってはこのような使い方をする場合もあります。

例文④

Photo byEngin_Akyurt

またこれらの場面では同様に、「合点がいく・いかない」を「納得できません」「理解できない」「はっきりした」「わかった」などの言葉に言い換えることができます。「なるほど、ようやくわかったぞ!」でも良いわけです。

”なるほど、やっと理解でき(合点がいっ)たぞ。この理屈でいえば犯人は。”というように、ダンディーな刑事の独白など、推理小説の一幕にも使えます。

「合点がいく」と「合点承知」の違い

Photo byqimono

「合点がいく」も「合点承知」もどちらも合点(がてん・がってん)で始める言葉ですので、基本的な意味はそれほど大きな違いはありません。しかし、「がいく」と続ける場合と「承知」ではまったく意味が違ってきます。

「合点承知」はしっかり了解したという意味

Photo bybebeairi

「合点がいく」は前提として「理解できないこと」があり、それを理解したことを指します。しかし「合点承知(がってんしょうち)」は理解したうえで「承知」しています。「理解し、承っている」ので何かの指示や指令を前提とした言葉という違いがあります。

「合点がいく」を使う際の注意点

Photo bytashaat

合点はそのままでも「理解」や「納得」を表す言葉ですが、早合点(はやがてん)のように、文字だけでは「理解が早い」かのような言葉もあります。しかし、早合点は「はやとちり」や「勘違い」をあらわす対義語の類語に位置する言葉ですので気を付けましょう。

よく分かっていない時には使えない

Photo byAlexas_Fotos

「合点がいく」と言葉に出来るタイミングは、「きとんと理解が行き届いている」場合に限られます。つまり、分かっていない事があるのであれば、まだ合点に至っていないといえるので、用法としては誤りとなります。

「合点がいく」は納得したという意味

Photo byCatkin

語源が和歌などの優秀作品につけられた鉤点であったり、江戸っ子特有の言葉になっていたりと何かとなじみ深い言葉「合点」。深く自分の中で腑に落ちた時に、すかさず「合点がいった」と言えるようになれば合点の意味については完璧です。

非常に雰囲気のある言葉ですので、うまく使えばあなたの人間性により深みをあたえてくれる言葉として活躍してくれることでしょう。

五所川原銭男
ライター

五所川原銭男

ガジェット系を好む。雑食。暴食。時折暴走する。知る人ぞ知る某国産プロジェクトの中の人。

関連するまとめ

人気の記事