「概ね」の意味・読み方・使い方を解説!例文や類語についても詳しく紹介!

「概ね」の意味・読み方・使い方を解説!例文や類語についても詳しく紹介!

「概ね」の意味、使い方、読み方、類語を詳しく解説!「概ね」が示す割合はどのくらい?例文とともにしっかり見ていきます。
あいまいなニュアンスまで表現できる言葉「概ね」。これを読んで、「概ね」の意味をしっかりマスターしましょう!

記事の目次

  1. 1.「概ね」の意味
  2. 2.「概ね」の読み方と漢字
  3. 3.「概ね」の使い方と例文
  4. 4.「概ね」はどの程度の割合を意味しているか
  5. 5.「概ね」と似た意味の言葉
  6. 6.英語で「概ね」はどう表現する?
  7. 7.「概ね」は「だいたい」「おおよそ」を意味する言葉

「概ね」の意味

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「概ね」とは、ビジネスや論文など堅い場面で多く使われる言葉です。日常会話では使う場面もあまり多くないかもしれません。しかし、あいまいな部分を表現できるため、知っておくと何かと便利な言葉です。「概ね」が意味する割合はどのくらいなのでしょうか?誤解やトラブルを避けるためにも、意味や使い方はしっかりマスターしなくてはなりません。

そこで、ここでは、「概ね」の意味や使い方、読み方や類語などについて例文を交えながらご紹介していきます。

意味①だいたいの趣旨・あらまし

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まず第一に、名詞としての使い方です。「概ね」とは、だいたいの趣旨、あらましを意味する「名詞」として使われます。こうして名詞として使用する場合、「概略」などの熟語と同じような意味で使うことができます。「良い状態」「プラス面」を意味して使われることが多く、物事が予定通り進んでいることを、ざっくりと見て良好なことを意味します。

「悪い状態」「マイナス面」を意味する際に使用されることは、全くないわけではありませんが、少ないと考えてください。

このような使い方をする場合は、名詞として「概ねは~」など主語として用います。文頭に持ってきても、文中に持ってきても、問題ありません。また、「概ねは~」「概ねが~」といった文の、「は」や「が」は省略しても問題はなく意味が通じるため、「概ね~」とすることもできます。場合によっては、「概ねを~」などという形になることもあります。

意味②その状況が大部分を占めるさま・おおよそ

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第二に、「副詞」としての使い方です。こちらの方が普段使う馴染みのある使い方だと思います。前述したように名詞として使われることもありますが、「その状況が大部分を占めるさま」を意味して「だいたい」「おおよそ」と同じように、副詞として使われることがほとんどです。

このように副詞として使用する場合も、名詞として使用する場合と同じように、文頭に持ってきても、文中に持ってきても、意味に大きな影響はなく問題はありません。

ですが、「○○は、概ね~」というように、「~」を修飾するような働きを持つため、「~」の近く、つまり文中に持って来ることのほうが多いかもしれません。

「概ね」の読み方と漢字

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次に、「概ね」の読み方と漢字について見ていきましょう。「概ね」の読み方は、「おおむね」です。この読み方は意外と聞いたことがあるのではないでしょうか。「おうむね」ではないので、間違えないように注意しましょう。「かねがね」と間違う人も多いようですが、送り仮名をつけて読む場合、「おおむね」以外の読み方はありません。

ちなみに、「かねがね」とは、「以前から」「前々から」などという意味になり、「おおむね」とは全く違った意味を持っています。「噂はかねがね聞いている」というように使い、「おおむね」と同じように、ビジネスの場面でも多く使用される言葉です。

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漢字で書く場合、「かねがね」は、「予予」や「兼ね兼ね」と書きます。しかし、これらの漢字は、日常生活ではあまり目にする機会がないのではないでしょうか。ひらがなで書いても当然意味は同じで問題はありませんので、読み手のことを考えても、「かねがね」とひらがなで表記した方が読みやすく、親切かもしれませんね。

「おおむね」の漢字は「木」へんに、「既」と書きます。「概」は音読みで「がい」と読み、「概要」や「概観」などのたくさんの熟語があります。総画数は14画と、画数が多く、難しいように感じますが、常用漢字として広く使用されています。

「概ね」は、漢文訓読に由来する語です。漢文とは、「古い中国の文章」を意味し、訓読とは、「その文章を日本語に合うように読み方を変えた」ということを意味します。そのため漢文訓読に由来する語は、「おおむね」のように独特の読み方をするものが多くあります。

送り仮名に注意

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「概ね」「概」のどちらでも使えますが、送り仮名をつけて「概ね」と書くのが普通です。また、熟語ではなく単体で使用する場合、多くの場合はどちらも読み方は「おおむね」です。熟語で使用する場合は多くの場合、「概」の読み方は「がい」です。送り仮名をつけた「概ね」を「がいね」などと読まないように注意しましょう。

大旨とも書く

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「大旨」との書き方もあり、読み方は「おおむね」または「たいし」です。こちらは現在ではあまり使われておらず、「概ね」がより一般的です。「大旨」と書く場合は、だいたいの主旨(趣旨)を意味します。「概ね」の一つ目の使い方、名詞として使う場合の意味と同じですね。

「概ね」の使い方と例文

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では、ここから「概ね」の使い方を例文とともに見ていきましょう。若干、表す意味のニュアンスに違いがあるのみで、なかなか使い分けが難しいこともありますが、以下、5つの例文を通して「概ね」の使い方をご紹介します。この機会に、「概ね」の使い方を意味するニュアンスの違いとともに一緒にマスターしましょう!

「だいたい」としての使われ方

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例文1つ目は『「だいたい」としての使われ方』。天気予報などでよく聞く使い方です。「概ね晴れるところが多いでしょう」など、「だいたい」という意味で使われています。全ての場所が一日中晴れるというわけではなく、ところによっては、雨が降ることも意味しています。お出かけの際には要注意です!

「わりと」として使われる場合

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例文2つ目は『「わりと」としての使われ方』こちらも聞いたことのあるような表現です。「病気の経過は概ね良好です」など、「わりと」という意味で使われています。この例文の場合、あくまで病気が治りきっていないことも意味しています。しかし、「良い」と「悪い」の2択で考えると、「概ね良好」は「良い」よりの意味になります。

「ほぼ」としての使われ方

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つづいて3つめの例文です。『「ほぼ」としての使われ方』「消費者は概ね満足しています。」など、「ほぼ」を意味する使い方です。多少不満に思うところはあるにしても、おおまかには満足しているという意味になります。逆に言うと、完全に100パーセント満足ではないことも意味していると読み取ることができます。

「全体的・ほとんど」としての使われ方

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つづいて、4つ目の例文です。『「全体的・ほとんど」としての使われ方』「会場の人々からは概ね好評でした」など、「全体的に」「ほとんど」を意味する使い方です。中には一部分に関して、もしくは一部の人から悪い評判があったにしても、全体的に見るとほとんどが良い評判であったという意味です。

逆に言うと、会場の全ての人がすべてに対して良い評価を示したわけではないことを意味していると読み取れます。

目上の人に使える言葉

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例文5つ目です。『「目上の人」と話す際の使われ方』「概ね」という言葉自体は敬語ではありません。ですが、口語より少し堅いかしこまった印象を持つため、目上の人に使っても問題のない言葉です。「売れ行きは概ね好調です」など、ビジネスの場でも広く使用することができます。

このあと、類語でご紹介する「ほぼ」や「ほとんど」などの表現は、意味は同じようですが砕けた印象になり、目上の人へ使う言葉としては不適切になる場合があります。会議などの場でも、「概ね」といった表現の方がふさわしい場合がありますので覚えておきましょう。

以上、例文を挙げましたが、中にはお互いに置き換えが可能なものもあります。言葉の意味だけでは、どの単語を選択するべきか迷うこともあると思います。それぞれの言葉の意味が似ている場合、その言葉を使う場面や、使う相手を考えて語彙を選ぶようにしましょう。

「概ね」はどの程度の割合を意味しているか

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ここまで、「概ね」の意味や使い方、例文を見てきましたが、意味的にも少しあいまいな表現であることにお気付きいただけましたでしょうか。微妙なニュアンスを表現する「概ね」という言葉。実際、「概ね」はどのくらいの割合を意味するのでしょうか?ここから「概ね」があらわす割合について見ていきましょう。

「概ね」が何割かは正確に決まっていない

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「概ね」は、厳密に割合は定義されていません。公的な文章にも使われるような言葉ですが、具体的な数値が決まっている場合には使用せず、感覚的に割合を示すのに使うことが多いです。そのため、割合は決まっていませんが、意味的に8~9割を示して使う人が多いです。

ただ、人によって「概ね」の受け取り方、意味する範囲は違ってくるため、この言葉を使う際、話を聴く際には注意が必要です。

ちなみに、法律の中にも「おおむね」という表現を用いたものがありますが、これは意味の解釈に幅を持たせていると考えられます。「おおむね○○」と数字が後ろに与えられていても、明確に示す数値はなく、実際にその法律を犯した人がいた場合に、ひとつひとつ事例を見ながら「おおむね○○」の度を超しているかどうか、その都度審議しているようです。

トラブルを隠すことに使われる場合もある

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感覚的に割合を示す言葉で、具体的に数値を定めない性質から、詳細まで言及を避けたいトラブルの際にも使用されます。堅苦しい言い方ですが、割合ふわっとした言葉です。逆に、ビジネスの場など、数値がはっきりと定まっている場合は、「概ね」というあいまいな表現は避け、使わない方が良いでしょう。

人によって、「概ね」が意味する範囲は異なるため、誤解やトラブルを招いてしまうことになりかねません。しっかりと時と場合を考えて、使う必要がありますね。

また、数値がはっきりしていない場合でも、ビジネスの場で「概ね」といった表現ばかりを使っていると、あいまいさが際立ち、相手に不信感を抱かせることにもなってしまいかねませんので、使用する頻度にも気を付けましょう。

「概ね」と似た意味の言葉

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少しあいまいな割合を意味する「概ね」という言葉。それでは、「概ね」と似た意味の言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?同じようにあいまいなニュアンスをあらわすものと、そうでないものなど、たくさんのものがありますので、類語、言い換えの表現を、ここから見ていきましょう。

類語・言い換え一覧

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「ほぼ」「だいたい」「おおよそ」「約」「大まかに」「ざっくりと」「総じて」「全体的に」…。この他たくさんの類語、言い換え方があります。ニュアンスには少しずつ違いがあるものの、「概ね」と同じように、割合を意味するものが多いですね。また、そのうち多くの言葉が「概ね」と同じように、厳密な割合が定まっていないように思えます。

類語を使った例文

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つぎに、先ほどの「概ね」を使った4つの例文を、それぞれ類語に言い換えたものを見てみましょう。見てみると、類語同士も置き換えられそうなものが多くあります。置き換えができるのかどうか、置き換えるとどのようにニュアンスが変わるのか考えながらみてみると、なかなか面白いかもしれません。

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類語1つ目は『だいたい』に置き換えられるもの。「概ね晴れるところが多いでしょう」は、「だいたい晴れるところが多いでしょう」と言い換えることが可能です。類語2つ目は『わりと』に置き換えられるもの。「病気の経過は概ね良好です」は、「病気の経過はわりと良好です」と言い換えることが可能です。

類語3つ目が『ほぼ』に置き換えられるもので、「消費者は概ね満足しています」は、「消費者はほぼ満足しています」と言い換えることができます。

類語4つ目は『全体的に』に置き換えられるもの。「会場の人々からは概ね好評でした」は、「会場の人々からは全体的に好評でした」と言い換えることができます。

英語で「概ね」はどう表現する?

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「概ね」を辞書で引いて見ると、「outline」「scheme」「summary」「roughly」「mostly」「in general」など、たくさんの単語、表現が出てきます。意味的にはそれぞれ少しずつ違いがありますね。(ちなみに、同じように、先ほど出てきた「概ね」の類語を辞書で引いて見ても、同じような英単語が出てきます…。)

逆に、日本語では「概ね」といった言葉を入れていても、英語にする場合は「概ね」にあたる言葉を外した方が自然な場合もあります。

これは、他の言葉の英語訳でも言えることですが、日本語をそのままひとつずつ英語に起こすのではなく、時と場合によっては、意味を考えながら意訳することも必要でしょう。

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「概ね」をどういう意味で使いたいのか、名詞として使うのか、副詞として使うのかによって英語の表現は多様に変わってきます。日本語と同様、若干のニュアンスの違いがあるので、しっかりと意味を考えながら、使う単語や使い方を適切に選ぶ必要がありますね。安易な語訳はトラブルのもとにもなりかねませんので、注意が必要です!

ちなみに、「概ね」という言葉は、中国語、韓国語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロシア語など、それぞれの言語で表すことができます。

ただ、やはり言語によって、また、選択する単語によって少しずつ意味するニュアンスが違ってくるので、どの言語で表現するにしても注意が必要な語であるといえます。

「概ね」は「だいたい」「おおよそ」を意味する言葉

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ここまで、「概ね」の意味や使い方、例文や類語をそれぞれ詳しく見てきました。どの使い方でも、「だいたい」「おおよそ」といった割合をあらわすような意味を持つことを理解していただけたかと思います。具体的な割合を示さず、微妙なニュアンスを感覚的に伝える「概ね」は、とても日本語的な表現かもしれません。

あいまいさを持った言葉なので、使う際には注意も必要です。これから、「概ね」をスマートに使いこなし、日頃の言葉をより機微まで伝えてみましょう!

sh1ta
ライター

sh1ta

よろしくお願いいたします!

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