「先見の明」の意味とは?
「彼は、先見の明があるね!」「先見の明の持ち主だ」といった表現が使われる「先見の明」。今回は、「先見の明」の意味について解説していきます。「先見の明」はよく読み方を間違って覚えている人が多い言葉でもあるので注意して読み方を覚えてましょう。
「先見の明」の読み方は「せんけんのめい」です。正しい読み方を覚えて下さい。「先見の明」の意味にはどんな意味があるのか、確認していきましょう。また、今回は、「先見の明」の意味とともに由来や類語についてもレクチャーしていきます。
正しい「先見の明」の使い方も例文を交えて解説していくので、分かりやすく理解しやすくなっているので必見です。また、「先見の明」のある人とはどういった特徴の人のことをいうのかも、ご紹介していきましょう。
「先見の明」について正しい理解ができていたのか、ここでしっかりと確認していくことができます。それでは、「先見の明」の意味から詳しく解説していきましょう。
意味「事が起こる前に、それを見抜く見識」
「先見の明」の読み方は「せんけんのめい」という読み方とします。「せんけんのみょう」という読み方や「せっけんのめい」という読み方は間違った読み方になるので注意しましょう。正しい「先見の明」の読み方は「せんけんのめい」です。
「先見の明」の意味には、「事が起こる前に、それを見抜く見識」という意味があります。「先見」の意味には、「事が現れる前に見抜く」「先を見通す」という意味です。
「明」の意味には、「離の明らかで疑いない」という意味「理を弁別する知力」という意味あるのです。この「明」の意味と「先見」の意味が組み合わされます。
この「先見」の意味と「明」の意味が組み合わさった意味「先々を予測し、的確に判断する力」という意味が「先見の明」にはあります。また、「将来を予測して、見抜く見識」をいう意味の言葉が「先見の明」の意味となります。
「先見の明」には、将来を見通す力というだけの言葉ではなく、実際に行動を起こすことという意味も含まれる意味があり、対応能力や行動する能力を意味する言葉でもあるのです。
「先見の明」は、ビジネスの場面でもよく使われる言葉の意味でもあります。ビジネスで成功した理由やリスクに対する備えについてスピーチする場面でよく聞く意味の言葉になっています。
「先見の明」の由来
「先見の明」の由来は、中国の「後漢書」の中にある「楊彪伝」に「先見の明」が由来とされています。「先見の明」には、この「楊彪伝」に出てくる楊彪が話した言葉が由来になっているのです。「楊彪伝」はどんな話になっているのか詳しく解説していきます。
「先見の明」の意味の由来「中国の「後漢書」である「楊彪伝」」
「楊彪伝」の主人公である「楊彪(ようひょう)」は、中国後漢末期から三国時代の政治家・学者で、命運が尽きたと判断したことで宮中に行かなくなったのです。
その時に、楊彪(ようひょう)の子供が曹操(そうそう)に仕えていたのですが、曹操(そうそう)の不興を買うこととなってしまいます。結果、楊彪の子供は処刑されてしまうのです。
楊彪は、曹操に会って話しをするのですが、楊彪が大変痩せていたのを気に掛けます。そして、どうしてそんなに痩せてしまったのかその理由を曹操が尋ねる場面があるのです。
そこで「私に金日磾のような「先見の明」がないことを恥じたからです。老牛が、子牛を舐めて愛おしむようなものです」と楊彪は答えたことが由来とされています。 金日磾(きんじつてい)は、政治家の人で子供がいました。
その子供は、大きくなるにしたがって、女遊びをしてしまいます。このままではいけないと、金日磾は自分の子供を殺してしまうのです。
このことを、楊彪は曹操に、対して「金日磾は自分の子が後々迷惑をかけることが分かっていたので手をかけたんだ。しかし、自分はそれができませんでした」と伝えたとされています。このことが「先見の明」の由来とされているのです。由来を知ることでより意味への理解が深まるでしょう。
「先見の明」がある人の特徴
「先見の明」のある人の特徴にはある共通した特徴があります。「先見の明」がある人の特徴にはどんな特徴があるのかご紹介していきましょう。自分には、「先見の明」があるのかないのかチェックしながら読み進めてみて下さい。「先見の明」がある人の特徴とは?
危機回避能力が高い
「先見の明」がある人の特徴として、危ない場面を回避する能力が非常に高い特徴があります。「先見の明」がある人は、先を見通す能力が優れているので「どんな危険があるのか?」「リスクはどこにあるのか?」と常に敏感に感じているのです。
そのため、危険なことやリスクを察知する能力がずば抜けていいという特徴があります。危険を回避して失敗を最小限にすることができるという特徴があるのです。
例えば、危険な夜道など、女性が1人で歩くのは危険です。危機回避能力が高い女性は、誰かと一緒に歩いたり、そもそも夜道を歩かないという意識を常にもっています。
そのため、危険な目にあう確率も非常に低くなるのです。こうやって自分の身を守ることに対して、常に敏感に反応する人が「先見の明」がある人の特徴になります。
計画性がある
「先見の明」がある人の特徴として、計画性があることが特徴としてあります。「先見の明」がある人というのは、先を見通して行動する力がある人です。そのため常に理想とする姿をはっきりともっている特徴があります。
理想する姿がはっきりとしていると、ゴールに向かってどうやって進んでいけばいいのかが明確です。計画も合理的に立てることができるので、何事に対しても計画的に進めることができる人を「先見の明」がある人と呼ばれます。
例えば、就職活動において、自分の本当にやりたいことが明確になっている人というのは、どんな資格が必要なのかどんなスキルが必要か、計画を立てて自分のやりたいことに向かっていきます。意味ある行動を取ろうとするのが「先見の明」のある人です。
自分のやりたいことが分からない人というのは、計画を立てても「やっぱり違う」となかなか前に進まないという特徴があるのです。「先見の明」がある人は、そういったことがなく確実に意味ある行動を計画立てて進んでいくことができる特徴があります。
強い信念の持ち主
「先見の明」のある人は、自分の信念を強くもっているという特徴があります。そのため、ぶれることなくゴールに向かって突き進むことができる特徴があるのです。ぶれてしまうと、なかなか順調に進まないことがあります。
「先見の明」がある人は、ぶれない強い信念をもった人という特徴があるのです。強い信念がない人というのは、簡単に人の意見に左右されるという特徴があります。
例えば、自分はこの資格をとろうと決めたとします。強い信念のある「先見の明」のある人は、合理的に計画を立ててその資格を取得するために行動を起こしていく人です。
しかし強い信念がない人は、資格取得に当たって友達や家族に「そんな資格もっていなくてもいいんじゃない?」「それよりも他のことした方がいいよ」「資格の勉強をするくらいなら、これをしてみない?」という周りからの言葉に簡単にぶれてしまいます。
友人や家族以外でもテレビやインターネットで見聞きした情報を鵜呑みにして、資格取得を諦めてしまうこともあるのです。結局自分の信念は弱いために、何もすることができないということになってしまいます。
一方「先見の明」がある人は、強い信念があるのでどんなに周りから、色々なアドバイスや情報をもらったとしてもその信念がぶれることがありません。
自分の目標とするものに向かって計画を立てて、進んでいくのです。例えテレビやインターネットでよさそうな情報を見かけても、自分の信念を貫くのが「先見の明」のある人の特徴になります。
合理的に行動をする
「先見の明」がある人は、常にゴールが明確にあります。そのためゴールに向かうための合理的な方法をとって行動をしている特徴があるのです。「先見の明」がある人の行動には、全て意味のある行動です。意味のない行動はあえてしません。
無駄な行動がないので、そつなくこなしていきます。このような特徴は、時として理屈っぽくて融通がきかないという印象をもたれてしまうことがあります。意味が見出せないと出来ないというデメリットもあるのです。
「先見の明」の類語と意味
それでは、「先見の明」の類語とその類語の意味についてご紹介していきましょう。「先見の明」の類語とその意味を知ることでより「先見の明」への理解を深めることができます。「先見の明」の類語とその意味と使い方についてご紹介していきましょう。
「先見の明」の類語の意味と使い方
「先見の明」の類語には「先見性」と「慧眼」があります。それぞれの読み方は、「先見性」の読み方が「せんけいせい」という読み方で「慧眼」の読み方は「けいがん」という読み方をします。それぞれの意味と使い方についてご紹介していきましょう。
先見性
「先見の明」の類語として「先見性」があります。「先見性」の意味には、先を見通す力」という意味です。「先見の明」と同じ意味での使い方ができる言葉の意味になっています。「先見性」の使い方として「どの時代であっても、優れた指導者というのは先見性があります」という意味の使い方です。
慧眼
「先見の明」の類語として「慧眼」があります。「慧眼」の意味には、「物事の本質を見抜く力」という意味があって、「先見の明」と同じ意味として使うことができる言葉になっているのです。
「慧眼」の意味の使い方は、「社長の慧眼によって、私の才能が発掘されたのです」という意味の使い方ができます。これは「社長の物事の本質を見抜く力で私の才能が発掘だれたのです」という意味の使い方となるのです。
「慧眼」の由来は、仏教用語である「えげん」が由来とされています。同じ言葉でも「けいがん」と「えげん」という2つの読み方がある言葉でもあるので、「慧眼」を使う場面や状況によって2つの意味を使い分ける必要のある言葉になっているので注意しましょう。
「先見の明」の使い方
それでは、「先見の明」の意味が分かったとことで「先見の明」の使い方を例文をいくつかご紹介しながら解説していきましょう。「先見の明」の使い方は例文を読めばよく分かるようになっています。どんな使い方をするのか、使い方例文を参考にしてみましょう。
例文①
「先見の明」の例文①として「先見の明がある」があります。「先見の明がある」を使った使い方例文をご紹介していきましょう。「彼女には、先見の明があるんだな。投資で失敗したことがないんだよ」「彼女には、将来を見通す先見の明があるのです」という使い方例文となります。
例文②
「先見の明」の使い方例文②として「先見の明を鍛える」があります。「先見の明を鍛える」の使い方例文をご紹介します。「君は、先見の明を鍛える必要がありそうだな」「先見の明を鍛えるにはどうしたらいいんだい?君の先見の明を鍛えた方法を教えてくれよ」という使い方例文です。
例文③
「先見の明」の使い方例文③として「先見の明を身につける」があります。この「先見の明を身につける」と使った使い方例文として「先見の明を身につけるということは、生きていくうえで非常に重要なことだよ」
もう1つの例文として、「先見の明を身につけるにはどうしたらいいのか教えて欲しいよ」という使い方例文となります。
例文④
「先見の明」の使い方例文④として「先見の明を持っている」があります。「先見の明を持っている」を使った使い方例文をご紹介していきましょう。「彼のお父さんは、優れた先見の明を持っているんだね」「先見の明を持っている人と結婚しなさい」という使い方例文となるのです。
「先見の明」の注意点
「先見の明」を間違った使い方として「先見の目」という表現で使っている人がいます。ここで注意してもらいたいのが「先見の目」は間違った表現になるので、使わないようにして下さい。「先見の明」と「先見の明」は違うので注意するようにしましょう。
「先見の目」は間違った表現
「先見の明」と「先見の目」は発音が似ているので話している最中に「先見の目」と発してしまうことがあります。これは、間違った表現で正しい表現は「先見の明」のなります。
「先を見る目」という雰囲気で「先見の目」は間違っていないように感じる方も多いかも知れませんが、正しくは「先見の明」なので、覚えておいて下さい。
「先見の明」は「事が起こる前に、それを見抜く見識」という意味
「先見の明」について意味や由来、類語や使い方についてご紹介してきました。「先見の明」の意味には、「事が起こる前に、それを見抜く見識」という意味があります。
「先見の明」の由来は、中国の「後漢書」である「楊彪伝」が由来とされているので覚えておきましょう。「先見の明」の類語には、「先見性」や「慧眼」があります。
そして、「先見の明」のある人の特徴についてもご説明してきました。「先見の明」がある人は、常に危機回避能力を働かせ、失敗を回避する能力が高いという特徴があります。また、計画性があって合理的に行動する力をもった人でもあるのです。
「先見の明」の間違った表現として「先見の目」があり、正しいような雰囲気はありますが、間違った表現になるので使わないように注意して下さい。