センシティブの意味とは?
ビジネスや友人との会話の中で「センシティブ」という言葉が出てきたことはありませんか?また、Twitterを開いたときに「センシティブな内容が含まれているため表示できません」というメッセージが表示された経験はありませんか?
このように、生活している中で触れる機会のある「センシティブ」という言葉について、正しい意味や使い方をご存知でしょうか。
皆さんの生活に馴染んでいるTwitterでも見かける「センシティブ」という言葉について、Twitterの画面に表示される事例を紐解いてみましょう。
このTwitterの事例では、開いたTwitterのページに、Twitterが「センシティブ」と定めた内容が含まれていることで表示されるワードです。Twitterが定める「センシティブ」とは次の5つの内容を指しています。
写実的な暴力表現、成人向けコンテンツ、強姦および性的暴行に関するコンテンツ、グロテスクなコンテンツ、ヘイト表現を伴う画像の5つがTwitterの定める「センシティブな表現」です。
開いたTwitterのページがこのいずれかにあたるとTwitterが判断した場合、ツイートの画像の代わりに警告メッセージが表示されることがあります。
ちなみに、Twitterでこららを表示するためにはセキュリティ設定を行う必要がありますが、方法はデバイスごとに異なります。iPhoneでは、Twitterの「プライバシーとセキュリティ」という画面の中で設定可能です。
この設定を行うことで、Twitterがセンシティブと定めた画像を表示させることができます。ここでTwitterが使っている「センシティブ」は「微妙で慎重を要する」画像というような意味で使われています。
このようにTwitterなどの身近なところでも使われている「センシティブ」ですが、言葉に馴染みが無いという方も多くいらっしゃるでしょう。そこで今回は「センシティブ」の正しい使い方や類語・対義語そして英語表現を詳しくご紹介していきます。
センシティブの語源
まずは「センシティブ」の語源から確認していきましょう。日本で使っている「センシティブ」の語源は英語の「sensitive」です。センシティブには「名詞」と「形容詞」の2つの使い方があります。
名詞での使い方は「傷つきやすい人」「感受性の高い人」「霊感のある人」など、「人」の説明に対しての使い方をされるのが特徴的です。
なお、英語の「sensitive」の語源は「sense(センス)」です。「sensitive」は「感覚、意識、(美的)センス」という意味をもった「sense」から派生した言葉であり、英語では形容詞としての使い方をされています。
センシティブの特徴
ここで「センシティブ」の意味を紹介しながら、センシティブの特徴を紹介しておきます。先ほどのTwitter事例の様な使い方もありますが、センシティブには(外の刺激などに対して)「敏感な」「傷つきやすい」「影響を受ける」などの意味があります。
先ほど紹介した、名詞としての使い方と同じような意味になります。でも実はセンシティブという言葉には、対象によって少し意味が違ってくるという特徴があります。
ここではセンシティブの特徴である、対象による意味の違いを紹介していきます。少し難しいかもしませんが、理解を深めてください。
対象によって意味が変わる
センシティブという言葉は、様々なジャンルで使われることがありますが、どのジャンルで使われるのかにより、その意味が変わります。ここでいくつか紹介しましょう。
アート作品や美術、芸術などが「繊細な」「微妙な」「感性溢れる」様を表す意味も持っています。他人に対してセンシティブという言葉を使う場合は、「親切な」「思いやりのある」という意味になります。
情報や技術に対して使用する場合は、取り扱いが「機密である」「公にできない」「慎重に取り扱うべき」という意味になりますし、金融市場において「不安定な」状態を表す場合にセンシティブという使い方をされることもあります。
その他の例では、肌の状態を表すときには『敏感な』という意味に。計器や機械で使われる場合は『高感度の』という意味として使われます。
このように様々なジャンルで使われ、それぞれに少しずつ意味が違ってくるのがセンシティブです。基本は『繊細な』という意味で、それぞれのジャンルに合致する『繊細な』というイメージを当てはめていくことで大よその理解ができるのではないでしょうか。
センシティブの類語
センシティブの意味について紹介してきました。センシティブは使われるジャンルによって意味が少々変わってくることがご理解いただけたのではないでしょうか。
さてここで、センシティブの意味やニュアンスをもう少しつかんでいただくためにセンシティブの類語と対義語を紹介しておきましょう。似た言葉である類語や、反対の意味である対義語を理解するとセンシティブの持つ意味が更につかめます。
センシティブには「感じやすい」「取り扱いに注意が必要」という意味合いがあり、この様な意味を持つ類語には「センシティブ」「デリケート」「ナイーブ」といった類語があります。
他の類語でカタカナ語でない物には「感じやすい」「神経質」「過敏」などがあります。言い換える場合は文脈によって適切な類語を選ぶようにしましょう。
一方、センシティブの反対語は「敏感」や「感じやすい」という意味と反対の「鈍感」「無感覚」「無神経」などが挙げられます。ではここから類語や反対語、そしてセンシティブに似た言葉の意味を紹介していきましょう。
デリケートの意味(類語)
まずはセンシティブの類語である『デリケート(delicate)』の意味を紹介しましょう。デリケートは、『感受性が強い』『繊細な』『細心の注意を払う必要がある』『こわれやすい』などの意味があります。
「デリケートな問題」や「デリケートな人」のように使われることが多く、センシティブと同様の意味で使われることも多いのですが、例えば「センシティブなカメラ」は「高感度なカメラ」ですが、「デリケートなカメラ」は「壊れやすいカメラ」になります。
デリケートな素材で作られた服(破けやすい素材)、赤ちゃんの肌はデリケート(細心の注意を払わなければならない。)などとして使われます。物に使う場合は「壊れやすい」という意味が含まれるので注意しましょう。
デリケートな顔立ちの様な使い方をする場合は「優美で繊細な顔立ち」という意味になります。これらの使い方から、デリケートはセンシティブの類語ではあるものの、少し意味合いが異なることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
ナイーブの意味(類義語)
「ナイーブ(naive)」という言葉もセンシティブの類語として紹介しておきましょう。ナイーブは「繊細な」「傷つきやすい」といった意味があります。人の特徴を示す場合は「センシティブ」や「デリケート」と同じ使い方ができます。
英語(naive)では「世間知らず」「だまされやすい」「無邪気」というニュアンスが強く、日本語の感覚で使うと少し違う意味に取られてしまうので注意しましょう。
もともと「naive」はフランス語で、良い意味では「素直な」「無邪気な」。一方で「鈍感」「ばか正直」という悪い意味を持っています。日本での「ナイーブ」はフランス語の良い意味から「感受性が強い」に発展したといわれています。
そのため、日本人以外の方との会話において「ナイーブ」という言葉を使った場合、大抵は「鈍感で無邪気な正直者」の様な悪い意味で受け取られてしまいます。本来は「感受性の強い素直な人」と伝えようとしていたにも関わらず。注意して言葉を選びましょう。
インセンシティブの意味(対義語)
センシティブの類語を紹介しましたので、次は対義語であるインセンシティブを紹介しましょう。意味は「鈍感な」「無神経な」となります。英語では「insensitive」と表記され、「in」を頭につけると後の単語を否定する働きがでます。
その為「sensitive」に「in」がついた「insensitive」が反対語になるということになります。英語で対義語を考えると非常に判りやすいです。
例文としては、「インセンシティブな発言(無神経な発言)」や「インセンシティブな態度(鈍感さ)」などが挙げられます。日常生活ではあまり使う機会はないかもしれません。
センシブルの意味(似たようで違う言葉)
センシティブと似たような発音、つづりの言葉に「センシブル」という言葉があります。英語表記ではsensibleになり、意味は「分別があるさま」です。センシブルも英語の「sense」から派生した言葉で、他に「聡明な」「思慮深い」などの意味があります。
センシブルを使った例文として、「彼はセンシブルだ(彼は物事をよく理解している)」「もっとセンシブルな選択をすべき(もっと思慮深く良識ある選択をすべき)」などが挙げられます。
センシティブとセンシブルは似たような言葉ではありますが、その意味合いは全く違ってきますので、間違えないように注意しましょう。
センシティブの使い方
ここまで、センシティブの意味や特徴、類語や対義語を紹介してきました。ここまででセンシティブの大よその意味はつかめたのではないでしょうか。
さて、センシティブは名詞と形容詞としての使い方があると紹介しましたが、形容詞として「センシティブ」を使う場合も様々な意味があります。
ビジネスシーンで使用する場合は主に「感じやすいさま」と「微妙で慎重を要するさま」といった意味で使われることが多いので、この2つのケースでの例文、そして英語での例文を意味の違い毎に紹介していきましょう。
例文①「感じやすいさま」
センシティブは感受性が豊かなことを指すのが本来の意味ですが、「センシティブな人」という表現をされた人は「神経質で扱いづらい人」という、どちらかというとネガティブなイメージを指していることが多いのはないでしょうか。
この感受性豊かな、という意味でセンシティブを使った例文を紹介しましょう。例えば、「彼女はセンシティブな人だ。」彼女は繊細な心を持った女性であるということが伝わります。
「彼はセンシティブな一面を持っている。」この様に使われた場合は、印象としてはややネガティブな面を持ち合わせている男性であるということが感じられます。
例文②「微妙で慎重を要するさま」
センシティブのもう一つの意味である「微妙で慎重を要するさま」を表す例文も紹介しましょう。人を表現するよりも、物事が「微妙」、物事の「取り扱いに注意を要する」ことを表す際に使うことが多く、例文も物事を指します。
「これはセンシティブな問題だから慎重に扱わなくてはいけない。」この場合は、扱い方によっては悪い方向に物事が進む可能性がある為、慎重に扱わなければならないという状況が感じられる例文です。
「このコンテンツにはセンシティブな内容が含まれている。」これは、冒頭に紹介したTwitterの事例に近い内容です。Twitterの場合はある意味微妙な、取り扱いに注意すべきコンテンツが含まれてた画像が表示されないということでした。
例文③「敏感さ/神経質さ(英語)」
ここからは、少し英語の勉強のようになりますが、英語のsensitiveを使った英語の例文を紹介します。英語の勉強がてら、読み進めてください。まずは「精神的な敏感さや神経質さ」という訳し方をする例文を紹介します。
「He is so sensitive to criticism.」criticismは批判や非難という意味の単語ですので、日本語に訳す「彼は批判にとても敏感」となります。
「I used to be a sensitive child.」used to beで昔は~だったという意味になりますので、日本語に訳すと「私は昔、神経質な子供だった。」となります。
あと少しだけ、英語の例文を紹介しましょう。「My daughter is so sensitive to other people’s opinions.」daughterは娘。opinionsは意見という意味の単語です。日本語訳は「娘は他人の意見にとても敏感だ。」となります。
最後の例文は「A lot of people say that most Japanese people are more sensitive than westerners.」westemersは「西洋人」という意味。多くの人がthat以下のことを言う。that以下は「日本人は西洋人に比べてセンシティブである」となります。
例文④「慎重に扱うべき話題(英語)」
続いてはsensitiveを「慎重に扱うべき話題」という意味で使用する場合の英語の例文を紹介しましょう。先ほどとの違いを感じながら確認してください。
「We tend to be afraid to talk about sensitive topics, such as politics.」。tend toは~する傾向にある。politicsは政治なので、「私たちは、政治など慎重に扱うべきことを話題にするのを恐れる傾向がある」という訳になります。
続いては「We should shred sensitive documents.」shredはシュレッダーにかける、なので、「機密文書はシュレッダーにかけるべき」となります。
例文⑤「身体的な敏感さや神経質(英語)」
最後に「身体的な敏感さや神経質」という意味でsensitiveを使う英語の例文を紹介します。「I have sensitive skin.」こちらは特に説明の必要もないかもしれません。sensitive skinで敏感肌と訳し「私は敏感肌」という訳になります。
「I’m sensitive to the cold.」cold=寒さに対してsensitive=敏感、なので「冷え性」という訳になります。「My cat is sensitive to sound.」こちらも上と同じで、「私の猫は音に敏感。」となります。
以上で日本語、英語でのセンシティブ(sensitive)の例文紹介は終了です。例文を読みながら、意味や使い方への理解を深めてください。
センシティブの注意点
日本語や英語での「センシティブ」の意味と使い方を紹介してきましたが、日本語のセンシティブは基本的には英語とほぼ同じです。英語のsensitiveの意味も「敏感な」「感覚のある」となります。では、ビジネスシーンではどのように使われるのでしょうか。
ビジネスシーンでの使い方
ビジネスシーンで「センシティブ」を使う場合は「センシティブな取引」「センシティブな契約」「センシティブな交渉」などの使われ方をします。
これらの例示から感じられるのは、少し動き方を間違えると失敗につながってしまう様な、微妙な場面であることがイメージされます。その様な、細心の注意を払う必要があるような微妙な状況に使われることの多い言葉です。
センシティブは「微妙で慎重を要するさま」という意味
いかがでしたか。「センシティブ」の意味や使い方はご理解いただけたでしょうか。センシティブは英語の「sensitive」を語源とし、「感じやすいさま」「微妙で慎重を要するさま」を意味します。
そして対象によって意味が変わり、その意味も多岐にわたる言葉です。全てを記憶する必要はありませんが、大よそのニュアンスを覚えておき、状況に応じて使うようにしましょう。